ドラゴンボールSS ~農耕民族サイヤ人伝説~   作:秋羅

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第2部
ラディッツ「カカロット達が帰ってくるまで後3時間か・・・」


 

ギニュー「確か、ヤムチャ君の結婚式の後にそのまま惑星ベジータに残ったのだったか?」

 

ラディッツ「ああ、親父とお袋が引きとめてな。悟飯も一緒に残っていろいろ教え込まれたようだ。」

 

ギニュー「バーダック君達からすれば長らく会っていなかった息子と初めての孫だからな。構ってやりたくてしょうがないのだろう。」

 

ラディッツ「特にお袋が二人を離そうとしなくてな。おかげでチチにどやされたが最後は納得してくれたよ。」

 

ギニュー「ふむ・・・君は残らなくて良かったのかね? しばらく帰っていなかったのだろう?」

 

ラディッツ「俺はこっちで会社を立ち上げなくてはならなかったからな。それに弟のカカロットが結婚して息子まで作っていたものだから、俺はまだなのかという視線が痛いのなんの・・・」ポリポリ

 

ギニュー「はっはっはっ! 長男は大変だな! で、実際のところどうなんだい? 君ほどの男なら引く手数多だろう?」

 

ラディッツ「これまで農業一辺倒でずっと星々を渡り歩いていたからな。そういう浮いた話は無い。それにどうせ嫁にするなら強くて丈夫な女が良い。」

 

ギニュー「それは随分ハードルが高いな。超サイヤ人となった君に認められる女性がこの宇宙にどれだけいる事か・・・」

 

ラディッツ「まぁ、そんなもんでしばらく結婚は無理そうだ。それに事業も軌道に乗り、今が一番忙しい時期だ。そんな事を考えている暇はない。」

 

ギニュー「確かに地球の食品・飲食業界に革命を引き起こしたルートベジタブルファームの社長である君にはそんな暇も無いか・・・」

 

ラディッツ「ここまで急成長できたのはギニュー隊長を初めとしたギニュー特選隊の力があってこそだ。アンタ達の指導のおかげで高品質の乳製品と食肉を生産することができるようになった。改めて礼を言わせてもらう。」

 

ギニュー「いいってことさ! 我々も君にアジッサの飼料を教えてもらったからね! あれは素晴らしい! アジッサの飼料を食べさせた家畜達はとても良い乳を出すし、肉も旨くなる! アジッサのおかげで我々の酪農は新たな境地に達したのだよ!!]バババッ

 

ラディッツ「アンタにそう言ってもらえると俺も教えた甲斐があるというものだ。」

 

ピピピッ!

 

ギニュー「む! もうこんな時間か! すまないラディッツ君。私はそろそろ出発の準備をしなくてはならない。次の星の開拓があるからね!」スバッ

 

ラディッツ「こちらとしてはもっといろいろ教えてもらいたかったんだがな・・・」

 

ギニュー「なに大丈夫さ! 指導した地球人達は我々の技術を完璧にマスターし、もうどこに出しても恥ずかしく無い酪農戦士となった! 惜しくらむは彼らのスペシャルファーミングポーズの完成を見届けられない事だ。」シュババッ

 

ラディッツ「うちの従業員に何仕込んでんだアンタ・・・」タラリ

 

ギニュー「何を言う! スペシャルファーミングポーズは酪農の重要なファクターなんだぞ! これをするとしないとでは品質に雲泥の差が生まれるのだ!! 言わばこれは君達サイヤ人でいう農気! スペシャルファーミングポーズなくして、爆乳製品と超5ランクの肉は生まれないのだぁぁぁぁぁ!!」ズバーン!

