ドラゴンボールSS ~農耕民族サイヤ人伝説~   作:秋羅

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18号「それ以上近づいたら自爆してやるからね!!」

18号「私に死なれたら困るんだろ?」

 

セル(頑健体)「・・・この声が聞こえるか18号? 俺だ・・・17号だ。」17号ボイス

 

18号「っ!?」

 

セル(頑健体)「今俺はセルと一体化してとてもいい気分だ・・・すばらしいぞ! お前も早く吸収してもらうべきだ。たったそれだけで究極の生命体になる事が出来るんだぞ!」17号ボイス

 

18号「・・・・・・」タラリ

 

16号「だ・・・騙されるな18号・・・そ・・・そんなのはセルが17号の声を利用しているだけだ!!」ギギギッ

 

セル(頑健体)「きさまは余計な事を言うな! 黙ってろ! ロボットに俺達の気持ちは分からんさ!・・・さぁ、18号! 迷う事は無い! 早く一体化して最高のパワーを手に入れるんだ!! そしてドクター・ゲロ様の意思を受け継ぎ、孫悟空を倒し、更に全世界をも我らの手に!!」17号ボイス

 

18号「・・・お前は17号なんかじゃない!! 私達は勝手に改造したドクター・ゲロを恨んでいた。ドクター・ゲロ〝様″なんて間違っても言わないよ!!」キッ

 

セル(頑健体)「・・・ふん! ならば貴様を無理にでも吸収するまでだ。今の私なら、貴様がエネルギー弾を放つ前に捕える事ができるからな!」

 

18号「くっ・・・」ジリッ

 

セル(頑健体)「ふっふっふっ・・・諦めろ。」ニィ

 

超悟空「でやぁぁぁぁ!!」ギュン

 

ゴキィィィィ!!!

 

セル(頑健体)「なぁにぃぃぃ!?」ズザザァ・・・

 

超悟空「だだだだだだだだだだだ!!」ドガガガガガガガ!

 

セル(頑健体)「ぐぅぅぅぅ!! 孫悟空ぅぅ!!」ビシビシビシビシ・・・

 

バシュゥゥゥ・・・スタッ

 

超ラディッツ「18号! カカロットが奴を足止めしている間にここから離れるぞ!!」ガシッ

 

18号「ラディッツ!? どうして・・・」

 

超ラディッツ「お前が心配だったからに決まってるだろう! おい16号! 貴様は動けるか!?」

 

16号「すまない・・・動けそうにない・・・」ギギギ・・・

 

超ラディッツ「ならば俺が運ぶ・・・いくぞ18号! 俺に着いて来い!」スッ

 

18号「っ・・・分かったよラディッツ・・・あんたに着いてくよ!」ギュッ

 

バシュゥゥゥ・・・

 

 

超悟空「・・・行った見てぇだな。」スタッ

 

セル(頑健体)「孫悟空ぅぅ・・・俺の邪魔をしおってぇぇ・・・!!」ギリッ

 

超悟空「そう怒んなよ。もともとオラと戦うつもりだったんだろ? それともオラが怖ぇのか?」ニヤッ

 

セル(頑健体)「舐めるなよ!! 完全体にならずとも貴様なんぞ殺してくれるわぁぁぁ!!!」ゴッ

 

超悟空「へへっ! すげぇ気だな。オラわくわくしてきたぞ! そんじゃあいっちょやってみっかぁ!!」ブオオオオ・・・

 

カッ!!

 

超悟空1-2「はああああ・・・」シュゥゥゥゥ・・・

 

セル(頑健体)「え・・・・・!?」

 

超悟空1-2「・・・いくぞ。」シュンッ

 

ズムッ!!

 

セル(頑健体)「かはっ・・・!?」グラッ

 

超悟空1-2「・・・」グッ

 

バキッ!!!!

 

セル(頑健体)「っ・・・!?」ズザァァ・・・バッ

 

超悟空1-2「どうしたんだよセル? おめぇの力はそんなもんじゃないだろう?」

 

セル(頑健体)「ふっふっふっ・・・少しはやれるらしい・・・な!」ブンッ

 

超悟空1-2「ふっ!」ガシッ

 

グアッ・・・ダン!!!

