それでは第19話どうぞ!!
夜が明け、太陽が地上に顔を出すころに、窓から入ってきた太陽の光でアイリスは目を覚ました。
「んっ。ふあ~…今何時なんでしょう?」
時計を見たところ、まだ朝の4時30分だった。
「どうしてこんなに早く?……あ。そういうことでしたか。」
今自分たちがいる場所は空。それならば、太陽を見るのは、高度が高い自分たちが早い時間に太陽に会うのは、当たり前のことだ。
「やっぱりカーテンが欲しいですね。窓には、まだ備え付けられてもいないし、アクセルに着いたら買うのでしょうか?」
これからのことを考えても仕方がないので、とりあえず自分自身の今この後のことを考えることにした。
「さて、どうしましょうか?もう一度ベッドで睡眠をとるのもいいですが、もう太陽が上がって、光がたくさん入ってきて、とても寝られる状況でもないですし…とりあえず着替えてから、下に降りてみましょう。もしかしたらくれめうさんが起きているかもしれないし。」
そう考えると、アイリスは自分の服がしまってあるカバンの近くでパジャマを脱ぎ、普段着を着て、家の1階に降りて行った。リビングのドアを開けると、ソファの上で毛布が呼吸しているのが見えた。そのソファに近づき、まわりこむと、くれめうはぐっすりと睡眠をとって、寝ていた。アイリスはソファの近くにテーブルに設置してある椅子を持ってきて、そこに座り、くれめうの寝顔を見る。
(まだ出会ってから2日とちょっとだけど、くれめうさんにはとても大人っぽい印象がありました。見た目だけなら私ともそこまで差はないだろうと思っていたけど、話したり、彼の考えを聞くと、カズマお兄様よりも大人と感じることや本当に私と3歳差?と思うこともたくさんありました。でもこうして無防備なくれめうさんの寝顔を見ると、子供っぽい印象がやっぱり強く感じます。)
くれめうの頭にアイリスは手を伸ばし、軽く頭を撫でた。
「くれめうさん。まだ出会って少ししか経ってないですが、いつも私のためにありがとうございます。私もあなたの友として頼られるような存在になるために頑張るのでこれからもよろしくお願いします。」
アイリスはそう言うと、なでていた手をくれめうの頭から離し、くれめうが起きるまで、自分もここで待とうとそこでくれめうの様子をただただ見ることにした。しかし、部屋が少し薄暗いのと、あまりにもくれめうの寝顔が気持ち良さそうなのを見て、アイリスも30分も経たないうちにまだ椅子で寝始めるのであった。
朝9時、くれめうは今までの疲れもあってか、いつもの起床時間よりも遅かった。しかし、そのおかげか今までの疲れが吹き飛んだようなすがすがしさが今のくれめうの中にはあった。
「ふぁ~!よく寝た~!さて飯でも作らないとな。…ん?」
少し遅めの朝食を作ろうと立ち上がると、自分が寝ていたソファの横に、アイリスが椅子に座って寝ているのを発見した。
「何でこんなところに?…………まあいいか。寝かせておくか。」
くれめうはアイリスに起きないようにそっとお姫様抱っこで自分が寝ているソファに降ろし、自分が使っていた毛布をそっと掛けた。
「朝飯は、パンだし置手紙して置いとけば、勝手に食べるだろ。さて俺は、アイリスに教えるための魔法のおさらいでもしとこうかね。」
そう言って、くれめうは自分のパンを持って、自分の研究室に向かっていった。
朝10時、アイリスは、2度目の起床をした。
「あれ?いつの間に私は寝ていたんでしょうか?それにこの毛布も…」
よく見れば、くれめうが寝ていた時に使っていた毛布だった。それに自分が寝ている場所も椅子からソファに変わっている。
「またくれめうさんに甘える形になってしまいました。……こんなところに紙が」
読んでみると、
おはようアイリス。朝食は、テーブルの上に置いてあるサンドイッチでも食べてくれ。それでアイリスが魔法のことや冒険者カードのことについて改めて聞きたいと言ってたことな。その話は、昼食が終わった後でやろう思う。話が終わったら、少し実践もやるから、装備も軽く整えてから、来てくれ。じゃあまた後でな。
手紙を読んで、アイリスは、サンドイッチを食べて、2階に上がり、昼食まで武器の手入れをしたりして時間をつぶした。そして昼食を食べて、いよいよくれめうの話が始まった。
「さて、それじゃあ一個ずつ説明していくからな。」
「はい!よろしくお願いします!」
くれめうは、まず自分のポケットから冒険者カードを出し
「では、まず冒険者カードについて説明するぞ。冒険者カードとは、冒険者ギルドに登録したまあ、身分証や免許証みたいなものだ。これに初回に一度触れるだけで、その所有者のあらゆる能力を自動的に数値として、表示されるようになっている。他にも自分の能力値も出される。これは、ステータスというんだが、それぞれ『筋力』『生命力』『知力』『魔力』『器用度』『俊敏性』『幸運』とそれぞれ7つに分けられる。ただ、身長や体重、年齢という身体的特徴については、自分で登録しないといけない。これは冒険者ギルドで作ったときにアイリスもやったよな?」
