遊戯王でデュエルを……   作:なお☆プリン

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その頃、2年1組の教室で起きていたデュエル……


岩石料理はどんな味?

「誰?あんた。」

 

秋風 雪火(あきかぜ せつか)が帰り支度をすませて教室を出ようとすると、逆に中に入ってきた影があった。

 

「アキカゼ セツカ……デュエリストだな。デュエルしろ。」

 

赤いローブを着ている影は、突然彼女の名前を呼んだ。

 

「確かに、私の名前は秋風 雪火だけど?」

「デュエルしろ。」

「……。」

「デュエルしろ。」

「……分かったよ。デュエルするのね。」

 

そういって彼女はデッキを取り出した。そうしないとこの場が変わらない気がしたからだ。

 

 

LP

セツカ:8000

赤ローブ:8000

 

「オレが使うのは【調理場の戦士(キッチン・ファイター)】デッキだ。」

「そんなデッキ聞いたことないけど……」

 

雪火は戸惑いながらもデッキをセットする。

 

「私が使うのは【トラミッド】、よろしく。」

「先攻はそっちだ。」

「え……いいの?」

 

赤ローブの言葉に、雪火は思わず聞き返す。

が、すぐに飲み込んでデュエルを始めた。

 

「じゃ、私のターン。私は手札からフィールド魔法〈トラミッド・クルーザー〉を発動。そして手札から〈トラミッド・ハンター〉を通常召喚。」

「……。」

 

〈トラミッド・ハンター〉が真ん中のメインモンスターゾーンに召喚される。が、赤ローブは静かにフィールドを見つめていた。

 

「〈トラミッド・クルーザー〉の効果でライフを500回復、さらにデッキから1枚ドローして手札から〈ブロックドラゴン〉を捨てる。」

 

セツカ:8500

 

「さらに〈トラミッド・ハンター〉の効果で、手札から〈トラミッド・マスター〉を召喚。〈トラミッド・クルーザー〉の効果でライフを500回復する。そして、ドローして手札から〈ゴロゴル〉を捨てる。」

 

〈トラミッド・マスター〉は〈トラミッド・ハンター〉の右隣に召喚された。

 

セツカ:9000

 

「私はカードを2枚伏せてターンエンド。手札0枚でスタートか……。」

 

雪火は小さく呟くが、赤ローブはそれを耳に入れている様子はなかった。

 

「オレのターン、ドロー。メインフェイズに入るぞ。」

「待ちなさい、スタンバイに〈トラミッド・クルーザー〉を墓地に送って〈トラミッド・マスター〉の効果を発動。デッキから〈トラミッド・キングゴレム〉を発動するわ。」

「……。」

 

赤ローブが黙ったのをお構いなしに、雪火はさらに続けた。

 

「さらに墓地に送られた〈トラミッド・クルーザー〉の効果を発動。デッキから〈トラミッド・スフィンクス〉を手札に加える。」

「オレのターンなのに……」

 

少し赤ローブがふてくされたような声を出す。

 

「ご、ごめん。でもそういう効果だからさ……」

「まぁいい。オレは手札から永続魔法〈始まりの料理本(レシピ)王怒震(オードブル)〉を発動する。」

 

 

〈始まりの料理本(レシピ)王怒震(オードブル)

永続魔法

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。

①このカードの発動時の効果処理として、自分のデッキ・手札・墓地から〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉1体を選んで特殊召喚できる。

②このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールド上の〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉の攻撃力・守備力は500アップする。

 

 

「その効果で俺はデッキから〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉を特殊召喚。」

 

そう言って赤ローブは、白いコック帽を被ったいかにもな料理人が描かれたカードをフィールドの真ん中に出す。

……ただ、調理器具がどちらかというと兵器のようになっているのだが。

 

 

調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉★★★★★★ 炎

戦士族

様々な調理場(キッチン)を渡り歩くさすらいの料理人。彼の料理に魅了され、ファンになった人も多数いる。

ATK 2000

DEF 2000

 

 

「さらに、手札から永続魔法〈流れる料理本(レシピ)崇譜(スープ)〉を発動する。」

 

 

〈流れる料理本(レシピ)崇譜(スープ)