 

セル(頑健体)「くっ!!」バッ

 

ギュン!!

 

超悟空1-2「はぁっ!!」バカッ

 

ヒュゥゥゥゥ・・・ザパァァァァン!!

 

ヒュン・・・スタッ

 

超悟空1-2「出て来いよセル。まだまだやれんだろ?」

 

バシャン!

 

セル(頑健体)「本気にさせたいようだな・・・この俺を!!」ギリッ

 

超悟空1-2「もっと強くなれんのか!? ひゃー!! だったら遠慮しねぇでやってくれ!!」ワクワク

 

セル(頑健体)「・・・ふふ・・・」

 

サッ

 

セル(頑健体)「はあああああああ・・・!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

カッ!!!!!

 

セル(頑健体)フルパワー「はあぁぁぁ・・・」ニィ

 

超悟空1-2「おめぇやっぱすげぇなぁ・・・ 楽しくなってきたぜ!!」グッ

 

セル(頑健体)フルパワー「孫・・・悟空ぅぅぅぅ!!!!」バッ

 

ガツン!!!

 

 

 

 

 

 

―――とある無人島―――

 

18号「大丈夫か16号?」

 

16号「ああ・・・今自動修復機能をフル稼働しているところだ。あと数分もすれば自分で動けるようになる。」

 

超ラディッツ「すまんな。せめて貴様が飯を食えたなら最野菜の大豆で治してやれたんだが・・・」

 

16号「気にするな。お前は18号を助けに来てくれた。それだけで十分だ。」ニコリ

 

超ラディッツ「俺が18号を助けるのは当然の事だ。18号には俺の嫁になってもらわねばならんのだからな。」

 

18号「ホントあんたは馬鹿だね。こんな時にまでそんな事言うなんて・・・」ソワソワ

 

超ラディッツ「ふっ、お前を嫁にする為なら馬鹿にでもなんにでもなるさ。」

 

18号「ふん! いくら金を持ってようと馬鹿の嫁なんてごめんだよ!」プイッ

 

16号「ふふ・・・青春だな。」ニッコリ

 

ザパァァァン!!

 

超ラディッツ「っ!? 下がれ18号!!」ギュン

 

ガギン!!

 

セル(頑健体)「ほう・・・完全に虚を突いたと思ったんだがなぁ。」グググ

 

超ラディッツ「貴様何故!?」グググ

 

セル(頑健体)「ふっふっふっ! そんなもの孫悟空を殺して追ってきたに決まっているだろう!!」バキッ

 

ギャルルン・・・サッ

 

超ラディッツ「馬鹿を言え! カカロットの気はまったく消えていない・・・何!? セルの気だと!? どういう事だ!?」

 

セル(頑健体)「つまりこういう事さ。」

 

ボコボコン!!

 

18号「きゃあ!?」グルグルグル

 

16号「18号!! ぐっ」ゴキィ

 

超ラディッツ「こ・・・これは・・・!?」

 

セル(頑健体)B「おっと動くなよラディッツ。動けば18号を吸収するぞ?」

 

セル(頑健体)C「お前もだ16号。自爆なんてしようものなら・・・分かってるな?」グリグリ

 

18号「な・・・なんでセルが3体も・・・っ!」ギリギリ

 

セル(頑健体)A「なぁに簡単な事よ。天津飯の四身の拳で分身しただけだ。」ニィ

 

超ラディッツ「まさか天津飯の細胞も持っていたとは・・・カカロットと戦っているのは最後の一人か。」

 

セル(頑健体)A「そのとおり。だが、私の分身は天津飯と違いパワーダウンしないのでな。孫悟空に海に落とされた際に分身して気を抑えながら追ってきたという訳だ。(まぁその分耐久力が下がってしまうのだがな・・・)」

 

超ラディッツ「ちっ・・・してやられたぜ・・・だが何故すぐに18号を吸収しない? それが貴様の目的なのだろう?」

 

