ラブライブ〜9人の女神と戦うDr.ライダー達〜   作:蛇廻

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途中、「ん?」と思うところがあるかもしれませんがご了承ください。




第33話 定められたDestiny

◎side

 

 

誰もいないCR。

 

中は薄暗く、隅にあるゲーム機の光が唯一の明かりである。

 

そんなCRに出現するオレンジ色の粒子。

 

その粒子は徐々に人の形を形成し、パラドに変わる。

 

パラドは机に置かれていた手紙を手に取り、内容を確認する。

 

手紙には、『このガシャットには致死量のバグスターウイルスが含まれておりますので、ご使用の際はお気をつけてご使用ください』と書かれていた。

 

確認したパラドは不敵な笑みを浮かべて、同じく机に置かれていた黒いガシャットを持ち、再びその場から姿を消した。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

一方、音ノ木坂学院の永夢達のクラス。

 

時刻は放課後で、教室の中にはさほど人は残っていなかった。

 

穂乃果がスクールアイドルを辞める宣言してからすでに2週間が経過。

 

その間、穂乃果と海未は一切口を聞いてなかった。

 

永夢がどうにかしようと動いているが、穂乃果がほとんど反応しないため、二人の関係はどんどん悪い方向に向かっていた。

 

今日も授業が終わってからも二人は喋らず、海未はカバンに荷物を詰めると、さっさと弓道部に向かった。

 

穂「・・・・・・・」

 

穂乃果は無言で前の席を見る。

 

それらの机はことりの机だった。

 

ことりは留学の準備で学校に来ておらず、旅立ちまであと三日というところまで迫っていた。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

その頃の校門前。

 

「まだ落ち込んでいるんだ・・・」

 

「うん、なんかスクールアイドルを辞めたの、海未ちゃんと喧嘩したのが原因らしくて・・・」

 

ヒデコが穂乃果達の様子をフミコ、ミカの二人に聞くと、フミコがそう答える。

 

「ことりちゃんも留学の準備でずっと休んでるし、永夢君がどうにかしようとしてるみたいだけど、うまくいってないみたい」

 

「そっか〜・・・それで海未ちゃんと全然話してないのか〜」

 

ミカは寂しそうに言い、ヒデコは閃いたように言う。

 

「じゃあ、こういう時こそ、私達が何とかするしか無いでしょ!」

 

ヒデコがそう言ったちょうどその時、校舎の方から暗い顔をした穂乃果が歩いてくる。

 

「穂乃果、偶には一緒に帰らない?」

 

穂「えっ?うん、いいよ」

 

穂乃果は一瞬驚いたが、話しかけて来た人物を確認すると、了承の返事をする。

 

「今日の放課後、空いてる?」

 

「ちょ、ちょっとヒデコ!?」

 

軽々しく話しかけるヒデコをミカが止めようとするが、ヒデコはウィンクをして人差し指を立てる。

 

「気にする事じゃない。だって穂乃果は、学校を守ろうと頑張ったんだよ?」

 

穂「そうだけど〜・・・」

 

「学校守るためにアイドル始めて、その目的が達成できたからアイドルを辞めた。何もきにする事じゃない。ね?」

 

穂「・・・・そうだね」

 

ヒデコの言葉に穂乃果はそう答える。

 

アイドルを始めたのは学校を救うため、その目的が達成できた今、アイドルを続ける必要は無い。

 

そのはずなのに、穂乃果は苦しさを感じた。

 

「学校の皆、感謝してるんだよ?」

 

「うんうん!μ’s見てうちの学校を知ったっていうのも、沢山いたみたいだし!」

 

「そうそう、元気出しなよ」

 

穂「・・・うん。ありがとう」

 

ヒデコ達の励ましに、穂乃果は少しだけ笑顔になる。

 

その後、穂乃果はヒデコ達に腕を引かれ、秋葉原に移動した。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

その頃、秋葉原のファーストフード店。

 

に「あんた達はどうするつもり?」

 

凛と花陽はにこに連れられて、ファーストフード店に来ていた。

 

そこで、にこは二人に質問する。

 

