響け!全国へ!   作:rockyshocora

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登場人物追加(オリジナルキャラのみ)

松岡曜・・・1年生、神木や悠木と同じクラスの陸上部所属

中村貴裕・・・1年生、パーカッション担当



最近モチベーションがなくてつらい...。


第三章 初陣

 GW前日 AM8:40 グラウンド

「あっつ…」

今日は球技大会、全校生徒がグラウンドに整列していた。

「選手宣誓」体育委員会の代表が挨拶している。

競技種目は野球、フットサル、バレー、バスケ、テニス、卓球の6種目があり各競技トーナメント制で行い各学年での一番成績の良いクラスが優勝となる。

ちなみに俺は野球に参加することになっている。

 

 AM8:50

「よーし、みんな準備はできたか?」野球チームを纏めているのは悠木竜次だ。

3週間前教室で決めた3人とその後9人を追加し合計12人になる。

「おい、拓!」

「何?竜ちゃん」

「1番しっかり頼むな!拓が塁に出たらこっちのもんやからな」

「お、おう…善処します…その代わり竜ちゃんもしっかり4番の仕事しろよ」

「任せとけ!よし、じゃあいくか」

第一試合が始まる…。

 

 PM2:00

「よし!決勝戦!絶対勝つぞ!食堂無料の権利を必ず!」

「宗人、どんだけ前のめりなんだ…。まあでも決勝まで残ったならせっかくだし優勝したいわな」

野球で優勝出来たからからと言って総合でトップじゃないと意味がないのだが今そんなことを言う必要はないと思っているので黙っておく。

「正直吹部2人に帰宅部3人いて勝てるなんて思ってなかったんだけどな」

竜ちゃんの推薦でチームに入った陸上部の松岡曜だ。髪はツンツンしていて毎日しっかり運動しているからかガタイはしっかりしている。

「おいおいそれどういう意味だよ」

宗人が突っかかる。

「悪い悪い、チームが決まった時点での話だ。もうそんなこと思ってねーよ」

口は悪いが選ばれただけあってやっぱり運動能力は高かった。

もう球技大会終盤もあってか他の種目もいくつか終わっていて周りはギャラリーが増えていた。

この球技大会での野球は少し特殊なルールで

1、ベンチ3人を含む合計12人は1試合で全員出場しなければならない。つまり3人交代は必須であること。

2、盗塁は各チーム1回の攻撃に1度だけ。

3、攻守は5回ウラまで。

である。

試合開始の合図が出され1時間、5回ウラ最終回の攻撃である。現在4対3で1点負けている状況だ。

「「1番ファースト、神木君」」

「いけー!お前が塁に出たら1点確実なんだぞ」

それは言いすぎでしょ。

「頑張れ~!」

流石決勝戦だけあって盛り上がっている。

「ふぅ~…」

深呼吸をして打席に入る。

竜ちゃんによると向こうの投手と捕手は小学校のころ経験者だったらしい。

第1球が投げられる…バン!ストライク!

「ちっ…」

最終回でもいまだに速い。最初の130弱に比べるといくらかマシだがまだ120前後は出ているはずだ、こんなのズルじゃん…。

「拓!前に飛ばせば出塁できるぞ~!」

竜ちゃんが声を出す。

一旦バッターボックスから出て深呼吸し、再び打席に立つ。

2球目…ファウル!

3球目…カキーン。打撃が弱いが内野の頭を抜けた。ヒットだ。

「きたあああああ」

歓声が上がった。

「「2番ピッチャー、櫻井君」」

「任せとけ任せとけ」

1球目…投手が投球体勢に入った瞬間俺は一塁を蹴った。

「セーフ」二塁へ盗塁成功である。成功した途端ギャラリーから歓声が沸くが集中していた俺はほとんど耳に入ってきていない。

宗人はニヤリとしているのが見える。

2球目…バントが成功する。これで1OUT3塁、だったが3番打者で呆気なく三振を取られ2OUT3塁になってしまう。

「「4番キャッチャー、悠木君」」

「リーダー!頼むぞー!」

その声にしっかりと応えるように2ベースヒットを放つ。これで1点が入り同点だ、尚も2OUT2塁。

「「5番サード、松岡君」」

「ピッチャービビってる!へいへいへい!ピッチャービビってる」

宗人が調子に乗ってヤジを飛ばす。

1球目…ボール

2球目…ファウル

3球目…ファウル

4球目…ボール

5球目…ボール

これでフルカウントだ。お互いのチームから緊張が走る。

6球目…大きなアタリが出る!