セル(頑健体)A「たしかにそうだった。だが、貴様を見た事で考えが変わった。ラディッツ、俺に吸収されろ。そうすれば18号は助けてやる。」

 

超ラディッツ「俺を吸収する・・・だと!? 何故そんな事を・・・」タラリ

 

セル(頑健体)A「私がここまで進化できたのはひとえに最野菜のおかげだ。あれほど生体エネルギーに溢れたモノは他に存在しない。そして、そんな最野菜を生み出す事ができるサイヤ人を吸収する事ができたならどれほどの力が手に入る事か!」

 

18号「だめだよラディッツ! 私はいいからそんな奴ぶっ飛ばしちまいな!!」

 

セル(頑健体)B「うるさいぞ18号ぉ? 大人しくしていろぉ!」ギュウウ

 

18号「うっ・・・」ギリギリ

 

超ラディッツ「やめろ!・・・本当に俺が吸収されれば18号を見逃してくれるんだな?」

 

セル(頑健体)A「ああ、最野菜に誓って手は出さん。」

 

超ラディッツ「・・・分かった。好きにしろ。」

 

16号「ラディッツ!!」ザリッ

 

超ラディッツ「16号・・・18号を頼んだぞ。」

 

セル(頑健体)A「それでは全ての最野菜に感謝して・・・いただきまぁぁぁす!!!」グアッ

 

ズッ・・・ギュウッ・・・ゴクン!!

 

18号「あ・・・ああ!!!」ツー・・・

 

バシュゥゥゥゥゥゥ!!!!!

 

超悟空1-2「兄ちゃんっ!!!」ギュン!!

 

16号「孫悟空!!」

 

セル(頑健体)A「はぁ~~~~~っ!!!」ブゥゥゥン・・・

 

バンッ! バンッ! バンッ!!!

 

超悟空1-2「ちくしょ~!!」ガンガンガン!!

 

カァァ・・・ボゥッ!!!!

 

超悟空1-2「うわぁ~っ!!!」ビュンッ

 

グオオオオオオオオオオオオオオオ・・・

 

ビクトリーセル「・・・」ゴゴゴゴゴゴッ

 

18号「そんな・・・ラディッツ・・・」ペタン

 

16号「分身が消えたか・・・ぬん!」ギギギ・・・

 

ダン!

 

16号「18号、ここを離れるぞ。進化した奴が何をしでかすか分からん。」ポン

 

18号「い・・・嫌だ! あいつを・・・ラディッツを助けないと!!」フルフル

 

16号「無理だ。セルは17号を吸収した時点で俺達を超えていた。そのセルがラディッツを吸収してしまったのだ。私達に勝ち目はない・・・。」

 

18号「でもっ・・・」

 

シュタッ

 

超悟空1-2「オラが奴を足止めする。おめぇらはカリン塔の上にある神様の宮殿へ行ってくれ。そこにオラの仲間達がいる。場所は分かるか?」

 

16号「そこならデータにある。すまない孫悟空。」

 

超悟空1-2「気にすんなって。おめぇらは悪い奴じゃねぇし、困った時はお互い様だ。」

 

ギュピッ!

 

Vセル「・・・リー・・・ロン」

 

超悟空1-2「あいつもやる気みてぇだ。早く行け!!」スッ

 

16号「分かった。いくぞ18号!」ガチッ

 

18号「っ・・・」

 

 

Vセル「ベリィィィィィメロォン!!!!」カッ!