花「・・・どうするって?」

 

に「アイドルよ。決まってるでしょ・・・・・続けるつもりはない?」

 

「「っ・・」

 

に「私達だけでも、続けない?」

 

にこの誘いに、二人の心は揺らぐ。

 

絵里に活動休止と言われたから仕方なく了承したが、にこは諦めきれず、一年生の二人を誘ってもう一度スクールアイドルをやろうと考えていた。

 

花「・・・・・にこちゃん・・・」

 

にこの言葉に、花陽と凛は食べるのを止める。

 

すぐには返事ができないのか、少し俯いた。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

音ノ木坂の音楽室。

 

真「・・・ふぅ」

 

ピアノを弾き終えた真姫は一息吐くと、窓の方を見る。

 

そこには飛彩が窓に寄りかかっていた。

 

飛「こうやって真姫の演奏を聴くのも久しぶりだな」

 

真「そうかしら?」

 

飛「ここ最近は、μ’sの練習ばかりだったからな」

 

音楽室でピアノを演奏する、μ’sに加入前はずっとやっていた事だが、加入後はいつも練習をしていたため、二人がこうしてここに訪れるのはかなり久しぶりだった。

 

飛「・・・・・μ’sが活動停止になって、どう思う?」

 

真「・・・悲しいわよ。なんか心にポッカリと穴が空いたような感じで、全然埋まらない。やっぱり私は音楽が・・・・μ’sが大好きなの!穂乃果やことり達がいるμ’sが!これからも、今まで通りに皆とアイドルをしたい!」

 

真姫の気持ちを聞いた飛彩は、黙って真姫に近づき、その頭を撫でる。

 

真「ヴェェェ!な、なによいきなり!」

 

飛「いや、変わったなと思って。μ’sに入る前は、そんな事言わなかったしな。・・・とにかく、今は穂乃果や、永夢を信じよう」

 

真「・・・えぇ」

 

 

・・・・・・・・・

 

 

数時間後、ことりの家にて。

 

こ「あ、海未ちゃん、いらっしゃい。遅かったね、練習?」

 

海「はい」

 

部活の練習を終えた海未はことりの家を訪れていた。

 

ことりの部屋に移動した海未は、部屋に中を見て思わず足を止める。

 

最後に来た時はもっと可愛らしい家具やぬいぐるみが沢山あったが、今はベットと少数の小物だけだった。

 

こ「海未ちゃんも断ったの?」

 

海「・・・はい、続けようとするにこの気持ちも分かりますし、できる事なら・・・」

 

こ「じゃあ、どうして?」

 

ことりの問いに答えながらドアを閉める海未。

 

にこは海未にも誘いの声をかけていたが、海未は断っていた。

 

二度目のことりの問いに、海未は俯きながら答える。

 

海「・・私がスクールアイドルを始めたのは、ことりや穂乃果が誘ってくれたからです」

 

こ「っ!・・・ごめんなさい・・・」

 

海「いえ、人のせいにしたいわけではないんです。穂乃果にあんな事を言ってしまいましたが、辞めると言わせたのは私の責任でもあります」

 

こ「そんな事ない!あれは私が言わなかったから・・!」

 

穂乃果や海未が辞めた。

 

その理由を聞いて責任を感じたことりは謝るが、海未は自分の責任でもあると言う。

 

海「穂乃果とは・・?」

 

こ「・・穂乃果ちゃんとは・・」

 

海未の問いに目を逸らすことり。

 

どうやらここ最近、全く会っていないらしい。

 

海「・・・もうすぐ日本を発つのですよ?」

 

こ「・・・うん・・」

 

海「・・ことり、本当に留学するのですか?」

 

こ「えっ?」

 

海「私は・・・いえ、なんでもありません・・」

 

もうすぐいなくなってしまう幼馴染に、海未は行かないでほしいと言いそうになるが、そんな我儘が通じるわけがないと後ろに振り返る。

 

こ「・・無理だよ、今からなんて・・・」

 

海「・・・分かっています・・・」

 

もう後戻りはできない。

 

