初めての投稿で文章も拙くめちゃくちゃなところが多々あるかもしれませんが読んでくれたら嬉しいです
春、桜の舞い散る中ボク、神薙奏海(かんなぎはるか)はこれから通う学校の制服に身を包み歩いていた。
つい最近まで諸事情により孤児院で過ごしていたからかこういう雰囲気は懐かしく感じた。
そしてその学校の前にたどり着いた
『星園女学院高等部』
そう、名前の通りここは女子校だ。
この学校の制服はブレザーとスカートだ。
否、問題はそこじゃない。
問題にすべきは"ボクの性別が男である"ことだ。
×××
始業式が終わり生徒達は各クラスへ別れる
なぜ入学式ではないかと言うとボクは途中編入学したからだ。
今は担任である仲西先生に連れられて教室に向かっていた。
「神薙、君はどうしてこの学校に編入したんだ?」
「最近まで孤児院ぐらしだったんですけど神薙家に養子として迎えられてここに通うように言われたので……」
まんま事実である。ボクが男であることを除いて。
「そか」
素っ気ない返事が返ってきた。そのあとに何か考え込むような顔していた。そして
「神薙、君もしかして……いや、まさかな」
思わせぶりなことを言われた。そのあとになんでもないと言われたが性別のことを見抜かれたのかと思って変な汗をかいてしまった。
「ほい、ここが君のクラスな。んじゃ行くぞ」
ガラララララ
「ホームルーム始めるぞー席着けー」
雑談していた生徒達が席に着く。
「まず転校生の紹介な、神薙自己紹介よろしく」
すっと一歩前に出る
「はじめまして、神薙奏海といいます」
黒板にチョークで名前をスラスラっと書く
「こう書いてかなたと読みます、かなみではないので」
普通に自己紹介をしていただけなのだがなんか教室がざわついていた。
「待ってすごくかっこよくない?!」
「うんうん、なんか中性的な感じいいね」
なんか反応に困るな……なんか言った方がいいのか
「はいはい、静かにしろー神薙自己紹介はそれだけでいいか?」
「はい。ボクからは以上で……あ」
やってしまったぁぁぁ!!一人称は私だろうが、ボクは馬鹿か!!
「その容姿でボクっ娘だなんて……ぐはぁ!」
なんかどっかで勝手に吐血してる人がいたが気にしないことにした。
というか別に誰も気にしてなくない?
「ん、じゃあ空いてる席着け。そだな奏倉の隣でいいか」
え?奏倉?まさか……
「ふぇ?!か、奏海……なの?」
教室の後方で困惑気味な明るい声音が響く
茶髪セミロングを後ろで1本にまとめた少女は大きな黒い瞳に驚きの色を浮かべていた。
「まさか來那が通ってたなんてね、これからよろしくね」
奏倉來那(かなくららな)。ボクが孤児院に入る前からの幼馴染だ。つまりボクが男であることを知っているはず。
「奏海、ホームルーム終わったらちょっと来て」
あ、これまずいなとか思ってたら通路を挟んでとなりの席に座る赤みがかった茶髪をポニーテールにしてる生徒に肩をつつかれた。
「らなちーすごい焦ってるように見えたけどなんかあるのー?」
いきなり核心を突くようなことを言われる。ちょっとこの学校の人たち怖い!
「まさか……百合?」
「いや、それは無いよ」
掠りもしてなかった。ただの脳天気な子だった。
「そっかー。まぁ、いいや私は遊佐彩加(ゆささいか)ねよろしくかなみん」
「あ、うん。彩加さんねよろしってボクの自己紹介聞いてた?ボクの名前かなたって読むんだけど……」
「まぁまぁ、それはいいってことさ」
て、適当すぎる。
そんな噛み合ってるのか噛み合ってないのかよく分からないやり取りをしている間にホームルームは終わりを迎えた。
「奏海!ちょっといい?」
「あ、ふぇ?!ちょ、まって」
ボクは來那に引きずられて教室の外へ連れ出された。
×××
「で?どういう事なのか説明してくれるのよね?」
ボクより少し低い身長の彼女が瞳をのぞき込みつつ聞いてくる。これは嘘つけなさそうだなぁ……
「ほらボク8歳の時に孤児院に入ることになったでしょ?その後ずっとそこに居て最近神薙家に養子として迎えられたんだ」
「それでなんで女子校に来ることになるのよ!奏海は男の子でしょ?バレたら一発退学だよ?それで済むかも怪しいよ?!」
「あーうん、ボクの養父さんが孤児院のボク写真を見て何故か知らないけど女の子と勘違いしてたみたいなんだけどそのまま養子として女の子のまま来ることになっちゃってね……」
來那はまたしても唖然としていた。そりゃそうだよね、だって性別確認せず見た目だけでボクを女の子として養子に迎えたわけだし。おかげで女の子として振る舞う練習するの大変だったんだから、というのはまた別のお話である。
「そりゃ大変だったね、としか言えないね」
「全くだよ」
「そっか、じゃあこの私が奏海の性別がバレないようにするために協力してあげる」
すごく魅力的な提案だった。学校内に味方がいるのはとても心強い、のだが
「でも來那って昔からイタズラ好きじゃ……」
バァン!!
