ハイスクール・クロニクル   作:いるふぃ

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夏休みに入った駒王学園

長く楽しい休みの日!

しかし、朔夜は大量の課題が。

そんな中、イシュタルが会わせたい人がいると朔夜を誘うが…


第1話 時間と空間

俺が目が覚めてから一週間が過ぎた。

気がつけば学園は夏休み真っ只中。しかし……俺は大量の課題に苦戦を強いられていた。

 

「ああ~…ダルい…暑い~…焼ける~…焦げる~…なんで俺だけ課題と夏休みの宿題両方あるんだよ」

 

嘆く俺を見て出かける準備をしながら朔音が言う。

 

「仕方ないよルーガくん。ルーガくんずっと学園休み扱いだったし」

 

「はぁ~…最悪だ。てかどっか出かけるのか?」

 

朔音は大きなカバンに大量の私物を積み込んでいた。

まるでどこかへ旅行しに行くかの如く。

 

「合宿に行くって言ったはずだよ?」

 

「え?ああ、そういえばそんなこと言ってたな。気をつけて行けよ」

 

「うん!ルーガくんも課題と夏休みの宿題サボっちゃダメだよ?」

 

へいへい。わかってるよ。

朔音はそのまま家を出て合宿へ向かった。

暑い自室の中黙々と課題を進めている俺。

すると誰かがノックをする。

 

「ルーガくん。ちょっといいかしら?」

 

この声はイシュタルちゃんか?なんだ?

俺は扉を開ける。

 

「なんだよ」

 

「ちょっと会わせたい人がいるのよ」

 

会わせたい人?誰だ?

 

俺はイシュタルちゃんに付いて行き、ある場所に来た。

 

「まさか漁師とか……?」

 

「ちょっと違うわ。確かこの辺で釣りをしてるって聞いたけど……」

 

イシュタルちゃんが辺りを捜索していると……

 

「おお!こっちだ!」

 

声がする方を振り返るとそこには釣りをしていた中年のおっさんがいた。

 

あれが俺に会わせたい人?

 

俺とイシュタルちゃんはそのおっさんの方へ行く。

 

「久しぶりだなイシュタル。お前は全然姿が変わらねぇな」

 

「久しぶりねアザぜル。貴方はずいぶんと変わったわね」

 

何やら親しげに話すお二人さん。もしかして知り合いか?

 

するとおっさんは俺の方を見て言う。

 

「そこの坊主が朔夜か?」

 

「ええ、大きくなったものでしょ?」

 

え?俺の名前を知ってる?どういうことだ?

俺はこのおっさんと会うのは初対面のはず…。

 

「お前は覚えちゃいねぇだろうが、俺はお前が赤子だったころに一度会ってるんだぜ?」

 

「悪いが記憶にねぇな…。アンタみたいな有名人に会ってたら鮮明に覚えてるはずだしな」

 

てか赤子の頃の記憶なんて全部覚えてねぇよ。両親の顔でさえ、覚えてねぇのに…。

 

「アンタ、俺が赤子の頃から知ってるって言ってたな?ってことは、俺の両親のことを知ってるよな?」

 

おっさんは釣りを止め、立ち上がる。

 

「ああ。知っている。お前の母親とは良く会っていたからな。父親のことも良く知っている」

 

「なら…教えてくれないか?俺は両親との思い出が全くない。物心つく前に死んだ。だから知りたいんだ」

 

少しの沈黙の後、イシュタルちゃんがおっさんに言う。

 

「教えてあげたら?そのために連れてきたってのもあるし」

 

おっさんは大きくため息を吐いた後、俺に両親について話してくれた。

 

「お前の母親の名前は暁 明日香。暁家の娘で次期当主。明るくいつも笑顔で笑っていた…。父親の名前はディア・ルキフグス。番外の悪魔であるルキフグス家出身の数少ない生き残りの一人。口は荒っぽかったが、仲間想いのやつだった」

 

おっさんの口から語られる俺の両親についてのこと。

俺は黙ってじっとおっさんの話を聞いていた。

 

「お前の両親は暁家の現当主である暁 弦十郎によって殺された。殺される前、明日香とディアは俺に赤子であるお前を託した」

 

おっさんは懐から一枚の紙を出し、俺に渡した。

 

「お前を預かった時に一緒に預かった手紙だ。お前が高校生くらいになったときに渡せって言われてな…。お前を預かったあと俺はそこにいるドラゴンにお前を預けた」

 

「最初は断ったんだけどね…。ルーガくんの両親の話聞いたら断れなくなっちゃって」

 

えっ…?ちょっと待て!?ええええ!!

イシュタルちゃんが……ドラゴン?