永続魔法

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。

①このカードの発動時の効果処理として、自分のデッキ・墓地から「レシピ」と名のついたカードを1枚選んで手札に加えることができる。

②このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールド上の〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉の攻撃力・守備力は500アップする。

 

 

「オレはこの効果でデッキから〈遊泳する料理本(レシピ)不一守(フィッシュ)〉を手札に加える。」

 

 

〈遊泳する料理本(レシピ)不一守(フィッシュ)

永続魔法

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できず、このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。

①このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールド上の〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉の攻撃力は800アップする。

②このカードが墓地に送られた場合に発動できる。フィールドのカードを1枚選んで破壊する。

 

 

「永続魔法ばっかり……そういうテーマなの?」

「あぁ。」

「……むぅ。」

 

赤ローブはそっけなく応えた。雪火はその態度に少し不満があったようだが、赤ローブは気にせず続ける。

 

「オレはさらにもう1枚の〈流れる料理本(レシピ)崇譜(スープ)〉を発動する。その効果でデッキから〈憎しき料理本(レシピ)魅意図(ミート)〉を手札に加える。」

 

 

〈憎しき料理本(レシピ)魅意図(ミート)

永続魔法

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できず、このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。

①このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールド上の〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉の攻撃力は800アップする。

②このカードが墓地に送られた場合に発動できる。墓地のカードを1枚選んで持ち主の手札又はデッキに戻す。

 

 

「もう3枚も使ってるし……。」

「ふっ……問題ない。」

「そう?あなたがどんな動きをするのか少し楽しみになってきたわ。」

「じゃあ楽しみにしてくれ。」

 

赤ローブはそう言うと……

 

「オレは〈儀式の下準備〉を発動する。」

「ぎ、儀式?」

「そんな驚くことじゃないだろ。」

「いや……あんまり見ないでしょ?」

「オレは毎日のように見てるけど。」

「……まぁ、そりゃそうでしょうけど……」

「……もういいか?オレはデッキから〈完熟の料理本(レシピ)富留雨通(フルーツ)〉を選び、さらに〈調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉を選ぶ。そしてこれらを手札に加える。」

 

 

〈完熟の料理本(レシピ)富留雨通(フルーツ)

儀式魔法

調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)」の降臨に必要。

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できず、墓地に送られたターンには発動できない。

①自分の手札・フィールドから、レベルの合計が8になるようにモンスターをリリースし、手札から「調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)」を儀式召喚する。この効果でリリースする際に手札・フィールドの「レシピ」カードを1枚につきレベル1のモンスターとしてリリースすることもできる。

②墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「お口直し」を1枚手札に加える。

 

 

調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉★★★★★★★★ 炎

戦士族/効果

「完熟の料理本(レシピ)富留雨通(フルーツ)」により降臨。

①このカードはフィールド・墓地に存在する限り〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉としても扱う。

②このカードの攻撃力・守備力は自分の墓地に存在する「レシピ」カードの種類×300アップする。

③自分の墓地の「レシピ」カードを1枚除外しフィールドのカードを1枚対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果は1ターンに2回まで使用できる。

ATK 2800

DEF 2800

 

 

描かれていたのは〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉……が武装している姿だ。

 

 

「破壊……ね。」

「この世界では『どらんしあ』や『ますたーぴーす』といった相手ターンでも破壊できるカードがあると聞いた。このくらいでは弱いと聞いたんだが?」

「いや……強すぎたからリミットかけられたんだけど……。」

「……ま、いいや。オレは手札から儀式魔法〈完熟の料理本(レシピ)富留雨通(フルーツ)〉を発動。フィールドの〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉と手札の〈憎しき料理本(レシピ)魅意図(ミート)〉、〈遊泳する料理本(レシピ)不一守(フィッシュ)〉をリリースして手札の〈調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉を儀式召喚。さらに墓地に送られた〈憎しき料理本(レシピ)魅意図(ミート)〉、〈遊泳する料理本(レシピ)不一守(フィッシュ)〉のそれぞれの効果を発動するが、チェーンはあるか?」

