永夢side
翌日、僕たちは近くの神社、神田明神に集まって朝練をしている。
僕がストップウォッチを持ってタイムを測定、海未ちゃん、ことりちゃん、穂乃果ちゃんの3人が走っているのだが・・・
海未ちゃんは部活もしているためか体力があるけど、他の2人は全くと言っていいほどない。
神田明神の高く長い男坂を走り終えて、穂乃果ちゃんは大の字に寝転び、
穂「はぁーはぁー、も、もう、ダメ・・・」
といい、ことりちゃんはお尻をついて、
こ「私も、・・・もう・・・無理・・・」
と弱音を吐いている。
だけどそこに海未ちゃんは容赦無く、
海「何言ってるんですか!?これを朝と放課後にやります!!さらに、ここで歌と踊りの練習の他にも、2人の基礎体力をつけるための練習をしてもらいます!!分かったら、もう1セットです!!」
穂「はぁ〜い。」
穂乃果ちゃんとことりちゃんの2人はだいぶ辛そうにしているが、海未ちゃんはもう1セット走ると言い出す。
僕はとりあえず3人に水筒を渡す。
永「とりあえず水分補給をしなよ。こまめに補給しないと危ないよ?」
穂「ありがとう!!永夢君!」
こ「永夢君、ありがとう!!」
海「ありがとうございます、永夢。」
と、そこに
「君達。」
と誰かに呼ばれた。
振り返ると、そこには副会長がいた。
巫女服を着て。
何故?
同じことを思ったのかみんなも、
こ「副会長さん?」
穂「その格好は?」
と聞く。その質問に副会長は答える。
希「ここでバイトさせて貰っとるんよ。神社は色んな気が集まるスピリチュアルな場所やからね。それに、ここの坂を使わせて貰っとるんやから、お参りぐらいしとかんとね。」
副会長の言葉を聞き、僕たちはお参りをする。
穂(初ライブが成功しますように)
海・こ・永(しますように)
その光景を見た副会長は、
希「あの子達、本気みたいやね。」
と静かに呟いた。
・・・・・・・・・・・・
「お断りします!!」
さて、今現在僕達がいるのは学校の屋上。
あの後、朝練を終えた僕達は学校に行った。
その後、1年生の教室に行き、穂乃果ちゃんが言っていたピアノができる子を探したのだが見つからず、帰ろうとしたところでちょうどその子が入って来たため、屋上に連れていき作曲を頼んだのだが・・・
穂「お願い!!あなたしかいないの!」
「お断りします!!」
結果はこの通り、頑なに断り続けている。
永「もしかして歌うだけで、作曲はできないとか?」
「なっ!?そ、そんな訳ないでしょ!!」
僕が少し煽ると見事に反応した。
みた感じツンデレみたいだからね。この方法が一番効果的だ。
「ただ・・・やりたくないだけなんです・・・」
穂「どうして!?学校に生徒を集めるためだよ!?その歌で生徒が集まれば・・・」
「興味ないです!!」
彼女はそういうと屋上を出て行った。
・・・名前聞くの忘れてたな。
穂「お断りしますって、海未ちゃんみたい・・・」
海「あれが普通の反応です。」
確かにね。でも、あそこまで頑なに断るなんて。何かあるのかな?
穂「あ〜あ・・・せっかく海未ちゃんがいい歌詞作って来てくれたのに・・・」
海「ちょっ!?なんで持っているのですか!?返してください!?」
穂「えぇ〜!?なんで!?どのみち歌って知られるんだからいいじゃん!!」
永「ていうかもうできたの!?早くない!?」
なんと海未ちゃんが作詞担当に決まったその日の内に完成したらしい。
す、すごい。
そう思っていると屋上のドアが開き、生徒会長が来た。
絵「ちょっと、いいかしら?」
・・・・・・・・・・・・・
今、穂乃果ちゃんは自分の席で考え込んでいる。
多分、さっき生徒会長の言葉を気にしているのだろう。
会長は『スクールアイドルが今までなかったこの学校でやってみたけどやっぱりダメでしたとなったら、みんなどう思うかしら?」と行って来た。
会長も本気でこの学校をどうにかしたいと思っているのだと思う。
だからこそ、僕達に簡単に考えて欲しくないのだろう。
穂「やっぱり、甘かったのかな・・・」
海「やっと気付いたのですか?」
穂「でもふざけてやろうって言った訳じゃないよ?海未ちゃんの練習メニュ=全部こなしているし、おかげで足は筋肉痛だけど・・・」
海「確かに頑張ってはいますけど、生徒会長の言葉はちゃんと受け取らないと。」
海未ちゃんの言う通り、確かに穂乃果ちゃんは頑張っている。
けど、生徒会長が言いたいことも分かる。
どうすればいいのか分からないまま、学校のチャイムが鳴った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
穂「あったよー!!1枚!!」
あれから時間が経ち、今は放課後。
設置したグループ名投票箱の中を確認しに行った穂乃果ちゃんが戻って来た。
どうやら1枚入っていたらしい。
海「なんと書かれているのですか?」
穂「えっとね〜、・・・何これ?・・・ユーズ?」
紙にはμ'sと書かれていた。
だけど穂乃果ちゃんは読めないみたいだ。
海「おそらく、ミューズかと。」
