ラブライブ!サンシャイン!!息抜きカップリングss集!   作:がんもどきもどき

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あれ?またようりこだ。
ギャグ詰め込み
キャラ崩壊
反省はしてる
後悔はしてない




act.ようりこ:梨子

桜内梨子はレズである。

 

この一文を見て、「嗚呼、またか…」と諦めにも似た感情で嘆息する読者は少なく無いだろう。

顔がレズ。ご満悦レズスマイル。「大好きだよ」が「I love you」に変換されるファッキンレズビアン。メノ^ノ。^リ etc……

彼女がレズであるのをいいことに。言いたい放題言いやがる輩が後を絶たない。

 

しかし、待って欲しい。

確かに彼女はレズだ。しかし、女なら誰でもいいわけでは無い。彼女の恋愛対象が女の子であるだけで、それはとても純粋なもの。

桜内梨子はレズである。しかしクズでは無い。

そもそもレズだからなんだというのだ。

例え相手が異性だろうが同性だろうが、はたまた性別不詳だろうが、人を好きになる気持ちにおかしいことなんてない。誰も彼女の気持ちを笑ったり、貶したり、見下したりする権利なんて、持っていやしない。

 

もう一度言わせてもらう。

桜内梨子はレズである。しかし、クズでは無い。断じて、ないのだ。

 

だから―――

 

曜「―――zzZ」

 

梨子「……」

 

今現在、彼女が恋心を寄せている相手が自分のベッドで寝ているとしても、彼女が手を出すなんてことはありはしない。

絶対に、無いのだ。

 

梨子「……」ムラムラ

 

無い、と………信じたい…………。

 

 

 

 

「ふぅぅ―――!」

 

(落ち着け、落ち着くのよ桜内梨子。クールになるの。何事も冷静になることが大切。まずは状況の確認からよ)

 

流石は桜内梨子。前作より受け継がれたツリ目にピアノというクール属性特有の個性は伊達じゃ無い。胸に手を当て二、三回……七、八回深呼吸し、はやる気持ちを抑えつける。

そもそも何故、自分の想い人が自分のベッドで眠っているのか、改めて思い返してみる。

 

 

 

今日はAqoursの二年生三人で新曲の打ち合わせをする予定だった。しかし千歌は家の旅館に大勢の客が来るとかで手伝いを余儀無くされ、二人で打ち合わせをすることになったのだ。

梨子の家で話し合いをしていると、気付けば夜も更け、外は強い雨が降っていた。

 

「まさかこんなに降るなんてねー。曜ちゃん天気予報も鈍ったかなー」

 

顔を顰めて窓の外を見つめる曜。しかし梨子はこれは神様が自分に与えてくれたチャンスだと思った。

 

「もっ、もしよかったら、今日ウチに泊まらない?今日は親もいないから」

 

「そうなの? んーでもなんの準備もしてないし……梨子ちゃんも迷惑じゃない?」

 

「全然!?ぜんっっっぜん迷惑じゃないよ!? ほ、ほら、寧ろ親居なくて不安だし、曜ちゃんが居てくれたら心強いかなーって!!明日もお休みだし!あっ、曜ちゃんさえ良ければだけど!」

 

平静を保ちながら(保ててない)、手をわちゃわちゃとさせる。そんな梨子の様子に少しだけ首を傾げるが、特に指摘することもなく思案顔になる曜。

 

判決を下される罪人のように、梨子は固唾を飲んで曜の返事を待つ。果てしなく長い数秒間の後、「それじゃあ、泊まらせてもらうであります!」と、曜は笑顔で敬礼する。

 

屋根を打つ雨の音が、自分を祝福するオーケストラのように思えた。

心の中で巻き起こる梨子ちゃんフィーバーを悟られぬようにするが、しかし思わず緩んでしまう頬を誤魔化す様に、梨子は敬礼で返した。

 

 

曜が先に風呂へと入っている間、押入れにある大量の同人誌を、万が一にも見つからない様屋根裏に隠す。

その他見られてはならない諸々の物を念の為に見つからない様隠し、一息着いたところでコンコンと扉をノックする音が聞こえた。

 