「っ……ないわよ。」

「ならばまず〈遊泳する料理本(レシピ)不一守(フィッシュ)〉の効果で〈トラミッド・キングゴレム〉を破壊する。さらに、〈憎しき料理本(レシピ)魅意図(ミート)〉の効果で……えっと……そっちの……」

「……雪火でいいわよ。」

 

赤ローブがもじもじしているのを見かねたのか、雪火が呆れたように呟いた。

 

「せ、セツカの墓地の〈ブロック・ドラゴン〉をデッキに戻す!」

「ん。じゃあ処理後に〈トラミッド・キングゴレム〉が墓地に送られた場合の効果を発動するわ。私は手札から〈トラミッド・スフィンクス〉を攻撃表示特殊召喚する。この特殊召喚成功時なにかある?」

「オレはなにもないが……」

「じゃあ私がさっき伏せていた〈激流葬〉を発動するわね。本当はこんな使い方したくなかったんだけどな……。」

「ふっ、だが思い通りにならないのがデュエルだろう?」

「……そうね。さぁ、モンスターを全破壊よ!」

「くっ……ならばオレはカードを2枚伏せてターンエンドだ!手札ゼロ……だけど!」

 

赤ローブのターンが終わる頃。

気がつけば2人とも笑顔になっていた。

 

「私のターン!ドロー!」

 

雪火は引いたカードを見て少し考え込むような素振りを見せ、

 

「私は手札から〈テラ・フォーミング〉を発動!デッキから〈トラミッド・フォートレス〉を手札に加えるわ!」

 

と意気揚々と宣言した。

 

「さらにそのまま〈トラミッド・フォートレス〉を発動!そして伏せていた〈古代遺跡の目覚め(トラミッド・パルス)〉を発動し、私は墓地の〈ゴロゴル〉と〈トラミッド・マスター〉を除外して、私の墓地にいる〈トラミッド・スフィンクス〉を対象として効果を発動するわ!」

「ならばその効果にチェーンしてオレは伏せていた〈新鮮なる料理本(レシピ)辺下武流(ベジタブル)〉を発動!この効果でオレのライフが回復だ!」

 

 

〈新鮮なる料理本(レシピ)辺下武流(ベジタブル)

永続罠

①1ターンに1度、自分LPが相手LP以下の場合に発動できる。自分は500LP回復し、このターン自分フィールドの「レシピ」カードは効果では破壊されない。

②このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールド上の〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉の守備力は800アップする。

 

 

「あなたも回復するのね。」

 

赤ローブ:8500

 

そう言った雪火のフィールドの真ん中には守備表示で〈トラミッド・スフィンクス〉がたたずんでいた。

 

「ま、私はこれ以上できることもないしターンエンド……ちょっとまずいかな。」

 

おもわず漏れた不安の声だったが、赤ローブはそれを耳に入れてはいないようだった。

 

「オレはセツカのエンドフェイズにもう1枚の伏せカード、〈甘美なる料理本(レシピ)睡何時(スイーツ)〉を発動!」

 

 

〈甘美なる料理本(レシピ)睡何時(スイーツ)

永続罠

①1ターンに1度、自分LPが相手LP以下の場合に発動できる。このターン自分フィールドの〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉は効果では破壊されない。

②このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールド上の〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉の守備力は800アップする。

 

 

「今発動したって伏せを晒しただけじゃない?」

「まあな。」

 

赤ローブはそう言うと、大きな深呼吸をし……

 

「オレのターン、ドロー!……!」

 

その引いたカードを見て、赤ローブは一瞬固まり……

 

「オレは〈新鮮なる料理本(レシピ)辺下武流(ベジタブル)〉の効果でライフを回復だ。」

 

赤ローブ:9000

 

「来なかったの?その処理後に〈古代遺跡の目覚め(トラミッド・パルス)〉の効果。墓地の〈トラミッド・クルーザー〉と〈トラミッド・キングゴレム〉を除外して、私は墓地から〈トラミッド・ハンター〉を守備表示で特殊召喚!」

 

〈トラミッド・ハンター〉は〈トラミッド・スフィンクス〉の左隣でたたずみ始めた。

 

「では、オレは墓地の〈完熟の料理本(レシピ)富留雨通(フルーツ)〉を除外して効果を発動!デッキから〈お口直し〉を手札に加える。そしてターンエンドだ。」

 

