永夢side
翌日、僕たちは再び生徒会室に来た。目的は1つ。講堂の使用許可をもらうためだ。
昨夜、僕たちは電話で話し合い、講堂でライブを行うことにした。ただ、正直に「ライブをするため!」と言ってもあの生徒会長が許可をくれるとは思えないので、ライブのことは伏せて許可をもらうつもりだ。
絵「・・・・・・・・・これは?」
穂「講堂の使用許可をもらいに来ました。」
海「講堂は部活動関係なく使用できると、校則にも書いてありました。」
希「日にちは、新入生歓迎会の時やな。」
そう。僕らが決めた日にちは、新入生歓迎会がある日の放課後だ。
絵「・・・何のために?」
海「そ、それは・・・」
穂「ライブをするためです!」
え!?何でライブのこと言っちゃうの、穂乃果ちゃん!?
こ「まだ、やるって決まったわけじゃ・・・」
穂「えぇぇぇ!!やるよ!!」
このやり取りを見た生徒会長が
絵「そんな調子で大丈夫なの?歓迎会は遊びじゃないのよ?」
と聞いてくる。
ご、ごもっともな意見です。
しかし、そこで副会長が
希「まぁまぁ、落ち着いてエリチ。生徒会は生徒のやることに口出しすることはできひんよ。」
という副会長の言葉で使用許可がおりた。た、助かった。
そして僕たちは生徒会室を後にする。
永夢side out
・・・・・・・・・・・・・
絵里side
私は、あの子たちが出て言ってから希に気になったことを聞く。
絵「希はどうしてあの子たちの肩を持つの?」
希「肩を持った覚えはないんよ。それに。」
絵「?」
希は立ち上がると窓まで歩いていく。
希「何度占っても、同じ答えが出るんよ。」
そして希は窓を思いっきり開ける。
私はその言葉を聞いて机の上に置いてある、希のタロットカードを見る。
その瞬間、突風が部屋の中に吹き荒れる。
希は目をカッと見開き、
希「カードが、うちにそう告げるんや!!」
と叫ぶ。
カードは風によって壁の方に散らばる。
私はそれを黙って見ていた。
絵里side out
・・・・・・・・・・・
永夢side
海「ちゃんと言ったじゃないですか!アイドルのことは伏せて、借りるだけ借りようと!」
穂「ふぁんふぇ?」
僕たちは中庭に移動し、海未ちゃんは穂乃果ちゃんに説教するが、肝心の穂乃果ちゃんの方はパンをかぶりついている。
海「また、パンですか。」
穂「ほら、うち和菓子屋だからパンが珍しいの知ってるでしょ?」
永「え、穂乃果ちゃんの家って和菓子屋なの?」
穂「うん!!」
と、ここで穂乃果ちゃんに声をかける人が。
「3人とも、ポスターみたよ!!」
クラスメイトのヒデコ、フミコ、ミカの3人だ。
・・・ん?ポスター?
「穂乃果はともかく、まさか海未ちゃんに宝生君までやるなんてね。」
「頑張ってね!!」
その言葉を聞いたあと、何となく海未ちゃんの方を見ると、頭に「?」が浮かんでいた。
海「・・・・・・え?」
・・・・・・・・・・・・・
海「勝手すぎます!!」
今現在、海未ちゃんは憤怒していた。
原因は1つ。穂乃果ちゃんが勝手にライブの宣伝ポスターを掲示板に貼ったからだ。
確かに宣伝は大事だけど、勝手にやるのはな・・・
そうこうしているうちに教室にたどり着く。
こ「う〜ん、こう・・・かな?」
中ではことりちゃんが何かをやっていた。何かを書いているようだ。
永「ことりちゃん。何やっているの?」
こ「あ、永夢くん!今ね、ライブの衣装を考えてたんだ!」
永「へ〜。すごいね!」
こ「できた!ほら、見て!」
ことりちゃんが見せてきたノートには、アイドルらしい可愛い衣装が描かれていた。
穂「ことりちゃん凄いよ!可愛いよ!」
こ「ありがとう!!頑張って作るね!」
2人のやり取りを見ていると、僕の隣にきた海未ちゃんが浮かない顔をしていた。どうしたんだろう?
海「こ、ことり?」
こ「なぁ〜に〜?」
海「こ、このスーと伸びているのは?』
こ「足よ♪」
海「す、素足にこの短さですか?」
こ「だってアイドルだもん♪」
海未ちゃんの疑問にことりちゃんはさも当然のように答える。
すると海未ちゃんはしきりに自分の足を見てもじもじしていた。ど、どうしたんだ?
穂「大丈夫だよ!!」
海「ひゃあ!」
穂「海未ちゃん足綺麗だし!!」
あ、そういうことか!
海「穂乃果も人のこと言えるのですか!?」
海未ちゃんがそういうと、穂乃果ちゃんも自分の足を触って、
穂「よし、ダイエットだ!」
と宣言した。それにことりちゃんは苦笑いする。
永「大丈夫だと思うよ。3人とも可愛いし!」
僕がそういうと3人とも顔を赤くした。え?いきなりどうしたの?
