最近寒くなって、手がかじかむのを異様に感じます…
どうでもいい話ですね!!
それでは第5話どうぞ!
アイリスは知りたかった。今自分が逃げた王国がどのような状況になっているか。あの時、自分を襲った敵の言ってたことが本当だったのなら今頃自分が暮らしていた王宮は跡形もなく、消滅していることだろう。それでも知らなければならない。この国を治める一国の王女として
アイリスの決意が伝わったのかくれめうは、自分のカバンから一枚の紙を出し、アイリスに渡す。
「少し情報が数時間前のものだが、絵付きだ。俺の魔法は基本、鳥が見たものをそのまま文章に起こして更新されるんだが、今回のような大規模なことにはいったん俺のもとに帰ってきて、鳥自体が紙に変わる。その場合だけ絵付きの情報になるんだ」
アイリスが見たものは、ベルゼルグを真上から見た感じの絵だった。あれほど栄えていた国が一瞬にして、王宮を中心にして広がるように、自分たちの国は蒸発していた。たくさんあった建物は見る影もなく、王国の石壁だけが残り、そこに建物のがれきがたまっていた。こんな光景を想像できたのだろうか。自分が過ごしてきた見慣れていた建物がすべてなくなり草木も生えてないただの荒れ地と化している。
「…んあ……」
言葉が出ない。息ができない。苦しい。そんなアイリスにくれめうがアイリスの肩に手を置き少し強めにアイリスを揺らした。
「おい!大丈夫か!」
「っ!……あ、ありがとうございます…大丈夫です」
そう言うが全くそんな風には見えないとくれめうはアイリスを見て思った。
(それはそうだ。自分の国があんな荒れ地と化したんだから。あそこに住んでいる人は、決して少なくなんかない。冒険者だって、ほかの町に住む冒険者なんかよりもはるかに高レベルの水準だ。そんな人たちがおそらくほとんど生き残ってない。あの国が魔王軍と戦う世界の防衛ラインだったということをこれからいやでも知ることになるだろう。)
そう考えていると自分のカバンからまた新たな情報が出てきた。今回は送られてきただけなので、文章になっている。
「…………」
文章を読むくれめうの顔が次第に悪くなっていくのがアイリスにも気づかれ、
「どうしました?くれめうさん!まだこれ以上に悪いことが起きようとしているんですか?」
「正直悪いことが起きようとしているんじゃなくて今現在起こっているんだよ」
そう言うくれめうにアイリスがまさかと思いさらに訊く
「私の国のようなことがもう他の国にも起こっているんですか!?」
くれめうは首を横に振り、
「いや…それは起こっていない。多分しばらくはそんなことは起こらないんだろう。」
「どうしてそんなことが言いきれるんですか?」
「今現在ベルゼルグ王国があった場所を今、魔王城を囲む魔王軍の幹部が作った結界と同じようなものをベルゼルグにも作っているからだ。」
くれめうは一言おき、
「あの結界は作った者を倒せば結界の強度が落ちていくものだと俺は推測している。だから作ったやつが結界の外から出てこなかったら、おそらく結界を破壊するのは無理だと思う。」
「そんな…」
そんなものを作られたら、今後何年もベルゼルグを占領されてしまう。アイリスはもしかしたら一生あの王国の地に戻ることができない可能性に不安になる。
「他にもまずいことがあるんだ。あの隕石の魔法によって、建物をひとかけらもなく破壊したのに、その魔法に耐え勝った武器が今魔王軍の手にわたっている。俺の推測だが最近突然現れた新人の冒険者が持っていた武器だと考えている。確かその武器は神に与えられたような絶大な力を持っているとか俺の情報ではそういう解釈をしているんだが…そうなのか姫さん?」
「はい。その解釈で間違いないです。多分王国で続々と現れた勇者候補の人たちの武器でしょう。でも大丈夫ですよ。」
「何でだ?」
「その武器は選ばれた本人にしかその力を使うことができないと私が知り合った真健の勇者の人が仰っていました。」
その話を聞いてもくれめうは、厳しい顔のまま
「いや確かにその武器の力を本人にしか使えないのは、いい誤算だがそれでもあの規模の魔法に武器が壊れていないということはおそらくその武器には、<不壊属性>がついているんだろう。その上、切れ味が悪いものだとは考えにくい。たとえ悪くても、壊れないなら最強の打撃武器だ。上級冒険者が持っている質の高い武器よりもはるかに上の武器になりうるぞ。」
「そんな…ではどうすれば…魔王軍に立ち向かえるんでしょうか?」
「分からん…正直俺もここまで深刻な問題になりうるだなんてこの状況になるまで考えもしなかったんだ…それで姫さん。あんたはどうするんだ?」
「どうするって?」
「これからのことだよ。いま世界の歴史が…いや人類の歴史が大きく変わろうとしている。今現在、自分が拠点にしていたギルドを抜けて、魔王城から一番遠い町<アクセル>に逃げ込もうとしている冒険者や家族がたくさんいる。その中に混じって逃げてもあんたを誰も責めはしないだろう。もしかしたら突然現れた世界の救世主とやらが現れるのを待つのもいいかもしれない。どうする?ここで逃げて、世界の救世主とやらが現れのを待ちながら隠れ続けるか?」
くれめうの双方の赤い瞳がひかり、アイリスに問う
「わたしは……」
少し答えに詰まり、
「…わたしは、逃げません!私を命がけで守ってくれた人たちのためにも!!たとえ私のこの選択が間違いだったとしても!5年後、10年後その時の自分を後悔させないために私は戦います!!」
少女は宣言する。たとえその先の未来にどんな困難が待ち受けていようともこれからのことを後悔しないために。その決意を真正面から受け止めた少年はクツクツと笑っていた。
「今現在、人類は滅亡への道に歩み始めている…戦力差は火を見るも明らか、こちらは大きな戦力を失い、逆に相手は力を得た。そんな状況でも決してあきらめないと?」
「…はい。」
くれめうは笑っていた。今、大きな歴史の変化の中に小さな、しかしいずれ大きな歴史の変化になるであろう始まりの瞬間に今自分は直面していると紅魔族の少年は興奮が収まらなかった。
「おもしろい!!では私もあなたのためにあなたの剣となり、盾となることを今ここに誓おう!!ベルゼルグ王女ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリス殿下!!私は汝に今ここに忠誠を誓う!!!」
そんな少年の決意に涙がこぼれそうになるのを必死で耐えながら、アイリスは答える。
「はい!!紅魔族くれめう!!あなたを私の騎士に任命します!!」
二人の歴史を変える物語が今ここに始まる!!
第5話お読みいただきありがとうございました。
ようやくスタートラインに立てた気がします。
今のところ空想がまとまりそうにないです。どうにかこの投稿の後もしっかり次回への流れの設定などしっかれ吟味できたらいいなと思ってます。
とりあえず次回予告はまだ考えてもないのでこの辺で!!
またたくさんの人が読んでもらえることを切に願いながらそれではまた次の回で!!