 

〈お口直し〉

速攻魔法

このカード名の①②③の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

①自分・相手のバトルフェイズ開始時にこのカードを手札から捨てて発動できる。このバトルフェイズで自分が受ける全ての戦闘ダメージは半分になる。

②自分・相手のスタンバイフェイズにこのカードを手札から捨てて発動できる。このターン自分が相手から受ける全ての効果ダメージは0になる。

③墓地のこのカードを除外し自分フィールドの表側表示の「レシピ」カード2枚を対象として発動できる。そのカードを墓地に送りデッキから「レシピ」永続魔法・永続罠カードを合計2枚選んで自分フィールド上に発動する。

 

 

「へぇ、戦闘ダメージ半減……強いね。」

「ふっ、まあな。」

「っと、そっちのエンドフェイズに私の〈トラミッド・ハンター〉の効果を発動!」

「別に邪魔はない。」

「私は〈トラミッド・フォートレス〉を墓地に送って〈トラミッド・キングゴレム〉を発動!」

「だが〈お口直し〉の発動タイミングはバトルフェイズ開始時だ!」

「打点を上げたのよ。私のターン、ドロー。……うん、いくわよ!」

 

雪火は前を向き直し、赤ローブを真っ直ぐ見据えた。

 

「私は手札から〈トラミッド・ダンサー〉を召喚!さらに〈トラミッド・ダンサー〉の効果で墓地の〈トラミッド・フォートレス〉をデッキに戻して、私のフィールド上の岩石族のモンスターの攻守を500ずつアップさせるわ!」

「〈トラミッド・キングゴレム〉の合計すると……3体の攻撃力はそれぞれ1000ずつアップ……くっ。」

「そしてバトルに入るわ!」

「待て、バトルフェイズ開始時!〈お口直し〉を手札から捨てて効果!このバトルフェイズでオレが受けるダメージは半減する!」

「構わない!まずは〈トラミッド・ハンター〉でダイレクトアタック!」

「……技名とかないのか?」

「えっ。」

 

赤ローブの突拍子もない提案に狼狽えた雪火だったがすぐに立て直し、

 

「なら……えーっと……『古の魂狩り(いにしえのソウルハンティング)』!!」

 

ATK (1400+500+500)÷2=1200

 

赤ローブ:7800

 

「次に〈トラミッド・ダンサー〉のダイレクトアタック!えーっと『古の死招く踊り(いにしえのデスダンス)』!」

 

ATK (600+500+500)÷2=800

 

赤ローブ:7000

 

「さ……最後に〈トラミッド・スフィンクス〉のダイレクトアタックっ!ん~……『古の猫波動(いにしえのキャットロマンス)』!」

 

ATK (2500+500+500)÷2=1750

 

赤ローブ:5250

 

「……うぁ……ターンエンドよっ!」

「あ、エンドフェイズに〈新鮮なる料理本(レシピ)辺下武流(ベジタブル)〉の効果でライフ回復するぞ。」

「ん。」

 

赤ローブ:5750

 

「な、なんで怒ってるんだ?」

「怒ってない!」

「お、おぅ……オレのターン。ドロー……あ。」

「スタンバイに〈トラミッド・ダンサー〉の効果、いい?」

「あ、おう。」

 

いまだにこめかみから煙でも上げていそうな雪火だったが、効果発動の許可を取れる程の冷静さはまだ残っていたようだ。

 

「私は〈トラミッド・キングゴレム〉を墓地に送り、デッキから〈トラミッド・クルーザー〉を発動するわ。……どうぞ。」

「じゃあ行くぞ!オレは墓地の〈お口直し〉を除外してフィールド上の〈流れる料理本(レシピ)崇譜(スープ)〉と〈新鮮なる料理本(レシピ)辺下武流(ベジタブル)〉を対象として効果発動!チェーンはなにかあるか?」

「……なにもないわ。」

「ならば、チェーンして〈新鮮なる料理本(レシピ)辺下武流(ベジタブル)〉の効果でライフを回復!そしてさっきの2枚を墓地に送ってデッキから〈始まりの料理本(レシピ)王怒震(オードブル)〉と〈焼き尽くす料理本(レシピ)LOST(ロースト)〉を発動する!」