「渡辺曜、只今お風呂より帰還したであります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

―――巨大な魔物の放つ、不可視の衝撃波。

戦士は腰を落とし、顔の前で両腕を交差してガードする。しかし衝撃波の威力は尋常ではない。一瞬たりとも気を抜いたら吹き飛ばされてしまう。

必死に地面を掴むように、足に力を入れる。勢い負けして地面に二本の轍を作るが、戦士はそれでも倒れない。

やがて衝撃波の威力は尽きる。戦士の鎧と体は既にボロボロだ。しかし、戦士は立っていた。

耐えたのだ。普通なら人一人簡単に殺してしまうような威力の攻撃に。鋼鉄の鎧はほとんど砕け落ち、素肌は擦り傷や切り傷だらけだが、それでも戦士はその屈強な二つの足で仁王立ちし、ニヤリと笑みを浮かべた―――

 

 

ここまで僅か二秒。梨子の脳内にそんなイメージを流させるほど、風呂上りの曜の威力は強烈だった。

 

シットリとした髪、赤くなった頬、うっすらと浮かぶ汗。

そして何よりそんな彼女が自分のパジャマを着ているということに言葉にできぬ感覚に包まれた。

 

(あ、危なかった……!)

 

それはまさにファウードの鍵を壊さんとするバオウ・ザケルガの如し。危うくレズ大魔王リリーを封印する扉(理性)が壊されるところだった。

早鐘を打つ鼓動を鎮めるように胸に手を置く。しかしそんな梨子の様子に気付くことなく、曜ははにかみながら着ている服の胸元に触れる。

 

「このパジャマ、梨子ちゃんの匂いがする」

 

2 combo!

えへへと笑いながら服の襟をキュッと握る曜。その予期せぬ攻撃は、アッパーカットを喰らった後のように梨子の脳天を揺らす。

もしも二次元の世界なら、その可愛さに梨子は間違いなく吐血ないし鼻血を吹き出していただろう。

あと女の子がパジャマって言うの可愛いと思う(私情)。

 

「も、も〜!恥ずかしいこと言わないでよー!」

 

「えーいいじゃーん!私、梨子ちゃんの匂い好きだなぁ。なんか安心するっていうか……」

 

3 combo!

冗談めかした口調で流そうと試みるが、見事にクロスカウンターを決められる。曜の無自覚攻撃に既に理性がノックアウト寸前。もうやめて!桜内のライフはとっくに0よ!

これはヤバいと思い、綺麗に畳んでいた自分の寝間着をひっ掴み、「お風呂入ってくるね!」と部屋から避難する。

 

時間にして15分。内10分間は曜が入った後の風呂水との格闘があったがなんとか理性が勝利を収め、体を隅々まで洗い歯を入念に磨き、洗面台に映る自分の顔を見つめる。

その目はまるで既に負けが確定している戦に向かう戦士の目をしていた。

 

桜内梨子はレズである。しかしクズでは無い。

 

鏡の中の自分に言い聞かせる様に、頭の中で反芻する。今日、曜が自分の家に泊まるのは、梨子が曜のことを好きだと知らないからだ。もしこれが男の家だったら例え下心が無くても警戒はするだろうし、寧ろ同性から恋心を抱かれる方が軽蔑されるかもしれない。

 

つまりは、曜は梨子を『友達として』信用してくれているのだ。

それを自分の勝手な想いで裏切るわけには行かない。

 

(ましてやこんな気持ち、普通じゃ無いんだから……)

 

ギュッ―――

心の中に生まれた言いようのない苦しさを握りつぶす様に手に力を入れる。

 

普通じゃない。

 

人はそれを罪とする。

自分達と明らかに違う、理解できないものを不快に思い、理解する努力もしようとしないまま、異物は蔑視され、拒絶され、排他される。

 

それは―――

 