 

ラディッツ「そ、そうか、すまなかった。そういうことならしょうがないな・・・」

 

ギニュー「分かってくれて嬉しいよ! では君専用のスペシャルファーミングポーズを・・・」

 

ラディッツ「いやっ!せっかくだが遠慮させてもらう。その様な高度な技術を短時間で覚えるのは難しいし、なにより出発の準備があるのだろう? 特選隊の皆を待たせては悪い。」ダラダラ

 

ギニュー「むぅ・・・残念だが確かにそうだな。君にスペシャルファーミングポーズを教えるのは次の機会にしよう! それではその時まで息災で居てくれたまえ! さらばだ! とう!!」ピョーン

 

ラディッツ「・・・あれが無ければ素直に尊敬できるんだがな。」ハァ

 

 

 

 

 

―――とある荒野―――

 

チチ「ラディッツさ! 悟空さと悟飯ちゃんはまだなのか!?」

 

ラディッツ「落ち着けチチ。先ほど地球軌道上に入ったと連絡があった。あと数分もすれば到着する。」

 

クリリン「フリーザ様の宇宙船で来るって話だったけど、大丈夫なのか? 国軍が出動したりしないよな?」

 

ベジータ「安心しろ。今回のフリーザ様の来訪は国王にも伝えられている。それにこれは将来地球が宇宙連盟に加盟する為の第一歩だ。そうそうおかしな事は起きんだろう。」

 

ピッコロ「それならば地球を挙げて盛大に歓迎した方がよかったんじゃないか?」

 

ラディッツ「今回は視察が目的だからな。地球の生の姿を見てもらう為にも特別な事をしなくていいと言ってある。」

 

ベジータ「それにこれは国の上層部以外にはトップシークレットだ。だからこそ一般人に余計な混乱が起きない様にこんな誰も居ない荒野を着陸地点に選んだんだ。」

 

ブルマ「まぁ、いきなり今日から宇宙人と交流しますなんて言われてもどうしたらいいか分からないものね。」

 

グオオオーーン

 

クリリン「あ! 来た! 悟空達が乗った宇宙船が来たぞ!」

 

チチ「悟空さー!! 悟飯ちゃーん!! ここだここだー!!」ピョンピョン

 

チャオズ「天さん! あの宇宙船すごく大きい!!」

 

天津飯「そうだな。聞いていたより大きいんじゃないか?」

 

ベジータ「あれはコルド会長のコールドポラリス号じゃないか!? まさか一緒にいらっしゃったのか!?」

 

ラディッツ「どうやらあの岩山の向こうに降りるようだな。急いで向かうとしよう。」

 

・・・・・・・・・・・

 

Gフリーザ「ここが地球ですか。なるほど素晴らしい星ですね。」

 

ダイヤモンドコルド「そうだな。大きさは小さいが生命力に溢れている。今回の視察について来て正解だったな。」

 

Gフリーザ「きっと有意義な視察になると思うよパパ・・・ん?」

 

ザッ・・・

 

???「・・・」

 

Gフリーザ「貴方は地球人ですか? 何か用でもあるのですか?」

 

???「お前達を殺しに来た・・・」

 

Gフリーザ「それは何故でしょうか? 地球人に命を狙われる覚えはないのですが・・・」

 

???「ッ・・・悟空さん以外は記憶に留める価値も無いというのかっ」ザワッ

 

悟空「え? オラがどうかしたのか?」ヒョイ

 

???「ご、悟空さん!? どうしてフリーザ達の船から!?」

 

悟空「どうしてって、惑星ベジータからここまで乗せてもらったからなんだけんど・・・オメェだれだ?」

 

悟飯「なんだかフリーザさん達を殺すと言ってたみたいですけど・・・」

 

悟空「何!? じゃあ悪い奴なんだな! おっしゃー! いっちょとっちめてやっぞ!!」ゴキッゴキッ

 

???「へ? いやちょっと待ってください!? 」アセアセ

 

悟空「話はOHANASHIの後だ! ナノハに教えてもらった絶対死なない収束エネルギー砲を喰らえー!!」キュイィィィン・・・

 

バシュゥゥゥゥゥゥ!!!!

