俺は今、はぐれエクソシストと戦っている。
「クソが!何がどうなってやがる!?」
フリードは自分の身で起きていることにイラついているようだ。
それもそうだ。弾丸を撃てばいつの間にか俺が背後におり、光の剣を振るえば、いつの間にか吹っ飛ばされているのだから…。
「無駄だ。テメェじゃ俺は殺せねぇし、テメェの攻撃は一生俺には届かない。俺の神器は時間を支配する能力を持っている。さぁ、 "時間"が見るユメの中で安らかに眠れ!」
「なんだよそれ……!そんな設定いらねぇんだよ!!」
『Stop The Time』
「しーっ………。少し静かにしていろ」
俺は魔力を手に纏わせ、刃の形にしてフリードを切り裂く。
じゃあな。先に進ませてもらう。
『Restart』
その音声と共にフリードはその場で倒れた。
なんだ…?何だか生臭いな…。
地下にたどり着いた俺が目にした光景はとんでもないものだった。
「おい……なんだよこれ……」
そこには全身傷だらけの二人の姿があった。
木場が口から血を流しながら俺に言う。
「にげるんだ……あかつきくん…」
俺は木場に寄り添い彼に言う。
「しっかりしろ木場!何があった!?」
木場は今にも気を失いそうになりながら俺に言う。
「だてんしとは……ちがう…なにかが……ぼくたちを………ひょうどうくんがいま……そとで……」
堕天使とは違う何か…?なんだよそれ…。
「堕天使とは違う何かって何だよ…?朔音は?アーシアってシスターはどうした!?」
木場はそのまま気を失った。
隣を見れば塔城のやつも気を失っていた。
他のはぐれ神父と思われるやつらは血を流して死んでいた。
奥へ進むも誰もいない。あるのは黒い羽があちらこちらにあるのみ。
恐らくこれは堕天使の羽。しかし、肝心の堕天使の姿はなかった。そして兵藤の姿もなかった。
とにかく二人を安全な場所まで運ばねぇと…。
そう思った時、魔方陣が現れそこから二人の女性が現れた。
リアス・グレモリー先輩と姫島朱乃先輩だ。
「これはどういうこと!?何があったの?」
リアス先輩が走ってこちらに向かってくる。
それを追うように姫島先輩もこちらへ向かってくる。
「わからねぇ…。俺が着いたときにはもう」
「酷い怪我……急いで病院へ!」
木場たちは姫島先輩が冥界の病院へ連れていった。
「とりあえず祐斗たちはこれで大丈夫のはずよ。それにしても酷い有り様ね……」
リアス先輩は残酷な殺され方をしたはぐれ神父を見てそう言った。
はぐれ神父の中には顔の形が変形しているものもいた。
「木場たちが殺ったと言うよりかは仲間ごと木場たちを殺った……って感じか?」
「多分そうでしょうね……」
「そういえば木場が『堕天使とは違う何かが僕たちを…。兵藤が外で』って言っていた。早く外に行こう」
「わかったわ。急ぎましょう!」
俺とリアス先輩は教会の外へ出た。
辺りを見る限り兵藤の姿はない。
するとリアス先輩があることに気づく。
「この羽は…もしかして堕天使のもの?」
羽はまるで道のように続いていた。
明らかに罠に見えた。しかし、今はそんなことどうでもいい。早く朔音を…。兵藤のことも心配だ!
俺はリアス先輩に言う。
「行くぞ。罠かも知れないが今はそんなこと考えていても仕方ねぇ」
「ええ。行きましょう!」
羽が落ちている方角へ向かっていくと……。
「ご機嫌よう。あら?二人だけかしら?残念ね」
そこには女の堕天使がいた。
アイツは兵藤を殺した堕天使?
堕天使も俺のことを思い出したのか俺の方を見て言う。
「あなたは確か…あの時消えたガキね。どんなトリックを使ったか知らないけど、今度は死んでもらうわ!」
「ふざけんな!そんなことより兵藤はどうした!?朔音とアーシアはどこだ!?」
「兵藤?ああ、あの悪魔のクソガキならあそこにいるじゃない」
堕天使の女はある方向を指差した。
その方を見ると、血だらけの兵藤の姿があった。
嘘……だろ…?兵藤まで…。
「イッセー!!!」
リアス先輩は涙を流しながら兵藤の方へ走る。
「ぶちょう……」
よかった…兵藤はどうやらまだ生きている。
「おい女…。朔音はどこだ………」
「朔音?もしかしてアーシアにくっついていたあの人間の女のこと?さぁ知らないわ。それはラリカに聞いてちょうだい」
「そのラリカってのはどこにいる!?」
俺が怒鳴り声で言うと、木の奥から一人の女性が現れる。
「私が……ラリカよ」
何だコイツ…?頭から角…?それに尻尾みたいなものが生えてる?