ライトの選手が返球しようとすると同時に竜ちゃんは3塁を蹴る。

「間に合えー!」竜ちゃんと捕手がぶつかる…判定は?

主審のコールを息を止めて待つ。判定は…「セーフ!」

「っしゃあああああああ」

ワッと歓声があがる、我々3組がクラス総合優勝だ!

 

同日 PM4:30 低音パート練習教室

「こんにちは」

教室のドアを開け声を出す。

「よ!野球少年、めっちゃ活躍してたやん」

「え…中川先輩もしかして試合見てたんですか?」

「あ~奏と久美子、緑の4人でな」

「私は自分のクラスの応援をしてただけですけどね」

久石がわざわざ付け加える。

そういえば決勝戦のチームは久石のクラスだったなと思い出す。

「それにしても神木、アンタ足速いってのは聞いてたけどめっちゃ速いんやな、びっくりしたわ」

「拓海君、小学校の頃からずっと足速かったもんね」

足が速いとモテるということを信じて小学生の頃色々調べて練習してたことは内緒にしておこう…。

「おーい、そろそろ練習始めるで」

後藤先輩に話を区切られ練習を始める。

 

 GW 1日目 PM1:40

この日、宗人と秀一君と3人でラウンドワン前にいた。

1週間前、練習の休憩時間に俺と求君は後藤先輩に呼び出された。

「2人はGW空いてるか?」

「えぇ…一応」

俺と求君は顔を合わせ、ぎこちなく返答した。

「よかった、1年生の歓迎会をやろうと思ってな、詳細はまたグループの方で連絡させてもらうわ」

呼び出されたときはいったい何言われるのかと冷や汗をかいてしまったがそれは杞憂に終わった。

GW、学校は5連休なのだが部活はそのうち3日あり休みは2日しかないのだ。その休みの日に恒例である歓迎会を兼ねての男子会をやるとのことだった。吹奏楽部に所属する男子生徒は3年生が2人、2年生が2人、そして1年生が4人、俺と宗人と求君、そしてパーカッション担当の中村貴裕の計8人だ。部員数が94人に対して男子が8人と、男子にとっては結構肩身が狭いと感じてしまう。そのこともあり交友を深めようと定期的に男子会が開かれるとのことだ。

集合時間の5分前になると後藤先輩と滝野先輩が店内から出てきた。

「おっ!みんな揃ってるな、よしよし」

滝野先輩が満足そうに言う。

2人は1時間前に既に来ていてボウリングの予約を入れてくれていたらしい。

「先輩手際良すぎっす!やばいっす!」

瀧川先輩が感心している。

「まあまあそれほどでもあるかな、じゃあいっちょ今日は楽しむとしましょうか!」

それから6ゲーム、個人戦やチーム戦色々なやり方で約3時間楽しんだ。

言いだしっぺである滝野先輩、それと万能な宗人の2人は群を抜いたスコアだ、ちなみに俺のアベレージは110~120程度で中の下ぐらいだろうか。

高校に入ってからはほとんど毎日部活なのでまともに遊んだことがなかったので楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまっていた。