海未は自分に気持ちを押し殺し、ことりの言葉に頷くしかなかった。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

同時刻、神田明神。

 

ヒデコ達と秋葉原のゲーセンでダンスゲームをした後、3人と別れた穂乃果は一人、神田明神に来ていた。

 

そこで、穂乃果は練習をしていた花陽と凛の二人と遭遇する。

 

穂「凛ちゃん、花陽ちゃん」

 

花「穂乃果ちゃん・・・」

 

穂「練習、続けてるんだね」

 

に「当たり前でしょ」

 

二人に気づいた穂乃果は名前を呼び、花陽と凛は返事をする。

 

練習をしている二人を見てそう言うと、席を外していたにこが戻って来てそう返した。

 

に「スクールアイドル、続けるんだから」

 

穂「え?」

 

に「悪い?」

 

穂「いや・・」

 

ジト目でツンとした態度をとるにこに穂乃果は少し戸惑うが、にこはそんな穂乃果は関係なしに続ける。

 

に「μ’sが活動休止したからって、スクールアイドルをやっちゃいけないって決まりはないでしょ」

 

穂「で、でも・・なんで?」

 

に「・・好きだから」

 

どうしてアイドルを続けるのか、その答えはとてもにこらしい答えだった。

 

に「にこはアイドルが大好きなの。皆の前で歌って、ダンスして、一緒に盛り上がって、また明日から頑張ろうって。そんな気持ちにさせてくれるアイドルが、私は大好きなの!穂乃果みたいないい加減の好きとは違うの!!」

 

穂「違う!私だって!!」

 

に「どこが違うの?」

 

穂「っ!?」

 

に「自分で辞めるって言ったでしょ?やってもしょうがないって」

 

穂「それは・・・」

 

にこの正論に何も言えなくなる穂乃果。

 

凛「にこちゃん、ちょっと言いす・・・」

 

穂「・・にこちゃんの言う通りだよ。邪魔しちゃってごめんね」

 

花「穂乃果ちゃん!」

 

そのまま帰ろうとした穂乃果を、花陽は呼び止める。

 

花「今度、私達だけで講堂でライブをやろうと思ってて、もし良かったら・・」

 

凛「穂乃果ちゃんが来てくれたら、織り上がる事間違いなしにゃ!!」

 

に「あんたが始めたんでしょ?・・絶対来なさいよ」

 

穂「皆・・・」

 

皆の誘いに、穂乃果の心は大きく揺らいだ。

 

 

・・・・・・・・

 

 

神田明神を後にし、穂乃果は家に向かっていた。

 

その心中には、自分が何をしたいのか、どうすればいいのか、そんな疑問が訪れていた。

 

スクールアイドルを辞める、自分でそう言った手前、再び始める事に抵抗がある。

 

それに、もうことりがいない。

 

穂乃果にとって、それはかなり辛い事だった。

 

今までずっと一緒にいた幼馴染の一人がもうすぐいなくなる。

 

それも、自分にせいで仲違いのまま別れる事になる。

 

だけど、気持ちの整理が付かず、会いに行く事もできない。

 

穂乃果自身は気づいていないが、その体には相当なストレスが溜まっていた。

 

だからこそ、穂乃果の体からある存在が分離した。

 

突然現れた粒子が穂乃果の体から離れ、人の形を形成していく。

 

「ふっふっふ・・・待ってろよ、エグゼイド、ブレイブ!」

 

赤い体、白い装束を身に纏い、フードを被って赤い杖を持っているバグスター。

 

かつてエグゼイドとブレイブに倒された事のあるバグスター、アランブラバグスターは、自らを葬った二人の仮面ライダーに復習を誓いながら、その場から姿を消した。

 

 

・・・・・・・・

 

 

アランブラバグスターが穂乃果から分離した時、永夢は公園のベンチに座っていた。

 

そこで、CRの白衣を握って悩んでいるようだった。

 

考えている事は貴利矢の消滅、ことりの留学、μ’sの活動休止、穂乃果と海未の喧嘩。

 

この短期間で多くの事が起こった。

 

