俺は異世界転生してまで戦いたくない! 作:AugustClown
「良くやってくれた諸君。礼を言う。」
「元はと言えばお前が無茶な命令するからこうなったんだろ…。」
「ザック止めとけ、聞こえるぞ。」
「ジェイク、こんだけ距離離れてるんだぜ?大丈夫だろ。」
「聞こえたらお前も逆賊扱いだからな?」
「ハートの女王かよ。」
「あん?なんだそりゃ?」
「何でもねぇよ。」
俺たちパーティ…いや、この国でパーティと呼ばれる団体は全て国運営で、言わば公務員という訳だ。何で俺が戦いたくないのにこんな職に着いているかといえば、それも自分が死ぬ確率を低められるメリットがあったからだ。パーティひいてはこの国の兵士になるにはジョブ(職)が必要となる。ジョブは基本的に七つで剣士、弓兵、槍兵、魔術師、騎士、盗賊、戦士。
どれか一つでもジョブのライセンスを持っていればパーティに参加することが出来る。因みに俺は全部持ってる。ロッティに言われて"スキル"上全部取れるので全部取った。
スキルとはこの国の人が必ず一人1個以上持っている特殊技能のことである。
「では、お主らの活躍にこれからも期待しておるぞ。」
「はっ、お任せ下さい王。」
「漸くあのオッサンから解放されたよ。」
「今日はいつもより長かったな〜。」
「ザック、ジェイク!王に対する侮辱とも取れる発言は慎まないとダメだよ!」
「アーティは真面目だな〜。ちょっとは肩の力抜いたらどうだ?」
そんな事をだべっている男性陣を横目に女子二人組はコソコソと話していた。
まあ、二人とも声がでかいから当人達はヒソヒソ話をしているつもりでも普通に聞こえるんだけど。
「ねぇドール、この後買い物に付き合ってくれない?」
「明日のデート用の白ワンピですか?」
「う、うん。」
「分かりましたわ。任せて下さい。」
ドールとロッティがどんな白ワンピを選ぶのか楽しみだ。ん?待てよ?面白いこと思いついたぞ…。
「おい、ジェイク明日空いてるか?」
「空いてるがお前明日ロッティとデートだろ?とばっちり食らって死にかけるのはごめんだぜ?」
「良いから耳かせ。ごにょごにょ…。」
「はぁ!?んなんやだわ!」
「ロッティにはこっちから伝えとくよ。アイツを手懐けるのは得意だからな。」
次の日ロッティはフリルのカワイイ白ワンピをきていたのだが頬をめいいっぱい膨らましていた。
理由は俺がデートにドールとジェイクを誘いWデートにしたかららしい。そっちの方が面白いのに。
「そんな怒るなよ。」
「私楽しみにしてたのに。」
「そんな顔してちゃカワイイ顔が台無しだぜ?」
「またそういうこと言って、ザックずるい。」
「なに?休み返上してまで俺とドールはこの幼馴染コンビのイチャつきを見なきゃいけないの?」
そう皮肉混じりに私服のジェイクが言った。
「だったらジェイクもドールとイチャつけばいいじゃないか。」
「それはその…恥ずかしいというか…なんというか。」
「・・・私はザックと二人だけがよかった。」
こういう時になるとロッティは唐突に素直になる為、一瞬ドキッとさせられる。
「また今度すればいいだろ?それに今回のWデートの会計は俺たちがもつんだし。」
「ジェイクさん大丈夫なんですか?」
「あ、ああ大丈夫だ。」
「どうしたジェイク、顔が赤いぞ?」
指図め私服ドールが顔を近づけて来た為照れたのだろう。いつもは俺と一緒にドールにちょっかいを出す側だがこうなるとジェイクは一気に弱くなる。
「さて、じゃあWデート始めますか!」
そして俺たちは賑わいを見せる城下街へと踏み込んだ。