 

「イシュタルちゃんがドラゴン……だと…?」

 

「ええ、気づかなかったの?」

 

「うそーん……。でもその姿は人間…」

 

「私は人間の姿に化けてるだけよ?ここでは元の姿に戻れないけど、元の姿に戻ればそれは大きなドラゴンよ?」

 

初耳だぞおい…。つーかそういうこと早く言ってくれよ!

するとおっさんが俺に言う。

 

「ところで朔夜。お前さん神器(セイクリッド・ギア)の力に目覚めたそうじゃねぇか」

 

「ああ、まぁ」

 

「俺に見せてくれねぇか?」

 

俺はイシュタルちゃんの顔を見る。イシュタルちゃんは頷く。

 

「わかった。ちょっと待っててくれ」

 

久しぶりだからな…。頼むぞクロノス!!

 

時空龍の籠手(クロニクル・ギア)!!!

 

 

俺は左腕を空に掲げる。

 

しかし、籠手は現れなかった……。

 

「あれ……?出ない…?」

 

おかしいな…。なんで出ない?

 

 

俺はその後何度も左腕を空に掲げるも籠手は現れなかった。

 

「なんで出てこない!?」

 

まさかの事態にイシュタルちゃんも俺の方により左手を掴み、じっくり見る。

 

「おかしいわね……。確かに左手からクロノスの波動は感じるんだけど…。どうして出てこないのかしら?こら!!クロノス!!さっさと出てきなさい!!!」

 

俺の左手に叫ぶイシュタルちゃん。そんなことしても出て来ねぇよ…。

 

「アザゼル。あなた神器に詳しかったはずよね?時空龍の籠手って聞いたことあるかしら?」

 

時空龍の籠手(クロニクル・ギア)?聞いたことはあるが……まさか本当に存在してたとはな。俺もてっきりその神器は都市伝説かと思ってたが…」

 

そんなに存在薄いのかよ俺の神器って!

アザゼルは俺の左手をじっくり見る。

 

「イシュタル。本当にドラゴンの波動は感じるのか?」

 

「当たり前じゃない。嘘をあなたに言ったことある?」

 

「だとしたら機能不全か何かだろうな……」

 

機能不全だと!?嘘だろ…。

こんな大事なときに機能不全って。

 

『まぁそう言うなマスター』

 

左手に宿るクロノスが喋りだした!

 

「ほう。本当に存在してたとはな。お前さんが時空龍か?」

 

『ああ。時間を司る神のドラゴン。時空龍クロノスだ。以後お見知り置きを堕天使の総督殿』

 

「ところで、機能不全とはどういうことだ?」

 

『近くに"ヤツ"がいる。』

 

ヤツ?一体誰だ?

するとおっさんは後ろの方を見て言う。

 

「もしかしてヴァーリに反応して出てこねぇのか?」

 

おっさんが振り返った方を見ると、一人の青年がいつの間にかいた。

 

誰だ…?

 

するとイシュタルちゃんが言う。

 

「ヴァーリ・ルシファー。ルーガくんと同じハーフ悪魔よ」

 

ルシファーだと!?しかも俺と同じハーフ悪魔。

 

『白龍皇ではない。もっと強い力だ。私が一番嫌う"ヤツ"が』

 

ヴァーリはこちらに向かって歩いてくる。

歩きながら彼は言う。

 

「そこでこそこそと隠れているヤツがいる。そいつに聞いてみたらどうだ?」

 

ヴァーリが見る方角を見ると、一人の少女がいた。

 

あれは確か……。ルキア?

そこには朔音が連れてきた少女、ルキアがいた。

ヴァーリはルキアに言う。

 

「君は一体何者だ?」

 

「……私はルキア。そこの男に着いてきただけです」

 

そう言ってルキアは俺の方を指差す。

 

『アイツだ!アイツの中に"ヤツ"がいる!』

 

ルキアが?嘘だろ?どう見たってただの女の子だぞ?

 

するとルキアの背中から光輝く光輪が現れた。

 

なんだ?あの背中のものは!?

 

『久しぶりじゃねぇか!!クロノス!!今日と言う日は必ず決着を着けさせてもらうぜ?』

 

『やはり貴様か…。しつこいんじゃないか?』

 

光輪が喋った!?それに反応してクロノスも。

 

ルキアは言う。

「……この子はケイオス。空間を司る神のドラゴン。空間龍と言うのは本当なのですが、ダサいので改名しました。混沌龍の光輪(カオス・クリエイト・ユナイテッド)。それが私の神器です」

 

まさかこんなとこで宿敵と出会うなんて……今日は最悪な日になりそうだ…。




ー次回ー

激突する時間を司る神のドラゴンと空間を司る神のドラゴン。

その戦いは次元をも歪める壮絶な戦いであった。

第2話
『激突する神のドラゴン』
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