ラブライブ〜9人の女神と戦うDr.ライダー達〜   作:蛇廻

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やっと最新話書けた・・・・。


エグゼイドの方はこれといった進展はありません。

それではどうぞ!


*最後の方がなぜか消えていたため、書き加えました。




第32話 ともだち

◎side

 

 

学園祭から数日が過ぎた。

 

貴利矢が消滅してからというもの、μ’sメンバーや永夢はどこか心無しといったような感じだった。

 

貴利矢が消滅した瞬間を目撃した人はたくさんいたため隠せないと言う事になり、結果的に事情を知っている衛生省の日向恭太郎が会見でバグスターウイルスの存在を発表することになった。

 

そして、その会場。

 

そこには、たくさんのメディア記者が来ていた。

 

恭「衛生省大臣官房審議官の日向恭太郎です。本日は衛生省より、国民の皆様に大切なことをお伝えしなければなりません」

 

この会見は、街中にあるモニターでも流されていた。

 

それは、CRでも例外ではなく、μ’sメンバーや永夢達はそこで会見の様子を見ていた。

 

恭「今、私達の国は新型ウイルスの危機に脅かされています。人体に感染するよう進化を遂げたコンピューターゲームウイルス・・・・バグスターウイルスの感染が、広がっているのです。感染すると、感染者のストレスによってウイルスは増殖し、やがてはバグスターウイルス感染症・・・・通称、ゲーム病を引き起こします」

 

この会見を人々はその場で立ち止まって見ていた。

 

恭「直接、人から人へ感染しない事はないとの確認はとれていますが、感染源については現在調査中であり、予断を許さない状態であります」

 

会場には、CRの代表として明日那が出席していた。

 

また、その場所には西木野総合病院の院長・・・つまり、真姫の父親の姿も会った。

 

恭「ゲーム病を発症すると、感染者の体からバグスターと言われるゲームキャラが生まれ、私達の命を脅かすのです」

 

その話を聞いた瞬間、会場は騒めき始める。

 

恭「しかし、ご心配はございません。早期発見と、迅速な治療を行えば、感染者の命は守られます」

 

モニターには、ゲーマドライバーとガシャットが映し出される。

 

恭太郎が国民に注意を促している映像を、薄暗い部屋の中でパラドと黎斗が見ていた。

 

パ「衛生省も必死だな。俺達に対する牽制のつもりかな」

 

そう呟いて視線を手元のゲーム機に移すパラド。

 

黎「問題ない。私に敵うものなど存在しないのだからな」

 

黎斗は机に置いていたデンジャラスゾンビガシャットを手に取る。

 

黎「ゾンビの力も手に入った。そろそろ頃合いだ。仮面ライダーのガシャットを回収する」

 

その言葉に、パラドは視線を黎斗に移した。

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

会見後の会場。

 

恭太郎はその場を去り、隣には明日那がいた。

 

恭「明日那君。最近、永夢達の様子はどうだ?」

 

恭太郎はそう明日那に聞いてくる。

 

明日那は少し躊躇ったが、今の永夢達の様子を伝える事にした。

 

明「この間の学園祭から、みんな心ここに在らずって感じです。ボーとしている事も多くなっています。何より・・・・悲しみが大きかったのでしょう。彼女達μ’sは・・・・・ラブライブの出場を辞退する事にしたそうです」

 

恭「・・・そうか・・」

 

恭太郎は、以前永夢達に助けられてから彼らの活動を知ろうとスクールアイドルの事を調べていた。だから、ラブライブがスクールアイドルにとって大事な目標である事も理解していた。

 

恭「衛生省としても、一人の人間としても、情けなく感じるよ。彼らのような学生に任せるしかできず、結果として一人の学生を消滅させてしまった・・・」

 

明「でも、それは審議官のせいでは・・・!」

 

恭「それでもだ。・・・我々が、早くに檀黎斗を発見し、捕獲できていたなら、こんな事にはならなかっただろう・・・」

 

「あの〜・・・・」

 

そんな時、二人に話しかける人がいた。

 

恭「君は・・・」

 

「お初にお目にかかります。日向審議官。私は西木野総合病院の院長を勤めております、西木野灰馬です」

 

恭「あぁ、君が・・・。お勤め、ご苦労様です」

 

灰「ありがとうございます。ところで・・一つ聞きたい事があるのですが、よろしいですか?」

 

恭「えぇ。答えられる範囲であれば」

 

