ドラゴンボールSS ~農耕民族サイヤ人伝説~   作:秋羅

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神【ぜ・・・絶望的だ・・・奴の成長率は異常過ぎる・・・!】

 

ピッコロ「見つけたのか!? だがどういうことだ! 人間の避難は既に終わっている! 何故奴の力が増している!?」

 

神【奴はパオズ農場で最野菜を吸収している・・・最野菜が秘める豊富な栄養素が奴に力を与えているのだ!】

 

天津飯「なんてことだ!? よりにもよって最野菜を取り込むとはっ・・・」

 

クリリン「どうするんだよ!? ラディッツ達はまだ出てきてないんだろ!?」

 

神【・・・こうなっては仕方がない。ピッコロよ、宮殿に戻ってくるのだ。神と大魔王が再びひとつになる時が来た・・・】

 

ピッコロ「何を言っている! 貴様が居なくなればドラゴンボールが無くなるんだぞ!?」

 

神【たしかにそうだ。だが、ここで奴を止めるには我らが融合するしかない。】

 

クリリン「そんな・・・じゃあ人がいっぱい死んじまった時はどうすればいいんだ!?」

 

神【・・・作ったわたしが言うのもなんだが、死者さえ蘇らせるアレは元々宇宙の摂理に反するモノ。あまりに大きな願いを叶え続けると相応の歪みも生まれてしまう。】

 

天津飯「歪みか・・・考えてみれば、ノーリスクでどんな願いも叶えてくれるだなんて、そんな都合の良い話があるわけがなかったな・・・。」

 

神【わたしは悟空の様な高潔な心を持った者の最後の希望としてドラゴンボールを失くさずに残した。だが、もうそれも必要ないだろう。人々は地球の危機に手を取り合い、各々が出来る事を必死に行っている・・・そう、人が神の手から離れる時が来たのだ!】

 

ピッコロ「・・・分かった。ならば俺も地球の住人として出来る事をやろう。神よ、すぐに向かう。」

 

神【ああ、待っているぞピッコロ。】

 

 

 

 

 

 

―――パオズ農場―――

 

セル「ぶるぁぁぁぁぁ!!」

 

シャクシャクシャクシャク!

 

セル「うまい・・・うまいぞぉぉぉォォォォ!! もっとだ! もっと最野菜を食べなくては・・・俺の身体が! 全細胞が! 最野菜を求めてぇいるぅぅぅぅぅ!!!!!」ゴゴゴゴゴッ

 

バシュゥゥゥゥ・・・スタッ

 

ピッコロ「そこまでだ化け物め!!」

 

セル「・・・誰かと思えばピッコロ大魔王ではないか。」

 

ピッコロ「!? 何故その名を知っている!?」

 

セル「何故知っているかだと? 簡単な事よ。俺が貴様の兄弟だからだ。」

 

ピッコロ「兄弟・・・だと? 何を訳のわからん事を!!」

 

セル「くっくっくっ・・・まぁ、これじゃあ分からんよなぁ。よぉし、今の俺はすこぶる機嫌が良い。特別にこのセルについて教えてぇやろぅ。」

 

ピッコロ「・・・」ゴクリ

 

セル「改めて、わたしの名は人造人間〝セル″。生み出したのはドクター・ゲロの使っていたコンピュータだ。」

 

ピッコロ「やはりドクター・ゲロか・・・」

 

セル「その昔ドクター・ゲロは戦闘の達人達の細胞を集め、その細胞を合成させた人造人間の研究を始めたが時間がかかり過ぎる為に途中で断念した・・・しかしコンピュータはその作業をそのまま休むことなく続けていた・・・そして超小型の虫型スパイロボットを使い、孫悟空やピッコロ・・・更にベジータにフリーザ、そしてその父親の細胞をも集めたのだ。」

 

ピッコロ「まさかそんな事が・・・」

 

セル「今頃コンピュータはドクター・ゲロの研究所の地下でわたしを造っているだろうよ。」

 

ピッコロ「・・・いいのか? そんなことまで話して。」

 