『ねぇねぇ、桜内さんって〇〇先輩のことすきらしいよー?』

『うっそー! それってレズってやつ? マジありえなーい!』

『気をつけたほうがいいよー。うっかり惚れられちゃったら襲われちゃうかもー』

 

 

―――身を以て知っていることだった。

 

だから、梨子は自分の気持ちに蓋をして、目を逸らす。

この気持ちは普通じゃないから。間違っているから。

拒絶されるのは、嫌だから―――。

 

 

 

 

「……」

 

冷静さを取り戻した梨子はベッドに腰掛け、寝顔を見つめる。安心しきったその寝顔に思わずクスッと笑いながらそっと頬に触れる。

 

「まったく、こっちの気も知らないで……」

 

クスリと笑いながらその健康的な肌を撫でると、擽ったそうに身をよじらせ、薄っすらと目を開けた。

 

「りこ、ちゃん……」

 

「あ、ごめん。起こしちゃった……?」

 

慌てて頬から手を離すと、曜は目をこすりながら体を起こす。胸元のボタンが何個か外れ、こぼれ出そうになる胸に一瞬目を奪われるがすぐに視線をそらした。

 

「んーん、私も寝ちゃってごめん…」

 

「し、仕方ないよ。曜ちゃん水泳部と掛け持ちで、疲れも溜まってるだろうし……今日はもう寝よっか」

 

「えーやだー、りこちゃんとおはなしするのでありますっ!」

 

寝惚けているからか、少し口調が幼くなった曜。しかしそれだけで無く、本当に子供になったように、ガバッと梨子に甘えるように抱きついた。

 

「へっ―――きゃあっ!?」

 

腰を上げようとした所に体重をかけられ、バランスを崩す。ベッドに引き寄せられるように倒れるが、なんとか両手を出し、曜にのしかかるのは阻止した。

 

「も、もう曜ちゃん。急に抱きついたらあぶな―――」

 

言葉が、止まる。

今、曜は驚いた顔でベッドに仰向けに倒れていて、そこに梨子が覆いかぶさるように曜の顔の横に両手をついている。

所謂床ドン。自分の持つ同人誌の中でも五本の指に入るほど好きなシチュエーションに、完全に梨子の思考は停止してしまった。

 

今なら、まだ引き返せる。

体を離して、ベッドから降りる。少し気まずい空気にはなるだろうけど、それだけで、まだ友達という関係を壊さずにいられるはずだ。

 

 

それなのに―――

 

「りこ、ちゃん……」

 

何故、彼女の声がこんなに艶っぽく聞こえるのか。

何故、彼女は頬を染め、潤んだ目で自分を見つめているのか。

何故、彼女は、震え ながらも、手を 自分のと かさね て―――

 

(あぁ、もう、ダメだ―――)

 

「曜ちゃんが、悪いんだからね―――」

 

 

 

 

 

 

その後の私は、ただの獣だった。

ただ、本能に任せて、ひたすらに、欲望のままに、彼女を求め、その体を貪り尽くし、快楽に溺れた。

 

 

「やめて」と懇願する曜ちゃんの泣き顔に

 

それでも辞められずに、言い訳のように何度も愛を囁く

 

最低最悪な自分自身を自覚しつつも

 

粉々になってしまった栓は、理性は、もう直らない

 

彼女への欲が尽きるまで、もう、止まらない

 

 

 

 

 

 

私は

 

桜内梨子は

 

レズで

 

クズで

 

本当にどうしようもない

 

こんな自分が

 

 

だいっきらいだ―――

 

 

 

―――

 

「―――り、梨子ちゃん!顔あげてよ!!」

 

 

 

 

 

「おはよう、梨子ちゃん♪」

 

目を開けると、天使がいた。

違った。曜ちゃんだった。

ボサボサの髪で、目の下にクマもあるけど、太陽みたいな笑顔を私に向けていた。

 

「よう、ちゃん……」

 

声を出すことで、自分が今とっても疲れていることが分かる。その倦怠感に、自分のしたことが夢ではなかったと教えられた。

 