灰「ありがとうございます。実は、私の娘がここ最近元気がないんです。この間の学校の学園祭の日から」

 

その言葉を聞いて、恭太郎と明日那は顔を見合わせる。

 

明「失礼ですが、あなたの娘さんのお名前は・・・」

 

灰「はい、真姫です。西木野真姫」

 

西木野真姫。μ’sのメンバーの一人にして、学園祭の事件を知っている人物の一人だ。

 

灰「学園祭から帰って来た日から様子がおかしくて、調べて見た所、先程発表があったバグスターウイルスが関係しているような噂が出回っていて・・・」

 

灰馬の言葉を聞いて、明日那はある事を考える。

 

明「ここではお話できませんので、別の場所に移動しましょう。構いませんか?審議官」

 

明日那は恭太郎に確認の了承をとる。

 

恭「あぁ、そちらの事は君に任せる」

 

そう言って、恭太郎はその場を去って行った。

 

明「それでは、移動しましょう。ついて来てください」

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

場所は替わってCR。

 

そこには会見の様子を見ていた永夢達がいた。

 

時間が少し経ってためか、人数は減って残っていたのは永夢、海未、飛彩、真姫、大我、そして絵里の6人だ。

 

飛「これから、俺達はどうするんだ・・・?」

 

飛彩の問いに答えたのは大我だった。

 

大「ラブライブは辞退したが、そもそも俺達の目標は学校の廃校阻止だ。これからもそれ目指してやるだけだろ」

 

真「でも、あんな事があったのよ?・・・今まで通りにできると思う?」

 

絵「はっきり言うけど・・・おそらく無理ね・・・」

 

貴利矢の消滅、ラブライブの辞退。

 

それらが重なり、μ’sメンバーは気持ちがごちゃごちゃになってどうすればいいか分からなくなっていた。

 

しかも、海未と永夢しか知らないが、ことりの留学もある。

 

ことりは学園祭が終わったら報告するつもりだったらしいが、あんな事があったため言う機会もなく、留学までの日が刻一刻と近づいていた。

 

その時、CRの扉が開く。

 

そこから、明日那と灰馬が入って来た。

 

真「!?パ、パパ!?」

 

灰「真姫!?どうしてここに!?」

 

予想外に人物が入って来た事により、真姫は驚きの声をあげる。

 

それは灰馬も同じらしく、真姫同様驚く。

 

海「えっと・・・・・真姫のお父さんですか?」

 

飛「あ、あぁ・・・でも、どうして・・」

 

明「私がここに連れて来たの」

 

飛彩の疑問に明日那が答える。

 

絵「明日那さんが?どうしてですか?」

 

明「彼が、学園祭の事を知りたがってるからよ」

 

その言葉に絵里達は驚きの表情を見せる。

 

明「へたに外で話すよりも、ここで話した方が話が広まる心配もない。そう思って、ここに連れて来たの」

 

海「そ、そうですか・・・・」

 

明日那の答えに返事を返す海未。

 

もはや手遅れでは、とも思ったが、今はまだそこまで情報も出回ってなく、学園祭の事件も噂ぐらいで信じている人は少なかった。

 

だが、今回バグスターウイルスを発表したため、少なくても確信に迫る人は現れるだろう。

 

そんな人を抑えるために、なるべくそのような話を外でしないようにした方がいい。

 

海未達も、明日那の意見には同意なのか、それ以上何も言わなかった。

 

灰「それで、どうしてここに真姫達が・・?」

 

明「その前に、ここがどのような場所なのか説明しますね。ここは電脳救命センター、通称『CR』と呼ばれている場所で、バグスターと患者が分離して、バグスターを倒せなかった時、ここに患者を収容します」

 

灰「そ、そんな場所が・・・」

 

明「そして、彼らがここにいる理由ですが、永夢と飛彩、大我こそが今現在唯一ゲーム病の治療ができる人物だからです」

 

灰「ち、治療って・・・彼らはまだ学生なんですよ!?」

 

明日那の言葉に、驚きの声をあげる灰馬。

 

彼からしたら永夢達はただの学生。

 

そんな彼らがゲーム病に唯一治療できる人物なのだから驚くのも仕方ないだろう。

 

真「信じられないかもしれないけど本当よ、パパ」

 

飛「これが証拠です」

 

そう言って飛彩はゲーマドライバーとガシャットを取り出す。

 

先程の会見で初めて存在が世間に明かされたゲーマドライバーとガシャット。

 