來那が壁ドンしてきた。顔が笑っているが目が笑ってなかった、むしろ目が死んで…ゲフンゲフン
「その事はこの学校の人たちには秘密にしてるの!私は品行方正容姿端麗の清楚系として通ってるんだからね!」
いや、だからね!と言われても……
「いや、容姿はまぁ、悪くないかもしれないけど品行方正な要素はなく……いや、なんでもないよ」
ここは大人しく従った方がいいと本能が警告してる。
そこに闖入者が現れた。
「やっと見つけた!奏海さん!ちょっといいですか?」
声をかけてきたのは來那と同じぐらいの背に腰まである黒髪ロングを揺らしながら歩いてくる生徒だった。
よく見ると制服の襟に銀色の若葉のピンバッチが付いていた。これはこの学校の生徒会に所属する人が付けていると朝仲西先生に教えられたがすっかり忘れていた。
「私奏海さんのクラスメイトで生徒会副会長を務めています時雨麗(しぐれれい)といいます、少しお時間いいでしょうか?」
定年な言葉遣いだった。どこぞの幼馴染のいう品行方正はまるでゴミのようだ。
「あのー時雨さん?今は私が!奏海と話してるんだけど?」
「あら、奏倉さんいらっしゃったのですか?気づきませんでした」
怖っ!そんなこと言う人初めてだよ!
てか來那の方を見向きもせずボクの方を注視してるし……
「あら、そう……とりあえずこっちを見て話してください、ねっ!!」
來那の手が時雨さんの顔に伸びる。物理的に向かせるつもりらしい。
「ふふっ、甘い!甘いですよ!私には一度見た技は通用しませんよ!」
言葉の通りその手をひらりと身を踊らせ躱してみせた。
おぉ、凄いな……ってそのセリフおかしくね?
「時雨さんはどこぞ聖闘士なのか…」(ボソッ)
聞こえるかどうか怪しいくらいの小声で言ったはずの言葉だったのだが
ピキーン!
そんな擬音が聞こえて来たような気がした。
「ままま、まさか奏海さんにこのネタが通じるなんて!私の目は間違ってなかった!私と同じ臭いがしましたもの!」
えぇーーなにこの急展開。てかこの人今私と同じ臭いとか言いましたよね!?どういうことなのさ!?
「今しがた奏海さんは聖闘士なのかってボヤきましたよね?いやぁ、まさか今どきの女子高生の中に知ってる人がいるなんて思いませんでしたよーー」
今度は一気に話が進んでいく。というか途中から聞き取れないくらいだった。
一方の來那も唖然としていた。
そしてボクは理解した。
この人、時雨麗はーー
「「時雨さんって重度のアニオタ(オタク)なんですか(ね)」」
來那と発言が被った。てか來那も知らなかったのか?
「はぅっ!私としたが…んん、みっともないところを見せました、が私はオタクなのは認めましょう」
いや、そもそもその発言がみっともないからね。
というか女子校でもそういうのがいるんだなぁと改めて思った。
ボクとて正体は男の子だ。故にアニメとか特に戦闘シーンのあるものは好きだった。
理由?それは聞いちゃダメだよ、男の子にはそういうのが好きになる時期みたいなのがあるのよ。
ってボクが言うと説得力ないよなぁ……
「ええと、奏海さん?感傷に浸ってるみたいですけどよろしいですか?」
「は、はひぃ!!」
「いや、よくないでしょこれ……」
來那……フォローのつもりだろうけどそれだとボクが情緒不安定な人みたいに聞こえるよ。
「い、いえ、大丈夫です。それで要件は何でしょうか?」
「あ、うん、実はね奏海さんに生徒会に入っていただきたくて勧誘にきました!」
「え?」
「生徒会に入って……」
「2回言って欲しかったわけではないです」
「奏海は理由が知りたいんでしょ?私も気になるし早く教えてよ」
「理由?奏海さんもしかして仲西先生から何も聞いてないんですか?教務の方からの推薦なんですよ?」
「え?」
「教務の……」
「それはわかったから!」
「推薦の理由は編入試験の成績です、奏海さんは我が校の編入試験科目である国語、数学、英語全ての教科で満点しかも面接での評価も最高レベルでした、それが理由です」
「うそ!か、奏海って頭良かったんだ……」
馬鹿にされてる感凄いなぁ……だってあれは……
「だってあれほとんど一般常識と基礎的な問題だけじゃないですか」
真顔で答えた。
それに対して時雨さんの顔が青ざめていた。
「う、嘘でしょ……あれが……常識ですって……」
え?まさか、この学校って馬鹿学校?