心臓がドクンッと大きく脈打つ。体温が、急激に低下していくのに、全身から汗が噴き出した。

 

取り返しのつかない事をした―――。

 

うまく、呼吸ができない。

自業自得の癖に、涙が止まらない。

頭のなかはまっしろで、どうしていいのか、どう謝ればいいのか、わからなくて、

 

「梨子ちゃん! どうしたの? 大丈夫!?」

 

曜ちゃんの慌てた声が聞こえる。

私なんか、触れたくも無いはずなのに、話したくもないはずなのに。

それでも曜ちゃんは、私の事を心配してくれて……

 

 

(あぁ、私は―――)

 

こんな優しい友達に、一生消えない傷を作ってしまった、と……

 

 

罪の意識は増えるばかりで、でも、どんなに後悔しても、もう遅い。

泣く権利なんて、私には無いのに、涙も、嗚咽も、止まらなくって

 

 

「ごめんなさいっ……!」

 

子供のように、泣きながら謝る事しかできない私を、曜ちゃんはずっと抱きしめてくれた―――

 

 

 

 

「落ち着いた?」

 

「うん……」

 

数分か、あるいは数時間か。

起きた時に時間を確認してなかったから、どれくらい泣いていたのかわからないけれど、今現在時計の短針は10時を指していた。

今は二人、ベッドに並んで座っている。

 

「梨子ちゃん」

 

曜ちゃんに名前を呼ばれて、思わず肩が跳ねる。

あぁ、遂にこの時が来てしまった。

私はこれからどうなるのだろう?

いや、曜ちゃんには私をどうにでもする権利が、ある。

絶交されるか、若しくはAqoursをやめろと言われるかも、いや、この事実を学校に伝えれば、退学だってありえる。

それだけならまだしも、警察に突き出されたって文句は言えないんだ。

 

私は、これから下される自分の処分を、なんだって受け入れなければならない。それが、少しでも曜ちゃんへの罪滅ぼしになるのなら―――

 

 

私は、命だって―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!」

 

 

ゴチンッ!

 

硬いものと硬いものがぶつかる音がした。

何が起きたのか、すぐには理解できなかった。ただ、目の前には床に正座して両手をついて頭を下げている曜ちゃんの姿があって、それが土下座だと気づくのに、五秒ほどかかってしまった。

 

「よ、曜ちゃん!!何してるの!?」

 

「私、梨子ちゃんの気を軽く考えてた……ほんと、バカ曜だっ……!」

 

「ち、ちょっと、落ち着いてよ!」

気づけば曜ちゃんの顔から雫が垂れて床に点々と落ちる。さっきとは立場が一気に逆転していた。

何故彼女がこんなことをしているのかまるでわからない。むしろ土下座したいのはこっちの方だというのに……

 

 

 

 

「本気で嫌だったら、梨子ちゃんのこと突き飛ばしてたよ。私意外と力強いの、知ってるでしょ?」

 

ムンッと力瘤を作るように腕を曲げる。正直全然意外じゃないけど……

 

「で、でも曜ちゃん、昨日泣きながらやめてって」

 

「そ、それは、その……き、休憩したかったっていうか……り、梨子ちゃん、全然休ませてくれないんだもん!もう本当に死んじゃうかと思ったの!///」

 

「………」ムラッ 

 

っとぉお!?あぶ、あぶなーい!!

さっきまでの罪の意識はどこ行ったの私!?ムラッじゃないわよムラッじゃ!

こんな昼間からレズっていいともしていいわけないでしょ!?お昼休みはいちゃいちゃエッチの時間じゃないのよ!タ○さんもびっくりの所業だわ!

 

 

 

 

 

レズである事に一番偏見を持っているのは、レズを、一番嫌悪しているのは、

 

他でもない、自分自身だった。

 

 

 

 

誰でもいいわけでは無い。

 

(誰でもいいわけが無い)

 

寝惚けていたから、だとか。

曜ちゃんが可愛すぎたから、とか。

 

 

 

―――やって、しまった。

後悔と自責の念が梨子の体にのしかかる。

 

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