 

赤ローブ:6250

 

 

〈焼き尽くす料理本(レシピ)LOST(ロースト)

永続魔法

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①自分メインフェイズに自分フィールド上の表側表示の「レシピ」カードと相手フィールド上の魔法・罠カード2枚ずつを対象として発動できる。そのカードを全て破壊する。

②このカードが墓地に送られた場合に発動できる。相手の手札と自分の手札を1枚ずつランダムに墓地に送る。

 

 

「むむ……。」

「さらに〈始まりの料理本(レシピ)王怒震(オードブル)〉の発動時の効果で墓地から〈調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉を攻撃表示で特殊召喚!」

「儀式モンスターを?……あ、そっかそいつ〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉としても扱えるんだっけ。」

「そのとーりだ!そして〈焼き尽くす料理本(レシピ)LOST(ロースト)〉の効果!対象はオレの〈始まりの料理本(レシピ)王怒震(オードブル)〉2枚とセツカの〈古代遺跡の目覚め(トラミッド・パルス)〉と〈トラミッド・クルーザー〉だ。」

「ならその効果にチェーンして〈トラミッド・ハンター〉の効果を使うわ。私が発動するのは〈トラミッド・フォートレス〉ね。」

「……てことは破壊できるのは1枚だけか……とりあえずそれを破壊だ!」

 

赤ローブは〈古代遺跡の目覚め(トラミッド・パルス)〉を指差して叫んだ。

 

「まあ、オレの『レシピ』は破壊されないからプラスではあるけどな。」

「じゃあ私の効果使うわよ。墓地に送られた〈トラミッド・クルーザー〉の効果で〈トラミッド・ダンサー〉を手札に加える。」

「……なら!オレは墓地の〈憎しき料理本(レシピ)魅意図(ミート)〉を除外して〈調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉の効果。対象は〈トラミッド・フォートレス〉!それを破壊だ!」

「うむむ……。」

「さらにもう1度!〈遊泳する料理本(レシピ)不一守(フィッシュ)〉を除外して対象は〈トラミッド・スフィンクス〉だ!」

「破壊ね。」

 

雪火は〈トラミッド・スフィンクス〉を墓地に送りながら呟いた。

 

「そしてバトル!〈調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉で〈トラミッド・ダンサー〉に攻撃する!」

「くっ……ぅ。」

 

ATK 2800+(300×2)+500+500+500=4900

ATK 1100

 

セツカ:5200

 

「これでオレはターンエンド。さぁ、どうする?」

「……私のターン、ドロー。私は〈トラミッド・ダンサー〉を通常召喚し、さらに墓地の〈古代遺跡の目覚め(トラミッド・パルス)〉を対象として効果を発動!デッキに戻して攻守500アップよ!」

「だが……〈調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉の攻撃力には敵わないだろう?」

「それでいいのよ。私はフィールド魔法〈岩投げエリア〉を発動して、バトルフェイズに入るわ!」

「?~?~?」

「私は〈トラミッド・ハンター〉で〈調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉に攻撃!」

 

ATK 1900+500=2400

ATK 4900

 

セツカ:2700

 

「なら〈トラミッド・ハンター〉は……」

「ううん。」

 

雪火は首を左右に振った。

 

「〈岩投げエリア〉の効果で戦闘破壊の代わりにデッキから〈ブロック・ドラゴン〉を墓地に送る。」

「なるほど……耐性が。」

「メイン2!私はレベル3の〈トラミッド・ハンター〉と〈トラミッドダンサー〉を素材としてランク3の〈ゴルゴニック・ガーディアン〉を攻撃表示で(エクシーズ)召喚!そして素材となっている〈トラミッド・ダンサー〉を取り除いて〈調理場の皇帝(キッチン・エンペラー)〉を対象として効果!このターン終了時まで攻撃力0、効果は無効!」

「ならばその効果にチェーンして〈甘美なる料理本(レシピ)睡何時(スイーツ)〉の効果を発動!このターン、オレの……」

「ふっ……」

 

赤ローブは、雪火が浮かべた不適な笑みを見逃していなかった。

 