 

 

超悟空「・・・・・・・・へ?」ポカ~ン

 

Vセル「ふはは・・・ふぅーーはっはっはっはっはぁぁぁぁ!! ついに・・・ついにサイヤ人の力を手に入れたぞ! この力さえあれば好きなだけベリーメロンを作る事ができる!! 最早ベリーメロン以外どうでもいい!ア~イ・ラヴ・ベリィィィィィメロォン!! オールハイル・ベリィィィィィメロォォォォン!!」カッ

 

超悟空「・・・おめぇ・・・ホントにセルなのか?」

 

Vセル「何を言っている? どこからどう見てもセルだろう?」

 

18号「いや、変わり過ぎだろっ!!」

 

Vセル「ふむ・・・まぁ、ラディッツを吸収した事により華麗に進化した私を見違えてもしょうがないか・・・よ~し! ならば改めて自己紹介しよう!! 私はベリーメロンを求めて未来からやってきたベリーメロンをこよなく愛する究極のベリーメロン人間・・・ビクトリーセルだぁぁ!!!」Vポーズ

 

16号「どうしてこうなった・・・」

 

Vセル「さぁて、自己紹介も終わったし、そろそろ始めるとするか。」スッ

 

超悟空「っ・・・」スッ

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

スポーン!!

 

18号「首が飛んだ!?」ギョッ

 

クルクルクルクルクル・・・

 

Vセル「ベリーメロンバケーション!!!」カッ

 

ビビビビビビビビビビビビビビ!!!!

 

超悟空「うわっ!?」グッ

 

16号「18号、私の後ろへ!!」グッ

 

 

ズオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

16号「こ・・・これは・・・」

 

超悟空「ひゃー!! すげぇな!! 島中一面メロン畑だ!!」ジュルリ

 

18号「いやなんでだよ!!」

 

Vセル「くっくっくっ! すぅばぁらぁしぃぃぃぃぃ!! これがラディッツの・・・サイヤ人の力!! この力さえあれば私の野望を叶える事ができる!!」

 

16号「野望だと・・・?」

 

Vセル「そうだ・・・私の野望・・・それは・・・この全宇宙をベリーメロンで埋め尽くす事だ!!!」ドーン

 

18号「こんな奴の為にラディッツは・・・」フラッ

 

16号「しっかりしろ18号!」サッ

 

Vセル「ふははははは! それでは我が野望の第一歩としてこの地球の大地という大地全てをベリーメロン畑にしてくれる!!!」

 

超悟空「そんなことさせねぇぞ! たしかにメロンはうめぇけど、それだけ育てても誰も幸せにならねぇ!!」ビシッ

 

Vセル「そんな事は無い! ベリーメロンは誰もが愛する至高の作物! それが大地を埋め尽くすという光景を望まぬ人間がいる筈がない!!!!」ビカー!!

 

超悟空「だったら地球の皆に聞いてみるか? そうすればどっちが正しいか分かるはずだ。」

 

Vセル「聞くまでも無いと思うがな・・・まぁいいだろう。ならばベリーメロンとその他の作物全て! どちらが良いか地球の住民に聞こうではないか!!!!」カッ

 

超悟空「よーし! そんじゃあ準備があるから10日位待ってくれねぇか? それまでに準備を終わらせるからよ。」

 

Vセル「いいだろう! ならばその間、私は適当な場所にセルファームを立ち上げ、ベリーメロン畑を作りながら待つとしよう。」

 

超悟空「しょうがねぇな・・・地球の皆に迷惑にならねぇ場所にしてくれよ?」

 

Vセル「善処しよう。」

 

 

 

 

 

 

―――神の宮殿―――

 

ピッコロ「まさかこんな事になるとはな・・・」

 

16号「すまない・・・我々の責任だ。」

 

18号「っ・・・」

 

悟飯「18号さん、そんな顔しないでください。おじさんはそんな顔をさせる為に18号さんを助けたんじゃないんですから。それに今ブルマさん達がセルを造ったコンピュータを調べているところなんです。きっとおじさんを助け出す方法も見つかりますよ!」

 

18号「坊や・・・そうだね。いつまでもクヨクヨなんてしてられない。私もラディッツ達を助けるためにできる事をするよ。まぁ、何ができるのかは見当もつかないんだけどね・・・。」

 

クリリン「それは俺達も一緒だよ。仲間だってのに何もできない・・・すごくもどかしいよ・・・」

 

天津飯「なんにせよブルマ達がコンピュータの解析を終わらせない事には動きようがないな。」

 

キィィィィン!!