人々を笑顔にする。そんな目標があった永夢は穂乃果達を笑顔にしたと思っていた。

 

友達としても、ドクターとしても。

 

だが、結果はうまくいかず、ことりの留学まで後三日というところまで来てしまった。

 

永「一体・・・どうすれば・・・」

 

「辞めちまえよ。そんな小難しい事を考えるのなんて」

 

そんな永夢に語りかける声。

 

永夢が声がした方向、後ろを向くと、そこにはパラドが立っていた。

 

永「?・・・どこかで・・・っ!?」

 

パラドを見た永夢はどこかで見た記憶があり、以前秋葉原でゲンムと戦った時の事を思い出す。

 

レベル3の力を手にいれて初めてゲンムと戦った時、パラドは永夢の前に現れていた。

 

永夢は、その時の事を思い出す。

 

永「お前!・・ゲンムに成り済ましていたやつ・・・」

 

パ「俺はパラド。お前とは一度話がしたいと思っていた」

 

ベンチから立ち上がってパラドから離れる永夢。

 

パ「人間は一度死んだらそれまで。そんなもん救うなんて、無理ゲーにもほどがあるだろ」

 

永「・・・・」

 

永夢にも思う部分があるのか、顔を俯かせる。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

その頃、飛彩は真姫と学校を離れ、帰宅路についていた。

 

ちょうどその時、真姫が前を歩いている海未を見つける。

 

真「あら?あれは・・・海未?」

 

飛「・・あぁ、そうだな。声をかけるか?」

 

真「えぇ・・・そうね」

 

真姫が海未に声をかけようとしたその時・・・

 

「見つけたぞ、ブレイブ!」

 

飛「!?」

 

穂乃果から分離したアランブラが飛彩達の前に現れる。

 

「ちょうど良い。μ’sの諸君も少なからずいるな。貴様も葬らせていただく!」

 

アランブラはそう言うや否や、真姫に向かって攻撃を放つ。

 

飛「真姫!!」

 

その攻撃が当たる寸前のところで飛彩が真姫を押して躱させる。

 

飛「こいつの狙いは真姫達μ’sだ!隠れてろ!」

 

真姫はすぐにその場を離れる。

 

海未もすでに気づいていて、少し離れた場所で様子を伺っていて、真姫もその場所に隠れる。

 

『タドルクエスト』

 

飛「変身」

 

飛彩はブレイブに変身し、アランブラに立ち向かって行った。

 

 

・・・・・・・

 

パ「お前の大好きなゲームなら、死んだってコンティニューできるし、悪い事があってもリセットできる。・・・白衣なんて捨てて、もっとゲームを楽しめ」

 

パラドは笑いながら永夢に語る。

 

永「・・・・ふざけるな!お前達のゲームのせいで・・・貴利矢さんは死んだんだ!!」

 

パ「落ち着けよ。あいつを殺ったのは・・・・ゲンムだ」

 

パラドは振り返って永夢を見る。

 

ちょうどその時、永夢のゲームスコープが鳴り始める。

 

永夢がそれを確認しようとした瞬間、パラドはその手を掴む。

 

パ「ドクターである限り、人間の死は避けて通れない。あいつらμ’sと一緒にいたって、今回のようなイザコザがこれからも必ず訪れる。・・・お前にそれを耐えられるのか?」

 

永夢は顔を俯かせ、悔しそうな表情をすると、パラドに掴まれている手を思いっきり引いて離れる。

 

永「・・・・耐えられる訳がない。・・・誰かが、死ぬのなんて・・・仲が良い人達が、目の前で喧嘩をして、何もできないなんて・・・」

 

永夢は言葉を詰まらせながらも、自身の思いを口に出す。

 

永「もう・・・誰も死なせたくないし、誰も悲しませたくない」

 

それを聞いたパラドは呆れながら口を開く。

 

パ「・・・人間の命や心すらも、ノーコンティニューで救うってわけか」

 

パラドはゆっくりと、それでいて素早く永夢に近づき、その肩を掴む。

 

 

・・・・・・・・

 

 

ブ「はぁ!」

 

