IS 好きな人は一個上。   作:春の初音

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春の初音です。
今日も今日とて気まぐれに更新していきます。
それでは第十五話、どうぞ。


第十五話 ノーシナリオ

(…明らかにおかしい。原作にあんなビームはなかったはずなのに…)

 

本音と簪を逃がし、"本来空くはずのない穴"からアリーナに出た俺は即座にFXを展開、一夏、鈴の元に向かい、通信を開く。

 

「一夏!鈴!だいじょうb、うぉっ!危ねぇ!」

 

声をかけようとした瞬間、"確実に俺を狙ったビーム"がゴーレムから放たれた。

俺はギリギリのところで回避し、話を続ける。

 

「私は無事よ。ただ教員もそうそう来れなそうね。迎撃しないと…」

 

「俺もまだ戦える!今はどうにかするしか!」

 

「一夏、鈴。二人ともピットに戻れ。もうすぐ息切れだ…ろっ!」

 

言葉をかけ終わる前にゴーレムが的確な狙撃を放ってくる。

俺の嫌な予感は3発のビームで確信に変わった。

 

「まだ戦える!俺も戦う!」

 

「気持ちだけじゃここは無理だ。しかも今の見てたろ。完全にアイツは俺を狙ってる。二人ともピットに戻れっ…ったく危ねぇな」

 

こう話している間もビームと鉛玉がちょくちょく飛んできている。

的確に俺を狙って。

 

「一夏、ここは大人しく引きましょう。白石、頼んだわ。」

 

「朱鷺でいいよ。ほら決まったならっ…さっさと退け!」

 

こうして2人はピットに戻った。

ちなみにあとから聞いた話だと、一夏は衝撃砲と双天牙月によって削られ続け残りSE12、鈴も最後の零落白夜によってごっそり持っていかれ残りSE64だった。

あと数分戦闘を続けていたら完全に息切れしただろう。

 

さて、アリーナに残った俺は1人、ゴーレムに向き直り気を引き締めた。

 

「ここからはノーシナリオですか…わかってるんだろ、束。俺が異世界人だってことに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピットに2人が戻った直後、ゴーレムの目が光り、動きが変わった。

先程までの間隔を開けた射撃ではなく、完全な攻勢に出た。

しかも原作とは違い、飛んでいる。

 

「おいおい、嘘だろ…殺す気か!」

 

俺は回避を選択。はられた弾幕は機械だから隙があり、それを見つつFXの機動力を活かしながら回避していく。

さすがに衝撃砲みたいに射角無制限じゃないしね。

 

(時々飛んでくるビームが危険すぎる。出力高そうだしファンネルを盾にしてもひびくらいはいりそうだ。いくら元のFXが硬いとはいえIS版はたかがしれているはず…)

 

そう考えた俺は回避をしつつ距離を詰めていく。

狙われてはいるものの、流石FXと言うべきか。機動力の高さ故に回避は思っていたより楽だった。ただ弾幕も隙があるとはいえそもそも物量が多いため時々被弾してしまう。

そしてゴーレムはこそを見逃さず、的確にビームを撃ってくる。

 

(これを回避して瞬時加速をかければっ!)

 

被弾後のビームを回避し、俺は瞬時加速をかけた。

背中からビームサーベルを引き抜き、砲塔を潰しにかかる。

 

「これで火力は落ちるっ!」

 

ゴーレムの砲塔がビームサーベルによって切断された。

これでまだ戦いやすくなるはず…

 

否。ゴーレムの砲塔が戻っていく。切り離された部分は宙にうき、元の場所に収まり完全に接合され元の状態に戻っていた。

 

「…おいおい、マジかよ不死身か?…っと危ないなぁほんとに」

 

こうして1人軽口を叩いているが余裕はない。実際ジリ貧なのだ。こうでも独り言をしていないと精神が持たない。

そもそも補正のおかげでなんとか弾幕も回避出来ているが、集中は切れてくるし、先程から火力が上がり続けているのだ。被弾数も増えている。

代表決定戦とは違い、完全に殺意を持った攻撃。精神、身体ともに気をつけていないと逝きそうだ。

 

そこに織斑先生から秘匿通信が。

 

「白石!聞こえるか!」

 

「大丈夫です、織斑先生。かなりっ…ジリ貧ですが!」

 

「そうか…すまない。もう少し耐えてくれ。システムロックのおかげで教員の方が生徒の避難に手間取っていてな。本当はお前の方に人員を割くべきなのかもしれないが被害拡大を防止する為にもお前が出ている今は生徒に時間をくれ。本当にすまない…」

 

「いいですよ、そんなこと。そちらのほうがっ…大事です!こちらは生徒避難くらいの時間は稼げます。状況が変わり次第、連絡をください。こちらからもっ…いれますから!」

 

「わかった。相手は頼んだぞ!」

 

通信が切れた。戦闘に集中…

 

「さて、ブリュンヒルデから頼まれたんだ。仕事はっ…しなくちゃなぁ!」

 

本来、FXは妖怪首おいてけ、ギロチンガンダムと頭を落として相手を生かし、機体を倒す慈悲深いガンダム、というよりキオが慈悲深かった。でも…無人機なら…

 

「切り刻む!」

 

不死身ISにはこれしかない!

一旦動きは止まるけど…叩くっ!

 

「Cファンネルっ!」

 

俺が動かせる最大数、12機を全て動かしゴーレムへ飛ばす。

 

「被弾数がおおすぎるか…耐えてくれ…FX!」

 

弾幕はなおもはられ続けている。万が一ビームが飛んできたら大惨事。落ちるのが早いか落とすのが早いか。一か八かだ。

 

「届けぇぇぇ!」

 

ついにファンネルが獲物の元に届いた。俺は全身全霊でファンネルを操り、ゴーレムを切り刻む。

そこに慈悲などない。コアが回収できればいい。

 

「あった!コア!」

 

切り刻んだ機体の中からコアが露出した。

ファンネルを使い綺麗に削ぎ落とす。

その瞬間、ゴーレムは動かなくなった。

 

「…こりゃまずいことになったな…束にバレてる上、命まで狙われてたとは…」

 

俺は一抹の不安を抱えつつ、織斑先生に報告を入れる。

 

「敵IS、無力化しました。コアも回収済みです。」

 

「よくやった。こちらも生徒の避難確認が取れたところだ。救援を出せずすまなかった。帰投してくれ。」

 

「了解です。」

 

こうしてノーシナリオFX vs ゴーレムⅠはなんとか収束した。

しかし俺は完全に参っていた。

初撃から完全に俺を狙った狙撃。原作ではありえない動きと弾幕、威力。確実に束にバレている。俺がDimension Butterflyの能力者だと、そこまでバレてないにしても俺という存在がバレているということは確かだ。ここまでやってくるとは思ってもみなかった。

この試合以降、俺の胸には不安が膨らむばかりであった。

 




難産だった…戦闘シーンまじで無理…
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