ユウとレイ   作:takoyaki

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第2話

《 研究員視点 》

 

今回、入ってきた奴は、まだ小学生のガキらしい。

 

生まれつきの能力があるらしいが、戦闘ができなかったら意味はない。

 

他にも能力はありそうだから、調べがいはあるが...

 

 

どうやら、こいつは使えない奴らしい。

 

戦闘をさせても1時間もたたずに気絶してしまう、かと言って耐久力があるわけでもない。

 

回復能力も皆無で、薬を使わないと動こうともしない。

 

だが、相手の動きを見極める力はあるようだ。

 

まるで相手の次の行動がわかっているかのように動く。しかも、 相手の動きを最小限の動きだけで避ける。

 

しかし、そのどちらも体がついていけていない。

 

所詮は、ただのガキということか。鍛えれば多少は動けるようになるだろうが...

 

いや、ないな。耐久力がねぇし、やる気も感じられねぇ。

 

俺もこいつを鍛える気がないし、

 

なにせ、こいつの目が気に入らない。

 

大体のガキは泣いたり諦めた目をするが、こいつはそんなんじゃない。

 

この目は相手をあざ笑っている目だ。馬鹿にしてる目だ。

 

気に入らねぇ。

 

こいつは俺の手で必ず殺す。できるだけ痛めつけて殺す。

 

でも、こんな奴だが伸びしろはある。

 

殺したことがばれたら俺は間違いなく研究所から殺されるだろう。

 

俺が殺されないためには、どうしたらいい...

 

そうか。殺す理由を作ればいい。

 

今のこいつは誰から見ても戦闘能力に欠けている。

 

そんな奴に伸びしろがなかったら...

 

死んでも誰も何も言わないだろう。

 

死因は薬に耐えられなかった、とでもすればいい。

 

そうなれば話は早い。

 

研究結果に伸びしろはなく、戦闘能力にも欠けると書いてしまえばいい。

 

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《 研究結果 》

 

大矢 玲

 

能力:完全記憶、読心、精密分析

 

伸びしろはなく、戦闘能力にも欠ける。

 

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今から楽しみだ。人を殺すことにも興味があったが、それよりも

 

あいつが苦しむ顔が見たい。どんな表情をしてくれるだろうか。

 

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なぜだ。なぜ、あいつがいない。

 

1時間前まではここにいたはずだ。

 

逃げ出したのか?あいつがここから?

 

いや、ありえない。この研究所は複雑なパスワードによって守られている。

 

それを突破できたとしても、すぐに外にいる兵士に取り押さえられるはずだ。

 

しかも、そんなことが起こったとしたら誰かが見つけて騒ぎになるだろう。

 

なぜなんだ。わからない...

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その日の夜、玲の担当だった研究員は玲を逃がした、として殺された。

 




研究結果の設定
研究結果は機械が書き、その内容を担当者の研究員が確認し上部の者に提出する。

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