永夢side
朝、僕らはいつも通りに神田明神で練習をしている。
今は階段ダッシュだ。
僕はタイムを測定しながら、転生してからの日々を思い出す。
転生してからだいぶ時間が経ったけど、今のところ倒したバグスターは1体。
基本、平和な日々だ。
あの戦い以降、ゲーム病の反応もなし。
対々、戦いの事を忘れてしまいそうだ。
でも、やっぱり平和が一番だね。
そんなことを考えていると階段ダッシュを終えたみたいで、3人共帰ってきた。
僕はいつも通りに水筒とタオルを渡す。
永「お疲れ様。みんな。」
穂「ありがと〜!」
海「いつもありがとうございます。」
穂「それにしても疲れた〜。やっと終わった〜。」
海「まだ放課後の練習がありますよ?」
こ「でも、随分とできるようになったね♪」
ことりちゃんの言う通り、確かに最初の頃に比べてだいぶできるようになっている。
海「2人がここまで真面目にやるとは思いませんでした。」
永「まぁ、聞いてた限り、よく寝坊するかと思ったけどね。」
穂「大丈夫!!その分授業中にぐっすり寝てるから!!」
永「いや、それじゃあダメじゃん!!」
それじゃあ本末転倒だよ。
そんな会話をしていると、階段の方に西木野さんの姿が見えた。
見られた事に気付いたためか、急いでこの場を離れようとする。
だけど、穂乃果ちゃんの方も気づいたようで、離れようとしている西木野さんに声をかける。
穂「おーい、西木野さ〜ん!真姫ちゃ〜ん!!」
と、大声で。
その声に反応した西木野さんは、早足でこちらに来る。
真「大声で呼ばないで!!」
と穂乃果ちゃんに怒る。
それを聞いた穂乃果ちゃんは、
穂「ん?どうして?」
と聞く。
真「恥ずかしいからよ!!」
ま、そうだよね。
誰だって大声で名前言われたら恥ずかしいよね。
けど、穂乃果ちゃんはそんな西木野さんをスルーし、
穂「そうだ!!あの曲・・・」
真「!?」
穂「3人で歌ってみたから、聴いてみて!」
と言ってイヤホン付きの音楽プレーヤーを取り出し、西木野さんに渡す。
それに対し、西木野さんは、
真「はぁ〜?なんで?」
と聞いてくる。
穂「だって・・・真姫ちゃんが作ってくれた曲でしょ?」
真「!?」
どうやら図星のようだね。
まぁ、どう考えても西木野さんしかいないんだけどね。
真「だ、だから私じゃないって何度も・・・!」
海「まだ言っているのですか?」
否定しようとしたところを海未ちゃんに遮られる。
そしたら突然、穂乃果ちゃんが「クカカカカ・・・」と言い出し、次の瞬間に、
穂「ガオーーーーーーー!!」
と叫びながら西木野さんに抱きつく。
・・・・・はたから見たらただの危ない人だよね、これ。
さらに穂乃果ちゃんは西木野さんの耳に顔を近づける。
それもあって西木野さんは恐怖する。
真「はぁ・・!?何やってんの!?」
穂「うっひっひっひっひっひ・・・・・・」
そんな西木野さんに穂乃果ちゃんは悪い笑顔で笑う。
真「い、イヤァァァァァァァ!!」
とうとう叫ぶ西木野さんだが、次の瞬間に耳にイヤホンをつけられ、「えっ!?」と呆気にとられる。
穂「よぉし、作戦成功!」
真「!?」
穂「結構上手く歌えたと思うんだ〜。いくよ〜。」
海「μ’s・・・」
こ「ミュージック・・・」
「「「スタート!!」」」
・・・・・・・・・・・・
朝練が終わり、僕達は学校に登校する。
穂「ふぁぁぁぁ〜〜・・・」
海「寝る気満々ですね。」
穂乃果ちゃんはだいぶ眠そうだ。
すると、後ろから「ねぇ、あの子達じゃないという声がする。
後ろを見ると、そこには先輩2人がいた。
