奇策とパンツは少女を嵌める   作:すとらっぷ

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今回は戦力調達!


おっさんの夢をもう一度

アンツィオ戦の次の日! 

 

俺「全員お疲れ様!今日は1日戦車の整備と修理だ!」 

 

御舞等高校の戦車は自動車工を目指す阿部さんと自動車部(弱小)によって管理されています。 

 

俺「チヘたん~今回もありがとな~」ゴシゴシ 

 

阿部「俺、ちょっといいか?」 

 

俺「なんですか?やりませんよ?」 

 

阿部「いや、そういうことじゃない。こいつを見てくれ」 

 

俺「なにこれ…ヘッツァー改造キッド?」 

 

阿部「これは38tという戦車をヘッツァーに改造出来る、というものだ」 

 

俺「凄いな。足まわりが似てるってだけでこんなに改造出来るんだ」 

 

阿部「俺はこれに近しいことがやりたい。このSU-85をSU-100に改造したいと思っているんだがどうだろうか?」 

 

俺「まあSU-85と100には外見的には大して差がないから改造出来るかもしれないな。金は?」 

 

阿部「各部活から義援金を頂いた」 

 

俺「正当な手段だろうな…?」 

 

阿部「安心しろ。各部活の部長はもう俺のテクニックが無ければ生きていけない体だ」ボロン 

 

俺「聞きたくなかった!!」 

 

阿部「まあそれは冗談として、戦力強化は必要だ」 

 

俺「んで、それはどこに売ってるんだ?」 

 

阿部「ここにある」 

 

阿部会長がつなぎの股間部分から地図を取り出す。そこは四次元ポケットかよ

 

俺「何々?戦車道ショップ、えんたーみっしょん?」 

 

阿部「秋葉原にある戦車道ショップだ。ディープな店だから多分幅広く改造出来ると思う。俺は修理で手を離せないからやってきて欲しい」 

 

俺「了解。ここ一週間は停泊の予定ないからなぁ…今から大発、動かせるかなぁ…」 

 

チビ「…どうせまた脅すんでしょ?」 

 

俺「…あくまでご協力願うだけな」 

 

 

 

 

※大発=大発動挺 

輸送船からの揚陸作業や上陸船に用いた、現代でいうところの「上陸用舟艇」。戦車を運ぶためにも使われた。普通の大発ではSU-85は運べないのできっと特大大発か超大大発あたりを使っていると思われる。ちなみにダイハツドウテイというが車のダイハツとも童貞とも関係無い。 

 

 

 

 

俺「と、言うわけで。輸送船かして!」 

 

航海「またかよ!サンダースのときだって無理したのにこれ以上」 

 

俺「ツイッt」 

 

航海「オーケー!何とかしよう!」 

 

最強の切り札、ツイッターのアカウント。 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

俺「帰ってきたぜ!あっきはっばらーーー!!!」 

 

キモオタ「はいはい、戦車道ショップを探しますよ」 

 

俺「ちょっとアニメイト行きたい」 

 

チビ「アニメイトもとらのあなもあっとまーくカフェもセガも学園艦にあるでしょ!」 

 

俺「違うんだよ!本場の雰囲気をだなぁ!」 

 

キモオタ「俺氏、アニメイトに関しては本店は」 

 

チビ「いいですから!ほら!戦車道ショップにいくんでしょ!」 

 

大中小と妙にバランスのとれた三人組、秋葉原に上陸 

 

 

 

 

秋葉原某ジャンク通り 

 

俺「ここか…」 

 

キモオタ「思ったより小さいですね」 

 

チビ「いざ!」 

 

 

 

おっさん「…いらっしゃ…!?」 

 

チビ「先輩…なんか店主さんが目を見開いてこっち見てるんですけど…」 

 

俺「そりゃ、男の客なんてそうそういないからな…」 

 

キモオタ「すいません、戦車の改造をお願いしたいのですが…」 

 

おっさん「あ、ああ…どの戦車を改造するんだね」 

 

俺「ソ連のSU-85です。それをSU-100にして下さい」 

 

おっさん「SU-85に男で戦車道…君達まさか御舞等高校の戦車道チームか!?」 

 

俺「あ、はい、そうですけど…」 

 

おっさん「やっぱりか!」 

 

俺「どうして知ってるんですか?」 

 

おっさん「ファンなんだよ!遂に男のロマンがわかる戦車道チームが現れてくれたんだ!応援しない訳がない!」 

 

俺「は、はぁ…」 

 

おっさん「ちょっと待ってな!準備してくる!」 

 

俺「あ、どうも…」 

 

チビ「ファンなんていたんですねぇ。何でだろう…」 

 

キモオタ「昔から戦車道は女子のものでしたからなぁ…しかしかつて戦車に乗っていたのは男!男のいるところにはロマンがあるのですよ!」 

 

俺「まぁ応援してくれるってのは嬉しいものだな」 

 

キモオタ「で、ありますな」 

 

 

 

 

戦車道ショップ、えんたーみっしょん地下ガレージにて 

 

おっさん「それで、こいつを改造するんだね」 

 

俺「はい」 

 

おっさん「ふむふむ…なるほど、少しくたびれているが……実に丁寧な整備。いいメカニックだ」 

 

俺「阿部会長……本当に凄い人だったんだな…」 

 

おっさん「少し中がイカ臭いが…」 

 

俺「阿部会長……本当、中でナニやってるんだ…」 

 

おっさん「まあいい。久々に腕がなるいい戦車だ」 

 

俺「どこくらいかかりますか?」 

 

おっさん「超高速でやって2日で終わらせる」 

 

俺「思ったより早いですね!」 

 

おっさん「またすぐに試合だろう?早く仕上げねばな」 

 

