BLOOD&Magical HELLSING機関異世界放浪記 作:鴉@地獄よりの使者
どうも仕事が始まるとやっぱり書けないもんですね( ̄▽ ̄;)
とりあえず今回はロラン達ミッドチルダ上陸です。
今回はアーカード様が大分いい大人やってくれてます。
ではどうぞー
俺、ロランは真っ暗な空間をただひたすらに歩いている。
だがこれが実際の出来事ではなく夢であることは理解している。この8年間見続けた物なのだから。そう考える内、いきなり目の前が明るくなり視界が奪われる。
目を開けると広がるのは燃えた教会の建物、無数の生ける屍の群れとその真ん中で不気味に笑うシスターの姿。群れの中は殆ど見慣れた顔ばかり。腰を抜かした俺は動くことさえ出来ずこちらにゆっくりと近づいてくるグール達の波に飲まれてゆく。四肢を掴まれ蹂躙されようとした瞬間、どこからともなく天から光が漏れ始め辺りを包む。
「……ラン……、……ロラン……、ロランっ、しっかりして!」
セラスの呼びかけに応えるように目を開ける。目の前には青い空をバックにセラスがこちらの顔を覗き込むのが見える。
後頭部には何やら柔らかい感触、辺りを見回そうと首を左右に動かした時に違和感を感じる。
「ここは…?」
「分からない。本部や君たち捜査官の詰所に通信を試みたけど繋がらないの。おまけにインテグラ様とマスターともはぐれたみたいなんだけど、幸いそっちに関しては通信が繋がったわ。君がこんな状況だから申し訳ないけどこちらに来てもらってるわ。もうすぐ来られるはずよ。」
「大体状況は掴めました。………ですがセラスさん、何故俺は膝枕されているのでしょうか?」
大方の現状の説明をセラスから受ける。ただ説明を聞くうちに意識がしっかりと覚醒し、状況が掴めた。後頭部にあたる柔らかいものはセラスの太腿。所謂膝枕の体勢である。
「えっ?最初は地面に寝かせてたんだけど流石になんかそのままにしとくのもあれだと思って枕にできるようなもの探したんだけど無くてね。そことりあえず私が膝枕してたってわけ。……いやだった?」
すこししょぼんとした様な表情を向けてくる。だからセラスさん、年頃の男子にそういう表情はNGですって。そんなことを考えていると背後から
「随分と楽しげだな、婦警」
「セラス、これはどういうことだ?主である私に歩かせておいて自分は男とイチャイチャとは。随分と偉くなったものだな。」
「まっ、マスター!?!?それにインテグラ様も!!!!これには深い訳が……!!」
「インテグラ様、それにアーカード様。自分が不甲斐ないばかりに、申し訳ありません。」
背後から現れたアーカードとインテグラの声を聞いた俺は急いで身を起こして敬礼し、深々と頭を下げる。
「ロランと言ったな。まぁ気にするな、セラスをいじって遊ぶのはいつもの事だ。この状況がいつまで続くか分からんし慣れておくといい。それよりも大丈夫なのか?顔色が悪い様だが」
「気を失っている間、夢を見ていました……、あまり思い出したくない夢を。」
インテグラが冗談交じりに話す。体調に関して気にしてくれた時の自分の顔はひどいことになってたと思う。
すると唐突にセラスが思い出したかのように口を開く。
「ロラン。あなた子供の頃吸血鬼に関する事件に巻き込まれてない?」
「……?!どうしてそれを……」
「やっぱり………。あなたと大悟、いえ、今はウォルターと言うべきかしらね。とにかく二人を見た時からなんか引っかかってたのよ。8年前、ロンドン郊外の小さな教会を中心に街全体を巻き込んで起きた吸血鬼による事件。覚えてないわけないじゃない、マスターが居なくなってからこの間までの30年の中で私が1番被害を出した事件なんだから。まさかこんな形でその時の生存者と出会うなんてね」
「セラスさん……」
俺はそれ以上言葉を発することが出来なかった。重い空気が流れるのを感じる。
見かねたアーカードが口を開いた。
「とりあえず婦警の過去話は後回しだ。まずは状況の整理をするのが妥当だと考えるがどう考えるマスター。」