「あ……効果が!」

「その通り。その効果を発動したところで、今は〈調理場の戦士(キッチン・ファイター)〉として扱われる効果は無効になっているのよ!」

「ぐっ……」

「そのまま〈ゴルゴニック・ガーディアン〉の効果で破壊!」

「ぬぬ……」

「さらに墓地の〈トラミッド・スフィンクス〉と2枚の〈トラミッド・ダンサー〉を除外して墓地の〈ブロック・ドラゴン〉を守備表示で特殊召喚!」

「効果破壊耐性……まで!?」

「これで私はターンエンド。あなたはどうするのかしら?」

 

真ん中にたたずむ〈ブロック・ドラゴン〉の威圧感に気圧されたのか赤ローブは自分のターンに入るのに少々の時間を要した。

 

「お、オレのターン!……ドロー。オレは〈焼き尽くす料理本(レシピ)LOST(ロースト)〉の効果……すら使えないのか……ターンエンド……。」

「なら……私のターン、ドロー。〈ブロック・ドラゴン〉を攻撃表示にして……バトルするわよ。」

「ああ。」

「〈ブロック・ドラゴン〉でダイレクトアタック!」

 

ATK 2500

 

赤ローブ:3750

 

「ぐっ。」

「続けて〈ゴルゴニック・ガーディアン〉でダイレクトアタック!」

 

ATK 1600

 

赤ローブ:2150

 

「ターンエンドよ。」

「大ピンチ……だが……くっ。オレのターンっドロー!」

 

赤ローブはカードが曲がりかねないレベルで力を加えてドローをし、引いたカードを見ると……

 

「ターンエンド……。」

「なら私のターンね。これで決めてあげる!ドロー……スタンバイ!」

「……うぐぐ。」

「私は〈トラミッド・マスター〉を通常召喚してバトルフェイズ!」

「ならばバトルフェイズ開始時に手札から〈お口直し〉を捨てて効果を発動!」

「半減よね?〈ゴルゴニック・ガーディアン〉でダイレクトアタック!」

 

ATK 1600

 

赤ローブ:1550

 

「さらに〈ブロック・ドラゴン〉でダイレクトアタック!」

 

ATK 2500

 

赤ローブ:300

 

「ふっ……さぁ!トドメを!」

 

赤ローブのその叫びを聞いた雪火は、

 

「もちろん!私は〈トラミッド・マスター〉でダイレクトアタック!『古の操支配(いにしえのマリオネット)』!!」

 

ATK 1800

 

赤ローブ:0

 

 

 

デュエルを終えて赤ローブは椅子にもたれ掛かり、天井を見上げた。

 

「ふっ……強いな。」

「あなたも強かったよ。」

「セツカ……またデュエルしたいんだが……」

「いいけど……その前にあなたの名前を教えて?」

 

雪火は赤ローブに向かって手を差し出した。つまるところ握手しよう……ということだ。

だが、赤ローブから返ってきたのは意外な言葉だった。

 

「オレには……オレ達には名前はない。」

「オレ達?」

 

雪火がさらに深く訊こうとしたときだった。

 

赤ローブが椅子から床に転がり落ちた。

 

「お、おい?大丈夫か!?」

「……」

 

赤ローブからの返答はない。

雪火がどうしようかと周りを見渡すと、そこには。

 

「敗北者には喋る権利などないですから。」

 

真っ白なローブを着た何かが立っていた。

 

「あ、あんた誰!?」

「スカウトに来たのです。見ていましたよ今のデュエル。」

 

そう言うと白ローブは、倒れている赤ローブの腰に付けられていたデッキケースを取り上げた。

 

「おい!何してるんだよ!」

「こんなやつにカードを作ったのがとてももったいないと思ってね。もう持つ資格もないだろう。」

 

そして、気がつけば──

 

「なにをしているんです?」

「事情は分からないけど、人のデッキを持っていくのに賛成はできないわ。」

 

雪火は手を掴んでいた。

 

「……なら今回は見逃しましょう。なかなか面白いデュエルを見せてもらいましたからね……」

 

白ローブは全て言い終わる前に雪火の前から姿を消していた。

雪火は赤ローブの近くに座り、

 

「大丈夫かな……」

 

と小さく呟いた。

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