「はい。」
「登録後は、このカード自体に触れるだけでスキルを習得したり、ほかにも自分のステータス、レベル、修得したスキルや魔法を見たり、モンスターの種類や討伐数なども自動で更新される。正直俺としては、これが一番この時代では逸脱してるほど便利なものだと思う。」
「今まで当たり前だと思っていましたが、確かにものすごく便利なものですね。」
「まあだから、これは絶対に無くさないようにな。 さて次はレベルについての話をしようか。レベルとは、経験値をもとにその冒険者の強さの基準となる数値のことだ。経験値というのは、モンスター、ほかにもあるがまあ自分の他の存在を殺すなどするとその他の存在の力の一部が自分に吸収された数値のことを経験値と呼ぶ。その経験値をためていって、自身の中ある一定のラインを超えることでレベルアップということになる。話から察してもらえると助かるんだが、自身のレベルアップというものは、過去の自分に打ち勝つという意味もあり、人それぞれにレベルアップの基準に厳しいだとか緩いだとか個人差が発生する。上級職の人間は、もともと求められている数値が中級、下級とは比べ物にならないほど高いから、なかなかレベルが上げにくいんだ。だから、最初から上級職になれるのは極めて貴重であり、生活の環境が豊かな貴族や特殊な種族にくらいしかなれないんだ。そうでもない人はたいてい何年も月日をかけて、経験を積んで上級職になれるってわけだ。さてここまではいいか?」
「はい!大丈夫です。」
「よし!じゃあ次はスキルについて説明するぞ。スキルとは、冒険者カードで習得することができる様々な技能のことだ。魔法も冒険者カードで習得することができるがそれは、後の話でしよう。スキルは使用することでスキルレベルが上昇し、スキルの威力や効果、使い勝手がよくなるんだ。さてスキルを習得するには、スキルポイントが必要になってくる。スキルポイントとは、レベルアップやまた本人の才能に応じて初期からポイントがもらえるようになっている。このスキルポイントで、スキル・魔法・スキルレベルの上昇などに自分で好きなように振り分けられるようになっている。ただし、いったん振り分けてしまうと、もう後からまた振り分けなおすことはできないから、よく考えて使うようにな。それに技能の方のスキルは……そうだな。例えば剣術などのスキルももちろん存在するんだが、自分の鍛錬次第でスキルよりも強くすることだってできるぞ。まあそれ相応の努力がいるがな。」
「自分を信じて、あえてスキルを取らないことで実践への取り組み方が変わってくるんですね。」
「まあ、そういうことだな。でも自身を補助するためのスキルだ。取っておいて損ということはみじんもないからな。その辺は勘違いするなよ。」
「はい。分かりました。くれめうさん。」
アイリスは、返事をすると、いったんくれめうは、ふ~と息を吐いて、水を飲む。
「とりあえず、冒険者カードについては、ざっくりだが説明させてもらったが、アイリス。どこか分からないところとかあったか?」
「いえ…大体のことは分かりました。ありがとうございます。くれめうさん。」
「そうか。それは何よりだ。じゃあ次は、お待ちかねの魔法の話だ。」
「私、魔法についての知識はさっぱりでただ何となく使えるだけなので、知れるのはとてもうれしいです!」
「そうかなら良かったよ。じゃ始めるぞ。」
「はい!よろしくお願いします!」
アイリスの返事にくれめうは小さくうなずき、息を吸って話し始めた
「魔法とは、おのれの中にある魔力を操作し、それを放出することで何らかの形で発動させるものだ。魔法の習得には、スキルと同じようにスキルポイントで習得することができる。だが仮に習得できたとしても、使えない場合がある。それは、単純にその魔法を使う術者の魔力が足りていない場合だ。本人の魔力値は日によって、多少変化するが基本は同じだ。そして使った魔力の回復は、一番いいのは睡眠をとることだ。夜寝て朝起きれば、全快してる。もう一つは吸魔石という石であらかじめ魔石に自分の魔力を入れて置き、必要になったら、魔石から魔力を取り出すことだ。まあこれまでが魔法の習得や補給の方法だな。分からないところとかないか?」
「はい。大丈夫です。」
「じゃあ次は魔法についての詳しいことだ。アイリス、魔法を使うにはどのような手順が必要だ?」
「えっと、まず自分が使う魔法を冒険者カードにスキルポイントを使って習得して、その魔法名を言いながら魔力を使えば発動するでしたっけ?」
「ああ。完璧だ。そう魔法を使うのは、魔力を持っていれば、素質があろうとなかろうと冒険者カードにスキルとして魔法が登録されていれば誰でも魔法が使えるようになっている。これが俺たちがずっと魔法だと思っていた概念だ。しかし、スキルの魔法は、威力を変えるのは、よりたくさんの魔力が必要になってくる。そして魔法それぞれの威力は、どんなに頑張っても、初級の魔法は絶対に中級の魔法よりは大きくできないよう威力が設定されている。これは、なぜだと思う?」