 

???「え? え?」

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

ベジータ「で? 貴様は何者なんだ?」ゴゴゴゴッ

 

???「あの・・・その・・・えっと・・・」正座中

 

ラディッツ「頭にアジッサを植えられたく無ければきりきり話せ! それともまた絶対死なない収束エネルギー砲を喰らいたいのか?」ギロッ

 

???「待ってください! あれだけは・・・あれだけは勘弁してください!!」ガクガクガク

 

Bザーボン「フリーザ様。周辺にポットらしきものを発見しました。どうやらこの男が乗ってきたモノの様です。」

 

Gフリーザ「ご苦労様ですザーボンさん。さて、それでは話していただきましょうか?」

 

???「そ、その前に一つだけ質問させてください! 貴方は悪の帝王ではないのですか!?」

 

Sドドリア「テメェ・・・宇宙平和賞を3度も受賞されたフリーザ様をよりにもよって悪の帝王だと? 死にてぇみたいだな・・・」ボキッボキッ

 

Gフリーザ「おやめなさいドドリアさん! さて、何故貴方が私をその様に呼ぶのかは分かりませんが、とりあえず質問に答えましょう。答えは否です。私は食を愛するしがない貿易会社の社長ですよ。」

 

???「そんな馬鹿な!? 一体どうなっているんだ!?」

 

クリリン「混乱しているとこ悪いけど、さっさとゲロッちまった方が良いぜ? このままだと絶対死なない収束エネルギー砲を何度も喰らわされた挙句頭にアジッサ植えられちまうぞ。」

 

???「クリリンさん・・・そうですね。本当なら悟空さんだけに話すつもりでしたが、どうやらここは俺が知る歴史とは違うようです。なので全て話します。俺が何者なのか、そしてなんの為にここに来たのかを・・・」

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

トランクス「つまり、地球は滅亡してしまうんです!!」

 

一同「「「な・・・なんだってー!!」」」

 

クリリン「そんな・・・悟空が病気で死んで、俺達全員人造人間にやられるだなんて・・・」

 

ラディッツ「しかし、話を聞く限りコイツの世界とこの世界は乖離が大きいようだぞ。サイヤ人が戦闘民族で滅んでいたり、フリーザ様の一族が悪者で宇宙を支配していたり・・・ここまで違うと同じような事が起きるとは思えんのだが・・・」

 

ピッコロ「だが事が起きてしまった時の為の備えは必要だろう。」

 

クリリン「でもベジータでさえ敵わなかったんだろ? そんな奴ら相手に俺達がまともに戦えるかどうか・・・」ブルルッ

 

天津飯「確かに・・・いくら俺が千手の拳と百八身の拳を編み出したとはいえ、そんな奴ら相手では分が悪いだろう。」

 

チャオズ「きっと僕のベクトル操作も効かない・・・」シュン・・・

 

クリリン「二人はまだいいさ。俺なんて仙術を身に付けただけなんだぜ? こんなんじゃ足手まといにしかならねぇよ・・・」

 

トランクス「あ、あの・・・皆さん何を言って・・・」

 

チチ「そんなことより悟空さが死んでしまうってどういう事だ!! 冗談でも言って良い事と悪い事があるぞ!!」ブンブン

 

トランクス「ちょ!? チチさん揺さぶらないで!?」ガクガク

 

悟飯「ウイルス性の心臓病との事ですが、治す方法、あるいは予防薬の様なモノはないんですか?」

 

トランクス「ハ、ハイ! 僕が居た世界で開発された特効薬を持ってきました。」ガクガク

 

チチ「そういう事は早く言うべさ! ほれ、さっさと出せぇ!!」ブンブンブン!!

 

トランクス「あばばばばばばばば・・・」ガクガクガクガク!!

 

ブルマ「はいはい落ち着きなさいチチ。それじゃあトランクスが薬を出せないわ。」

 

チチ「そういえばそうだったべ。」パッ

 

トランクス「ぎゃふん!?」バタンッ

 

コロコロコロ・・・

 

ブルマ「ふーん。これがその薬ね。さっそく解析して量産しなくちゃ。ウイルス性ならみんなにも移るかもしれないものね。」

 

ベジータ「まったく、貴様の世界のカカロットは軟弱だな! 最野菜を食わないからそんな事になるんだ!!」

 

トランクス「こっちのサイヤ人は農耕民族じゃないんですから無理を言わないでください!?」

 

