ユウとレイ 作:takoyaki
《 研究員視点 》
今回、入ってきた奴は、まだ小学生のガキらしい。
生まれつきの能力があるらしいが、戦闘ができなかったら意味はない。
他にも能力はありそうだから、調べがいはあるが...
どうやら、こいつは使えない奴らしい。
戦闘をさせても1時間もたたずに気絶してしまう、かと言って耐久力があるわけでもない。
回復能力も皆無で、薬を使わないと動こうともしない。
だが、相手の動きを見極める力はあるようだ。
まるで相手の次の行動がわかっているかのように動く。しかも、 相手の動きを最小限の動きだけで避ける。
しかし、そのどちらも体がついていけていない。
所詮は、ただのガキということか。鍛えれば多少は動けるようになるだろうが...
いや、ないな。耐久力がねぇし、やる気も感じられねぇ。
俺もこいつを鍛える気がないし、
なにせ、こいつの目が気に入らない。
大体のガキは泣いたり諦めた目をするが、こいつはそんなんじゃない。
この目は相手をあざ笑っている目だ。馬鹿にしてる目だ。
気に入らねぇ。
こいつは俺の手で必ず殺す。できるだけ痛めつけて殺す。
でも、こんな奴だが伸びしろはある。
殺したことがばれたら俺は間違いなく研究所から殺されるだろう。
俺が殺されないためには、どうしたらいい...
そうか。殺す理由を作ればいい。
今のこいつは誰から見ても戦闘能力に欠けている。
そんな奴に伸びしろがなかったら...
死んでも誰も何も言わないだろう。
死因は薬に耐えられなかった、とでもすればいい。
そうなれば話は早い。
研究結果に伸びしろはなく、戦闘能力にも欠けると書いてしまえばいい。
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《 研究結果 》
大矢 玲
能力:完全記憶、読心、精密分析
伸びしろはなく、戦闘能力にも欠ける。
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今から楽しみだ。人を殺すことにも興味があったが、それよりも
あいつが苦しむ顔が見たい。どんな表情をしてくれるだろうか。
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なぜだ。なぜ、あいつがいない。
1時間前まではここにいたはずだ。
逃げ出したのか?あいつがここから?
いや、ありえない。この研究所は複雑なパスワードによって守られている。
それを突破できたとしても、すぐに外にいる兵士に取り押さえられるはずだ。
しかも、そんなことが起こったとしたら誰かが見つけて騒ぎになるだろう。
なぜなんだ。わからない...
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その日の夜、玲の担当だった研究員は玲を逃がした、として殺された。
研究結果の設定
研究結果は機械が書き、その内容を担当者の研究員が確認し上部の者に提出する。