ハイスクール・クロニクル   作:いるふぃ

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第2話 激突する神のドラゴン

俺の目の前に現れた宿敵。

空間を司る神のドラゴン…。俺は時間を司る神のドラゴン…。

でも戦う理由が単純な喧嘩って。

「なぁ、ルキアちゃん。俺たちはどうしても戦わなきゃいけねぇか?」

 

「……当然です。暁 朔夜、貴方がその神器を手にした時点で私と戦うことは運命だったのです。例えそれがどのような理由があろうとも…」

 

「二匹のドラゴンのただの喧嘩だとしてもか?」

 

「……そのようなこと……」

 

ルキアちゃんは肘を地面に付き、少し低い声で言う。

 

「……口が避けても言えません…!」

 

………え?

 

それってもう言ってるようなもんじゃ…。

 

「……まぁとりあえず戦いましょう。話はそれからです。貴方がどのような力を持っているのか……私も興味があります」

 

そう言うとルキアちゃんは立ち上がり鎧を身に纏った。

 

『マスター。もうこれは戦うしかない』

 

わかった。とりあえずルキアちゃんが満足するまで戦うしかないみたいだな。

 

 

 

ーーーーー禁手!!!ーーーーー

 

 

 

俺も神器を起動させ、禁手を発動させた。

 

 

「さぁ、かかってきな!」

 

すると、ルキアちゃんは魔方陣から二つの銃を取り出した。

二拳銃か…。つまり遠距離での戦いが得意ってことか?

 

そのままルキアちゃんは俺目掛けて二つの拳銃で撃つ。

 

間一髪で避ける俺。しかし、その隙をついてルキアちゃんが懐に回り込む。

 

そのまま、回し蹴りで俺を吹き飛ばす。

 

っ…!!結構効くな…。ルキアちゃん一体何者だ?とりあえず普通の女の子じゃないってことだけはわかった。

 

俺は立ち上がり、ルキアちゃん目掛けて走り出す!

正面突破だ!!

 

「……真っ向から向かってきますか」

 

そう言い拳銃を再び俺に向けるルキアちゃん!

弾丸を撃たせるわけには!!

 

『Stop The Time』

 

その音声と共にすべては制止した。

 

もらった!!

 

そう思った時だった…。

 

 

『Silencio』

 

 

ルキアちゃんの光輪からその音声がなった途端、彼女の姿が消えた。

 

何!?どこ行った!

 

辺りを見渡しても彼女の姿はなかった。

 

逃げた……?

 

 

『マスター上だ!!』

 

クロノスの声に反応して上を振り向くと、空が鏡のように割れ、そこからルキアちゃんが現れた!

 

「……ターゲット・ロックオン」

 

ルキアちゃんは2つの銃を平行連結させ、そのままビームのような光を発射した!!

 

ヤバイ!!あんなの食らったら人溜まりもねぇぞ…!!

 

逃げようとするも間に合わず、そのまま直撃!

 

 

『Restart』

 

その音声が鳴ったあと…

 

ドゴゴゴゴォォォォォ!!!!!!!!

 

 

 

激しい爆発音が鳴り響く!!

 

 

倒れこむ俺に近づくルキアちゃん。

 

「……あの攻撃を受けて生きているなんて頑丈なのですね。驚きです」

 

「そりゃどうも……。でも、なんで止まった時間の中で動けた…?」

 

「……暁 朔夜、あなたが時間停止させた時に私もこの神器の能力を使ったのです。私の神器の能力の一つ、空間に穴を開けること。その開いた穴に私自身が入ることも可能。そしてあなたが止められる時間は恐らくこの世界のみ。つまり私の逃げ込んだ空間の時間は止めることができない。わかっていただけましたか?」

 

すると遠くで俺たちの戦いを見ていたアザゼルが言う。

 

「随分と面白い能力じゃねぇか。空間に穴を開けてそこに逃げ込んで時間停止を回避したと」

 

「……そう言うことになります。堕天使の総督アザゼル。その顔だと、私の神器に興味がある様子ですね」

 

「まぁな。何しろ見たことのない神器なもんでな」

 

「……今、私は任務中です。その任務が終わればじっくり見せてあげますよ」

 

「それは楽しみだ。ところでお前さんの神器の能力はそれだけじゃないだろ?」

 

「……それは言えません」

 

すると、ルキアちゃんは鎧を解除した。

そして俺の方に寄り、手を差しのべた。

俺はその手を掴み、起き上がる。

 

「……暁 朔夜。あなたの強さはだいたいわかりました。もう少しあなたが強くなってから戦いましょう。と言いたいのですが、私も正直に言ってくだらない喧嘩に振り回されたくないです」