6ゲームが終わる頃にはちょうど夕食の頃合となっており駅近くのファミレスへ向かうこととなった。各々がメニュー表を見て何にするかと決めあぐねている。

「今日は歓迎会やから上級生が奢ったるからな、1年は遠慮せんでええで」

滝野先輩の声に1年生4人がありがとうございます。と礼をする。

「入学してそろそろ1ヶ月やけどそろそろ学校には慣れたか?」

秀一君が問いかけてくる。

「ボチボチっすね~、な!拓海」

「うん?あぁ…まあな」

「そっか…求と貴裕はどうなん?」

「…………まあまあです」

「いやー練習キツイのは覚悟してたんですけどそれでもやっぱりキツイっすね、まあでも全然楽しいので問題ないっす」

「そういや、おまえら吹部内で気になる子とかいないんか?」

滝野先輩が唐突に口にした。

「滝野先輩、恋バナっすか?やばいっす!」

瀧川先輩うきうきである。

「まあ別に恋バナってほどじゃないけどな、卓也と塚本には聞いてねえぞ」

「ちょ、ちょっと滝野先輩あんまりベラベラ言わないでくださいよ」

「ええやろ男子部員にくらい」

「えぇー!先輩2人は彼女さんいるんですか?」

驚いたように貴裕君は質問する。

「あぁ…まあな」

後藤先輩が恥ずかしげに肯定する。

「ここだけの秘密にしといてくれよ…女子に知られるとややこしいからな」

「りょ、了解です」

「そういう滝野先輩は中世古先輩卒業した今はどうなんすか?」

秀一君が切り返す。

「そりゃあ前から言ってるけど誰でもウェルカムやで、吉川と高坂以外は…」

「相変わらずやな純一は…やからモテないんやろ?」

後藤先輩は呆れていた。

「やかましいなぁ~、なんでこうトランペットパートは怖いやつしかおらんのや、吉川なんて女子高生の皮被った鬼やぞ鬼!」

「へ~!誰が鬼やって?」

その声を聞いて空気が凍った。だが滝野先輩は気づいていない。

「だから吉川だよ吉川!どうしたんだよみんな俯いて……あ」

「ごきげんよう、男子諸君!仲良くて何よりやなぁ?」

「どうも~」

後ろから加部先輩がひょこっと現れる。

「あ、あの~い、いつからそこに…」

「あ?アンタらが店来た時からや、別にいちいち顔出すつもりなかったんやけど、どっかの誰かさんがうちの悪口言うてるの聞こえてきたもんやから、つい」

その笑顔万点が悪魔のように見えた。

「今から謝ったら間に合いますか…?」

滝野先輩は滝汗を流している。

「う~ん、残念。今決めたで!アンタを今後一生いびり散らかしたるってな」

「ご愁傷様」

後藤先輩が小さい声で哀れんでいた。

「まぁええわ、滝野ちょっと顔貸し」

「え?何?俺いじめられんの?」

「ええから来い!」

「はい…」

「悪いけど10分、20分借りるわ」

そう言って吉川部長、加部先輩、滝野先輩がファミレスの外へ出て行く。

 

 15分後

外から帰ってきた滝野先輩はなんだか浮かない顔だった。

「どうでした…?」

宗人は恐る恐る聞く。

「ん…あぁいや別に…いじめられてただけや」

「嘘やろ、吉川、ああいう性格やけど人の嫌がることはせえへんやろ?何か話しにくいことか?」

後藤先輩が何か察したのか真剣な顔つきで聞く。

「相変わらず鋭いな…」

と言い周りを見回して小声で言った。

「これから言うことは超機密事項な!これ俺が広めたなんて知られたら今度こそ俺の人生が終わる、約束できるか?」

みんなが一斉に頷く。

 

 15分前 ファミレス前

「なんや、急に…確かにさっきのことは悪かったけど…でも吉川そんなことでいちいち呼び出すようなやつじゃないってのは分かるからなんか大事な話があるんやろ?」

「なんや、勘付いてたんか、腐ってもアンタも一応同じ3年のトランペットやから耳に入れておこう思ってな。ええか?友恵」

「はぁ…まあええよ」

「実は、うちらがここにおったんは友恵から相談受けてたからなんや」

「それで?」

「友恵が奏者を辞める…」

「は?なんだよそれ…この時期に?もうすぐサンフェスもオーディションもあるんやで?冗談は寝言だけにしてくれや」

「……………」

「優子、ここからはうちが説明するわな」

「ごめん」

「あんな、別に奏者辞めるってだけで部活は辞めへんで、マネージャーに転向するつもりなんや。先生にもちゃんと伝えてるし」

「なんで…今年はコンクール出るって言ってめっちゃ練習してた…あっ」

「気づいた?最近うちが練習してないの、というか吹けなくなったんや」

「吹けない?」

「そう、2週間前くらいから左頬に違和感があってな、それで病院行ったら顎関節症って診断されたんや、それでドクターストップ」

「それなら他のパートに移るとか…例えばパーカッションとか」

「それ滝先生にも言われたけど今から転向してもそんな付け焼刃じゃオーディションに受かる気なんてせえへんし…ただでさえトランペットでも怪しいのに…まぁうちはこれで良かったと思ってる、元々マネージャーみたいな影から支援する方が向いてたし好きやから」