穂「あぁ・・・石鹸の?」
海「違います!!」
穂乃果ちゃんが言った言葉を、海未ちゃんは即座に否定する。
永「多分、神話の女神からつけたんだろうね。」
穂「へぇ〜・・・・・」
こ「いいと思う!私は好きだな!!」
穂「よ〜し、私達は今日からμ'sだー!!」
こうしてグループ名が決まった。
・・・・・・・・・・・
その後、僕と穂乃果ちゃんはもう一度作曲を頼むために1年生教室に来ていたのだが・・・
すでに放課後だからか教室には誰もいなかった。
穂「あぁ〜、誰もいないね。」
永「一足遅かったね。」
すると、僕達の後ろから「にゃん?」と声がした。
振り返ると、そこにはオレンジ色の短髪の少女と眼鏡をかけた少女がいた。
穂「ねぇ、あの娘知らない?」
「あの娘?」
するとオレンジ色の髪の少女の後ろにいた眼鏡の少女が
「西木野さんのことですよね?歌の上手い。」
へぇ〜、彼女、西木野さんっていうんだ。
穂「もう流石に帰っちゃったかな?」
と、穂乃果ちゃんが問いかけると今度はオレンジの髪の少女が
「音楽室じゃないですか?」
と答える。
「あの娘、あまり他の子と喋らないから。」
成る程・・・。
永「ありがとうね2人共。行ってみるよ。」
と僕は2人にお礼を言ってここから立ち去ろうとすると、眼鏡の少女が
「あ、あの・・・アイドル、頑張ってください・・・・。」
と小声で言ってきた。
穂「うん!!ありがとう!!」
穂乃果ちゃんもお礼をして、今度こそ立ち去る。
・・・・・・・・・・・・・
あの後、僕達は音楽室に向かった。
近いていくとだんだん歌声が聞こえてきた。
どうやらビンゴらしい。
音楽室についてドアから中を覗くと彼女、西木野さんがピアノを弾きながら歌っていた。
その歌声はとても綺麗だった。
歌い終わったのか、西木野さんがピアノを弾くのをやめたとき、隣にいた穂乃果ちゃんは拍手をする。
西木野さんは驚いたのか「ゔぇぇええええ!?」と驚いた。
・・・なに、今の驚き方。
・・・・・・・・・・・・・・
「何の用ですか?」
穂「やっぱりもう一回頼もうと思って。」
「しつこいですね!!」
穂「あはは、よく海未ちゃんにもそう言われて怒られるんだー。」
と、穂乃果ちゃんは苦笑いをする。
「私、ああ言うアイドルみたいな曲、一切聴かないから。聴くのはクラシックとかジャズとか。」
穂「へぇ〜、どうして?」
「軽いからよ!!なんか薄っぺらくて・・・遊びみたいで・・・。」
それを聞いた穂乃果ちゃんは、
穂「私も最初はそう思ってたんだ〜。」
と西木野さんに言った。そして、スクールアイドルは祭りみたいにパーっと盛り上がって楽しく歌ってれば良いかな、と自分も思っていたと伝えた。
穂「でもね、結構大変なの。ねぇ、腕立て伏せできる?」
「はぁ!?」
唐突に言われ、西木野さんは声を上げるが、
穂「あっ、できないんだ〜。」
と煽る。
ニヤケ顔で言われたためか、イラついた西木野さんは、
「それくらいできるわよ!!」
と言って上着を脱ぎ、腕立てをする。
「1、2、・・・どう!?これでいいでしょ!?」
その様子を見た穂乃果ちゃんは、
穂「おぉ〜すごい!私よりもできる!!」
と感心の声を上げる。
それを聞いた西木野さんは、
「当然でしょ!?これでも私は・・・」
と、自慢げな顔をするも、
穂「ねぇ、それで笑ってみて?」
「えっ?何で?」
と聞いてきた。
しかし、それを聞いた穂乃果ちゃんは、
穂「良いから!」
と言い西木野さんは笑顔でやり始める。が、次第にその笑顔は崩れていく。
穂「ね?大変でしょ?」
「何のことよ!?」
成る程・・・、アイドルの大変さを身をもって教えたのか。
穂乃果ちゃんは海未ちゃんが作った歌詞カードを西木野さんに渡す。
穂「はいこれ。一度読んでみてよ?」
「だから私は・・・!」
穂「読むだけなら良いでしょ?今度また聞きにくるから!その時ダメって言われたらスッパリ諦める!!」
それを聞いた西木野さんは、
「・・・・・答えが変わることはないと思いますけど・・・。」
と言って歌詞カードを受け取ってくれた。
それを聞いた穂乃果ちゃんは、
穂「だったらそれでもいい!そしたらまた歌を聴かせてよ!」
と言った。
西木野さんは驚いたのか「えっ?」と声を上げる。
穂「私、西木野さんの歌大好きなんだ!!」
永「確かにすごく綺麗な歌声だったしね。僕もまた聴きたいよ。」
穂「だよね!」
そして僕達は、朝と夕方に神田明神で練習しているからよかった来て欲しいと伝えて音楽室を立ち去る。
・・・・・・・・・・・・・
音楽室を立ち去った後、僕達は海未ちゃんとことりちゃんと合流して神田明神にいき、練習をする。
朝と同じように、海未ちゃん達が走り、僕はタイムを測定する。
1セット目が終わり3人が休んでいると、下から「きゃあああああ!!」と叫び声が聞こえて来た。
僕はみんなにここにいるように伝えて様子を見に行く。
そこにいたのは・・・
西木野さんと彼女の胸を揉んでいる副会長だった。
・・・・・どういう状況?