女は仮面を被っており素顔は見えない。
俺の驚いた表情を見たラリカは続ける。
「はじめまして。私は
「どこだ……?どこにいる……」
「私の後ろにいるわ。まぁ命までは保証できないけど。あ、ちなみにシスターの女の子なら死んだわ。死体なら朔音って女の子と一緒よ。ちなみにそこにいる堕天使が神器を奪ってシスターを殺したわ」
何だと…!?シスターは死んだ…?
するとラリカはあることを語りだす。
「そこにいる堕天使、レイナーレがシスターから
黙れ……。
ラリカは俺のことなどお構いなしに煽るように続ける。
「そうそう。女の子はこんなことも言ってたわね。『ルーガくんが必ずアンタたちをやっつける』とか。もしかしてあのルーガくんってあなたのことかしら?みたところあなたもただの悪魔なんでしょ?それじゃあ私にはけ勝てないわ。ねぇ?あなたもそう思わない?レイナーレ」
レイナーレもラリカと同じく煽るように言う。
「ええ。あなたと至高の堕天使となった私たち二人相手じゃ勝てるわけないわ。逃げるのなら今のうちよ」
黙れ……。何が至高の堕天使だ……。
俺は二人に殺意を剥き出しにして睨み付けた。
「やだ~…!怖い怖い。そんなに殺意剥き出しにしちゃって」
ラリカは怯えるどころか煽ることを止めない。
クロノス……俺はアイツを……。
アイツを……。
殺したい。
『好きにしたまえ。しかし、今の君では殺されるだけだ』
うるせぇ!!黙って俺に力を貸せ!!!
俺は左腕を天高く掲げ、叫んだ。
「
『Chronos Dragon Balance Breaker!!!!!!!』
その音声と共に、俺の身体はエメラルドグリーンの光に包まれる。
それを見たラリカが言う。
「この光は一体何なの?」
その後にレイナーレが驚いた表情で言う。
「この光は…まさか…!?」
光は足元から徐々に解けていき、そこには緑と黒のカラーリングに、背中からは大きなドラゴンの翼を持った俺の姿があった。
「ここからは、俺がお前たちの運命をジャッジする…!!」
「私たちの運命をジャッジする?アッハハハ!!!!笑わせないでよ。そんな変身で!!」
ラリカが高速で俺めがけて襲いかかってくる!
お前だけは……絶対に許さない。
『Stop The Time』
全ての"時間"が静止し、俺以外のものは全て動きを止めた。
当然ラリカの動きも止まっている。
神魔族だが何だか知らないが、所詮お前も止まった時の中では無謀なものだ。
「止まった"時間"の中で眠れ……」
『Chronicle Crusade!!!!!』
俺は足元に魔力を蓄え、そのままラリカめがけて回し蹴りを繰り出す。
「永遠に……」
『Restart』
その音声と共に、ラリカは爆発と共に断末魔も上げることなく粒子となり、粒子は籠手の宝玉に吸い込まれた。
今の粒子はなんだ?
『私の能力で倒されたものはその後、粒子となり私の宝玉に吸い込まれる仕様になっている。まぁマスターも近いうちにわかるはずだ。残留思念となった彼女に会えば…』
残留思念?なんだよそれ!?
その後、クロノスからの返事はなかった。
消えたラリカを見て、レイナーレは…
「何が起きてるの…!?いつの間にかラリカは消えて……」
俺はレイナーレの方を振り向く。
「ひぃ!!?い、嫌ぁ!!!」
レイナーレは光の槍を投げてくる。
俺はそれを振り払い、レイナーレに近づく。
「お前も永遠に眠れ」
『Chronicle Crusade!!!!!』
俺は再び足元に魔力を蓄え、そのままレイナーレめがけて回し蹴りを繰り出す。
レイナーレは黒い羽を散らばしながら消えた。
そしてレイナーレが奪ったアーシアの神器と思われるものが現れる。
「リアス先輩……この神器は?」
「恐らく、シスターが持っていた神器でしょうね…」
俺はそれを手に持つ。
「こんなもののために…。人の命を…」
そうだ……朔音は?
俺は朔音を探す。ラリカが現れた場所の付近を捜索すると、そこには服がボロボロの朔音とアーシアの姿があった。
「おい朔音!しっかりしろ!」
俺は朔音を抱えて声をかける。
何度も何度も声をかけた。
すると…
「う…ん……アーシア……ちゃん……」
小声だが朔音はシスターの名を呼んだ。
よかった……朔音は生きている。
俺は涙を流しながら喜んだ。たった一人の俺の家族……。生きていてよかった…。俺は心からそう思った。
するとリアス先輩が兵藤を背負ってこちらに来る。
「妹さんは無事のようね…」
「ああ、でもシスターは……」
となりで目をつぶっているシスターはもう死んでいる。何の罪もないというのに。
「とにかく二人を連れて冥界の病院へ行きましょう。話はそこでしましょう」
「わかった……」
リアス先輩は転移魔法を展開し、俺たちは冥界の病院へ転移した。