 

「やっぱり知ってたのか?何で時空のドラゴンと空間のドラゴンが戦ってるのか…」

 

「……ええ、ケイオスから聞きました。馬鹿馬鹿しです」

 

『おいおい嬢ちゃん。それはねぇだろ?』

 

光輪が現れ、それが喋った!恐らく中にいるドラゴン、ケイオスだろう。

 

「……元々あなたとクロノスは兄弟のようなものなのでしょ?それなら戦う意味はありません。それにクロノスがもし消えたらこの世界は崩壊します。あなたもわかってるはずです」

 

『それはそうだけどよ…』

 

「……これ以上文句を言うつもりですか?」

 

ルキアちゃんの声が少しドスのきいた声になった。

この声を聞いたケイオスは…。

 

『はい。すいませんでした。もう文句は言いません。あなたに従います』

 

「……わかればいいのです」

 

完全に向こうは主従関係じゃねぇかよ…。

振り向くとイシュタルちゃんが走ってこちらに向かってくる。

 

「ルーガくん!!大丈夫?」

 

「ああ、まぁ何とか」

 

「まさか空間のドラゴンがこの場に居たなんてね…気づかなかったわ」

 

その時、俺はあることを思い出した。

そうだ、アザゼルに聞かなきゃいけねぇことが…。

 

俺はアザゼルにあることを聞いた。

 

「堕天使の総督、あなたに聞きたいことがある」

 

「ん?なんだ?まだ両親のことが聞きたいのか?」

 

「それもあるが、少し違う。神魔族って聞いたことあるか?」

 

「しんまぞく…?聞いたことねぇ種族だな。それがどうかしたのか?」

 

「いや、アンタのとこの部下が神魔族と手を組んでたもんで」

 

そう、確かレイナーレとかいう堕天使が手を組んでたはず。

俺は何とか神器があったから倒せたけれど、あの強さは尋常じゃない。

普通の悪魔じゃ勝てるか…。

 

「そうだったのか…。いや、うちの部下が悪いことしちまったな」

 

「気にしないでくれ」

 

するとアザゼルは俺の籠手をじっと見て言う。

 

「ところでお前さんの神器をじっくり見せてくれねぇか?」

 

「ああ。それは別にいいんだが……」

 

俺は辺りを見渡す。

気がつけば白龍皇もルキアちゃんの姿もなかった。

 

そして俺とイシュタルちゃんはアザゼルが人間界で住んでいる家に行った。

数時間、アザゼルは俺の神器を調べていた。

気がつけばアザゼルはクロノスと話していた。

 

『どうして赤龍帝の籠手にそっくりか…?難しい質問だ。この姿はまだ完璧な姿ではない。と言えば納得してもらえるかな?堕天使の総督殿』

 

「つまり、今のお前の姿は蛹のような姿ってことか?」

 

『まぁそのようなものだ。本来の形になれば右腕にも籠手が現れる』

 

「つまり本来のお前の姿は両腕に籠手があるってことか?」

 

『そういうことだ。まだマスターが完璧でないため、本来の力が出せないでいる』

 

するとアザゼルが俺を見て言う。

 

「だそうだ。朔夜、お前確かイッセーと同じ駒王学園に通ってたよな?」

 

「あ、ああ。それがどうかしたか?」

 

「なーに、簡単なことだ。お前もオカルト研究部の部員になれってことだ」

 

 

はぁぁぁぁぁ!?俺が!?

 

 

「なんで俺があの部に入らないといけないんだよ」

 

「まぁ簡単に言えば特訓だ。イシュタルと特訓するのもいいが、それじゃ限界があるだろ?だから俺が鍛えてやる」

 

俺は数分間考えた。確かに神器の力がうまく扱えれば朔音を守ることができる……。でも面倒事は嫌いだしなぁ~……。

そんなに言うほど戦闘マニアって訳でもねぇし…。

 

そして俺が出した答えは…

 

「一つ条件がある」

 

「なんだ?」

 

「入るのはいいが、俺が力を使うのは今は朔音のためだ。それ以外でこの力を使うつもりはない。それでどうだ?」

 

少しの沈黙のあと、アザゼルは少しため息を吐いたあと、答える。

 

「良いだろう。あ、でもちゃんと部に顔は出せよ?そもそも学園に来いよ?」

 

「っ…。痛いとこついてくるな。わかってる。言われなくても行く」

 

「ならいい。じゃ俺は帰るわ。良いもん見れたしな。じゃあな」

 

そう言いながらアザゼルは帰っていった。

 

「それじゃ、私たちも帰りましょうか」

 

「ああ。課題終わらせないと……。このままじゃ留年だ…」

 