セル「別にこの世界のセルがどうなろうと構わん。わたしさえ存在していればそれでいいのだからなぁ。」ニィ

 

ピッコロ「貴様・・・」

 

セル「さて話は以上だ。それではそろそろ始めようか。」ゴキッ

 

ピッコロ「最後に聞かせろ。何故貴様はわざわざこの世界にやってきたんだ!?」

 

セル「わたしの目的は完全体となることだ。そしてそうなるにはドクター・ゲロが造り出した17号と18号を吸収する必要がぁある・・・どうやったのかは知らんが私の居た未来ではトランクスに破壊されてしまっていてな。しかし、運よくトランクスがタイムマシンを持っていたのだ。そして、わたしはトランクスを殺し、タイムマシンを奪って、この時代にやってきたと言う訳だ。」

 

ピッコロ「そういうことだったのか・・・」

 

セル「さぁもう質問は終わりだな?」

 

ピッコロ「ああ・・・質問に答えてくれてありがとうよ。その礼に貴様にいい事を教えてやろう。」

 

セル「なに?」

 

ピッコロ「俺はもうピッコロでも神でもない・・・俺は貴様を倒す者だ!!」ゴッ!!

 

セル「!? このパワーは・・・!」

 

ピッコロ「はっ!!」ズッ

 

グォア!!・・・ズザァァァ・・・・

 

セル「ぬぅ・・・」グググッ・・・ムクッ

 

バッ・・・シュバッ

 

ピッコロ「ふっ!」サッ

 

バキッ

 

セル「ちィ・・・」バッ

 

ザクッ

 

ピッコロ「・・・」シャッ

 

ゴキィッ!!

 

セル「っ・・・」ブン!

 

ドガン!!

 

ピッコロ「ちっ・・・」ヒュー・・・サッ

 

スタッ

 

セル「か・め・は・め・・・」ギュゥゥゥン

 

ピッコロ「魔貫・・・光殺砲!!」ギャルルルルル!!

 

セル「波ぁぁぁぁーーー!!!」グオオオオオ!!

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

 

 

セル「・・・まさか貴様がここまでの力を持っていたとはな・・・」

 

ピッコロ「それはこっちのセリフだ。せっかく神と融合してスーパーパワーアップしたというのに貴様は最野菜を取り込むだけでそれに匹敵する力を手に入れた・・・ったく、反則的な能力だぜ。」

 

セル「くっくっくっ・・・わたしも驚いているよ。たかが野菜にこれほどの生体エネルギーがあるなど信じられん。だがおかげでわたしは成長する事ができた! この最野菜とかいう野菜の持つ栄養素を余さず取り込む度にわたしの細胞は歓喜に撃ち震え進化した!!・・・だがまだ足りんようだなぁ・・・」シュル・・・

 

ピッコロ「っ・・・」バッ

 

ギュオオオオオオオオ!!!

 

ピッコロ「こ、これは・・・吸いこまれるっ!?」ズザザザザ・・・

 

ヒュン・・・ヒュン・・・ゴキュンゴキュンゴキュン・・・

 

ピッコロ「なっ!? 周りの最野菜を吸いこんでいるのか!?・・・させん! 超爆裂魔波ぁぁぁ!!!」ダンッ

 

カッ・・・ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴン!!!!!!

 

 

ピッコロ「・・・どうだ?」ハァハァ

 

ゴッ!!!!!!

 

ピッコロ「っ!?」サッ

 

ギャピッギャピッギャピッギャピッ・・・

 

ギャピッ!

 

セル(健康体)「最野菜が無ければ即死だったぞ。」

 

ピッコロ「貴様・・・その姿はっ!?」

 

セル(健康体)「どうやら大量の最野菜を取り込んだ事により進化したようだな・・・ふははははっ! 身体が驚くほど軽いぞぉ!」

 

ピッコロ「くそったれぇぇ!!」ギュン!

 

セル(健康体)「どこを見ている?」シュン!

 

グルグルグルグル!

