BLOOD&Magical HELLSING機関異世界放浪記 作:鴉@地獄よりの使者
おさぼりしてごめんなさい。
ではどうぞ。
俺ロランは夢を見ていた。
場所に見覚えはない。その点から夢だと分かった。
自分は皇牙を纏い手には皇牙双剣(*勝手に命名)を握っていた。
目の前には皇牙とは真反対の色である白の皇牙が同じく二本の大剣を握り対峙していた。
なんの合図があるわけでもなく2人は走り出し握りしめた剣を打ち付けあい、鍔迫り合いになる。
互いに何か叫んでいるはずなのにその言葉は耳に入ってこない。
何か白い皇牙が叫んだかと思うと衝撃波が発生し俺は後ろの壁へと叩きつけられる。
それを好機と見て白い皇牙はすかさず俺との距離を詰め込ん俺に組み付き体を俺の後ろへと回り俺の腰にあるベルトのバックルに強い衝撃を与える。
その後前へと周り自分も鎧を解除する。中身は綺麗な銀髪の美女、その顔には見覚えがある。
そう思ったのも束の間、いきなり俺の首筋へと噛み付いてくる。
絶叫をあげた俺はその瞬間眠りからさめることになる。
目を覚ますと心配そうにこちらを見つめるフェイトの姿があった。
「ロラン大丈夫?すごい魘されてたけど……」
「大丈夫、ちょっと嫌な夢を見ただけだよ、心配してくれてありがとう。」
そう言って微笑んでみた。
「ならいいけど…。何かあったら言ってね、話くらいは聞けるから。」
そう言ってフェイトは優しく微笑んだ。
その後思い出したようにこう続けた。
「とりあえず戻ったらまずはタツヤ達に話を聴けるようにアポは取ってあるから。」
「ありがとう、じゃあさっさと帰って話聞くか。」
そう言って手早く退院の手続きを済ませて機動六課へと向かうのであった。
一方その頃機動六課隊舎にはとある一団が到着していた。
スカリエッティ一味である。
「そうカリカリしないでもらえると助かるのだが…」
「今まで追っかけてた人目の前にしてはいそうですかって警戒を解くほどうちらは甘くないですよ?」
「部隊長の言う通りです。」
応対に出たなのはとはやてはバリアジャケットを纏い自身のデバイスを構えている。その後ではフォアード達も万が一のために待機している。
そんな中ロランを連れて帰ってきたフェイトが物々しい雰囲気に驚き、2人ともが降りてくる。
フェイトはスカリエッティを見るなりバリアジャケットを纏いバルディッシュのハーケンモードを展開して当人に斬り掛かる。
その間に紫髪のショート女性が割って入りフェイトの斬撃を止める。
「フェイトお嬢様、落ち着いてください。我々はここを攻めに来たわけではございません。むしろ保護を求めに来たのです。」
「保護ですって?そんな都合よくいく訳………」
「フェイト、落ち着け。一旦相手方の話を聞こう。頭ごなしに警戒してちゃお互いの為にならんでしょう。」
「ロランっ、……わかった。」
とりあえずこの場を収めて隊舎の中へと入っていくロラン達。
はやて達はスカリエッティ達から話を聞くとの事なので会議室へと向かっていく。
残された俺とフェイトはアポを取っておいたタツヤ達が仕事をしているデスクへと向かった。しかし席はもぬけの殻で他の隊員に聞くと俺を待つと言ってはやて達とは別の会議室に居ると言うのでそこへと向かう。
中に入るとタツヤとミユキは立ち上がって敬礼すると正面の椅子に座るように促してきた。座るとまずは俺が口を開く、
「済まないな、待たせてしまったようで。」
「構いませんよ。で、要件はなんですか?」
「単刀直入に聞く。昨日の鎧の騎士達は君達だろう?白雷騎士轟牙、蒼雷騎士蒼牙。」
俺がそう言うと2人は顔を見合わせ立ち上がって俺の隣に来て跪いた。
「「改めまして、ご帰還おめでとうございます。我が王よ。」」
「いきなり王って言われても実感無いけどね。とりあえずありがとうと言っておくよ。」
「一時的な帰還とはいえ王に拝謁が叶っただけでも私たちは幸運です。出来れば他の者達にも会って頂きたいものです。」
「まぁそろそろ本題に入ろうか、フェイトをこのまま拘束しておくのも悪いしね。」
そう言ってロランは皇牙から聞いた内容をタツヤ達に話す。その内容を聞いてから納得したような表情を見せこう続けた。
「では現在の血狼騎士団の状況の説明からで大丈夫そうですね。」
【*ここから次のアスタリスクまではタツヤのセリフです。「」がつく場合はその他のキャラとなります。】
現在血狼騎士団を構成していた主な家系50の内の半数は後継が育たなかったなどの理由で断絶となりました。