ラディッツ「なにはともあれ、その人造人間が現れるまで3年の猶予があるのだ。そこに向けて準備すればいい。」

 

Gフリーザ「なんでしたら私達も手伝いましょうか? 」

 

Dコルド「そうだな。この様に素晴らしい星を滅ぼされる訳にはいかんからな。」

 

ベジータ「そんな! お二人の御手を煩わせる訳にはいきません! これは我々地球に住む者の問題! ならば自分達の手で解決しなくては!」

 

ブルマ「ちょっとベジータ! せっかく手伝ってくれるって言ってるのに何断ってんの!? 地球の運命が掛ってんのよ!? そこんところ分かってるの!?」ガシッ

 

ラディッツ「騒ぐなブルマ。まだ人造人間が居ると確定した訳ではないだろう? それに地球はこれから他の星々と交流して行く事になる。そうなると様々な問題も発生するだろう。貴様はその度にフリーザ様達に力を貸してもらうつもりか?」

 

ブルマ「別にそんな事は言わないけど・・・」

 

ラディッツ「ならばこの程度の問題、俺達地球に住む者達で解決せねば。」

 

悟空「おう! 地球はオラ達の星なんだ! オラ達で守らねぇと!!」

 

クリリン「悟空・・・そうだな。ここでフリーザ様の力を借りるのは簡単だ。でも、そうしたらきっと俺達は地球人である事に誇りを持てなくなっちまう。」

 

天津飯「ああ・・・ 確かに俺達は弱いかもしれない。だが、何も直接戦う事だけが地球を守る事ではない。」

 

チャオズ「そうだね天さん。僕達は僕達に出来る事をやろう!」

 

ピッコロ「悔しいが、戦闘力は超サイヤ人になれる孫達が飛び抜けている。戦いは孫達に任せて俺達はサポートに専念するとしよう。」

 

ベジータ「任せろ。だがやる事は他にもたくさんある。国王に報告して緊急時の避難計画の策定や避難場所の確保。人造人間の作成者であるドクター・ゲロの捜索。人手はいくらあっても足らん。」

 

悟飯「ドラゴンボールで居場所を探すのはどうでしょう? 別に3年待たなくても人造人間が完成する前に倒してしまえば解決しますよ!」

 

悟空「何言ってんだ悟飯! それじゃあ強ぇ奴と戦えねぇだろ?」

 

チチ「悟空さこそ何言ってるだ! それで怪我でもしたらどうすんだ!? おら皆が傷付くところは見たくねぇだよ!!」

 

ブルマ「・・・あーもー! 分かったわよ! 私も私なりのやり方で地球を守るわよ! これでいいんでしょ!?」

 

ベジータ「それでこそ俺の婚約者だ。頼りにしているぞブルマ。」

 

ワイワイガヤガヤイチャイチャ

 

Dコルド「ふふっ・・・フリーザよ、地球の民は頼もしいな。」

 

Gフリーザ「そうだねパパ。彼らならきっと大丈夫さ。」

 

 

 

 

 

―――3年後 南の都の南西の島―――

 

ラディッツ「ついにこの時が来たか・・・」

 

ベジータ「結局、ドラゴンボールでも見つける事はできなかったな・・・」

 

悟空「ドクター・ゲロの居場所を教えてくれって言ってもそんな奴居ねぇっていうし、人造人間の居場所を聞いても違う奴が見つかったからなぁ・・・」ポリポリ

 

ラディッツ「だが、ドクター・ゲロという人物が存在していたのは確かだ。それに人造人間もドクター・ゲロに造られたモノだった。つまり、トランクスの世界を破壊した人造人間が居てもおかしくはないということだ。」

 

ベジータ「ああ・・・だが、居なければ居ないでその方が良い。人造人間が暴れて農地が荒らされては堪ったもんじゃないからな。」

 

悟空「オラは戦ってみてぇんだけどなぁ~。」

 

ラディッツ「まったくお前と言う奴は・・・」

 

ヒュゥゥゥン・・・スタスタッ

 

クリリン「ベジータ! 島の住人の避難は終わったぞ!」

 