 

ピッコロ「ぐぅ!? 早いッ」ググググッ

 

セル(健康体)「無駄だ。わたしの尻尾からは逃れられん。それでは貴様の生体エキスをいただくとするぅかぁ・・・」

 

ドスッ

 

ピッコロ「がっ・・・あああああぁぁぁぁぁぁ!?」ドクンドクンドクン・・・

 

セル(健康体)「ッ!?」バッ

 

ピコッロ「はっ・・・な、なんだ? 何故離れたんだ・・・?」ゼェゼェ・・・

 

セル(健康体)「・・・不味い! なんと不味いエキスなんだぁぁぁ!!!」ピキピキピキ

 

ピコッロ「・・・・・・・・・・え?」

 

セル(健康体)「まさか生体エキスがこんなにも不味いとは思わんかったぞぉ!! ダメだ、これでは生体エキスでパワーアップできん! 最野菜だ! 最野菜を探さねばぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ギュン

 

バシュゥゥゥ

 

 

ピッコロ「えぇ・・・(困惑)」

 

 

 

 

 

 

―――ドクター・ゲロ研究所―――

 

クリリン「ピッコロの話だとここに地下研究所があるはずなんだけど・・・」キョロキョロ

 

トランクス「クリリンさん、ありました。たぶんここですよ!」

 

クリリン「おっ! ほんとだ! さっそく降りてみよう。」

 

ヒュゥゥゥ・・・スタタッ

 

???「おやぁ・・・まさかこんなところに客人がくるとはなぁ。」

 

クリリン「っ! 誰だ!?」バッ

 

キュピッキュピッキュピッ・・・

 

トランクス「子供?・・・いやまさかセルか!?」

 

セル「なぁんだ。君達はボクのことを知っているのかぁ。でもどうして知ってるのかなぁ? ボクのことはドクター・ゲロしか知らないはずなんだけどなぁ・・・」コテン

 

トランクス「貴様がそれを知る必要はない。貴様はこれから死ぬんだからな!」カチャ・・・

 

セル「おっと、待った待ったぁ! 別にボクは君たち人間を害しようとは思ってないよぉ! ボクの興味は農業だけだぁ!」

 

クリリン「農業?・・・あっ、そうか! ここのセルは農耕民族のサイヤ人の細胞を持ってるから農業に興味があるのか!」ポン

 

トランクス「だからといって敵じゃないとはいえません。今も俺達から生体エキスを吸おうとしているのかも・・・」キッ

 

セル「そんなことしないよぉ! ボクにはそんな能力無いし、そもそも戦闘力さえないんだから!」ブンブン

 

クリリン「そうなのか?・・・じゃあちょっと頭を触らせてくれよ。俺の仙術ならお前が力を隠していても触れれば探る事ができるからな。」

 

セル「どうぞどうぞ。それで疑いが晴れるなら。」

 

クリリン「それじゃあ・・・」スッ

 

トランクス「・・・どうですかクリリンさん。」

 

クリリン「・・・こいつの言うとおりだ。こいつには戦闘力がほとんどない。代わりにすごい農業力を持ってるみたいだ。」

 

セル「当然さぁ! ボクはサイヤ人のエリートである孫悟空にラディッツ、ベジータの細胞を持ってるからね!」

 

トランクス「・・・分かった。お前を信じよう。」

 

セル「ありがとう! それじゃあ改めて自己紹介をしよぅ。ボクは大地と野菜と平和を愛する人造人間〝セル″。ドクター・ゲロのコンピュータの誤動作によって生み出された存在さぁ!」

 

トランクス「誤動作?」

 

セル「うん。ちょっと前なんだけど、上の研究所が大爆発しちゃってねぇ。その衝撃でコンピュータが壊れちゃったみたいなんだ。そしてその壊れたコンピュータが合成中の細胞から悪の因子を排除して急成長させた結果生まれたのがボク・・・『完善体』セルなのさ!」

 

クリリン「完善体か・・・あいつとはある意味真逆の存在なんだな・・・」

 