俺はイシュタルちゃんと一緒に家へと帰った。

 

 

[??? side]

 

「神人よ、例の計画はどうなっている?」

 

「心配はないさ。順調に進んでいる。それよりも、2日ほど前に次元の歪みがあったようだが…。どういたしましょう?」

 

「次元の歪みか……。いよいよ君たちの言っていた魔王がやって来たのかも知れないようだ」

 

顔の左半分を仮面で隠した女が言う。

 

「この魔力は恐らくルクスリアとアーケディアでしょう。心配ありません。あの力を貸していただけるのであれば」

 

「神人。アレはまだ完成しないのか?」

 

「時空龍の籠手。それのデータと宝玉があれば、今すぐにでも」

 

そして私は女に言う。

 

「では君に一つ頼むとしよう。時空龍の籠手のデータの収集と宝玉を奪ってこい」

 

「わかったわ。ラリカの敵討ちもしたかったし、丁度良いわ」

 

そう言うと女は転移魔法でどこかへ消えた。

 

「神魔族……。まさに悪魔を超越した存在。そのようなものが本当にいるとはな」

 

「父よ。確か、時空龍の籠手の現在の所有者は……」

 

「ああ、わかっている。悪魔に惚れた哀れな娘明日香の息子らしい」

 

「良いのか?孫を殺してしまっても」

 

「なに、悪魔の名を持つ暁など不要。明日香の息子は暁の名を汚した男だ」

 

そうだ、私の忠告を無視したあの駄目娘の明日香息子など私には不要。

 

私に必要なものは時空龍の籠手の力のみ。力こそ全て。

 

[??? side 終]

 

 

あれから数日が経った。

俺は久しぶりに兵藤とリアス先輩に会うことになった。

 

「よお朔夜!久しぶりだな。身体のほうはもう大丈夫なのか?」

 

「ああ。もう問題ない。ところでリアス先輩は?」

 

「その事なんだけど……」

 

俺は兵藤にある場所に連れていかれた。

 

着いた場所は……。

 

「なんだこの家!?ホテル見たいじゃねぇか…!?つか本当に家か?」

 

兵藤の家だった。とにかくデカイ!ホテルと見間違えるくらいデカイ!目を疑うくらいだ…。

 

俺は兵藤の家にお邪魔することになった。

 

「お…お邪魔します…」

 

すると迎えてくれたのは金髪の見覚えある美少女だった。

 

「あ、朔夜さん!お待ちしてました!」

 

「俺の目が確かならそこにいらっしゃるのってアーシア…?」

 

そう俺が聞くとアーシアは笑顔で「はい!」と答えた。

 

「えぇぇぇぇぇ!!!?だって!アーシアって!し、し、死んだんじゃ!?どういうことだ兵藤!」

 

「まぁ色々あって…。とにかく詳しいことは部屋の中でってことで。アーシアお茶とか用意いしてくれるか?」

 

「わかりました!さぁ、朔夜さんあがってください」

 

そう言われ、俺は家の中へ入っていく。

それにしても大きい。俺の家も大きい方だが、比べ物にならねぇなこりゃ…。

 

俺が兵藤の個室に行くため、エレベーターに乗っているとエレベーターが止まった。

 

誰かが乗ってくるのか?

 

エレベーターの扉が開くとそこにいたのは、俺と同じ銀髪の髪の美少女だった。

 

「えぇぇぇぇ!?先生!?なんで?」

 

「あれ?あなたは確か……朔夜くん?」

 

俺に課題を終わらないくらい出した先生がなぜここにぃぃ!?

 

「おいイッセーどうなってる!?なぜ先生がここにいるぅぅ!!?」

 

まさか俺が課題をサボってることバレたのか!?

 

「慌てるなよ朔夜。後でちゃんと説明する」

 

すると先生が俺に言う。

 

「そういえば朔夜くん、課題は順調ですか?」

 

「は…はいっ…!順調ですぅ!!」

 

ダメだ…!言えるわけねぇ…サボってるなんて言えるわけねぇ!

 

「それは良かったです!もしサボると留年してしまうかも知れないのでしっかりやるように」

 

「も、もちろんです!サボるわけないじゃないですかー!」

 

そしてエレベーターが動き、兵藤の部屋がある階へ止まった。

歩き出してすぐ、兵藤の部屋へと着いた。

 

俺は兵藤の部屋へと入る。そこには見たことない面子が数名いた。

 

誰だ…?全く知らない顔が数名いる…。

 

するとリアスが言う。

 

「待っていたわ。アザゼルから話は聞いているわ。ようこそオカルト研究部へ。私たちはあなたを歓迎するわ」





ー次回ー

第3話
『運命の出会い…?』

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