 

チャオズ「あ! ブルマの飛行機だ!」

 

悟空「そんじゃあ何か分かったんだな!!」

 

ヒュゥゥゥゥ・・・ガチャン!

 

スタッ キュピッ ボン!

 

ブルマ「皆お待たせ! セルが吸収した物を吐き出させる方法が分かったわよ!」

 

セル(完善体)「へぇ~・・・ここが神の宮殿かぁ。なかなか興味深い所だねぇ。」キョロキョロ

 

8号「なっ!? セル!?」サッ

 

16号「あのセルよりだいぶ小さいが・・・奴が生み出した分身か?」ガチャン

 

クリリン「待て待て待て! 二人とも待ってくれ! こいつはセルだけど俺達に協力してくれてるんだ!」

 

天津飯「そのとおりだ。こいつがラディッツ達を救い出す鍵になるんだ。だから攻撃しないでくれ。」

 

18号「・・・どういう事だい?」

 

悟飯「それをこれから説明します。実はですね・・・」

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

18号「じゃああのトランクスって奴とセルは別の世界から来たってことなのかい?」

 

16号「パラレルワールドというものか・・・まさか実在したとはな・・・」

 

セル(完善体)「そういうことだねぇ。そしてボクがこの世界で生まれた野菜と大地と平和を愛するセルさ! とあるゲームのキャラクター風に言うと 『ぷるぷる。ぼく わるいセルじゃないよ。』だね!」

 

18号「その姿と声でふざけたこと言ってんじゃないよ。捻り潰されたいのかい?」ピキピキ

 

16号「気持ちは分かるがやめるんだ18号。ラディッツを助けられなくなるぞ。」ポン

 

18号「そうだったね・・・命拾いしたな。ラディッツに感謝しな!」チッ

 

セル(完善体)「やれやれ・・・18号はおっかないなぁ。ちょっとしたお茶目じゃないかぁ。」

 

ブルマ「いや私もだいぶイラっときたわよ? だだでさえ姿と声のギャップで気持ち悪いのにそんなこと言われたんじゃ引っ叩きたくもなるわよ。」ヤレヤレ

 

悟空「だよなぁ~。おめぇ声が残念すぎっぞ!」

 

セル(完善体)「酷い!? ボクだって好きでこんな声じゃないのに! どうせならくぎゅボイスが良かったよ!!」

 

悟飯「まぁまぁ・・・僕はセル君の声、嫌いじゃないですよ? 聞いているとなんだか楽しくなってきます。」

 

セル(完善体)「おお! 悟飯くん! 君は何ていい奴なんだ! 是非ボクのお友達になってほしい!」キラキラ

 

悟飯「もちろんだよ! よろしくねセル君!」スッ

 

セル(完善体)「こちらこそよろしく悟飯君!!」ギュッ

 

クリリン「良い話だな~・・・じゃなくて、そろそろラディッツ達を助ける方法を教えてくれよ。分かったんだろ?」

 

ブルマ「そういえばそんな話だったわね。もう! セルの所為で忘れちゃったじゃない!」プンスカ

 

セル(完善体)「いやまぁたしかにボクの所為だけどさぁ・・・」

 

18号「いいからさっさと言いな! じゃないと背中の翅を引っぺがすよ!!」ガシッ

 

セル(完善体)「わっわっ!? 分かったから止めてぇ! ボクのチャームポイントを取らないでぇぇ!?」ジタバタ

 

16号「それでどうすれば二人を助けられるんだ?」

 

セル(完善体)「・・・どうやら奴は吸収したモノを体内に留めておくのにかなりエネルギーを使うみたいでね。なんとかして消耗させれば吐き出すと思うよ。」

 

16号「だが、セルは17号を吸収して無限のエネルギーを手に入れた。それを消耗させるというのは・・・」

 

ブルマ「それなら問題無いわ。セルが・・・ああもう紛らわしいわね! これからこっちのセルは善セルって呼ぶわね!」

 

善セル「構わないよぉ。ボクもあのセルと一緒にされたくないからねぇ」

 