永「と、とりあえず最初に決めなくちゃいけないことがあるでしょ?」
僕がそういうと穂乃果ちゃんが考える。すると、思いついたのか
穂「そうだ!サインとか街中での変装とか!」
永「違うよ。グループ名決めてないでしょ。」
僕がそういうと3人とも「あ〜」と言った。思いつかなかったのか。
・・・・・・・・・・・・・・・
その後、僕たちは図書室に行って考えたが出てきたのは3人の名前を合わせた漫才師のようなのとか兵隊のようなもので全く思いつかなかった。結果。
穂「これでよし!」
廊下に置いてある机の上に投票箱を置く。
永「結局全て丸投げかぁ。」
海「ですね・・・」
まぁ、これはこれでいいかもな。
・・・・・・・・・・・・・
次に、練習場所として空き教室を借りるために職員室に行く。
担任の先生に話すと、
「空き教室を?何のために?」
穂「えっと、スクールアイドルの練習に・・・」
穂乃果ちゃんが少し言いづらそうに説明すると、担任は穂乃果ちゃんたちを見て、
「お前らが・・・・アイドル・・・・・・・?」
と首を傾げたあとに、「ふっ」っと鼻で笑った。
穂「あぁ!?鼻で笑った!?」
これは無理だな。
・・・・・・・・・・・・
教室を借りれなかった僕たちは学校内を見て回った結果、屋上ですることになった。雨が降ったら使えないけど贅沢は言えないしね。
そして、穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃんが歌の練習のために一列に並ぶが・・・・・。
「「「・・・・・。」」」
永「・・・?」
こ「・・・歌は?」
海「私は知らないですよ?」
穂「・・・私も・・・。」
永「僕も・・・。」
曲がなかった。大丈夫かな、これから。
・・・・・・・・・・・・・
この日は学校では何もできないため、家に帰ることにしたのだが、
穂「私の家で作戦会議しよう!」
と穂乃果ちゃんが言ったため、僕は一旦家に帰ってから穂乃果ちゃんの家に向かう。ただ場所がわからないため、途中で部活帰りの海未ちゃんと合流して行くことにした。
公園で待っていると、
?「すいません。」
永「?」
声が聞こえた方向を向くとそこには僕と同じぐらいの男の子がいた。
?「最近引っ越してきたばかりで、まだ地形がわからないんです。道をお聞きしてもよろしいですか?」
永「あぁ、どこに行きたいんだ?」
僕が聞くとポケットからメモらしきものを取り出した。ただ、その時に水色のカセットらしきものが見えた。あれって・・・。
?「ここなんですが・・・?どうかしましたか?」
永「あ、ごめん。気にしないで。それで、どこに行きたいの?」
?「西木野総合病院です。」
永「病院だね。それなら・・・。」
僕が道筋を説明したあと、一つ気になったことを聞くことにした。
永「一つ気になったことがあるんだけど、聞いていい?」
?「?なんですか?」
永「もしかして、君転生者?」
?「!?」
永「さっきポケットからメモを取り出したときに目に入ったんだ。水色のゲームカセットみたいなのが。もしかしてそれってライダーガシャットじゃない?」
?「ど、どうしてその事を・・・?」
永「僕も転生者で仮面ライダーだから。」
?「!?そ、そうなのですか?」
永「あぁ。証拠にほら。」
そして僕はマイティアクションXのガシャットを見せる。すると相手も信用したのか、ポケットからガシャットを取り出す。
?「俺が持っているガシャットはこれです。」
彼が持っているガシャットには『タドルクエスト』と書かれていた。
永「僕の名前は宝生永夢。転生者同士、これからよろしくね。」
?「俺は鏡飛彩。こちらこそよろしくお願いします。」
この後、飛彩君は西木野総合病院に向かい、僕の方は海未ちゃんと合流して穂乃果ちゃんの家に向かう。
・・・・・・・・・・・
海「ここです。」
着いた場所は老舗『穂むら』。僕の家からもそう遠くない場所だった。
永「ここが穂乃果ちゃんの家なんだ。」
僕がそう呟くと海未ちゃんが入って行く。
海「お邪魔します。」
永「お邪魔します。」
「あら、いらっしゃい海未ちゃん。それと・・・後ろの子は?」
永「あ、自己紹介が遅れました。音ノ木坂学院に試験生として転入した宝生永夢です。」
「あぁ、あなたが。娘がお世話になってます。穂乃果の母です。」
お母さんか。ことりちゃんのお母さんといい、若すぎないか?
「そうだ、穂むまん食べる?この店の名物なの。」
永「あ、いただきます。」
僕はありがたくいただく。
「海未ちゃんはどう?」
海「いえ、私はいいです。ダイエットしますので。」
と、海未ちゃんは断る。
そして2階に上がり海未ちゃんが穂乃果ちゃんの部屋に入る。そこには、お菓子を食べている穂乃果ちゃんとことりちゃんの姿があった。・・・ダイエットは?
