コードギアス 反逆?の首輪付き   作:Casea

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『無茶を言ってくれるものですね。新型を一ヶ月で、しかもコジマ汚染を引き起こさずに今までと同等の機能を持つネクスト機を作れなどと』

『君は何を言っているのかね! 一ヶ月しかではない、一ヶ月もあるのだよ! それだけあれば私が考えている全ての機能が備え付けられそうだよ!』

『心配ではないのですか? もし出来なければおそらく我々は……』

『何を気にする必要があるのかね。彼は私達を頼ってきたのだよ? 信頼には答えねばねぇ』

『楽観的で羨ましい限りですよ』

『それより手を動かしたまえ。私が求める機体が作れないではないかね』

『はいはい、わかりましたよ主任』



15話 翻弄

 

 藤堂中佐救出作戦以降誰とも会っていなかったユウは、ゼロに呼び出されてアジトに使っているトレーラーへとやって来た。アジトに入ると言い争う声が聞こえた。中では藤堂、扇、ディートハルト、ラクシャータ等の主要なメンバーとゼロが話し合っており、ユウが入ると皆の視線を一斉に浴びた。場の雰囲気は非常に険悪でユウはそんな時に入ったことを後悔した。

 

(入らなきゃよかった……)

 

「おや……ちょうど良い、是非あなたの意見をお聞きしたい」

 

 そう言ってディートハルトはユウに質問を投げかけた。

 

「あなたは枢木スザクをどうすべきだと考えますか? 私としましては暗殺するのが妥当かと考えております」

 

 話はこうだ。スザクがブリタニア皇女の一人から騎士として選ばれたことでブリタニアに恭順した日本人の旗印になる可能性が出てきた。それはゼロが日本を取り戻すという目的には邪魔でしかない、だから暗殺するのがベストであると。これに対し藤堂や扇は反対しているという。

 

「それについてはあの日作戦後にゼロと話しました。今は奴には手を出さないという考えをお聞きしました、ならそれに従うまでです」

 

「しかしそれはあの時点での話でしょう。今現在彼はブリタニアの第3皇女ユーフェミアの騎士となりました。状況が違います」

 

 ディートハルトとしてはさっさとスザクに消えてもらいたいという気持ちが強く、ユウもそれを感じ取っていた。

 

「奴が何になろうと僕には関係ありません。僕は傭兵ゼロは雇い主。命令に従うだけ、これが僕の意見です。他に何か?」

 

「いえ……あなたの意見はわかりました」

 

 ディートハルトは食い下がることもなくすぐに話しを終えた。

 そんなユウに鋭い眼差しを向ける藤堂。藤堂からすれば救出作戦以降会っておらず他人から人物像を聞いた程度である。作戦時の言動を見ると警戒するに越したことはないのだが、騎士団のメンバーからは信頼されているらしくあまり悪い話は聞かない。

 

(こうして見ている分には普通の青年だが……)

 

 スザクとは同じ学園で友人だというのだが、スザクを見た時の反応からはとてもそんなことは想像出来ない。藤堂は時間をかけてユウを見定める必要があるという判断を下した。

 

 

「あぁそうだ、一つ大事なことがあったんだわ~。忘れるところだった」

 

 とりあえずスザクには手出ししないことが決まり解散となるかと思ったらラクシャータが話を切り出した。

 

「KMFに関することか?」

 

「ちょっと違うわ、そこの首輪の坊やのことについてよ」

 

 ユウにとってラクシャータは苦手な人物であるためその彼女から名前を出され何事かと少し身構える。

 

「アンタの機体だけど、少し調べさせてもらったわ」

 

「……倉庫のセキュリティにトラップしかけておいたはずなんですけど」

 

「ンフフッ、あんな程度私には児戯にも等しいわよぉ」

 

 ユウは頭痛に耐えるように頭を抱えた。

 

「機体の性能は素晴らしいわね、ただのKMFじゃ敵わないのも無理ないわ。でもその上で言わせてもらうけど……アレに乗るのはもう止めておきなさい」

 

 茶化すような雰囲気から一転、真面目な顔つきでとんでもないことを言い始めたラクシャータに扇が食って掛かる。

 

「ちょ、ちょっと待ってください! いきなり何を言い出すんですか! ユウもストレイドも騎士団にとって重要な戦力なんですよ!?」

 

「えぇ、だから代わりのKMFなら私が用意してあげるわ。アレをバラして技術を流用させてもらえれば、アレより劣るとはいえ多少マシなのが作れるわよ。異世界の兵器なんでしょ? アレ」