それが今目の前にあるため、灰馬は信じるしかなくなった。

 

明「この場所、そして彼らがここにいる理由は分かりましたね?それでは、後はあなたが知りたがっていた情報です。ですが、このことは内密にしておいてください」

 

明日那がこの話を持ち出した瞬間、CRの中の空気が重くなる。

 

明「実は、ゲーム病を治療できる人物は他にもいたのですが、彼はこの間の学園祭で・・・・・・消滅しました」

 

灰「・・・・・えっ?」

 

予想外の真実に、灰馬は呆然とする。

 

バグスターウイルスが関係しているとは思っていたが、まさか一人の命が失われたとまでは思っていなかったらしい。

 

真姫達は机に置かれていたゲーマドライバーと爆走バイクガシャットを見る。

 

生前、貴利矢が使っていたものだ。

 

貴利矢が永夢に渡した後、それらはCRで保管することになった。

 

明「ガシャットは適合者しか使用することができないため、適合者である永夢、飛彩、大我の3人しか治療ができません。もし、ゲーム病患者を見つけた際には、CRに連絡を入れてください」

 

そう締めくくると、明日那は部屋から出て行く。

 

部屋には沈黙が訪れる。

 

真「・・・・・はぁ〜、いつまでもここでうだうだしてる訳には行かないわね。私は帰るわ」

 

飛「そうだな、俺も帰るとしよう」

 

灰「えっ?あ、おい」

 

真「パパも。帰るわよ」

 

真姫は灰馬を連れて出て行く。

 

絵「真姫の言う通りね。時間も時間だし私も帰るわね」

 

大「なら、俺も帰るとしよう。じゃ、また明日な」

 

絵里と大我も帰って行く。

 

CRには永夢と海未の二人が残った。

 

永「・・・・・僕がもっと早く貴利矢さんのところに行ってれば、こんなことにはならなかったのかな?」

 

唐突に、永夢がそんな事を言い出す。

 

海「それは・・どう言う事ですか?」

 

永「あの時、僕は貴利矢さんに呼ばれていたんだ。話す事があるから、みんなを連れて来てくれって・・・・」

 

知らなかった真実に、海未は驚きの表情を見せる。

 

永「僕が・・・早く言っていれば・・・・うっ・・・うぅ・・・」

 

後悔の気持ちが強いのだろう、永夢は泣き出した。

 

初めて見る永夢が泣いていることに、海未は戸惑いを感じた。

 

自分はどうすればいいのか分からない、そんな表情だった。

 

海「永夢・・・・」

 

せめて自分ができる事を・・・・と、永夢の背中をさする。

 

海「大丈夫・・・・大丈夫ですよ・・」

 

永「うっ・・・うぅ・・・うわぁぁぁぁぁ!!」

 

二人しかいない中、永夢は思いっきり泣け叫んだ。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

次の日、永夢達が屋上にいると、真姫と凛、花陽が息を切らしながら屋上にやってくる。

 

穂「ど、ど、どうしたの!?」

 

凛「た・・・・・」

 

真「た・・・・・」

 

花「タスケテ・・・・」

 

に「はぁ?」

 

 

・・・・・・・・・

 

 

校舎内の掲示板。

 

そこの掲示板には、『来年度入学者受付のお知らせ』と書かれた紙が貼られていた。

 

「「「「これって!?」」」」

 

花「中学生の希望校アンケートの結果が出たんだけど・・・」

 

真「去年より志願する人がずっと多いらしくて」

 

花陽と真姫が説明する。

 

永「って事は・・・・」

 

海「学校は・・・・」

 

希「存続するって事やん!?」

 

希も困惑している。

 

真「再来年はわからないけどね」

 

凛「後輩ができるの?」

 

凛が興奮気味に言う。

 

飛「まぁ、そう言う事だな」

 

飛彩が答えると、後輩ができないと思って残念がっていた凛ははしゃいで喜ぶ。

 

その時、穂乃果の視界の端にこちらに歩いてくることりが入り込む。

 

穂「こっとりちゃ〜ん!!」

 

ことりは普段に比べて暗いが、穂乃果は気づいていないのか、明るく声をかけながら抱きつく。

 

こ「え?え?」

 

ことりは状況が飲み込めていないのか、突然抱きつかれて慌てる。

 

そんなことりに、海未が「これ」と掲示板を指差す。

 

掲示板に視線を向けたことりはそのまま固まる。

 

穂「やった・・・・やったよ。学校続くんだって。私達、やったんだよ・・」

 