俺「ありがとうございます!」 

 

キモオタ「後は消耗品の購入ですな」 

 

チビ「練習用の砲弾がもう少しで切れます。あとⅡ号の弾も少ないです」 

 

俺「了解、じゃあそれを買って一旦帰るか」 

 

 

 

おっさん「ちょっと待ってくれ!」 

 

俺「はい?」 

 

おっさん「あんた達に見てもらいたいものがある。ついてきてくれ来てくれ」 

 

俺「見せたいもの?」 

 

チビ「…阿部会長ならここで『コイツをどう思う?』とか聞いてくるところですが…」 

 

キモオタ「それは阿部氏だけであります…」 

 

俺「お前ら阿部会長恐怖症過ぎるだろ…」 

 

 

 

 

おっさん「これを見てほしい」 

 

そこにあったのは一輌の戦車だった。 

 

俺「これは…?」 

 

おっさん「Ⅰ号戦車。ちっちゃいけど…かつての俺の相棒だ」 

 

俺「かつての…相棒?」 

 

おっさん「俺も昔は戦車道をやっていてね」 

 

キモオタ「昔!?……昔は今以上に競技人口が少なかったと聞きましたが…」 

 

おっさん「それでもいたんだよ。女の武芸に命を懸ける、バカな男がな…」 

 

俺「…」 

 

 

 

おっさん「懐かしいなぁ…仲間と一緒にコイツで戦った日を昨日のように思い出せる」 

 

チビ「…」 

 

おっさん「それでな、野試合を重ねて名前を売っていって、ある時大会に出ようって話になったんだ。そんなにデカイ大会じゃなかったけどな。それでも男子だってちゃんと戦車に乗れるんだぞ!ってのを見せる為に死に物狂いで練習して、整備もこれ以上ないほどに頑張ったさ」 

 

キモオタ「そんなことがあったんですか…」 

 

おっさん「でもな、俺達はその大会に出られなかった」 

 

チビ「なんでですか!?」 

 

 

俺「男だから…ですか?」 

 

おっさん「その通りさ…奴らは戦車道を乙女の嗜みとしか見ていなかった。あくまで女子戦車道としてしか大会を開いていなかったんだ。男なんて門前払いだったよ。」 

 

俺「…」 

 

 

 

おっさん「懐かしいなぁ…仲間と一緒にコイツで戦った日を昨日のように思い出せる」 

 

チビ「…」 

 

おっさん「でも今は違う…あんた達みたいに、男だって戦車道をやれるんだ!」 

 

キモオタ「…」 

 

おっさん「お願いがある。俺はもう戦車に乗れるような年でもない。こいつに…Ⅰ号にもう一度夢を見させてやってくれないか…?」 

 

三人『!?』 

 

おっさん「…そりゃ強力な戦車とは言えないが……それでも…こいつを、君達と一緒に戦わせてやってほしい」 

 

俺「本当にいいんですか?」 

 

おっさん「ああ!もちろんだ!むしろ君達に使って欲しい!」 

 

チビ「…凄い話ですね…」 

 

おっさん「それじゃ!君達に合わせて改造しないとな!」 

 

俺「そんなことまでしてくれるんですか!?」 

 

おっさん「ああ、如何せん昔の物だからガタが来てる。修理してついでに改造して性能UPを図る」 

 

俺「ありがとうございます!そこまでしてもらったなら、コイツに勝利を見せてやります!」 

 

おっさん「ああ!期待してるぞ!」 

 

 

二日後… 

 

俺「おっさん!戦車取りにきたぞ!」 

 

おっさん「おうっ!完璧に仕上げてある!これだ!」 

 

そこにはしっかりと改造されたSU-85改め、SU-100があった! 

 

おっさん「主砲の威力も向上したし装甲も厚くなったぞ!」 

 

俺「よしっ!…それでおっさん、例のブツは?」 

 

おっさん「…こっちだ」 

 

ガレージの更に奥に連れて行かれる 

 

キモオタ「…例のブツって………」 

 

俺「大丈夫」 

 

チビ「…」 

 

おっさん「こいつが、生まれ変わったⅠ号戦車“C型”だ!!!!」 

 

 

 

 

 

 

キモオタ「…あまり外見に違いはありませんが…」 

 

俺「そうだな」 

 

おっさん「驚くことなかれ、コイツはC型になったことでとんでもねぇ性能を手に入れたんだぜ」 

 

俺「とんでもねぇ性能?」

 

おっさん「カタログスペックで整地65キロ出せる。大会規定ギリギリまで改造したから整地…75…リミッター外せば下手したら80行くかも知れない」

 

俺「80キロ!?それってもう戦車の速度じゃない……」 

 

チビ「たしかにとんでもねぇ性能ですね…」 

 

おっさん「ただし、コイツはその速度だけにかなり運転にクセがある。乗りこなせるかはお前さんたち次第だ」

 

俺「…楽しくなってきたな!」

 

キモオタ「早くこの子に乗る人を見つけねば!」

 

俺「おっさん!ありがとうございました!」

 

おっさん「おう!いいってことよ!そんじゃあ頑張れよ!」

 

俺「おう!」

 

 

 

若者たちは戦車を引き連れて帰っていった…

 

 

 

 

 

 

店内で一人、おっさんはタバコに火をつける

 

おっさん「昔ほどではないにせよ…今の時代だって男子が戦車道がやることは…風当たり強いだろうよ………頼むから、折れないでくれよ」

 

 

 

 

おっさん「さて、仕事始めるかね…!」




男子戦車道は戦車道本来の品位を失う、という理由で今でも戦車道関係者の中でもお年を召したクソババアの一部に相当嫌われています。

ちなみにガルパン世界の男子は戦闘機道をやってるそうですね

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