 

「そういう問題じゃなくてですね……!」

 

「なら聞くけど……アンタ達にとって首輪の坊やは……何?」

 

 立ち上がって必死に抗議する扇、あくまでも冷静に言葉を続けるラクシャータ、自分のことのはずなのに蚊帳の外状態になったユウ、成り行きを見守るゼロ、藤堂、ディートハルト。

 

「な、何って……」

 

「大事な仲間? それともただの傭兵、戦う為の使い捨ての道具?」

 

「仲間に決まっているでしょう!?」

 

「だったら二度とアレに乗せないことね。あんなもの、人間が乗るような代物ではないわ。首輪の坊やもわかってるのかしら? アレがどれほど危険なものなのか」

 

 そう言って彼女はユウの目をじっと見つめるが、ユウは口を開かずその目を見つめ返す。

 

「そう……覚悟の上って訳ね」

 

「それほど危険なものなのか?」

 

「今後も乗り続ければまず間違いなく長生き出来なくなるわ。詳しくデータをとったわけじゃないからわからないけど、おそらく体にかかる負荷が大きすぎる。たとえそれが散々弄った後の体であっても……ね」

 

 ユウが異世界人ということは騎士団の多くに知れ渡っていることだが、体のことについてはあまり話していないはずなのだがラクシャータには見抜かれていた。

 

「まぁ乗りたいなら乗せてあげればいいんじゃない? 操縦系統が全然違うからKMFに乗ってもすぐには動かせないだろうし、アレみたいに上手に動かせるとも限らないしねぇ」

 

 ユウ自身、ハイブリッドというものがどういうものか詳しく知っているわけではないが、ネクストより危険は少ないと思っていたためラクシャータの言葉を全て信じることが出来ず頭の中で仮説を立て始めた。

 

「そうそう、それからもう一つ。足の方は大丈夫かしら?」

 

 そんなユウに対してラクシャータは遠慮なく更なる爆弾を放り込んだ。

 

「……何故それを?」

 

「別に私はKMF専門ってわけではなくてよ?」

 

「……ご心配なく。それから他言無用でお願いします」

 

(……やはり苦手だ)

 

 

 

「何を迷う必要があるんだか。殺したくなければさっさとギアスを使えばよいものを」

 

「黙れ……! ただでさえ今はいくつも問題を抱えているというのに……」

 

「問題……? 何かあったのか?」

 

 クラブハウスの自室でC.C.と話すルルーシュは、いくつも抱えた大きな問題の解決法を必死に思考しているところである。一つはスザクをどうするか、もう一つは――。

 

「ユウに正体がバレた可能性がある。確証はないが可能性もゼロではない」

 

「まったく、何をやっているんだか。まだまだ詰めが甘いな坊やは」

 

 ベッドに寝転がりながら心底呆れたように溜息をつく。

 

「正体が知られるような要素はなかったはずだが……。そういうお前の方こそどうなんだ、勝手に出歩いたりしているだろう」

 

 C.C.は時たま気ままに外を出歩いたりしておりその度にルルーシュは肝を冷やしている。

 

「それこそありえないな、私を誰だと思っている。そちらの方こそさっさとギアスを使えば心配事も減るだろうに」

 

「あいつだから使えんのだ。あいつが欠ければ一気に不利になるのは間違いない。下手にギアスを使えばいざという時に使えなくなる」

 

 もし正体を知られていなければ無駄になる、かと言って正体を知られていれば放置しておくのは危険だ。だがもし一度でもギアスをかけてしまえばもう効かなくなる。もしユウが自分の下から離れていくようなことになれば何らかの対処をしなければならない。その為にはギアスは残しておくべきである。

 

「命令に従うようにギアスをかければ良いだろう」

 

「駄目だ、それでは色々と不都合が生じる」

 

「だったら直に聞いてみればいいだろうに。『お前は私の正体を知っているのか』ってな」

 

 その言葉に僅かに反応し、そうした場合のことを少し考える。

 

「たとえお前の正体がバレていたとしても、あいつにとってお前は"ルルーシュ・ランペルージ"だ。"ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア"ではないし、その存在すら知らんだろう」

 

「それなればこそ疑問に思うはずだ。たかがブリタニア人の学生如きが何故日本人に肩入れしてブリタニアを潰そうとしているのか」

 