「そっか…このこと知ってるのは他には?」

「この3人だけや、このことは内密に、みんなにはサンフェス終わった後に報告するから」

「わざわざ時間取らせてごめんな」

「いや、教えてくれてありがとうな」

「じゃ、うちらは帰るから、お疲れ!」

「はいお疲れさん」

 

 ファミレス内

「と、言うわけや……」

滝野先輩が話しきる。

「俺らこれ聞いてよかったんすか?」

秀一君が心配そうに聞く。

「おまえらがみんな言え言え言うからやろ!絶対周りに喋んなよ、俺ら一心同体やからな」

こうしてサンフェスが終わるまで男子部員は一蓮托生することとなった。

 

 サンライズフェスティバル当日

「自分の楽器を受け取った人は音出し始めてください。ここの広場が待機場所なので、勝手に行動しないように、ほかの学校もいるので迷惑のかからないように気をつけてください」

吉川部長が仕切っている。

「今年は立華、北宇治より先やから演奏見れへんなぁ…緑めっちゃ楽しみにしてたのに」

「立華とは演奏会で一緒になることもあるし、そんなに落ち込まなくても」

久美子先輩と川島先輩がそんな会話をしていると

「久美子!」

不意にかけられた声に久美子先輩は顔を上げる。声の主は同じ中学の先輩だった佐々木梓先輩だ。先輩は中学の頃からリーダーシップのある人で多分友達も多い。

「今日会えるかなーって思ってたけどまさかここで会うとは。あっ!神木君だっけ?北宇治行ったんだ~久しぶりやね」

そう言って笑った。

「どうもお久しぶりです」

「久美子も先輩やねんな、久美子ってば昔から舐められやすいタイプやから心配やわ」

「いやいや、今は大丈夫だよ。梓だって先輩でしょ?大丈夫なの?」

「まぁボチボチやな、それより今日は龍聖も来るっていうから楽しみやねん」

「なんで龍聖?知り合いでも行ったの?」

「そんなん気になるに決まってるやん、龍聖は今年のダークホースって噂やし」

「そうなんだ?」

「だって今年からあの源ちゃん先生が特別顧問なんやで?絶対上手くなってるやろ、あっ!そろそろスタンバイせんと、じゃあ行ってくるわ!お互い頑張ろな」

「うん、ありがと。梓も頑張ってね」

 

 本番直前

「今年もこの日がやってきましたね、今年参加している団体は16校、マーチングの王者立華を含めたくさん参加しています。このような機会は滅多にないので自分たちの演奏だけでなく他校の良いところも全て吸収するつもりで、今日という一日を大切に過ごしてください」

「はい!」

気合の入った返答に滝先生が満足そうに頷いた。

「2人とも緊張してる?」

「それはまぁ…高校生になってから初の本番なわけですし」

「神木君は緊張してるんですか?私は緊張してませんよ」

「あっそ…そりゃ心強いな」

「拓海君も練習じゃちゃんと出来てたし大丈夫だよ」

「そうやでうちよりもよっぽど様になってるやんか」

「そんなことないっすよ、中川先輩謙遜しすぎですよ」

「そう言ってくれるだけでも嬉しいよ、奏も頑張ろうな」

「ええ…」

「相変わらず中川先輩にはそっけないんだな」

小さい声で久石に言った。

「別にそんなことないですよ、考えすぎです」

「まぁ、そういうことにしとくわ」

「そろそろうちらの出番やで」

先頭に立つ吉川部長が強くホイッスルを吹き鳴らし、その手に持っていたメジャーバトンが高らかに空に掲げられる。その合図で部員たちはその一歩を一斉に踏み出した。

長い行程を経てパレードは終わりを告げる。観客からは惜しみない拍手が送られ晴れやかな気持ちになった。1年生の初陣は無事成功したと言えるだろう。

 

 第三章 初陣

 




あくまでストーリー上の主人公(進行役)は黄前久美子であって神木拓海ではありません。

なのであまり主人公っぽくはないですし、あくまで黄前久美子以外の側面から見た風景(出来事)だと捉えていただけると嬉しいです。原作を読んでいないと分かりにくい場面もあると思いますがご了承ください。

質問など受け付けてるので遠慮なく問い合わせください。
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