「確かにそうだな。セラス、気にするなとは言わん。だが場を弁えろ。今はこの状況を打破する事だけ考えろ」
「……了解です、マスター。」
重苦しい空気が残る中情報共有、情報整理が行われた。
整理された情報はこうだ。
❶ここがどこかの森林地帯であること。
❷通信機の周波数を合わせてもヘルシング機関本部や捜査官詰所はおろか繋がりのある英国主要機関にも通信できない。おまけにGPSまで使い物にならない。しかし4人が持ち歩いている携帯端末同士なら通信、位置検索は可能。
ただし位置検索に関しては方角と大体の距離が算出されるのみ。
❸先程から何らかの爆発音とヘリの音が聞こえていること。
以上の三つである。
❶と❷から考察されることはまだ通信網が構築されていない国に飛ばされたか、そもそも自分達の知る世界では無いのではないかということ。
❸からはどこかで戦闘、または事故災害が起こっている。4人の経験則的に前者であると話が纏まった。
そこからまず俺が口を開いた。
「発言よろしいでしょうか?」
「なんだ、言ってみろ。」
「まず現状として収集できる情報は今出た三つの事柄のみ。一つ目と二つ目に関しては完全に手詰まりの状態です。そこで三つ目の情報に着目しました。現在も爆発音が続いている上に我々の位置から見て4時から3時の方角に移動しています。我々の推理が正しいなら爆発音の位置を辿れば現地人と接触できる可能性があります。そこで俺が爆発音のする位置まで偵察に出てきます。許可を頂けますか?」
俺がひと通り喋り終わるとアーカードがこう言い放った
「森の中を無闇に歩いて偵察?考えが甘いな。」
「そう言われるとそうかもしれませんが……」
「だが考え方としては間違ってはいない。要はアプローチの問題だ。何故人間のできる範疇だけで考える?折角吸血鬼が二人もいるんだ。少しは頭を使って考えてみろ。」
そう言われ目を閉じて少し考え込む。
【伝承通りなら吸血鬼とはコウモリや狼、霧に至るまであらゆるものに変身できたはず。それを利用すれば地上から時間をかけて接近せずとも空からタイムラグを少なくして対象に近づける!】
考えが纏まるとアーカードにこう返した。
「アーカード様、空を飛べる物に変身して偵察、あわゆくばこちらに現地人を連れて来るまたは合流する手筈を整えていただけますか?その現地人がこの世界の警察機関等だと尚良しですが。」
「合格だ。さて、捜査官殿からの依頼だ、早速出るとしよう。マスター、戦闘行為が必要となった場合の発砲許可を。」
「許可する。ではアーカード、私たちの目的の前に立ち塞がる障害は叩いて潰せ!見 敵 必 殺 !〈サーチアンドデストロイ〉!!見敵必殺〈サーチアンドデストロイ〉!!」
「クククッ、昔のようだな。この感覚は。認識した、マイマスター。」
そう言い切るとアーカードはコウモリの群れに変化して爆発音のする方へと飛んで行った。
─────────────────────────
所変わってここはアーカード達が言っていた爆発音のする地点と言うか原因。
空では謎の飛行物体と数人の人間が撃ち合い、山肌に作られた列車の上では謎の機械とこちらも数人の人間が戦闘していた。
この世界、ミッドチルダに本拠を構える時空管理局に新設された部隊。
【古代遺物管理部 機動六課】通称機動六課がレリックと呼ばれるロストロギアを回収するべく出動していた。
上空ではスターズ分隊隊長、高町なのはとライトニング分隊隊長、フェイト・T・ハラオウンが謎の飛行物体ガジェットとの戦闘を繰り広げていた。
「アクセルシューター、シュート!!!」
「フォトン・ランサー、ファイア!!!」
二人の魔法が炸裂し徐々にガジェットの数を減らしている。
「いくら抜かれない自信があるからと言ってこれじゃキリがないね。」
「そうだね、でもフォアード達がレリックを確保するまでだから頑張ろう。」
[ロングアーチよりスターズ1、ライトニング1に通達、八時の方向から高速で向かってくる反応多数!動きのパターンとしてドローンの可能性は低いですが注意してください!]