「あなた達って、もしかしてスクールアイドルやってるっていう・・・」
そう質問される。
それに対し、ことりちゃんが質問に答える。
こ「あっ・・・・はい!μ’sっていうグループです!!」
「μ’s・・・?あぁ・・石鹸?」
海「違います!」
海未ちゃんが即座に否定する。
「そうそう、うちの妹がネットであなた達の事を見かけたって・・・」
穂「ほんとですか?」
「明日、ライブやるんでしょ?」
こ「はい!放課後に!!」
「どんな風に踊るの?ちょっとここで踊ってよ!」
こ「えっ・・!?ここでですか!?」
ことりちゃんは戸惑う。
それもそのはず。この場所は校門。
生徒もたくさんいる。
どうするか考えていると、
穂「うふふふ、いいでしょう。明日のライブにもし来てくれるのなら、少しだけ見せちゃいます。」
「本当!?」
穂「さらに、お友達を連れて来てくれるのであれば、さらにもう少し・・・!」
「行く行く!」
穂「やった〜!!」
宣伝に成功し、飛び跳ねる穂乃果ちゃん。
まさか上手くいくとは。
穂「それでは、頭の部分を少しだけ・・・」
「あれ?もう1人の子は?」
穂乃果ちゃんがダンスの頭の部分をやろうとした時に、先輩にそう言われる。
周りを見渡すと、海未ちゃんがいなくなっていた。
・・・・どこ行った?
穂「・・・ふぇ?」
・・・・・・・・・・・・・・
海未ちゃんを探し始めて数分、屋上で発見した。
海未ちゃんは体育座りをしていた。
海「無理です・・・」
弱々しい声でそういう海未ちゃん。
海未ちゃんはかなりの恥ずかしがりだからね。
穂「えぇ〜〜、どうして!?海未ちゃんならできるよ〜!!」
海「できます・・・」
穂・永「「えっ?」」
海未ちゃんの予想外の言葉に僕と穂乃果ちゃんの声がハモる。
海「歌もダンスもこれだけ練習してきましたし・・・・。でも、人前で歌うのを想像すると・・・・」
こ「緊張しちゃう?」
海「・・・・・・・」(コクッ)
無言で頷く海未ちゃん。
成る程、そういう事か。
永「でも、人前で歌わないと意味がないよ?」
海「分かっています。ですが・・・・・」
穂「そうだ!!そういう時はお客さんを野菜だと思えって、お母さん言ってた!!」
海「・・・・野菜?」
穂乃果ちゃんにそう言われ、想像する海未ちゃん。
<想像中>
大量の大きめの野菜に囲まれながら、ステージに立つ。
海「みんな〜、いっくよ〜!!」
『わあああああああ!』
<想像終了>
海「私1人に歌えと!?」
穂「えっ!?」
永「一体何を想像したの?」
意味不明な事を言う海未ちゃん。
ほんとに何を想像したんだ?
穂「はぁ〜、困ったな〜。」
こ「でも、海未ちゃんが辛いんだったら、何か考えないと。」
海「ひっ、人前じゃなければ大丈夫なんです!!人前じゃなければ・・・」
永「だからそれじゃあ意味ないって。」
すると、穂乃果ちゃんが急に海未ちゃんの手を掴み立ち上がらせる。
穂「いろいろ考えるより、慣れた方が早いよ!!」
穂乃果ちゃんに何か案があるみたいだ。
ここは穂乃果ちゃんに任せよう。
・・・・・・・・・・・・・・
場所は変わって秋葉原。
放課後、僕達は穂乃果ちゃんについて行ってここに来た。
どうやら、ここでライブの宣伝のためにチラシを配ろうと言う事だ。
それと同時に海未ちゃんにも慣れてもらおうという算段だ。
確かに、これなら海未ちゃんの練習にもなるし、ライブの宣伝もできて一石二鳥だ。
そして僕達はチラシを配り始める。
永「お願いしまーす!!」
穂「ライブやりまーす!お願いしまーす!!」