残りの半数のうちの私とミユキを含めた10名が管理局の魔道士、残りの15名は聖王教会の騎士をしています。
一応我が王の帰還は全ての騎士に伝わっていますので連絡を入れれば招集をかけるのは可能です。
《ロラン》「じゃあ明日の夜1度招集かけて顔合わせといくか。」
「では手配しておきます、我が王。」ミユキがそう答え1度部屋を後にする。
今日のところはこんなところですね。
【*】
話を終えると3人は会議室を後にし、タツヤはオフィスへと戻りロランとフェイトはスカリエッティが事情聴取を受けている会議室へと向かう。
スカリエッティが語ったのは以下の三つ。
①スカリエッティとミレニアムは先日まで協力関係にあった。
②拠点を襲撃され人造魔道士素体の生成ポットを奪取され、自爆させてきた事。
③現在もトレーラー2台で培養中だった最後の素体を戦闘機人4人が護衛しながら六課へと向かっていること。
すると黙っていたスカリエッティがこう続けた。
「そしてここからが大事な話だ。その運ばれている最後の素体だが、これが厄介でね。ミレニアム側に渡ったらほぼ確実に次元世界間の戦争にまで発展するだろう。」
「何やて!!それどういう意味や!」
はやては狼狽する。
それをロランが落ち着かせるとスカリエッティはさらに続けた。
「素体のベースは聖王陛下、オリヴィエ。もう1人は現代で覇王の血を受け継ぐ少女の遺伝子をベースにした子だ。」
「聖王?聖王って聖王協会に祀られているあの聖王か?」
ロランの問いにスカリエッティは頷く。
その後部屋には沈黙の時間が流れる。
1分程その空気が流れその静寂を破るようにスカリエッティの端末からブザーが鳴り響く。
端末を確認するとスカリエッティは驚愕の表情を浮かべこう言った。
「素体を乗せたトレーラーが襲撃を受けた!護衛の娘たちでは手に負えんそうだ。座標を送るので救援に出て貰えないだろうか。」
はやて、なのは、フェイトは顔を見合わせ頷く。
「スターズ、ライトニング両小隊は直ちに出撃。ブラッドは指示があるまで隊舎で待機!」
指示が飛ばされると同時になのは、フェイトはそれぞれの持ち場へ急行、ロランは装備を整えるために自室へ向かう。
残ったはやては内線で司令室へ指示を飛ばす。
5分後にはスターズ、ライトニング共に出撃、ブラッドも出撃可能な状態となった。
─────────────
所変わってトレーラー護衛組のチンク、セイン組。
「さすがに数が多い…ナイフの本数も心許なくなってきたな。」
ランブルデトネイターで襲撃してくるドローンを迎撃するチンク。
「こっちもそろそろ残弾がきつくなってきた…応援はまだ来ないのか。」
戦闘向きのISでは無いためミレニアムの使用していた銃火器を改造したもので応戦するセイン。
空にはまだ50は下らない数が飛行し追跡していた。ドローンからの攻撃でトレーラー自体の耐久度も限界が近くなってきている為最悪はトレーラーを捨てて下水道から脱出するコースを取らねばならない。
オマケに走っているのは高速道路、空と自分たちを遮ってくれるトンネルもマップ上には暫くない。
諦めかけた時進行方向から桃色の砲撃がドローンの大半を撃ち落とし、オープンチャンネルでの通信が飛ぶ。
『こちら時空管理局機動六課スターズ小隊小隊長、高町一等空尉以下二名!応援に来ました!』
─────────────
一方もう1台のトレーラーの護衛に回っているセッテ、ウェンディ組。
上空ではウェンディのエリアルレイヴの砲撃、トレーラーのうえにはセッテが控えブーメランブレードでドローンを切り伏せていた。
「そろそろエリアルレイヴのエネルギーやばくなってきたっス…、ドクターから返信あったっすか?」
「応援を送るとは言ってるけど誰が来るまでは言ってない。そろそろ来てくれないとこっちもまずい……」
少しくらい雰囲気になっている中エリアルレイヴに搭載されたレーダーから敵機の増援を知らせるアラートが鳴る。
「これ以上はもう無理っすよ!」
「ここまでなの…?」
諦めかけたその時、後方から未確認の高速移動体が2つと巨大な影が確認できた。
その直後、増援のドローンがどんどん撃墜される。
『時空管理局機動六課ライトニング小隊小隊長フェイト・T・ハラオウン執務官以下2名、応援に来ました。』
両小隊の活躍により無事トレーラーの護衛は成功し隊舎へと到着する事なり、フォアード達の今日の訓練は中止となりその日は穏やかな日が流れた。
この日運び込まれた二人の子供が後の嵐となることも知らずに。
何とか今年の下期終わるまでには完結させたいな……