「むん!」

 

ブレイブは戦いの場所を森のような場所に移し、レベル3となっていた。

 

ブレイブの剣戟はアランブラの魔法の杖、『アランブラスタッフV』を使ってその攻撃をいなしていく。

 

「はぁぁ・・はぁ!」

 

アランブラはブレイブの攻撃を避けながら、時々蹴りを入れる。

 

ブレイブは攻撃を受けながらも、負けじと剣戟を繰り出していく。

 

その戦いは、真姫と海未、さらにもう一人見ていた。

 

海「真、真姫・・・あちらを!」

 

真「え?・・く、黎斗先生!?」

 

黎斗は右手に持っていたバグヴァイザーを腰に当てる。

 

『ガッチョ〜ン!』

 

大「貴利矢が死んだのは、口封じのためだろ?・・・ゲンム」

 

その場にやってきた大我は黎斗に話しかける。

 

大「あいつはエグゼイドや、お前の事、バグスターの事を調べていた。・・・その事と関係があるんじゃねぇのか?」

 

大我の問い掛けに、黎斗はデンジャラスゾンビを取り出しながら答えた。

 

黎「・・・知る必要はない」

 

その答えを聞くと、大我は鼻で笑いながらガシャットを取り出す。

 

大「そう言うと思ったぜ!」

 

『バンバンシューティング』

 

『デンジャラスゾンビ』

 

大「変身!!」

 

黎「変身」

 

『ガシャット!バグルアップ!!デンジャー!デンジャー!(ジェノサイド!)デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!(Wooooo!)』

 

黎斗はゲンムに変身するや否や、スナイプに向かっていく。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

パ「誰も死なせたくないんだろう?このガシャットを使え」

 

パラドはそう言うと、永夢の手に通常よりも分厚い、黒いガシャットを握らせる。

 

パ「そいつでゲンムを倒せ。・・・・運命を変えてみせろよ」

 

パラドはそう言って、その場から消える。

 

パラドが去った後、永夢はそのガシャットを見ながら貴利矢に言われた事を思い出していた。

 

 

 

貴『忘れんなよ・・・・お前が笑顔でいる限り・・・お前はお前だ。お前の運命は・・・お前が変えろ!』

 

 

永夢はガシャットを握ると、その顔を何かを決心してような表情に変えた。

 

 

・・・・・・・

 

 

場所は変わって森の中。

 

スナイプもレベル3になってゲンムと戦っていたが、ガトリング砲でいくら攻撃しても、ゾンビであるゲンムには全く効かずにいた。

 

そして、対に懐に入られる。

 

ゲ「ふん!はっ!」

 

ス「ぐっ!ぐわぁ!」

 

懐に入ったゲンムはスナイプの胸の部分を肘で突き、さらに蹴りを入れる。

 

蹴られたスナイプは吹っ飛ばされ、ブレイブ達の近くに着地する。

 

ブレイブはアランブラに苦戦していて、かなり追い込まれていた。

 

アランブラの攻撃を受けたブレイブはスナイプの横に吹っ飛ばされ、アランブラはその瞬間に魔法を発動する。

 

「トマーレ!」

 

下に魔法陣が出現し、魔法はブレイブだけでなく、横にいたスナイプにもかかり、二人は全く動きなくなる。

 

ス「う、動けん・・」

 

「ふっふっふ・・・・はっ!ふっ!」

 

ブ「ぐわぁぁ!」

 

ス「ぐわぁ!」

 

アランブラは動けなくなったブレイブとスナイプに歩いて近づき、スタッフで触る。

 

触る瞬間、スタッフに上部が赤く光り、触れたブレイブ達は吹っ飛ばされる。

 

明「二人共!」

 

海「あ、明日那さん!」

 

ちょうどその時、その場所に明日那が駆けつける。

 

明日那が戦いの状況を見ようと前を向くと、ちょうどゲンムがガシャコンスパローを鎌モードにしてブレイブとスナイプを切りつけていた。

 

ゲ「ふん!はっ!」

 

ブ「ぐぅ!」

 

ス「ぐはぁぁ!」

 