希「まだ発展途上ってところやな。」
永「いや何やっているんですか?」
思わずツッコム。
「ほ・・・ほんとに、なにすんのよ!?」
西木野さんは自分の胸を押さえながら副会長にいう。
だが、副会長はそれを軽くスルーし、
希「けど大丈夫。望みは捨てなくてもええよ。大きくなる可能性はある。」
とか言っている。
「何のことよ!!」
希「恥ずかしいんなら、こっそりという手もあると思うんよ。」
「だから、何の・・・」
希「わかるやろ。」
副会長はそう言って階段を登って行く。
・・・本当に何だったんだ?
永夢side out
・・・・・・・・・・・
西木野真姫side
私は神田明神で先輩達の練習風景を見た後、家に帰った。
正直、私は迷っている。
先輩達に頼まれた作曲をどうするか。
私はなかなか答えを出せず、ベットに寝っ転がる。
?「真姫?どうかしたか?」
ちょうどその時、私の部屋のドアをノックする音が聞こえ、同時にある人の声も聞こえる。
真「飛彩。・・・うん、ちょっとね。」
私はドアを開ける。そこにいたのは鏡飛彩。先週からこの家に居候している同い年の少年。
飛「何か迷っている顔をしているな。俺でよければ相談に乗るぞ?」
飛彩は私にそう言って来た。私は少し迷ったのち、相談することにした。
通っている学校が廃校になること。その廃校阻止のために2年の先輩がスクールアイドルを結成したこと。そして私に作曲を頼んで来たこと。
真「ねぇ飛彩。私はどうすればいいと思う?」
私がそう聞くと、飛彩は少し考え、
飛「それは真姫がやりたいと思うのであれば、やった方がいいだろう。逆にやりたくないと思っているのであればやらない方がいい。それは頑張っているその先輩達に対して失礼だからな。やるか、やらないか。重要なのは真姫自身の気持ちだ。」
飛彩は私にそう言って来た。私自身の気持ち・・・
私はしばらく考えていると、
飛「まぁ、何にせよ、真姫がやりたいのであれば、俺はそれを応援する。それだけだ。」
と言ってくれた。
私は考え、作るか、作らないか、とうとう決めた。
真「ありがとう、飛彩。おかげで答えを出せたわ。」
飛「役に立ったようで何よりだ。それにしても真姫にお礼を言われるとはな。」
真「ゔえええ!?と、当然でしょ!?私だってお礼ぐらいするわよ!!」
私はそう言ってしばらく沈黙が訪れるが、すぐにお互い笑ってしまった。
飛・真「「ははははっ!!」」
真姫side out
・・・・・・・・・・・
穂乃果side
翌日、私は朝練に向かおうと朝早くに起きて家を出る。
そこに、2階にいる、妹の雪穂から、
雪「お姉ちゃ〜ん!これ〜!」
と呼びかけて来た。
穂「なにそれ〜?」
雪「分かんないけど、ポストに入ってたの〜!なんか、μ'sって書いてあるけど?」
それを聞いて私はすぐにそれを受けとった。
それは1枚のCDだった。
穂「これって・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
穂「じゃあ、かけるよ!」
海「はい!」
こ「うん!」
今は屋上で差出人不明のCDをかけている。
そして聴こえてきたのは、海未ちゃんが書いた歌詞に合わせて流れてくる曲と歌声だった!
穂「これ・・・もしかして・・・」
私の隣にいる海未ちゃんとことりちゃんもその歌を聴いて、
こ「私たちの・・・」
海「私たちの曲・・!」
私はこの曲を聴いて、勢いよく立ち上がる。
穂「よし、さっそく練習しよう!!」
海・こ「「うん!!(はい!!)」」
穂乃果side out