目を潤ませながら言う穂乃果。

 

こ「嘘・・・・じゃ、ないんだ・・・」

 

そう溢すことり。

 

穂「うん!!」

 

絵「ハラショー・・」

 

絵里も感激していた。

 

 

◎side out

・・・・・・・・・・・・

永夢side

 

 

学校存続の知らせが届いた次の日。

 

僕達はアイドル研究部で祝いをあげていた。

 

正直そんな気持ちにもなれなかったが、貴利矢さんの望みでもあった廃校阻止が叶えられたから、とりあえず祝おうと言う事になり、参加する事にした。

 

に「では取り敢えず、にっこにっこに〜!」

 

簡単に飾り付けられた部室の中で、部長のにこさんが音頭をとる。

 

に「みんなグラスは持ったかなー?学校存続が決まったと言う事で、部長のにこにーから一言、挨拶させてもらいたいと思いま〜す!」

 

「「「お〜!!」」」

 

床に敷いたブルーシートに座って凛ちゃん、花陽ちゃん、穂乃果ちゃんの3人が拍手する。

 

真姫ちゃんは呆れた視線を送り、その隣では飛彩君がナイフとフォークで黙々とケーキを食べている。

 

希さんと絵里さんはパイプ椅子に座って互いに笑みを交わしている。

 

窓際のベンチには海未ちゃんとことりちゃんが座り、床に視線を落としている。

 

に「思えばこのμ’sが結成され、私が部長に選ばれた時から、どのくらいの月日が流れたのであろうか。たった一人のアイドル研究部で耐えに耐え抜き、今こうしてメンバーの前で想いをかたーーー」

 

大「さっさと乾杯するぞ!」

 

『かんぱーい!!』

 

に「ちょっと!!」

 

にこさんが話している途中だったが、大我さんが遮って乾杯を促し、みんなも持っていた紙コップを掲げる。

 

にこさんも文句を言ってるが、一緒に掲げている。

 

テーブルに置かれていたたくさんの料理は、瞬く間に量を減らしていく。

 

穂「は〜・・・お腹空いたー!にこちゃん、早くしないと無くなるよ!」

 

に「卑しいわね・・・・」

 

花「みんなー!!ご飯炊けたよー!!」

 

凛「ん!?んーー!!」

 

花陽ちゃんが炊きたてご飯を持ってきてみんなに見せると、凛ちゃんが真っ先に食いついた。

 

希「ほっとした様子ね、エリチも」

 

絵「まぁね、肩の荷が下りたって言うか・・・」

 

希「μ’s、やって良かったでしょ?」

 

絵「どうかしらね。正直、私が入らなくても同じ結果だった気もするけど・・・」

 

大「案外、そうでもないかもしれねぇぞ?」

 

絵里さん達が話していた所に、大我さんが加わる。

 

絵「大我・・・」

 

希「大我君の言う通りや。μ’sは9人。それ以上でも、以下でも駄目やって、カードも言うとるよ」

 

絵「・・・・そうかな」

 

絵里さん達がそんな事を話していると、突然窓際にいた海未ちゃんが立ち上がる。

 

その表情は、とても険しかった。

 

海「ごめんなさい。皆にちょっと話があるんです」

 

食事をしていたメンバーも手を止めて海未ちゃんに視線を向ける。

 

希「聞いてる?」

 

絵「ううん」

 

希さんと絵里さんは聞いていないらしい。

 

だとすると、まさか・・・・・

 

海「実は、突然ですがことりが留学する事になりました。2週間後に日本を発ちます」

 

やっぱり・・・・。

 

さっきからことりちゃんは顔を俯いたままあげない。

 

だが、他のメンバーの視線は海未ちゃんからことりちゃんに移動する。

 

真「何?」

 

花「え・・・・嘘・・・」

 

に「ちょ・・・・どういうこと?」

 

メンバーから次々と困惑の声が挙がる。

 

それも、無理もないだろう。

 

こ「前から、服飾の勉強したいって思ってて。そしたら、お母さんの知り合いの学校の人が来てみないかって・・・」

 

ことりちゃんの表情は暗いままだ。

 

こ「ごめんね。もっと早く話そうって思ってたんだけど・・・」

 

ことりちゃんがそこまで言って、続きを海未ちゃんが引き継ぐ。

 

海「学園祭のライブでまとまっている時に言うのは良くないと、ことりは気を遣っていたんです」

 

希「それで最近・・・」

 