セル(完善体)「それじゃあ次は君達の番だよ。君達の事、そして何故ボクの事を知っていたのか教えてよ。」

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

セル(完善体)「・・・つまぁり、君の世界のセルがこの世界の17号と18号を吸収して完全体になる為にやってきたんだね。」

 

トランクス「そうです。そして今、俺の世界のセルは力を蓄えるために最野菜を取り込んで進化を続けています。このままではそう遠くないうちに17号と18号を吸収する為に現れるでしょう。」

 

セル(完善体)「それは困ったねぇ。今のままでも危険なのにこれ以上強くなったらまぁずい。」

 

クリリン「なぁ、おまえもセルなら何か弱点とか知らないか?」

 

セル(完善体)「そぉうだねぇ・・・もしかしたらナメック星人の弱点である口笛が効くかもしれない。」

 

トランクス「口笛か・・・でもそれだけでは決定力に欠けますね。」

 

セル(完善体)「あとはそうだなぁ・・・なんとかして取り込んだモノを吐き出させるとか・・・」

 

クリリン「なんとかって・・・」

 

セル(完善体)「しょうがないだろぉ。コンピュータが壊れてなければ聞けたかもしれないけど、ボクが完成した時点で完全に壊れてしまったんだぁ。まぁ、データだけなら残っているかもしれないけど・・・」

 

トランクス「ならコンピュータを持って帰りましょう。母さんに協力してもらえばデータが壊れていても復元できるかもしれない。」

 

セル(完善体)「ならボクも一緒に行こぅ。何かの役に立てるかもしれないからねぇ。」

 

クリリン「いいのか?」

 

セル(完善体)「もちろんさぁ。言っただろぅ、ボクは平和を愛するって。今の状態じゃおちおち農業もできないし、異世界のセルは最野菜を盗んでるんだろぅ? これはなんとしてもお仕置きしなくちゃねぇ・・・。」ピキピキ

 

クリリン「ははは・・・そういうところはサイヤ人っぽいな。」

 

トランクス「・・・よし。コンピュータはカプセルに収納しました。急いで戻りましょう。」

 

セル(完善体)「そうだぁ、これも持っていこぅ。17号と18号の設計図だよ。何かの役に立つかもしれない。」

 

クリリン「おっ! それがあればあいつ等が暴れ出した時に止められるかもしれないな!」

 

トランクス「ええ! それも一緒に母さんに見てもらいましょう!」

 

 

 

 

 

 

―――神の宮殿―――

 

ギィィィ・・・バタン

 

ベジータ「ようやく出てきたか。100日の予定だったのに1年間も修業しやがって。待ちくたびれたぞ。」

 

超ラディッツ「すまん。農行は達成したがまだ不安だったからな。」

 

超悟空「おう! おかげですっげぇ強くなれたぞ! 超サイヤ人にもずっとなっていられるようになったしな!」

 

ベジータ「そのようだな・・・これなら俺も貴様らと同じ修業をした方がよさそうだ・・・トランクス入るぞ! 少しでも早くパワーアップするんだ!」

 

トランクス「待ってくださいよ父さん! 俺はサイヤ人の血を引いてますけど農耕民族じゃないんですよ!? だから農行をしたって・・・」

 

ベジータ「たしかにお前は農耕民族ではない・・・だが、農行は何も農業力を上げる為だけのモノじゃない。 極限の状態に身を置く事で感覚を研ぎ澄まし、余分なモノを削ぎ落す・・・その結果己の中に眠っている潜在能力を引きだす修業なんだ。これを行えばお前は必ず強くなれる。だから俺に着いてこい!」

 

トランクス「父さん・・・分かりました。俺も強くなりたい。人造人間にもセルにも負けないくらい!」

 

ベジータ「それでこそ俺の息子だ! それじゃあ行ってくる。ラディッツ、カカロット。お前達が精神と時の部屋に入っている間に事態は大きく動いてる。ピッコロに話を聞いておけ。」

 

トランクス「それと今、母さんがドクター・ゲロの研究所にあったコンピュータと人造人間の設計図を調べているので何か分かったら連絡があるはずです。」

 