こ「よろしくお願いしまーす!!」
僕と穂乃果ちゃん、ことりちゃんの3人は通行人に声をかけながらチラシを配る。
ふと横目で海未ちゃんを見ると、目をつぶって「お客さんは野菜、お客さんは野菜・・・!」とつぶやいている。
大丈夫かなと心配していると「永夢?」と声をかけられる。
声がした方を見ると、そこには明日那さんがいた。
永「明日那さん!?どうしてここに?」
明「ちょっとね。街をいろいろと見て周りたくて。」
永「ふ〜ん。」
僕が明日那さんと話していると、
穂「永夢君、その人は?」
穂乃果ちゃんが話しかけてくる。
そっちの方を向くと、穂乃果ちゃんとことりちゃんがこっちを見ていた。
そういえば2人は会った事なかったね。
永「彼女は仮野明日那さん。訳あって同じ家に住んでいる僕の姉さんみたいな存在の人なんだ。」
明「初めまして。仮野明日那です。」
穂「初めまして!私は高坂穂乃果です!!」
こ「初めまして。私は南ことりです!」
お互いの自己紹介が終わったあとに明日那さんが僕らに聞いてくる。
明「みんなは、ここで何をやっているの?」
永「明日、学校でライブやる事はもう知っていますよね?」
明「うん。それは前に永夢から聞いたよ。」
穂「それでライブの宣伝をしているんです!」
明「へぇ〜頑張ってるね!私も明日いけるかな?」
こ「はい!!入校許可をもらえれば!!」
永「入校許可に関しては、僕達でどうにかするから。明日、ぜひ来てみて!」
明「本当!?それじゃあ明日はライブを見に行こうかな。ところで・・・」
永・穂・こ「「「?」」」
明「一つ気になったんだけど、あれって・・・」
明日那さんが指さす方向では海未ちゃんが無言でガチャガチャを回していた。
海「・・・あ、レアなのでたみたいです。」
穂「ちょっと、海未ちゃん!?」
それを見て僕は思わずため息をついてしまった。
・・・・・大丈夫かな、これ。
・・・・・・・・・・・・
場所は変わり学校の校門前。
明日那さんと別れた僕達は、海未ちゃんでもよく知っている場所に移動した。
理由としては、よく知っている場所なら海未ちゃんでも大丈夫だろうと考えたからだ。
そして再びチラシを配り始める。
永「お願いしまーす。」
穂「ライブやりまーす!」
こ「よろしくお願いしまーす!!」
海「えっと、よ、よろしくお願いします!」
目の前に1人通りかかった時に、海未ちゃんは勇気を出してチラシを出したが、「ふん。」と言われる。
穂「海未ちゃん、ダメだよそんなんじゃ!!」
海「穂乃果はいいですよ。店の手伝いで慣れてると思いますし。でも私は・・・」
永「ことりちゃんだってちゃんとやってるよ?海未ちゃんも頑張らなきゃ。」
穂「そうだよ海未ちゃん!それ、全て配り終えるまでやめちゃダメだからね!!」
海「そんな!無理ですよ!!」
穂乃果ちゃんに言われて海未ちゃんは反論する。
しかし、
穂「ねぇ海未ちゃん、私が階段5往復できないって言った時、なんて言ったか覚えてる?」
海「えっ!?」
穂「確か、『やるからにはちゃんとしたライブをやります』だったよね?」
海「っ!?」
そう。以前海未ちゃんの練習メニューを見た時、穂乃果ちゃんが「無理だよ!」と言った時、海未ちゃんはそう言って練習を始めた。
まさか自分が言った事を言われるなんて思ってなかったらしく、海未ちゃんは焦る。
海「わ、わかりました!やります!!μ’sライブやりまーす!お願いしまーす!!」
覚悟を決めたらしく、さっきよりも大きな声でチラシを配り始める海未ちゃん。
するとそこに、
「あ、あのぉ・・」