「スターズ1了解!」「ライトニング1、こちらも了解!」
ロングアーチから来た情報を確かめるため二人でその方角を見る。
黒いモヤの様なものが自分たちの方へ向かってくる。
近づいてくるにつれモヤの正体が明らかとなる。ゆうに100を超えるコウモリの群れである。コウモリ達は私たちを無視してガジェットを一機、また一機と撃墜していく。
「フェイトちゃん、このコウモリ達どう思う?」
「少なくとも使い魔や召喚獣ではないと思う。ロングアーチからも近くで召喚魔法を使われたって報告もないし。」
そう話しているとコウモリ達はガジェットを撃墜し終えて1箇所に集まっていた。
それは渦を巻き段々と人の形を成していく。集まり終えるとそこには赤いコートを纏い、大きな帽子を被った長身痩せ型の男性が居た。
人の姿を成した途端発せられた威圧感と得体の知れない恐怖に駆られ、なのはとフェイトは反射的にレイジングハートとバルディッシュを構える。
「ご機嫌麗しゅう、お嬢さん方。とりあえずこちらに戦闘の意思は無いのでその手に持ったものを降ろしてもらえると助かるのだが。」
「デバイスを下ろせばお話聞かせてもらえますか?」
「もちろん。まずは名乗っておこう。大英帝国王立国教騎士団、通称ヘルシング機関の機関長インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングの従者、アーカード。」
大英帝国という単語を聞いてフェイトがこう返してくる。
「大英帝国………、ということはあなた、地球から来たのですか?」
「その言い方だとここはやはり地球ではないのだな?まぁ来たというよりは飛ばされて来たという方が正しいがな。」
「詳しくお話を伺いたい所ですが生憎私達今任務中でして、後程こちらの隊舎でお茶でもしながら伺わせていただいても?」
「了解した。これでとりあえずは目標達成だ。」
「申し遅れました。私は時空管理局、古代遺物管理部 機動六課ライトニング分隊分隊長のフェイト・T・ハラオウン執務官です。」
「おなじくスターズ分隊分隊長、高町なのは一等空尉であります。」
[スターズ1、ライトニング1応答願います。レリックの回収を確認。スターズとリィン曹長で中央のラボまでレリックを護送。ライトニングは現場待機、現地の局員に引き継ぐまで警戒に当たってください。]
「スターズ1了解」
「ライトニング1了解。それと八神部隊長に別件で報告があります。詳細は隊舎に戻り次第行います。」
[こちら八神、了解や。]
「おっとお嬢さん、フェイトと言ったかな。ここから移動するならこれを持っていてくれないか。所謂マーカーの様なものだ。こちらも仲間を拾い次第そちらに向かう。」
「了解しました、では後ほど。」
とりあえずの目標は達成された為ここでの会話は終了となった。
>───────────────<
所変わり何処かの研究施設。
[レリック、護送体制に入りました。追撃しますか?]
「いや、追撃は不要だ。彼女達のデータが取れただけでも良しとしよう。それにしてもあのコウモリの群れから現れた男、観察のしがいがありそうだ。おまけに生きたプロジェクトFの残滓を手に入れるチャンスでもあるのだから。慎重に行かねばな。」
モニターに移されるなのは達の映像を見て薄気味悪い笑い声を出す男。この人こそこの事件の首謀者にしてこれからロラン達の前に立ち塞がる壁のひとつであるジェイル・スカリエッティその人である。
実際に相見えるのはまだ少し先の話である。
如何だったでしょうか?
最初はStrikerS1話からやりたかったんですが自分の文章力では満足いく内容に書けなかった為、仕方なく初出撃のシーン(しかも焦点フォアードではなく空の隊長陣)から書かせていただきました。
フォアード陣との顔合わせは次回くらいになりそうです。
次はロラン達回収の所からになります。
次回をお楽しみにー