「ならばいっそのこと思い切ってある程度打ち明けてしまっても良いかもしれんぞ? その上で己の腹心としておければ後々役にも立つだろうさ。危険だと判断したらギアスを使ってその辺りの記憶を削ってやればいい」

 

 どうすることが最善かを必死に考え続けるが、結局その日に答えが出ることはなかった。

 

 

 

 現在、アッシュフォード学園では生徒会主催でスザクの騎士着任をお祝いするパーティが催されている真っ最中である。たくさんの生徒が生徒会のクラブハウスに集まりスザクを祝い、パーティを楽しんでいる。

 

「いや~、まさかうちの学園から皇族の騎士が出るとは思いもよらなかったなぁ」

 

「まったくだな。おめでとう、スザク」

 

「ありがとう、ルルーシュ」

 

 生徒会のメンバーもスザクの許に集まってお祝いの言葉を送っている。だが生徒会全員と言うにはメンバーが一人足りなかった。

 

「あれ、そういえばユウは? こういうの一番好きそうだけど見ないわね」

 

「ここ数日体調不良で休んでたんですよ。まだ調子悪いのかなぁ」

 

「私ちょっとユウの様子見てきます」

 

 そう言うとカレンはユウの部屋へと向かうことにした。前回の作戦以来まともに会っていなかったので、嬉しさ半分不安半分といった様子。

 部屋の扉を叩くと中から弱々しい返事が聞こえてきた。出てきたユウの目の下には隈が出来ており、酷く疲れているようだった。

 

「やぁ……カレン、どうしたの……?」

 

「それはこっちの台詞よ! 大丈夫……?」

 

「ちょっと寝不足でね……良かったら入って」

 

 体調が悪いならとカレンは躊躇したが、ユウが大丈夫だと言うのでお邪魔することにした。共にベッドに腰掛け話を聞くと本当に単に寝不足なだけらしい。

 

「寝不足なら余計にお邪魔しない方が良かったんじゃない……? 寝た方が良いだろうし」

 

「寝てないんじゃなくて寝られないんだ。ここ数日寝ると恐ろしい夢を見てね……」

 

 一瞬子供かと突っ込みそうになったカレンだったが深刻そうなのでやめておいた。

 

「最近いつも寝てしばらくすると夢を見て目が覚める。何か恐ろしい夢なのはわかるんだけど、内容は覚えていないんだ。それで起きるともうそこから眠れない」

 

「それで寝不足なのね」

 

 カレン自身寝つけない時はどうしたか思い出してみることにした。色々考えてみると子供の頃に母がしてくれたことのおかげで安心して眠れたことを思い出した。

 

「……膝枕とかが良いのかなぁ」

 

「へ?」

 

「だから膝……あっ! いや、昔眠れなかった時にお母さんが膝枕してくれたことがあってそれを思い出してただけ!」

 

 頬を赤く染めながら必死に弁解するカレンを見てユウは微笑む。それと同時に昔セレンに膝枕をしてもらった際にとても安心したのを思い出し、2人は何故か膝枕の思い出話に花を咲かせた。

 

「じゃあさ……してあげようか? その……膝枕」

 

 その言葉を聞いたユウは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をし、カレン自身も言ってから自分の口から無意識に出た言葉に驚きまた顔を赤くした。

 

「それじゃあお言葉に甘えて……」

 

 カレンは靴を脱ぎベッドの上に座り直し、ユウはそこへと寝転がり頭を膝の上に乗せた。カレンはあまりの恥ずかしさに首まで赤くしたが、幸いにもユウは目を瞑っているので気付かれていない。

 少しするとユウは目を開きじっとカレンを見つめた。

 

「な、何……?」

 

「いや……やっぱり君はセレンさんに似てるなって思って……」

 

 セレンという名前は一度ユウの話で出たことをカレンは思い出した。

 

「その人の名前は前に一度聞いたわね。どういう人なの?」

 

「僕の育ての親で、母や姉のような人だった。厳しくて怖かったりもしたけど、とても優しい人だったよ」

 

 まるで思い出すかのように再び目を閉じるユウ。

 

「一緒に居ると……とても安心する……」

 

 その言葉を言い終えるとユウは静かに寝息をたて始め、カレンはそれを優しく見守った。

 

(今度は良い夢を見られると良いね)

 

 

 その後、カレンが遅いことを『何か面白いことになっている気がする』という会長の勘により様子を見に来た生徒会全員に膝枕姿を見られるというハプニングが起こった。ユウを起こしかねないためカレンは咄嗟に動くことが出来ず弁解する間もなく逃げられてしまい途方にくれるのであった。