天津飯「それと偵察ロボットも放って周囲を監視している。何かあればすぐに連絡がくるだろう。」

 

ベジータ「そうか、分かった。後は俺達に任せてお前達は離れていてくれ。」

 

クリリン「気を付けろよ? もしもの時は助けに行くからな。」

 

天津飯「力は弱いが分身を配置しておいた。いざという時は盾にでもしてくれ。」

 

ラディッツ「助かる。」

 

悟空「オメェらも気を付けろよ? 敵がそっちに行くかもしんねぇからな。」

 

クリリン「心配すんなって! 俺の仙術で見つからない様に隠れるからな!」

 

天津飯「では、頼んだぞ。」

 

ヒュン・・・

 

ラディッツ「・・・さて、あとは敵を待つだけか・・・」

 

ピピピッ!!

 

ブルマ〔ベジータ、現れたわ! 場所は街の中心部。姿は老人とデブ! 両方男よ!〕

 

ベジータ「本当に現れやがったか・・・ラディッツ! カカロット! 行くぞ!!」

 

ラディッツ「おう! 跡形も無く破壊してくれるわ!」

 

悟空「おーし! いっちょやってみっかぁ!」

 

バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――市街地中心部―――

 

人造人間19号「どういうことでしょう20号、人が居ません。」キョロキョロ

 

人造人間20号「ふむ・・・サーチシステムには複数の反応があるが、何かおかしい・・・エネルギーが全て同値? これはいったい・・・む!?」

 

ギュウウウウウ・・・スタッ スタスタッ

 

ベジータ「貴様らが人造人間か・・・やっとツラが拝めたぜ。」

 

20号「不思議だ・・・何故我々が人造人間だと分かったのだ? それにここに現れる事も分かっていたようだな。何故だ? 答えてもらおう。」

 

ラディッツ「ふん。これから破壊される連中が知る必要は無いだろう。」

 

19号「大した自信ですね。ですが貴方方に勝ち目はありません。我々はソン ゴクウをずっと調査してきたのですから。」

 

悟空「オラを調査だと?」

 

20号「そうだ。超小型のスパイロボットを使ってな。天下一武道会の時もピッコロ大魔王の時も・・・」

 

ベジータ「なるほど・・・ならナメック星での戦いもスパイしていたのか?」

 

20号「その必要はない。我々はベジータ達が来た時点で貴様らのパワーや技を完全に把握した。その後更に腕を上げたとして、年齢から考えてそれまでの様な大幅アップは無理だという計算だ。」

 

ラディッツ「ならば俺らが負ける事は無いな。」

 

悟空「ああ。こいつらは一番肝心な事を調べ忘れちまったみてぇだ。」

 

20号「なに?」

 

ベジータ「貴様らに見せてやろう。ナメック星で俺達が手にした力を!」

 

   悟空

ラディッツ「「「はぁっ!!!」」」

 ベジータ

 

ゴッ!!!

 

19号「ありえない! 計算の50倍は超えるパワーです!」

 

20号「なるほど・・・かなりのパワーアップを果たしたようだな。これは早々にアレを使わねばならんか・・・」

 

超ラディッツ「さて人造人間達よ。せっかく戦うのだからこんな狭い場所ではなく広いところで思いっきり戦おうではないか。」

 

20号「・・・いいだろう。我々も全力で戦うなら広い方が良い。」

 

超ベジータ「ならここから南東の方角に無人の荒野がある。そこで戦うぞ。」ヒュッ

 

バシュウウウ

 

 

 

 

 

―――とある荒野―――

 

ギュウウウウウ・・・スタタタッ

 

超悟空「それじゃあ最初はオレが相手だ。いいよな二人とも?」

 

超ベジータ「かまわん。無様な姿を見せるなよカカロット。」

 

超ラディッツ「気を付けろよ。奴ら何か奥の手を持っているようだ。」

 

20号「さっそく孫悟空が相手か・・・好都合だ。もともと我らの標的は孫悟空、貴様なのだからな。」

 

超悟空「オレが狙いだと?」

 