ブルマ「・・・それでね。善セルが持ってきてくれた設計図のおかげでエネルギー炉を止める装置が造れそうなの。これがあればセルが取り込んだ17号のエネルギー炉も止められるはずよ。」

 

クリリン「止められたとしても消耗するようになるだけで強いのは変わらないだろうからなぁ・・・戦って消耗させるのは難しそうだ・・・」

 

悟空「大丈夫だって! あと10日もあるんだからそれまでに強くなればいいさ!」

 

天津飯「そうは言っても精神と時の部屋には使用制限があるだろう? 悟空は後1年分しか使えないぞ。」

 

ピッコロ「・・・いや、なんとかなるかもしれん。」

 

悟空「本当かピッコロ!!」

 

ピッコロ「ああ、俺は神と融合した事でパワーアップしたがその際に知識も継承した。この知識とナメック星で学んだ知識を合わせれば使用期間を延ばして入れる人数も増やせるかもしれん。」

 

悟飯「すごいですピッコロさん!!」

 

クリリン「それならセルともまともに戦えるようになれそうだな!」

 

ピッコロ「できるかどうかはやってみんことには分からんぞ? それに時間が必要だ・・・そうだな、ベジータ達が出てきてからになるが2日程時間をくれ。」

 

善セル「合わせて3日か・・・それじゃあ待っている間もう一つの方法を試そうか。」

 

18号「他に方法があるのかい!? いったいどうすればいいんだ!?」

 

善セル「やる事は単純さぁ。セルに催吐性のある物を食べさせるんだ。これでもラディッツ達を吐き出すはずだよ。」

 

天津飯「そんな事で助けられるのか・・・だがどうやってセルにそんなものを食べさせるんだ?」

 

16号「・・・奴はメロンに凄まじい執着を持っていた。」

 

チャオズ「じゃあメロンに薬を混ぜる?」

 

善セル「それじゃあすぐにばれるんじゃないかなぁ。」

 

悟空「だな。オラだって変なの混ざってたらすぐに分かるんだからセルにも分かるだろ。それにそんな事したらセルが大暴れしちまいそうだ。」

 

クリリン「それじゃあどうするんだ? やっぱり戦うしかないのか?」

 

悟飯「・・・僕に考えがあります。」

 

クリリン「本当か悟飯!? いったいどうするんだ?」

 

悟飯「はい。セル攻略の鍵・・・それは、ずばりメロンです!」

 

悟空「何言ってんだ悟飯。それはさっきから話してただろ?」キョトン

 

悟飯「正確にはメロンのヘタの周りの部分です。」

 

善セル「・・・そうか! 〝ククルビタシン″か! 流石だよ悟飯君!!」

 

18号「そのククルビタシンってのはいったい何なんだ?」

 

悟飯「ククルビタシンはウリ科の植物のヘタに近い部分に含まれる有害物質です。」

 

ブルマ「え!? ウリの仲間にはそんなものが入ってたの!? 大丈夫なのそれ? 私ズッキーニとか好きなんだけど・・・」

 

善セル「通常の含有量では無害だよぉ。ただ、稀に含有量が多いモノがあってそれが原因で食中毒になったりするんだぁ。」

 

チャオズ「そういえば、たまに苦くて渋いやつがあった。それがそうなのかな?」

 

悟飯「たぶんそれです。その苦みや渋みの成分で食中毒になるんです。」

 

天津飯「だが俺達は食べても平気だったぞ? とてもセルに効くとは思えんが・・・」

 

悟飯「はい。だからメロンを品種改良してクルルビタシンが大量に含まれるモノを作り出します・・・本当はこんな事はしたくないんですけどね。」

 

善セル「そうだねぇ・・・品種改良っていうと良い物だと勘違いしそうだけど、その本質は遺伝子組み換えと変わらないからねぇ・・・」

 

16号「たしかにな・・・品種改良は「掛け合わせ」を行うことで、望ましい形質をもった子孫を作る。対して遺伝子組み換えはDNAの構造を直接的かつ人為的に変化させる・・・DNAに変化を与えるという点では、品種改良も遺伝子組み換えも同じだ。」