「あれはうちの3年生にやらせても全部満点取れないのに!」
上級生なにしてんだーー!!
「まぁ、それは置いといて、生徒会の方はどうでしょか?」
「うーん……ちょっと考える時間が欲しいかな、1週間以内には返事させてもらうでダメかな?」
「えぇ、構いません。未来で待ってるよ」
「古い!古いよそれ!」
「きゃー時をかける少女が分かるなんてもう最高!私君とはずっと語り合えるかもぉ!」
妄想爆発
「……奏海行くよ」
「う、うん」
流石にどうしようも無くボクらはその場を立ち去ることにした。
×××
暴走オタク副会長を置き去りにしてボクらは帰りの支度を整えて下校の準備をしようとしていた。
外には帰宅する人、雑談してる人、準備をする運動部の人様々な人が見える。そこでふと思った。
「ねぇ、來那って部活はどうしてるの?」
「あ、うん、私の部活は活動してないから気にしなくていいよ」
返事がおかしい。活動してないなら部活じゃないじゃん。
「ていうのは冗談で、私は文芸部よ。部員は幽霊部員の3年生3人と私だけ、つまり活動してないってこと」
それは暗に自分も幽霊部員だと言いたいのだろうか……
「そっか、部活かぁ……ボクなら何が向いてるのかなぁ……」
「陸上部なんていいと思うぞ!!」
不意に底抜けた明るさの声がボクの真横から聞こえた。てか近いよ、声大きいよ。耳痛いじゃん……
横を向くとそこには女の子としてはだいぶ背が高くうっすら青みがかった黒髪を団子にした生徒がいた。牙って言われても信じちゃいそうな八重歯が一言二言喋るたび覗いていた。
「およ?めぐちゃんまだいたの?」
「あぁ、忘れ物しちまってなー」
女の子らしくない喋り方をするこの子だなぁ……
「んで、奏海もし部活決めてないんなら陸部どうだ?オレは歓迎するぜ」
一人称オレ?!なんかボクよりよっぽど男の子っぽいよこの子!
「いやぁ、奏海の脚凄くいい脚なんだよなぁ、お前絶対足速いだろ?」
そもそも男の子ですからね……運動も苦手な方ではないし。
「あぁ、そうかもね……あんまり本気で運動する機会もなかったからわかんない所あるけどね」
「そかーーんま、来るならオレに声掛けな」
忘れ物を回収した少女はたたたっと教室の入口までかけていく
「いい返事待ってんぞーーじゃな!」
と言い残し走り去った。まるで嵐のような子だった。
「あ、名前聞きそびれたなぁ……」
ボクのボヤきを聞き取ったのか來那が喋り始める。
「あの子は夏芽めぐ(なつめめぐ)、陸上部のエースで中学の頃は全国大会まで行ったこともあるぐらい凄いのよ」
「へぇ、凄いね陸上一筋なんだなぁ……ところであのしゃべり方はーー」
「わかんない」
「即答?!」
まぁ、人それぞれだよね!ほらそう思えばボクだって……ボクだって……うん、無理があったね。
「帰ろうか」
「うん」
今日はこの後何事もなく帰路につくのであった。
×××
途中で來那と別れ神薙の家に無事帰宅した。
そのまま与えられた自分の部屋に向かい荷物を置きベットに身を沈める。
「疲れたなぁ……でも楽しかった、かな?」
ボクの波乱の女子校生活はまだ始まったばかりだ。そして思うことはたくさんあった。
「女子校ってもっとお淑やかな人が多いイメージだったのになぁ」
そう、そんなイメージは完全に崩れ去っていた。主に今日出会った4人のせいである。
でもお陰で楽しそうとは思えた。
「上手くやらなきゃね」
ふと呟く。
どんなに上手く女装してもボクが男の子であることは変わらない。上手くやっていくということは彼女たちを騙し続けなければならないのだ。
ほんの少しの不安と明日からの本格的な学校生活に期待を抱きながらボクの意識は深い眠りへと落ちていくのであった。
最後までお読みいただきありがとうございます
もしかしたら面白くないとすっ飛ばしてここまで来た方もいるかもしれませんがそれはそれで目をつけてくれただけで嬉しいです
キャラの名前は特に深い意味はなくふと思いついたもので構成されてますのであしからず
低レベルな作品かもですが一応次回作も考えてます
お楽しみに?