そこに、アランブラの魔法攻撃も加わる。

 

「モエール!」

 

アランブラの前に魔法陣が出現、その魔法陣から炎が放出されてブレイブとスナイプに向かっていく。

 

直撃したブレイブとスナイプは燃え上がり、その瞬間にゲンムが切りつける。

 

ゲ「せいやっ!!」

 

ブ・ス「「ぐわぁぁぁぁ!!」」

 

攻撃が直撃したブレイブとスナイプは後ろに吹っ飛ばされ、変身が解除される。

 

真「飛彩!!」

 

海「駄目です!近づいては!」

 

真姫が飛彩に駆け寄ろうとしているが海未がそれを止める。

 

その間にも、ゲンムはガシャコンスパローを弓モードに変えて飛彩達に銃口を向けていた。

 

ゲ「ふん」

 

『ズ・ドーン!』

 

永「止めろ!!」

 

ゲ「ん?」

 

ゲンムが向けた瞬間、永夢がその場に駆けつける。

 

その手には先程パラドから渡されたガシャットが握られていた。

 

その様子を、パラドは近くの木の上から見ていた。

 

パ「お前の運命が決まる時だ、永夢」

 

永夢はガシャットを一度見て、再び顔を上げる。

 

永「・・運命を変えるんだ!」

 

永夢はガシャットを構えてゲーマドライバーを装着する。

 

明「永夢・・・何そのガシャット?」

 

明日那は永夢が持っているガシャットに見覚えが無く、疑問の声を挙げる。

 

永夢はその質問に答えず、ガシャットを起動してドライバーに装填する。

 

『ガシャット!』

 

その瞬間、永夢の体内で異変が起きる。

 

永「っ!・・う!!」

 

永夢は突然苦しみ出し、黒い霧が永夢の体内から放出される。

 

永「うぅ・・・うわぁ・・・ぐぅぅ!うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

永夢が叫ぶと同時に、かなりの量の霧が放出される。

 

飛彩や大我、明日那と真姫は驚愕の顔をし、海未は心配そうに永夢を見ていた。

 

永「・・くっ・・・もう、これ以上・・・誰かを・・死なすなんて・・!うっ!」

 

霧が再び永夢の中に入ると、永夢は膝をつく。

 

永「うぅ・・はぁ・・はぁ・・絶対に・・・うぁ・・・嫌だ・・・」

 

永夢が気を失いそうになったその瞬間、目が赤く光り、再び霧が放出された。

 

永「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

目も赤かったのが、途中から右目がオレンジ、左目が緑の変わっていた。

 

目の色が変わったと同時に、霧も同じように変化、右側と左側でそれぞれオレンジと緑に変わる。

 

永「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

その霧は徐々にガシャットに集まっていく。

 

飛「何が起きているんだ・・・」

 

ゲ「まさか・・・」

 

まるで予想外の状況に、飛彩達は困惑を隠せず、ゲンムは驚いていた。

 

『ガッシュ〜ン!』

 

全ての霧がガシャットに集まると、ガシャットは勝手に抜け、空高く飛ぶ。

 

立ち上がった永夢がそのガシャットをキャッチした瞬間、黒かったガシャットに色が付き始め、ラベルも出現する。

 

前半分はオレンジ、後ろ半分は緑色で、ラベルにはオレンジと緑の色をしたマイティが二体描かれていた。

 

永夢は迷わずガシャットを起動する。

 

『マイティブラザーズXX』

 

永夢の背後にゲーム画面が出現し、そこからオレンジと緑のゲームエリアが展開された。

 

明「新しいゲーム!?」

 

聞いた事も見た事もないゲームに、明日那は驚きを隠せなかった。

 

永「患者の運命は、俺が変える」

 

永夢はそう言うと、いつもの手順でガシャットを動かす。

 

永「変身!!」

 

『ダブルガシャット!!』

 

普段はここでパネルが出現するが、永夢はレバーを開く。

 

『ガッチャ〜ン!レベルアップ!』

 

レバーを開いたと同時にパネルが出現し、今まで?だったパネルが解放され、永夢に重なる。

 