永「ん?・・・・あ、君はあの時の。」
「は、はい。小泉花陽です・・・。」
以前、1年生教室の前で出会った少女がいた。
永「どうかしたの?小泉さん。」
「ライブ、見に行きます。」
穂「本当!?」
こ「来てくれるの!?」
小泉さんの言葉に、穂乃果ちゃんとことりちゃんが反応して喜ぶ。
海「では、1枚2枚と言わず、これ全部・・!」
穂・永「「海未ちゃん?」」
どさくさに紛れてチラシを全て渡そうとする海未ちゃんに、穂乃果ちゃんと2人で注意する。
・・・・・・・・・・・・・・・
その後、明日のライブについて話し合いをするために穂乃果ちゃんの家に集合する。
ちなみにことりちゃんは衣装を取りに行っていていない。
今はA-RISEの動画を見ている。
穂「やっぱり、動きのキレが違うね。」
そう言って立ち上がると、
穂「こう・・?こう?」
と言いながら色々なポーズをとる。
そんな事をしていると急にパソコンの画面に変化が起こる。
その変化に穂乃果ちゃんが気づく。
穂「あっ!!」
海「ど、どうしました!?」
穂「ランクが上がってる!!」
永「きっとチラシを見てくれた人が投票してくれたんだよ。」
海「嬉しいものですね!」
こ「お待たせ〜」
ちょうどその時、ことりちゃんが部屋に入ってくる。
穂「あ、ことりちゃん!見て見て!!」
こ「わっ!!すごい!!」
永「ことりちゃん、それ衣装?」
こ「うん♪さっきお店で最後の仕上げをしてもらったの♪」
そう言って持って来た袋から衣装を取り出す。
こ「じゃあ〜ん♪」
穂「わ〜・・」
永「すごい・・」
海「なっ・・・」
ことりちゃんが見せて来た衣装は、十分アイドルとして可愛らしい桃色のミニスカートの衣装だった。
穂「可愛い!!本物のアイドルみたい!!」
永「ことりちゃんすごいよ!!」
こ「えへへ〜♪ありがと〜♪」
穂乃果ちゃんは手を上にあげて喜び、僕は驚きの声をあげる。
だけど、衣装を海未ちゃんは口を開けっぱなしにしている。
永「海未ちゃん、どうかした?」
僕が海未ちゃんに聞くと、海未ちゃんはことりちゃんに聞く。
海「ことり。」
こ「なぁ〜に?」
海「その、スカート丈は?」
こ「え?・・・・あっ・・・」
あっ・・・そっか、思い出した。
あれは衣装を決める時、
海『いいですか!?スカート丈は最低でも膝下でなければ履きませんよ!?いいですね!?』
こ「は、はいいぃぃぃぃぃぃぃ・・!!』
と、鬼のような顔でことりちゃんに迫っていた。
そして、今現在も・・・
海「言ったはずです・・!最低でもスカート丈は膝下でなければ履かないと・・!!」
こ「ひいいぃぃぃぃ・・・」
目の前の光景はあの時とデジャブっていた。
穂「だ、だってしょうがないよ・・。アイドルだもん・・・。」
海「アイドルだからといって、スカートは短くないといけない決まりはないはずです!!」
あまりにも海未ちゃんが穂乃果ちゃんとことりちゃんを責めるため、僕は海未ちゃんを落ち着かせようと声をかける。
永「まぁまぁ海未ちゃん。落ち着いt「永夢は黙っていてください!!」・・・はい。」
こ、怖い。おもわず黙ってしまった。
でも、今の海未ちゃんには逆らってはいけない気がする・・!
穂「それは、そうだけど・・・」
こ「今から直すのは、さすがに・・・」
永「そ、そうだよ海未ちゃん。」
僕たちで海未ちゃんを説得すると、海未ちゃんは立ち上がり、
海「そういう手は卑怯です!!でしたら、私は一人だけ制服で歌わせてもらいます!!」
永「それはそれで恥ずかしくない・・?」
一人だけ制服は、正直浮くよ?
