俺は異世界転生してまで戦いたくない!   作:AugustClown

3 / 24
Wデートです

「結構賑わってるものだな〜。」

「そりゃ都の城下町なんですもの栄えてますよ。私達の村とは訳が違うでしょ。」

「まあ、そりゃそうか。」

「そう言えばお二人とも生まれは同じ村なのでしたっけ?」

「ああ、俺もロッティもオルザルっていう田舎出身。ドールとジェイクは貴族出身だったけ?」

「ああ。まあ俺は中級だが、ドールは王族に直接仕える上級貴族様だがな。」

「そういう差別的な言い方はよして下さい。普通に傷つきます。」

「それはすまない。それにドール前と比べるとお嬢様言葉が出なくなったよな。」

「必死にロッティさんと練習しましたもの!」

 

入団当初ドールは今よりもお嬢様色が強く、言葉もイメージ通りのお嬢様言葉だったのに対し、貴族ながらも3男な事もあり、身分にあまりとらわれないジェイクと俺が馬鹿に……元い、いじり倒した結果今のような喋り方になった。

 

「身分どうこう別にしてもウチのパーティは仲いいよな。」

「それはそうですよ。お二人とも忘れているかもしれませんが、ウチのパーティの入団テスト最難関だって言われてるのに余裕でクリアしたんですから。身分は意味を成さないでしょう。」

「あ〜、あれか。私あれ別に辛く無かったよ?」

「ロッティ、あれあの時の国の最新鋭のロボだったらしいぞ?」

 

因みに俺はその入団テストに付き添いとして行ったにも関わらず、ロッティに受付を済まされており参加させられた。周りでざっと100人ほどが倒れていたが、そこそこデカいロボットが無差別にゴム弾のマシンガンブッパしてくるだけで別段辛くはなかったのだが……というかロッティといつも"5倍"の状態で近接の特訓付き合うほうが骨が折れる。

ジェイクも、俺たちと一緒に入団した所謂同期というやつだ。

適当に街をブラブラしていると急にロッティがある店の前で止まった。

 

「ロッティ、どうした?」

「いや、あのネックレス綺麗だなって思ってさ。」

「ほぉ、あのネックレス神の加護付いてるな。欲しいのか?」

「いいの!?」

「まあ、今日の罪滅ぼしだと思えば安いもんだろ。それにロッティに似合いそうだしな。」

「有難う!大事にするね!」

「いや、使えよ!?あれカワイイとはいっても装備品だからな?」

「本当に仲がよろしいのですね、あのお二人。」

「あれで付き合ってないって言うんだから驚きだよな。いや、ザックが鈍感なだけか?」

「あ、あの私も少し気になる物があるのですが…。」

「ん、何だ?」

「あの指輪…。」

 

そうドールが言うと二人とも顔を赤く染め、さっきまで合っていた目線を逸らした。お熱い事だ。因みにこの国では男性が女性に対し指輪を買うと言うのはプロポーズと同義である。薄々ドールがジェイクに気があるのは分かってはいたが、ここまでドールが積極的に出るとは意外だった。どっちが鈍感なのか…ジェイクよ、人のことは言えないと思うぞ?

俺が買ってあげたネックレスを首からかけ、嬉しそうに眺めているロッティと店を出た瞬間女性の悲鳴が聞こえた。

 

「キャー!ひったくりよ!」

 

その瞬間俺達の横を凄い速さで誰かが駆けて行った。

 

「チッ、ワープは間に合わねぇ!ロッティ!」

「了解!倍率はいつもので!」

 

そう言ったロッティが俺達の前から消える様に駆けて行った。ロッティのスキル"強化"である。能力は単純な身体機能の上昇である。

しかし倍率は俺のスキル"調整"で弄って5倍にしたはずなんだが、いつもよりも速かった気がする。ネックレスの加護の内容を見ていなかったけど、スピードが上がる系の加護なんだろうか。

そんな事を思っていた矢先、少し先の所でズドンッ!と言う音がした。終わったのだろう。

 

「さてジェイク、ドール行こうか。」

「そうだな。」

「ええ。」

 

ワープを発動させ、音のあった場所まで移動する。

ひったくりはロッティの正義の鉄拳を喰らったらしく、完全に伸び切っていた。可哀想に…。取り敢えず奪ったものを回収し、一緒に連れて来た被害者に返した。

 

「有難うございます。なんとお礼を言えばいいか。」

「いえいえ、我々はパーティとして当然のな事をしたまでですので。」

「サボり魔がよく言うぜ。」

「えっ?」

 

すかさずジェイクにエルボを喰らわす。ドゴッという鈍い打撃音がして、ジェイクはその場に崩れた。

 

「すいません。コイツ、綺麗な女性を前にすると虚言癖がでるんです。」

「は、はぁ。」

「虚言癖は……どっちだ…!詐欺師め!」

「ジェイクさん、虚言癖あるんですか?」

「いやいや、ジェイクにそんなのはないよ、ドール。ザックならまだしも。」

「おい。」

「ああ、アナタも有難うございました。」

「い〜え。お姉さんも気を付けてね。」

「はい。」

 

その後その女性を四人で家まで送り、パーティの基地まで帰っている時、ロッティとさっきの事を話した。

 

「うん、私もいつもよりも速く感じた。」

「やっぱりそうか。」

「うん。プラス倍率は1.5か2って所だろうね。」

「ああ、説明書にも"効果は加速で、スピードステータスを1.5倍する"って書いてある。」

「そっか。まあ、ザックが買ってくれたってだけで十分だから効果はどうでもいいんだけどね。」

 

そしてパーティの基地戻るとアーティとギルが待っており、心做しか二人とも真剣な顔をしている。

 

「待ってたよ四人とも。帰ってきて早速で悪いが問題発生だ。隣国が大軍を引連れて攻めて来たらしい。」




《スキル説明》
ロッティ
「強化」
ステータスが基本的常時10倍になっている。

ザック
「調整」
色々なものを弄ることが出来る(毒、体調、スキルの倍率etc)。

《用語説明》
「神の加護」
武器や装備品に低確率で付与されることがある武器版のスキルのようなもの。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。