ことりちゃんの様子がおかしいのは希さんも気づいていたらしく、納得したように洩す。

 

絵「行ったきり、戻ってこないのね・・」

 

留学って言っても、期間は様々。

 

数週間の時もあれば、数年帰ってこなかったりする。

 

ことりちゃんが今まで言うのを躊躇っていたとなると、後者の方だろう。

 

絵里さんも同じ事を考えたらしく、ことりちゃんに聞く。

 

すると、ことりちゃんは首を縦に振り、肯定する。

 

こ「高校を卒業するまでは、多分・・・」

 

もう音ノ木坂に戻ってくる事ない。

 

つまり、μ’sとして活動していく事はない。

 

穂「どうして、言ってくれなかったの・・・?」

 

部室に漂っていた沈黙を破ったのは穂乃果ちゃんだった。

 

その声は普段の彼女からは想像できない、険のこもった声だった。

 

穂乃果ちゃんは立ち上がり、ことりちゃんへと歩いていく。

 

海「だから、学園祭があったから・・・」

 

穂「海未ちゃんは知ってたんだ・・・」

 

海「それは・・・」

 

海未ちゃんが言葉を詰まらせる。

 

ことりちゃんの前まできた穂乃果ちゃんは身を屈め、ことりちゃんの手に自身の両手を被せる。

 

穂「どうして言ってくれなかったの?ライブがあったからっていうのは分かるよ。でも、私と海未ちゃんとことりちゃんはずっと・・・」

 

絵「穂乃果」

 

絵里さんが穂乃果ちゃんを止めようと声をかける。

 

声色からも、次第に興奮しているのが分かる。

 

希さんも続けて声をかけるが・・・・・

 

希「ことりちゃんの気持ちもわかってあげなーーーー」

 

穂「分からないよ!!」

 

穂乃果ちゃんが叫ぶ。

 

穂「だって、いなくなっちゃうんだよ!ずっと一緒だったのに、離れ離れになっちゃうんだよ!なのに・・・」

 

こ「何度も、言おうとしたよ。でも、穂乃果ちゃんライブに夢中で・・・、ラブライブに夢中で・・・。だから、ライブが終わったらすぐ言おうと思ってた。でも、あんな事になって・・・」

 

ことりちゃんの目から涙が溢れる。

 

こ「聞いて欲しかったよ。穂乃果ちゃんには一番に相談したかった。だって、穂乃果ちゃんは、初めてできた友達だよ!ずっと傍にいた友達だよ!そんなの・・・・・そんなの当たり前だよ!!」

 

ことりちゃんは穂乃果ちゃんの手を振り払って部室を出ていく。

 

穂乃果ちゃんは追おうとするも、すぐに立ち止まる。

 

海「ずっと、行くかどうか迷っていたみたいです。いえ、むしろ行きたがってなかったようにも見えました。ずっと、穂乃果を気にしてて・・・・。穂乃果に相談したら何て言うかってそればかり。・・・・黙ってるつもりはなかったんです。本当にライブが終わったら、すぐに相談するつもりでいたんです。分かってあげてください」

 

海未ちゃんの言葉が耳に入っているのかいないのか、それは分からないが穂乃果ちゃんは何も言わない。

 

目を見開いたまま、ことりちゃんが出て行った部室のドアを見つめていた。

 

 

・・・・・・・・

 

 

ことりちゃんの留学が皆に伝わってから数日。

 

ことりちゃんは留学の準備で忙しいのか、学校に来ていない。

 

穂乃果ちゃんと海未ちゃんはあの日からお互いを避けているような感じで話していない。

 

そうして過ぎていく時間の中、僕達は絵里さんに呼ばれて屋上に向かった。

 

穂「ライブ?」

 

絵「そう、みんなで話したの。ことりがいなくなる前に、全員でライブをやろうって」

 

初めて聞いた話だった。

 

おそらく海未ちゃんを中心に話し合っていたのだろう。

 

飛「来たらことりにも言うとつもりだ」

 

凛「思いっきり賑やかなのにして、門出を祝うにゃ!」

 

に「はしゃぎ過ぎないの!」

 

凛「にこちゃん何するの〜!」

 

に「手加減してやったわよ」

 

凛とにこが騒ぎ、それをみんなで微笑みながら見ていたが、ただ一人、穂乃果ちゃんだけは俯いたままだった。

 

海「まだ落ち込んでいるんですか?」

 

海未ちゃんも気づいたのか、声をかける。

 