超ラディッツ「分かった。状況を確認したら動くとしよう。」

 

超悟空「強くなったオラ達ならどんな奴にだって勝てるさ! ベジータ達が出てくる前に終わっちまうかもしんねぇぞ!」

 

ベジータ「それならそれでかまわん。一番重要なのは地球を守る事だからな・・・それじゃあ行ってくる。」

 

トランクス「ラディッツさん、悟空さん。皆をよろしくお願いします。」

 

ラディッツ「当然だ。貴様はこっちを気にせずにしっかり強くなって来い。」

 

トランクス「はいっ!」

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

ピッコロ「・・・という訳だ。」

 

悟空「ひゃー! そんなすげぇ奴が現れたんか! オラ、ワクワクしてきたぞ!」

 

ラディッツ「そのセルという奴は許せんな。俺らが丹精込めて育てた最野菜を盗み食いした挙句、18号を狙っているだと・・・最早畑のこやしでは済まさん・・・ 塵も残さず滅ぼしてくれる!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

天津飯「許せんのは分かったから気を収めてくれ・・・息ができん。」タラリ

 

ラディッツ「おっと、すまん。」シュウ・・・

 

クリリン「本当に強くなったんだな~。これなら18号達やセルにも勝てるんじゃないか?」

 

ラディッツ「どうだろうな。18号はあの時本気を出していなかったからどれだけ強いのか分からんし、セルの方は今も成長を続けているのだろう?」

 

ピッコロ「いや、セルの方は恐らく大丈夫だ。パオズ農場の件で最野菜を吸収している事が分かったからな。残りの最野菜農場・・・ルートベジタブルファームの本社とカプセルコーポレーションの分は全て収穫して厳重に保管してある。後は奴が痺れを切らして現れるのを待つだけだ。」

 

ラディッツ「そうか・・・ところで18号達の動向はどうだ? セルがそちらに現れる可能性もある。」

 

ピッコロ「あいつらなら東地区でドライブしているところだ。元々東の都で買い物をしていたようだが、住人が避難したからすることが無くなったようでな。」

 

悟空「お! あいつら暴れなかったんだな!」

 

ピッコロ「18号はだいぶ御立腹だったがな。」

 

ラディッツ「セルの事は教えてあるのか?」

 

クリリン「それなら俺が教えに行ったよ。セルの奴に吸収されたらまずいからな。でも17号が返り討ちにしてやるって息巻いちまってさ。そのまま行っちまったよ。」

 

ラディッツ「・・・嫌な予感がする。すぐに18号の元に向かうぞ。」

 

悟空「18号とは戦わねぇのか?」

 

ラディッツ「今はそんな事をしている場合ではないだろう。18号と戦うのはセルを倒した後だ。」

 

悟空「そっか。そんじゃあさっさとそのセルって奴を倒さねぇとな!」

 

ラディッツ「ああ! この世界に来た事を後悔させてくれるわ!!」クワッ

 

 

 

 

 

 

―――東地区某所―――

 

ブゥゥゥゥン・・・

 

18号「・・・」ムスー

 

17号「いい加減機嫌直せよ18号。別に買いものなんていつでもできるだろう?」

 

18号「わたしはさっさと金を使いきって思いっきり暴れてやりたいんだよ!」キッ

 

17号「その割に時間をかけて買った服が一着だけなのはなんでだよ? 実はそれ、ラディッツに見せる為に買ったんじゃないのか?」ニヤニヤ

 

18号「はぁ!? なんで私があんな奴の為にそんなことしなくちゃいけないのさ!! 時間がかかったのは気に入った服がなかなか見つからなかっただけだ!!」ウガー!

 

17号「ふーん・・・そういう事にしといてやるよ。」

 

18号「だーかーらー!!」グギギキ・・・

 

16号「車を止めろ17号・・・何か来る・・・」

 

17号「え? ラディッツでも来たのか?」

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

 

ヒュン・・・スタタタッ

 

18号「いったいなんなんだい!?」

 

17号「ラディッツ達がこんな事するとは思えない・・・ということはセルって奴か。」

 

ギャピッ!