20号「そうだ! 貴様が我がレッドリボン軍を滅ぼしてからずっと貴様を殺すために研究してきた! いかにすれば孫悟空を倒す事ができるか! そしてどういう人造人間なら勝てるのか!」

 

超ラディッツ「カカロットが昔倒したというレッドリボン軍の残党か・・・」

 

20号「そしてとうとう開発に成功した! 究極のエネルギーを取り込む事で最強のパワーを発揮する人造人間を!!・・・19号!」

 

19号「はい、20号!」スッ

 

超悟空「・・・哺乳瓶?」

 

超ラディッツ「なんだあの緑色の液体は? 燃料か?」

 

19号「チュウチュウチュウ・・・」ゴキュゴキュゴキュ・・・

 

カッ!

 

XIX号「・・・」ドドドドドドドドッ

 

超ベジータ「痩せた・・・だと? どういうことだ。奴は人造人間ではないのか?」

 

20号「ふっふっふっ。19号はドクター・ゲロが造り出したもっとも完成度の高い人造人間。そして、今飲んだのは最野菜を濃縮還元した100%最野菜ジュース! これにより19号は最強の戦闘形態へと変形するのだ!!」ドン!

 

超ラディッツ「ちっ、まさか最野菜の力に気づいていたとは・・・敵ながらやりやがる。」

 

20号「貴様らサイヤ人には感謝しているぞ。おかげで孫悟空を殺す事ができる・・・XIX号!」

 

XIX号「リョウカイ」グアッ

 

超悟空「っと」ガシッ

 

XIX号「ナニ!?」

 

超悟空「はっ!!」ドガッ

 

XIX号「グワッ!?」ヒュン・・・

 

ギュン・・・パッ

 

超悟空「ダダダダダダダダ・・・」ドガガガガガガ・・・

 

XIX号「グッ!? ゲッ!? ガッ!?」ドガバキゴキ・・・

 

超悟空「でやぁーーーっ!!!!」ズッ

 

グオオオオオオ!!

 

XIX号「ギャーーーー!!??」

 

ドガアアアアアン!!!!

 

パラパラパラ・・・

 

ドン!・・・ゴロゴロ・・・

 

XIX号「・・・」

 

ボンッ!!

 

20号「そんな馬鹿な!? 濃縮還元した100%最野菜ジュースを取り込んだXIX号のパワーは戦闘力にして5億! それをこうもあっさり倒すだと!?」

 

超ベジータ「最野菜をエネルギー源にするという着眼点は良かった。だが、そんな付け焼刃で摂取したところで常日頃から最野菜を食っているカカロットに勝てる道理はない。」

 

超ラディッツ「それに最野菜に限らず野菜はジュースにする過程で栄養素が失われる。それに気付けなかった事が最大の敗因だ。」

 

20号「ぐぬぬぬぬぬ・・・カッーーー!!!!!」

 

ズバババババババババババババババババババババッ

 

超悟空「うわっ!?」

 

グオオオオオ・・・

 

超ラディッツ「・・・あ、あの野郎・・・逃げやがった!!」

 

超ベジータ「ちっ! すぐに探すぞ! まだ近くに居るはずだ!!」

 

トランクス「皆さん!!」ヒュウウウン・・・

 

悟空「トランクス! 来たんか!」

 

トランクス「すみません。もっと早く来るつもりだったんですが、時間がズレていたので遅れました。」

 

ベジータ「要件はなんだ! 奴を追わねばならんのだ。早く言え!」

 

トランクス「それなら安心してください。母さんが偵察ロボットで追跡してくれています。」

 

ラディッツ「それならひとまず安心か・・・それでどうしたんだ?」

 

トランクス「実は皆さんが戦っていた人造人間と俺の世界の人造人間が違うんです。」

 

ベジータ「なんだと!? じゃあアレの他にも人造人間が居るという事か!?」

 

トランクス「たぶんそうです・・・俺の世界の人造人間は、赤いスカーフを巻いた長い黒髪の少年と可愛い女の子タイプ・・・金髪で少年の方とよく似た容姿で服装は俺みたいな感じでした。それとふたりとも冷たい目と丸いイヤリングをしています。」