『マイティブラザーズ!二人で一人!マイティブラザーズ!二人でビクトリー!X!』

 

外見はレベル1とさほど変わらないが、頭部はオレンジと緑の立て髪で左右に別れていて、ライダーゲージも三本追加されていた。

 

明「新しいエグゼイド!?」

 

ゲ「あ、ありえない・・・」

 

パ「おぉ・・」

 

明日那達は今までとは違うエグゼイドに驚き、パラドは興味深そうに見る。

 

エ「ノーコンティニューで、クリアしてやる・・・ふっ!」

 

エグゼイドはゲンムに向かってかけていき、殴る。

 

ゲンムは最初の攻撃が当たるが、二発目は避け、ガシャコンスパローで矢を数発ほど放つ。

 

エグゼイドはその矢をバク転して避け、手で地面を押してもとの体勢に戻るとゲンムに飛び蹴りをする。

 

ゲンムは少しだけ後退したが、エグゼイドは攻撃の手を緩めず、ゲンムを翻弄させながら飛び蹴りを放っていく。

 

ゲンムもガシャコンスパローで攻撃しようとするが、エグゼイドの動きについていけず、攻撃を喰らっていく。

 

エ「ふっ!はっ!はぁぁぁ!!」

 

ゲ「ぬぅ・・・むぅ!ぬぁぁぁ!」

 

蹴り飛ばされて木に激突したゲンムはエグゼイドに向かって走っていき、スパローで攻撃しようとするが左手で止められ、今度は左手で殴ろうとするが右手で止められ、最終的には両手で強く殴られる。

 

その威力は高く、ゲンムはかなり後方に飛ばされ、その衝撃でガシャコンスパローを離す。

 

エ「へっ!」

 

仰向けに倒れたゲンムはゾンビのようにゆらゆらと立ち上がる。

 

パ「ゲンムと互角・・・エグゼイドレベル10の登場か!」

 

戦いの様子を見ていたパラドは状況を分析をしながらも笑っていた。

 

エ「ゲンム!・・・お前を攻略する」

 

エグゼイドはそう言うとレバーを一度閉じて両手を大きく回す。

 

エ「大ーーーーーーーーー変身!!」

 

『ガッチャ〜ン!ダブルアップ!!』

 

レバーを開けると、二人のエグゼイドが描かれているパネルが出現してエグゼイドに重なる。

 

『俺がお前で!お前が俺で!(We are!)マイティ!マイティ!ブラザーズ!(ヘイ!)XX!!』

 

真「え?」

 

海「う、嘘・・・」

 

明「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

レベルアップしたエグゼイドの姿を見た真姫、海未、明日那は驚きの声をあげ、飛彩と大我も声には出していないが、とても驚いた表情をしていた。

 

それもそのはず。今皆の前にはオレンジのエグゼイドと緑のエグゼイドと、二人のエグゼイドが目の前にいるのだから。

 

当のエグゼイドはそれぞれの肩についている別れた顔を合わせて立っている。

 

ゲ「・・・バカな」

 

「えぇ?」

 

衝撃の光景にゲンムとアランブラも思わず声を漏らす。

 

明「分裂したぁぁぁぁ!?」

 

飛「ぐわ!」

 

明日那は思わず飛彩をなぎ倒してエグゼイドに近くまでいく。

 

エグゼイドは構えを解くと、お互いを一瞬見て、またすぐに見る。

 

エR「ん?」

 

エL「ん?」

 

エR・L「「ん〜?」」

 

本人達は気づいていなかったのか、お互いの顔を見つめる。

 

 

エL「ふぇ?」

 

 

 

 




『宝生永夢のガシャット紹介コーナー』

永「今日のガシャットはこれ!」

『マイティブラザーズXX』

永「このガシャットは、もともとはデータが入っていない黒いガシャットだったけど、僕がゲーマドライバーに装填した際に何かが起こって誕生した。何が起こったかは僕自身も分かっていないけど、このガシャットを使用するとレベル10のエグゼイドに変身できるんだ!!」
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