「え~と………すいません。分からないです。」
「いや気にするな。答えはそれより上の出力で魔法を使うとその登録されている魔法に故障が発生してしまうからなんだ。」
「故障とは?」
「要するに本来の魔法の用途があらかじめ決まっていて、それに違反するような使い方をすれば、その登録された魔法の概念を否定してしまい、冒険者カードが故障するということなんだ。このカードは持ち主の魔力や生命力様々な力を正確に知るために持ち主と常にリンクさせている状態なんだ。だから魔法の修行をしなくても、いきなり使えるようにどのような魔力の使い方をすればその魔法が使えるかをカードを通して持ち主の魔力に自然に覚えさせるようになっているんだ。言うなれば、勝手に覚えさせてくれる魔法の教材みたいなものなんだ。まあこれも一種の魔道具という認識で構わないと思う。何か聞きたいことはあるか?」
するとアイリスは手を上げ
「はい!魔法の威力を向上させるスキルでも、絶対に上の階級の魔法には、届かないということですか?」
「まあ、そういうことになるな。だから魔法の威力向上は、大体上級魔法が一般的だ。基本終わりがないからな。」
「さてアイリス。これまでが今までの冒険者カードでの魔法の使い方だ。じゃあなぜみんな冒険者カードを使って魔法を使っていると思う?」
「その方法しか魔法を使えないからですか?現に私も冒険者カードを作ってから、魔法を使えましたし。」
アイリスの答えにくれめうは首を横に振り
「残念外れだ。答えはその方法しかみんな知らなかったからだ。正確には今の時代の人限定だな。かなり昔は、そんなカードが出回っていない時代。この前話したよな。この家を動かしている設計図のもとになったかつても魔法大国のこと。」
「はい。」
「その時代の文献によると、昔は、冒険者カードも使わずに魔法を使用していたらしい。」
「え!?本当なんですか!?」
「ああ。話をつづけるぞ?その文献によれば、魔法には、ある決まった型が存在しているらしい。」
そう言うとくれめうは、テーブルに紙を置き、その紙に八芒星を描き、一番上にペンで指し
「上から時計回りに言うぞ。『火』『水』『光』『雷』『風』『音』『力』『命』というように8つの型でこの世界を形作っている。なんで魔法を使えるようになるのかは、俺たちが今、生きている外の空気にも魔力が存在していて、何かの自然現象もすべて魔力によるものなんだ。その自然の魔力に自身の意思を持った魔力と合わせることで冒険者カードで発動できるようになっているんだ。でも昔はどのような命令を自然の魔力にかけるかを日々実験の毎日のようだ。計算問題と同じその魔力を加えたらその反応が起こる。魔法とは、目に見えない心理なんだ。そして魔力を保有している量が多いほどより複雑な命令式を何個も与えられるんだ。幸い俺はかなりの魔力量持ちだからな普段魔法の研究に費やしているよ。一応魔法に関する知識はまだまだたくさんあるが、今日はここまでだな。思った以上に話していたみたいだ。最後まで聞いてくれてありがとなアイリス。」
「いえ。私もこんな貴重なお話ありがとうございます!なんだか私も冒険者カードの力を使わずに魔法を使いたくなってきました。」
「そうだろ!俺もこのことを知ったときは鳥肌が立ったね。」
そう言って、魔法の話はこの後も続き、気が付いたら、もう夜になっていた。
「もうこんな時間だ!アイリス、先に風呂に入っておいてくれ。俺は、夕飯作っておくから。」
「分かりました!ではお先に。」
そう言ってアイリスはお風呂に入り、その後にくれめうも入って、二人で夕飯を食べ、もうすぐ寝る時間に差し掛かったころ
「おっ!アイリス見えてきたぞ。ダスティネス邸だ。」
アイリスは庭に出て、上から屋敷を見る。
「本当ですね!やっと着きました。」
「ああ。おつかれさん。」
「ありがとうございます!くれめうさん!」
「ああ。どういたしまして。さあ早く寝ようぜ。明日の朝、ダスティネス家に行くぞ」
「はい!じゃあくれめうさんおやすみなさい!」
そう言って、アイリスは家の中に入っていったのをくれめうは確認して、空に浮かんでる月を見ながら
「ふ~これで。俺ももしかしたらお役御免になるかもな。」
そう呟いてから、自分も早く寝ようと家の中に入って家のドアを閉めた。
第19話お読みいただきありがとうございます!!
これでたぶんある程度、設定もほぼ終わりました。また何かと仕様変更や付け足す要素あるかもですが、よろしくお願いします。
さて次回、いよいよアクセル編スタートです!まだ何するかあまり決まっていないのですが、頑張りますのでよろしくお願いします!気になったことや感想・評価などしてもらえるとありがたいです。
それでは次回、第20話でお会いしましょう!