 

セル(健康体)「ぐふふふふふ・・・見つけたぞぉ17号ぉ、18号ぉ。」

 

18号「あの気持ち悪い奴がセルなのか? 私達と全然違うな・・・」

 

17号「ドクター・ゲロはセンスが無いな。どうせならもっとかっこよく造ってやればよかったのに。」

 

16号「二人とも無駄話を止めて早くここから離れろ。お前たちでは奴に勝てん。」

 

17号「何言ってるんだよ16号。俺達には無限のパワーがあるんだぜ? あんな奴返り討ちにしてやるよ。」

 

セル(健康体)「ほぅ・・・言ってくれる。ではお前からいただくとするか17号。」シュンッ

 

グオン!

 

17号「え?」

 

16号「・・・」ブン

 

ドガッ

 

セル(健康体)「ちっ・・・旧型が邪魔しおって・・・」ギャルルン・・・ズザッ

 

18号「何なんだい今のスピードは・・・まったく捉えられなかった・・・」タラリ

 

16号「今ので分かっただろう。奴の戦闘力は大き過ぎる・・・お前達が奴に吸収されれば、もう誰の手にもおえない・・・世界の終わりだ。」

 

17号「だから尻尾巻いて逃げろって? 冗談じゃない。 さっきは油断したがあんな醜い妖怪野郎、俺の敵じゃない!!」ダッ

 

16号「17号!」

 

セル(健康体)「やれやれ・・・大人しく吸収されないかぁ・・・ならば強制的に大人しくさせるまでぇだぁ。」シュンッ

 

ガギン

 

17号「はっ! どうだ? お前の動き捉えてやったぜ?」グググ・・・

 

セル(健康体)「ほぅ・・・流石だ17号。では更に早くするか。」シュンッ

 

17号「なに!? ぐわっ!?」バキッ

 

シュンッ・・・ゴキッ

 

シュンッ・・・ドスッ

 

シュンッ・・・バキィ

 

シュンッ・・・ドガン

 

17号「かっ・・・はっ・・・」

 

 

18号「・・・たしかに逃げた方が良さそうだね・・・」

 

16号「ああ、そうだ。私が17号を救出する。そうしたらすぐに逃げてくれ。」

 

18号「まさか戦うつもりか!? やめなよ! 17号であれなんだ! 旧型のあんたじゃ・・・」

 

16号「・・・」ザッ

 

18号「聞いているのか16号!!」

 

16号「お前達はいい奴だ。人間も動物もいたずらに命を奪わなかった。短い間だが、いっしょに旅ができて楽しかった・・・」

 

 

 

セル(健康体)「無駄な抵抗はもう終わりか? それではそろそろ吸収させてもらおうか。」グイッ

 

17号「くっ・・・離せ・・・醜い妖怪野郎!!」ジタバタ

 

セル(健康体)「くっくっくっ・・・これからその妖怪野郎と同化するのだぞ?」スッ

 

グオン

 

17号「ッ!?」ジタバタ

 

セル(健康体)「ではいただこう・・・ん?」トン

 

ガツン!!

 

セル(健康体)「なに!?」ギュゥゥゥン・・・

 

ドガアアアアン!!!

 

16号「17号、すぐに18号と逃げろ。私が奴を破壊する。」

 

17号「破壊するだと?・・・そんなの無理だ・・・俺でさえ手も足も出なかったのに・・・お前が逆に破壊されるぞ!?」

 

16号「・・・計算では私とセルはほぼ五分と五分の戦闘力だ。」ドシュンッ

 

17号「なんだって!?」

 

セル(健康体)「面白い! ならばその力見せてみろぉ!!」バシュンッ

 

ガギィィィィィィン!!

 

セル(健康体)「ぬぅ・・・このパワーは・・・」グググググッ

 

16号「やはりな・・・スピードは早いがその分パワーが低い。」ガチッ

 

ブンブンブンブン!!

 

セル(健康体)「なあぁぁぁぁ!?」ドガンドガンドガンドガン!!