 

 

――――――――――――――

 

 

 カレンの膝枕のおかげでぐっすりと寝られその後も悪夢を見ることもなくなった。恐るべし膝枕、まさに神様仏様カレン様様である。そして今現在僕が何をしているかと言うと早朝のゲットーで瓦礫の上に腰掛けてぼけーっとしている。理由は人待ちだ。

 話は遡ること昨日、ゼロから連絡が入り何故か僕だけキョウトに呼ばれ彼らの許へ行くことになった。ゼロ達はスザクを捕縛する作戦に向かうと言っていた。スザクを捕縛するなら戦力的にも僕が居た方が良いのではと思ったのだが、用意があるらしく問題ないと言っていた。というわけで僕だけ爺の相手をするハメになった。げんなりしそう。

 電話切る前に作戦後に大事な話があると言われた。なんじゃらほい。

 

 迎えの車が到着し何処かへと向かう。相変わらずカーテンがしてあり何処に向かっているのかわからない。今回の要件は特に伝えられていないため警戒するに越したことはないと護身用の拳銃は持ってきてあるが正直心許ない。何かこう大きい得物が欲しいな、ミニガンとか。いや、そんなもの持ってたらまず入れてくれないだろうけど。

 しばらくすると車が止まり扉を開けてもらう。車から降りると前の富士山の時とは違い和風な建物で、中に入ると桐原の爺の他、見知らぬ爺が3人座っていた。おいおい見たかよスティーブ、マジで爺だらけだぜHAHAHA! これなら作戦に出てた方が絶対良かったよ畜生。

 

 その後爺達に色々聞かれた。以前桐原の爺に話したことに加えもう少し細かく向こうの世界の状況やらACについて話し、この世界の日本や世界状況のことについて意見を求められたりした。当然ながら初見の爺達は与太話とほとんど信じておらず、挙句桐原の爺に『ついにボケたか』みたいな目線を送っていた。帰りたい。

 くそっ、この前の膝枕は今日突き落すために神が寄越したものだったか。潤いが欲しいよ、可愛い女の子とか綺麗な女性とかいないかな、いるわけねーか。

 

 場の爺率に嫌気がさし少し休憩を取ってもらい外で新鮮な空気を吸うことにした。爺だらけの空間と比べて何と清々しいことであろう。いっそストレイド呼んで逃げ帰りたい。初めての敗走となるがそんなこともお構いなしに逃げたい、一心不乱に。

 

「こんにちは、ユウ・ヘイズ様」

 

 そんなくだらないことを考えていると後ろから声をかけられ、振り向くと髪の長い美少女が! やだなぁ神様も人が悪い、持ち上げて落とした後にまた持ち上げてくれるなんて。小躍りしたくなったが我慢して挨拶を返す。見たことのない美少女、まるで爺達で汚染された僕の目を癒してくれているようだ。あれ、でもなんで名前知ってるの?

 

「異世界のこともっとお聞きしたいと思って来ちゃいました!」

 

 そうかー来ちゃったかー……待て、この話は一体どこまで広がれば気が済むんだ。こんな見知らぬ美少女にまで知れ渡ってるってどういうことだ。あーでも偉い爺達が居る場所だし関係者か何かで誰かからそういうことも聞いてるかもしれないな。初見の爺3人にはさっき話したばかりだし桐原の爺のお孫さんか? 見た限りでは歳は僕と少ししか違わないのかな? おそらくリリウムと同じくらい。

 

「そういうことなら少しお話ししようか、えーっと……?」

 

神楽耶(かぐや)と申します」

 

「それじゃあ神楽耶、何が聞きたい?」

 

 それから少しの間、この神楽耶という少女の質問に答えながらのんびりと談笑した。だが楽しい時間はすぐ過ぎるもので、しばらくするとまた爺達とのお茶会が始まった。帰りてぇ。

 

 結局帰ったのは夕方頃だった。昼食は出してもらえたがそれも爺達と。せっかく飯は美味しかったのに気分はどん底だった、美少女神楽耶ちゃんと食べたかったです。

 しかし戻ってきて携帯を確認すると着信が何件か入っており、折り返しかけると現実に引き戻されるハメになった。

 

「ゼロとカレンが行方不明……!?」

 

 

 