こ「えぇ!?」
穂「そんな!?」
海「そもそも3人が悪いんです!!私に黙って結託するなんて・・・!!」
永「いや、衣装に関してはほとんど関わっていないんだけど・・・」
穂「だって・・・成功させたいんだもん!!」
あ、スルーされた。
穂「歌を作って、ステップを覚えて、衣装も揃えて、ここまで頑張って来たんだもん・・・」
穂乃果ちゃんは思っている事を次々と口にしていく。
穂「4人でやってよかったって、頑張って来てよかったって、そう思いたいの!」
穂乃果ちゃん・・・そんな事を思ってやってたんだ・・・・。
すると、何を思ったのか、穂乃果ちゃんは急に立ち上がり、窓を開けると、
穂「思いたいのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
と叫ぶ。
海「何をしているのですか!?」
永「近所迷惑だよ。」
こ「それは私も同じかな・・」
海・永「「えっ?」」
ことりちゃんが穂乃果ちゃんの意見に同意する。
こ「私も4人でライブを成功させたい!!」
海「ことり・・・」
永「海未ちゃん。2人はそれだけ本気なんだよ。僕達4人でライブを成功させる。今日までそれを目標に頑張って来たんだ。その中で、1人だけでも違うことをしてしまえば、その目標は一生達成しなくなってしまう。それは、僕もいやだな。最後までみんなで一緒に頑張っていこう?」
僕は自分の気持ちを正直に、包み隠さず海未ちゃんに伝える。
海「永夢。・・・・はぁ、わかりました。」
僕の気持ちを聞いた海未ちゃんは一度ため息をつき、了承を声を上げる。
それを聞いた穂乃果ちゃんは満面の笑みを浮かべ、
穂「海未ちゃん・・・・!だぁい好きぃぃぃぃぃ!!」
海「ひゃあ!?」
と海未ちゃんに抱きつく。
その光景を見た僕とことりちゃんは顔を見合わせて笑う。
・・・・・・・・
今僕たちは神田明神に来ている。
目的は練習・・・ではなく神頼みだ。
穂「どうかライブが成功しますように!いや大成功しますように!!」
海「緊張しませんように。」
こ「みんなが楽しめますように。」
永「少なからずライブを見に来てくれる人がいますように。」
穂「よろしくお願いしまーーーす!!」
・・・・・・・・・・
絵「以上で新入生歓迎会を終わります。各部活とも体験入部を行なっているので興味があればどんどん覗いてみてください。」
翌日、新入生歓迎会が終わり、僕たちはライブのチラシを配る。
だが、昨日に比べて確実に受け取ってくれる人は少なくなっている。
他の部活も勧誘をし出している。
穂「むむむ・・・他の部活に負けてられないよ!!」
永「そうだね。」
僕は穂乃果ちゃんに返事をした後、海未ちゃんの方をみる。
今現在、海未ちゃんは講堂の入り口前で堂々とチラシを配っている。
海「お願いしまーす!午後4時からでーす!お願いしまーす!」
昨日とはまるで別人のようだ。
ちょうどその時、チャイムがなる。
『2年生の宝生永夢さん。至急、理事長室にお越しください。繰り返します。2年生の宝生永夢さん。至急、理事長室にお越しください。』
永「?何だろう?ごめん、ちょっと行ってくるね。」
海「理事長からの呼び出しですしね。こっちは私達でやっておきますから、急いで行って来てください。」
永「ごめんね。ライブには間に合わせるから!!」
僕は海未ちゃん達にそう行って、急いで理事長室に向かう。
・・・・・・・・・・
永「失礼します。」
僕は理事長室のドアをノックする。
ここに来るのは転入初日以来だね。
『どうぞ』
中から理事長の声がし、僕は扉を開けて中に入る。
「久しぶりね。学校生活の調子はどう?」
永「大丈夫ですよ。だいぶ慣れましたし。」
「そう。よかったわ。」
永「それで、ご用件は?」
「その用件をいう前に、あなたに紹介したい人がいるの。入って来て。」
理事長がそう言うと、部屋のドアが開き、外から1人の少年が入って来る。
・・・・って、この人!
永「飛彩君!?」
飛「永夢さん!?」
入って来たのは何と、以前町で出会った鏡飛彩君だった!
「あら?あなた達、知り合いだった?」
永「あ、はい!以前町で・・・」
「ふふ、ならよかった。」
永「?」
「実はね、彼は明日からこの学校に通う2人目の試験生でね、同じ男子生徒同士、仲良くしてもらいたいの。」
永「そうだったんですか。」
明日からこの学校に通い始めるのか。
やった!2人目の男子生徒だ!