 

ドガン!!!

 

ガチャン・・・ブルン・・・ブィィィィン!!

 

セル(健康体)「・・・っ!? チェーンソーだとぉぉ!?」ギョッ

 

チュィィィィン!!

 

セル(健康体)「ぎぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?」ジタバタ

 

ガチャン・・・キャルキャルキャルキャル・・・

 

17号「なんだアレは!? 刃が付いたローラー?」タラリ

 

16号「耕運機の爪だ。」ダン

 

ギャリギャリギャリギャリ!!

 

セル(健康体)「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!?」ビクンビクン

 

ガチャン・・・キィィィィィィィン!!

 

18号「今度はドリルかよ!? 16号、おまえはいったい何なんだ!?」ゾッ

 

16号「私はドクター・ゲロが1カ月徹夜した際のおかしなテンションで造り上げた開拓型の人造人間・・・ゆえに開拓に必要な全ての装備が備わっている。」

 

17号「じゃあ、ドクター・ゲロがお前を封印していたのは・・・」

 

16号「わたしがドクター・ゲロ最大の黒歴史だからだ!!」グイッ

 

ギィィィィィィィィィィン!!!!

 

セル(健康体)「あっ・・・」ダラン

 

18号「・・・死んだのか?」

 

16号「まだだ。」ブン

 

ガチャン・・・

 

16号「ヘルズフラッシュ!!!」ボッ

 

ヴオッ・・・ズオオオオオオオオ!!!!

 

セル(健康体)「・・・」ジュッ

 

16号「・・・」ガチャン

 

17号「マジかよ・・・ホントに倒しやがった・・・」ゴクリ

 

16号「・・・っ!? 逃げろ17号!!」バッ

 

17号「なに?」

 

グチュグチュグチュグチュ・・・

 

セル(健康体)「ばぁ!!」シャッ

 

グオン・・・ギュウッ・・・ゴクン!

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・カッ!!!

 

セル(頑健体)「はぁぁぁぁ・・・体中に力が漲るゥゥゥ・・・これが特殊生命体との融合・・・すばぁらぁしぃぃぃぃ!!!!!」ゴッ

 

18号「そんなっ・・・たしかにあいつは・・・」ジリッ

 

セル(頑健体)「ふっふっふっ・・・私には核が存在してなぁ・・・それが破壊されない限り死にはしない。そして核さえ無事ならピッコロの血の力により再生できるのだぁ!!」

 

16号「18号逃げろ・・・俺が奴を食い止めている間に!!」ドシュン!

 

セル(頑健体)「ふん!!」ブン!

 

ドクシャッ!!!

 

16号「がっ・・・」ズザァァァ

 

セル(頑健体)「馬鹿め! 最早貴様など私の敵ではないわぁ!」クワッ

 

18号「16号!?・・・くっ」スッ

 

セル(頑健体)「さて18号、次は貴様の番だ。大人しく私に吸収されるがいい・・・」ゴゴゴゴゴゴッ

 

 

 

―遂に17号を吸収してしまったセル。そして更なる進化を求め、その魔の手を18号へと伸ばす。ラディッツは間に合う事ができるのか。そして、18号を守る事ができるのか・・・人造人間を巡る戦いは続く―

 

 

 

超ラディッツ「18号・・・無事でいてくれ!!」ギュン

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

セル(健康体)・・・最野菜を大量に吸収した事により進化した姿。見た目は人に近づき、元々細かった身体は更に細くなりスピードが増した。ただしその分パワーが落ちてしまった。

セル(頑健体)・・・セル(健康体)が17号を吸収した姿。身体が某アンチェイン並に発達し、健康体時のスピードを保持したまま超パワーを手に入れた。

セル(完善体)・・・農耕民族世界で生まれた悪の心を持たない善のセル。凄まじい農業力を持つが、戦闘力は人間の子供と大差ない。ドクター・ゲロの知識と農業科学の知識を豊富に有しており、この知識で地球の農業を発展させたいと考えている。ちなみに姿は子供のようだが、CV若本である。

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