 

ラディッツ「厄介な・・・あの19号とやらを見る限り倒せない相手ではないだろうが、3人一緒になって暴れ出したら大変な事になるぞ。」

 

ベジータ「それに奴らは気を持たないから探すのに時間がかかる・・・ブルマが奴の拠点を見つけてくれる事を願うか・・・」

 

トランクス「そうですね・・・ところで悟空さんは大丈夫なんですか? 胸が苦しかったりしませんか?」

 

悟空「おう大丈夫だ! おめぇが持ってきてくれた薬を元にブルマが予防薬作ってくれたからな! それに昨日健康診断してきたけど、医者に健康過ぎて気持ち悪いって言われちまったぜ!」タハハ・・・

 

ラディッツ「最野菜を毎日食べているのだ。病気などになるはずがない!」

 

ベジータ「そのとおりだ。サイヤ人は病気知らずの超健康的な種族だ!」

 

トランクス「・・・この世界のサイヤ人はいろんな意味ですごいですね・・・とりあえず悟空さんが元気でよかったです。」

 

ピピピッ!

 

ブルマ〔皆聞こえる? 人造人間の拠点を見つけたわ! 場所は北の都の近くの山にある洞窟! 今位置情報を送るから急いで!〕

 

ベジータ「分かった。お前はそのまま偵察ロボットで監視を続けてくれ・・・聞こえたなお前達。」

 

トランクス「はい! 人造人間が行動を起こす前に拠点ごと破壊しましょう!」グッ

 

ラディッツ「その前に念のため北の都に避難勧告を出してもらおう。ブルマ、連絡頼めるか?」

 

ブルマ〔それなら大丈夫。人造人間の拠点を見つけた時点でもう連絡してるから。〕

 

悟空「なら安心だな! よーし! いっちょ人造人間をぶっ飛ばしに行くかー!!」

 

一同「「「おう!」」」

 

 

 

―よく似ているが異なる世界からやって来たトランクスにより知らされた地球の危機。そして、その危機を回避する為に立ち上がった悟空達はドクター・ゲロが造り出した人造人間19号を倒すが、20号に逃げられてしまう。そこで知らされる更なる強敵。悟空達は人造人間から地球を守る事が出来るのか・・・―

 

 

 

トランクス「ところで父さんは母さんと結婚したんですか?」

 

ベジータ「入籍して子供も作ったが式はまだだ。人造人間の件があったからな。式はこの問題が片付いてからするつもりだ。」

 

トランクス「そうですか・・・良かった・・・こっちでは結婚するどころか母さんと俺を放って鍛えてばかりだったそうなので安心しました。」

 

ラディッツ「そっちのベジータはホントにクズだな! 野菜を食わないからそんな事になるのだ!」

 

悟空「きっとすっげぇチビでハゲで傲慢で永遠のナンバー2にちげぇねぇぞ!」

 

ベジータ「大丈夫だトランクス。俺は家族を大切にする。そしてお前も俺の家族だ。だから1人で抱え込まず俺を頼れ。いいな?」

 

トランクス「父さん・・・はいっ!」グズッ

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

ラディッツ・・・ナメック星での戦いの後、農業企業ルートベジテブルファーム(根菜牧場)を設立。多くの農家を取り込み、サイヤ式農業を教える事で品質と生産性を大幅に向上させ、更にギニュー特選隊を招き、酪農技術を取り込む事で高品質の乳製品と肉の生産を可能とした。またルートベジテブルファームの製品は非常に栄養価が高く美味である為、地球の食品業界および飲食業界に革命を引き起こした。

ベジータ・・・宇宙連盟の特使として地球連邦に派遣された。今後宇宙との交流行う事になる地球がスムーズに外交を行えるように国王のアドバイザーをしている。

ダイヤモンドコルド・・・フリーザから伝説のスーパー最野菜の事を聞いて試してみたところ宇宙最硬の肉体を手に入れた。元気玉を喰らっても無傷なレベル。

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