 

悟空「そんなに深く考えんなって! 環境に悪影響与えるってんならダメだろうけど、おめぇ達はそんな事しねぇだろ? それにメロンは中身を食うもんなんだから皮が苦くたって問題ねぇさ!」

 

ブルマ「それに品種改良は地球じゃ普通のことだしね。美味しくしたり、寒さや暑さに強くしたり。まぁ、時間が掛るし、変な特性持って無いかとかしっかり調べ無くちゃダメだけど、そこに注意すれば大丈夫でしょ。」

 

悟飯「・・・分かったよお父さん、ブルマさん。僕やるよ。皮にクルルビタシンを持たせる代わりにすっごく美味しいメロンを作ってみせる!!」グッ

 

善セル「ボクも手伝うよぉ! そしてセルの奴においしいと言わせてやろう!」

 

悟飯「ありがとう善セル君! 君が一緒ならすごく心強いよ!」

 

ブルマ「それじゃあベジータ達が出てくるまでどういう風に掛け合わせるかシュミレーションしておきましょ。復元したドクター・ゲロのコンピュータを使えば精度の高いデータが採れるはずよ。」

 

善セル「そうだねぇ。それと掛け合わせる作物も決めないとねぇ。」

 

悟飯「最野菜のマスクメロンをベースにするとして、夕張メロンとアンデスメロン、それと他のウリ科の作物を掛け合わせてみましょう。」

 

18号「私に何かできることはないか? ラディッツ達を助けるために私も何かしたいんだ。」

 

悟飯「残念ですけどこれは専門的な知識が必要な事ですから・・・18号さんはセルと戦う事になった場合に備えて鍛えたらどうですか?」

 

善セル「いや、18号は生体ベースとはいえ、ある意味完成された固体だから成長率はあんまり高くないと思うよ。だから、精神と時の部屋で鍛えたとしても悟空たちみたいに急激な成長は望めないかなぁ。」

 

18号「そんな・・・私は何もできないのか・・・」ブルブル

 

16号「18号・・・」

 

悟空「・・・18号でも強くなれっかもしれねぇ方法があるぞ。」

 

18号「本当か!?」バッ

 

悟空「おう!・・・ピッコロ、ラディッツの農場にあったアレも収穫してあるんだよな?」

 

ピッコロ「アレ?・・・そういう事か。たしかにアレならば18号も強くなれるかもしれん。」

 

16号「アレとはいったいなんだ?」

 

18号「強くなれるならなんだっていいよ。さぁ、早く案内してちょうだい。ラディッツを助ける為ならなんだってやってやるよ・・・」グッ

 

ピッコロ「分かった。それじゃあ着いて来い。お前達に伝説を見せてやる。」

 

 

 

―18号を守る為にセルに吸収されてしまったラディッツ。結果セルは強大な戦闘力と農業力を手に入れるが、農耕民族の遺伝子の影響でベリーメロン化してしまう。これにより当面の危機は回避されたがこの事が吉と出るのか凶と出るのか・・・それはまだ誰にも分からない。―

 

 

 

Vセル「喜びのパワーを右腕に!」キィィィン!

 

Vセル「慈しみの力を左腕に!」キィィィン!

 

Vセル「我が強さを右肩に!」キィィィン!

 

Vセル「誇り高き心を左肩に!」キィィィン!

 

Vセル「我が美しさを股間の紳士に!」チーン!

 

Vセル「シン・チャーグル・ファーミングシーズン!!!」

 

ズガガガガガガガガガガガガッ!!!!

 

Vセル「我が愛は1億のメロンを生む! さあ、美味しく育つんだぞお前達!!!」Vポーズ

 

 

 

 

 

つづく




補足のキャラ説明

ビクトリーセル・・・セルがラディッツを吸収した姿。頭がVの様な形になっており着脱可能。色は夕張メロンの様な配色。要はセルと某華麗なお方が合体したような姿。メロンに強い執着を持っており、元々の目的を忘れてしまっている。パーフェクトセルよりも強いが馬鹿なので脅威度は低い。

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