海未ちゃんも同じ事を思ったらしく、
海「あなたたち・・・ダイエットは?」
と聞く。2人は忘れてたらしく2人揃って「「ああぁぁ!!」」と言った。
大丈夫かな・・・?
なんにせよ作戦会議。
永「それでライブするはいいけど、曲や歌詞はどうするの?」
穂「それがね、音楽室に歌とピアノが上手な子がいたから作曲ができるか明日聞こうと思うの。」
永「それじゃあ、その子ができたら作曲は問題ないね。あとは歌詞だけど・・・」
穂「それがね、もし作曲してくれるっていたら歌詞の方も何とかなりそうだねって2人がくる前にことりちゃんと話してたの!ね、ことりちゃん!」
こ「うん!」
歌詞も何とかなる?もしかして、穂乃果ちゃんに詩人の知り合いが?
そう思っていると穂乃果ちゃんとことりちゃんの2人が海未ちゃんに詰め寄って行った。・・・まさか。
穂「海未ちゃんさぁ、中学の時ポエムとか描いてたよねぇー・・・?」
海「えぇっ・・・!?」
永「え、そうなの!?」
こ「読ませてもらった事も・・・あったよねー・・・?」
ことりちゃんがすごい笑顔で徐々に海未ちゃんを追い詰めて行く。
海「・・・・・・・・・っ!!」
穂「あ、逃げた!!」
穂乃果ちゃんとことりちゃんの口撃に耐えきれなくなったのか、海未ちゃんは無言で部屋から逃走する。
ただこのままだと話しが進まないのでドアのところで両腕を掴み捕まえる。
海「離してください、永夢!!」
永「だめだよ。話しが進まないし。」
そう言って海未ちゃんも部屋に連れ戻す。
・・・・・・・・・・
海「お断りします!!」
海未ちゃんを部屋に連れ戻したはいいが、歌詞を作る事を断る。まぁ気持ちはわからなくはないけど・・・。
穂「えーー!?何でーーー!!」
海「絶ッッッッッッッッたいいやです!!中学のときのだって恥ずかしくて思い出したくないのですよ!?」
穂「いいじゃんいいじゃん。アイドルの恥は掻き捨てって言うし。」
海「言・い・ま・せ・ん!!」
僕も聞いた事ないな・・・。
海「それなら穂乃果が作詞すればいいじゃないですか!?」
穂「あーー・・・。それはー・・・。」
?なんか歯切れ悪いな。何かあったのかな?
後日海未ちゃんから聞いたらどうやら小2の国語の授業参観のときに作文を作ったらしいんだけど、その作文の内容が、
穂「おまんじゅう、うぐいすだんご、もう飽きた。」
らしい・・・。
こんな事があったからか、
こ「無理だと・・・思わない?」
海「・・・・・」
海未ちゃんは黙ってしまう。
海「そ、それならことりが・・・!!」
こ「ごめんね、海未ちゃん。ことりはきっと衣装を作るので精一杯になると思うから・・・。」
海「そ、それでは永夢が・・・!!」
ここで海未ちゃんは僕の名前を出した。だけど・・・
永「ごめんね海未ちゃん。手伝う事はできるけど、一人で作るのは苦手で・・・。」
海「・・・・・・・・・・」
これで嫌が応でも海未ちゃんが作詞を担当するしかなくなった。
穂「お願い!海未ちゃんしか頼れる人がいないの!!」
こ「ことりも時間があるときは手伝うから!!」
永「僕もできる限りは手伝うよ!」
海「うううぅぅぅ・・・!!」
これでも海未ちゃんはまだ渋る。
すると、いきなりことりちゃんが着ていた制服のブレザーを脱いでから目に涙を貯め、頰を少しだけ赤くする。そして握られた小さな右手をその膨よかな胸に持っていく。
な、なにをする気だ・・・?
こ「海未ちゃん・・・・・、おねがぁいっ!!」
海「んなぁっ!!・・・もう、ことりはずるいです。」
何と海未ちゃんが頷いた!でも、確かに今の頷くしかない!!僕も頷くだろう。
海「但し、練習メニューは私が作らせていただきます!」
そう言った海未ちゃんは僕たちにノートパソコンの画面を見せる。
そこにはA-RISEの動画が写っていた。
海「見てください。楽しく踊っているようでも、かなりの体力を使います。穂乃果、ちょっと笑顔で腕立て伏せをしてください。」
そう言われて、穂乃果ちゃんはやるが、次第に笑顔が歪んでいく。最終的には床に顔からダイブする。うわ・・・痛そう・・・。
海「これから穂乃果とことりには何曲も笑顔で歌って踊れる体力をつけてもらいます。いいですね!?」
こうして作戦会議は終わった。