 騎士団が使用している倉庫内、ストレイドの前で扇さんと連絡をとっている。キョウトの所から戻ってから連絡を入れた時は待機しているように命じられた。自分としては今すぐにでも飛び出してゼロやカレンを探して回りたかったのだが、2人が居なくなった近辺では同時にブリタニアの皇族が行方不明になっているらしくその捜索に敵がうようよいるらしい。その時はしぶしぶ従ったが、一晩経っても見つかったという連絡がないため痺れを切らし再び連絡を入れることにしたのだ。

 

「やっぱり探しに行ってきます。こんな所に居たって見つかるわけないんですから」

 

「探しにって……無理だ! 敵がうじゃうじゃいるんだぞ!?」

 

「だったら待ちますか? KMFもないゼロ達がそのうじゃうじゃいる敵の中を抜けて僕らに連絡してくるまで? 冗談でしょう」

 

「だからって、死にに行くようなもんだぞ……。それにその機体だとお前の体が……!」

 

「んなもん、こういう時は『死んでも見つけてこい』って言やぁいいんですよ。傭兵なんざ所詮使い捨ての道具なんですから」

 

 笑いながらそう言うと一方的に電話を切った。

 

 

 機体に位置情報を入力後に現場まで向うとそこら中に敵の反応があるが、もはや敵に発見されることなんざお構いなしに空から付近の一つ一つの島全体をスキャンをしていく。見つからなかったら次、そしてそこを探し終えたらまた次を繰り返す。当然敵にすぐに見つかり陸地のサザーランドや海上の戦艦から攻撃されるが全て無視して捜索を優先する。ライフルの弾など当たってもたかが知れているし、ミサイルを避けるのも撃ち落とすのも造作ないことである。しかしスキャンには敵兵などもひっかかるため敵の居る島の捜索は時間がかかり焦りばかりが増していく。もしそんな島に居ようものなら先に見つけないとまずい。

 時間をかければかけるほど敵の目を引くことになり攻撃は激しくなっていく。そろそろ無視するのも限界ではあるが、攻撃や敵機の爆発に巻き込まれないとも限らない。どうするか考えあぐねていると警告音が流れた。

 

【4時の方向よりデータにない大型機が接近中 注意してください】

 

 ただでさえ敵の多さに辟易しているというのに事も有ろうに大型機とは。最近は持ち上げられたり落とされたり大変だと考え始めていると自分の目でもその機体を捉えた。通常のKMFより大型の、6メートルほどであろう黒と金色でカラーリングされた機体。両手を広げ空を飛び真っ直ぐにこちらへと向かってくる。ついにKMFも空を飛びやがった……。

 こちらの世界のKMFという代物は飛ぶことが出来なかったので、下手に目立たないように今まで人目に付く場面で機体を飛ばすことはしなかった。今回は緊急事態だったので飛ばしたのだが今後どうしようか悩んでいた。だが今迫り来る敵は平然と飛んできている。

 

「今後は空中戦も解禁かな」

 

 迫る大型機を放置しておくのはさすがにきついと判断し武器を向けロックしようとすると、そいつの肩に人が乗っているのを確認した。

 

「カレン……! 良かった、無事だったか。ということは……」

 

 カレンを乗せて来たということはおそらくあれに乗っているのはゼロだろう、現に攻撃してこないし。

 反転して敵に攻撃を仕掛けつつ扇さん達に連絡を入れ、ゼロ達と共にその領域を後にした。

 

 

――――――――――――――

 

 

 無事に黒の騎士団と合流することが出来てほっとしている。冷や汗をかく場面もあったが結果的に新型機まで手に入れることが出来たのだ、怪我の功名というやつだろう。

 スザクのことも後々解決しなければならないが、とりあえず今やるべきはユウのことか。あいつはあの敵の真っ只中自分の命も顧みずに俺達を探してくれていた。もちろん誰かに命令されたのかとも考えたが、扇の話ではほぼ独断で行動に移ったという。……あいつの記憶は完全ではないが信頼に値すると思う、思いたい。俺の考えは甘いのだろうか。それともユフィと会って話したことで少し考えが変わったか。

 

「ユウ、話がある。来てくれ」

 

 この選択の結果がどう転ぶかわからないが、悪いことにだけはならない気がする。

 

 さて……どう切り出したものか。

 




大変遅くなりまして申し訳ありません。なんやかんやで一月近く間が空いてしまいました。今後も今回のように間が空いてしまうかもしれません。ご了承ください。
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