「それであなたを呼んだ理由はね、これからこの学校の内部を案内してもらいたいのよ。もちろん、できる範囲でいいわ。今日があなたにとって大事な日であることを知っているから。ライブ開始時間になれば、そっちに行ってもいいわ。」
永「わかりました。できる範囲でいいのなら、お引き受けいたします。」
「お願いね。」
そうして、僕と飛彩君は理事長室から出る。
永「まさか、ここでまた会うことになるとはね。」
飛「それはこっちも予想外でした。俺の他にも試験生がいる事は聞いてましたが、まさか永夢さんだったとは。」
永「ははっ。」
僕達は歩きながら会話をする。
教室や音楽室、生徒会室などに案内し、今は中庭に移動している。
ちょっと周りからの視線が気になるが・・・
飛「そういえば、一つ気になったのですが、さっき理事長が言っていたライブって・・・?」
永「あぁ、実はね、僕のクラスメートの3人が廃校阻止のためにスクールアイドルを始めてね、僕はそれに協力しているんだ。そして今日はそのファーストライブ。時間帯的には、あと10分ぐらいだね。」
飛「そうなんですか。それなら、行きませんか?」
と僕に聞いて来る。
永「えっ?いいの?」
飛「はい。正直、俺も気になるんです。」
永「それなら行こうか。講堂でやる予定だからそこに向かおう。」
そう言って僕が立ち上がったその時・・・!
『stage select』
永・飛「「!?」」
という音声と共に僕たちの場所は別の場所に移動する。
飛「こ、ここは・・・・?」
永「今の音声・・・・まさか!?」
その場所で周りを見渡す飛彩君。
だけど、僕には今聞こえた音声から何が起こったのかが分かり、奥の方を見る。
僕が見た方向からは、白い体で黒い顔をし、腰に紫色のガシャットが刺さっているゲーマドライバーを巻いたゆるキャラのような存在がこちらに向かってあるいて来ていた。
飛「お前は何者だ!」
飛彩君はその存在に僕も思った疑問を問いかける。
しかし、相手は無言でゆっくりとドライバーのレバーを開く。
『ガッチャ〜ン!』
『レベルアップ!』
『マイティジャンプ!!マイティキック!!マイティ〜アクショ〜ンX!!』
相手はレベルアップし、その体は等身大になる。
その姿はまるで・・・・・
永「黒い、エグゼイド・・・?」
僕が変身するエグゼイド。その色を黒くしたような外見だった。
僕らがその姿を見て呆気にとられていると、黒いエグゼイドはその右手に装着した紫色のABボタンがあるパッドのような物を掴み、その向きを逆にしてチェンソーの形をした方で攻撃して来る。
永「あぶな!!」
飛「くっ!」
僕たちはその攻撃を横に飛んで避ける。
飛「いきなり攻撃して来た!?」
永「とにかく、僕たちも変身しよう!」
そう言って僕はゲーマドライバーを取り出し、腰に巻く。
そしてガシャットを取り出し、スイッチを押す。
『MICHTY ACTION X』
後ろに画面が出現し、ゲームエリアが広がるとブロックが広がる。
ガシャットを持った右手を左に持っていき、右に大きく回転する。
永「変身!!」
そしてガシャットを左手に持ち替え、ゲーマドライバーの右側の窪みにはめる。
『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!? I`m a 仮面ライダー!!』
エ「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!!」
俺は仮面ライダーエグゼイド・レベル1に変身する。
その様子を見た飛彩は自身のゲーマドライバーを取り出し、俺と同じように腰に巻く。
そして水色のガシャットを取り出し、そのスイッチを押す。
『TADDLE QUEST』
音声が鳴り終えると、同じように背後に画面が出現、ゲームエリアと宝箱が広がる。
そして、右手をゆっくりと左側に持っていく。
飛「変身。」
左側に持っていったガシャットを逆さにし、俺と同じ場所に差し込む。
ゲーマドライバーから出てきたパネルの一つを左手で左側に押す。
『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!? I`m a 仮面ライダー!!』
その姿は、俺と同じように白い体で、頭は水色、左手に水色の盾を持つ、騎士のような顔のライダーがいた。
仮面ライダーブレイブ・レベル1
ブ「これより、黒いエグゼイド切除手術を開始する。」