その言葉に、残りの全員も反応する。

 

穂「・・・私がもう少し周りを見ていれば、こんな事にはならなかった」

 

やっぱり・・・・。

 

穂乃果ちゃんは未だに自分を責め続けている。

 

花「そ、そんな自分を責めなくても・・・」

 

穂「自分が何もしなければ、こんな事にはならなかった!!」

 

花陽ちゃんは慰めようとするが、穂乃果は聞かなかった。

 

に「あんたねぇ・・・!」

 

大「そうやって全部自分のせいにするのは傲慢だぞ」

 

穂「でも!!」

 

絵「それをここで言って何になるの?何も始まらないし、誰もいい思いをしない」

 

真「ラブライブだって、また次があるわ」

 

に「そっ!次こそは出場するんだから!落ち込んでいる暇なんてないわよ!」

 

珍しく真姫ちゃんが励ますように笑顔で言う。

 

にこさんも便乗して、自身のやる気を出していく。

 

だけど・・・・・・

 

 

 

 

 

 

穂「出場してどうするの?」

 

 

 

 

 

穂乃果ちゃんのこの言葉を聞いた瞬間、みんなの動きが止まった。

 

 

「「「「「「「・・・・・・・え?」」」」」」」

 

穂「もう学校は存続できたんだから、出たってしょうがないよ」

 

永「ちょっ・・・・穂乃果ちゃん・・・」

 

穂乃果ちゃんに声をかけるが、穂乃果が止まる気配はない。

 

穂「それに無理だよ。A-RISEみたいになるなんて、いくら練習したってなれっこない」

 

に「あなた・・・それ、本気で言ってる・・・?本気だったら許さないわよ・・・・」

 

穂乃果ちゃんのこの言葉を、一番許せない人がいた。

 

にこさんだ。

 

この中で誰よりもアイドルが好きで、誰よりもアイドルを目指して来て、誰よりもアイドルの高みに立ちたかった人だ。

 

それゆえに、今の穂乃果ちゃんの言葉を許せるはずがなかった。

 

に「許さないって言ってるでしょ!!」

 

真「ダメぇ!!」

 

に「離しなさいよ!!」

 

穂乃果ちゃんに掴みかかろうとしたにこさんを、真姫ちゃんが寸前で止める。

 

に「にこはね!アンタが本気だと思ったから、本気でアイドルやりたいんだって思ったからμ’sに入ったのよッ!!ここに賭けようって思ったのよ!!それを、こんな事ぐらいで諦めるの!?こんな事くらいでやる気をなくすの!?」

 

大「落ち着け、にこ!」

 

穂乃果ちゃんは何も答えなかった。

 

そもそも、視界に入れようとしていない。

 

他のメンバーも黙って見てるしかなかった。

 

なんて言葉をかければいいのか、わからないのだ。

 

絵「じゃあ、穂乃果はどうすればいいと思うの?・・・・どうしたいの?・・・答えて」

 

絵里さんの問いに、穂乃果ちゃんは決定的な一言を落とす。

 

 

 

 

 

 

穂「辞めます・・・・私、スクールアイドル辞めます」

 

 

 

 

 

「「「「「「・・・・えっ?」」」」」」

 

穂乃果ちゃんはただそれだけを言って、屋上から出て行こうとする。

 

そして、ドアノブに手をかけようとした瞬間・・・・

 

 

 

 

 

 

パンッッッ!!!!

 

 

 

海未ちゃんが穂乃果ちゃんの頰を叩いた。

 

海「・・・あなたがそんな人だとは思いませんでした。・・・・最低です。あなたは最低です!!」

 

そう言って、海未ちゃんは屋上を飛び出した。

 

永「海未ちゃん!?」

 

僕は海未ちゃんを追いかけ、屋上を出た。

 

 

 

今、μ’sは最悪な状態を迎えていた。

 

 

 

 

永夢side out

・・・・・・・・・

◎side

 

 

 

「・・・まさか、貴利矢がゲームオーバーになってしまうとは・・・・」

 

天界では神様が地上を見ていた。

 

「このままでは彼らがやられてしまうかもしれませんね。・・・・仕方ありません、予定より早いですが、このガシャットを永夢に届ける事にしましょう」

 

そう言う神様の手には、普段のガシャットよりも分厚い、二本分の黒いガシャットがあった。

 

 

 




最後に登場したガシャット・・・。

みなさんはお分かりですかね。

おそらく次回あたりには出せると思います。

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