奇策とパンツは少女を嵌める   作:すとらっぷ

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というわけで三人称から見た御舞等の試合


秋山優花里の御舞等高校潜入レポート!2

試合開始!

 

 

 

優花里『…凄いです………』 

 

 

優花里『まずはⅠ号戦車とⅡ号戦車が偵察…スピード的にⅠ号戦車はC型ですね…この速度に隠蔽性…要注意です』 

 

 

 

優花里『ここでⅡ号戦車から飛び出しました!囮でしょうか!』 

 

葉蔵『いや、ここで一輌取るつもりでしょう』 

 

優花里『あれはⅡ号戦車L型!ルクスです!ドイツ語でヤマネコの名を冠する軽戦車です!情報では御舞等のⅡ号戦車はG型とされていましたが改造されています!』 

 

葉蔵『ここでの御舞等本隊も顔を出して撃ち始めました。やはりSMKの存在感は凄いですね。上手く視線を誘導してます』 

 

優花里『視線を誘導して、Ⅱ号戦車の接近に気づかせない…と』 

 

 

 

チビ『密着完了!』 

 

ギルバート生徒『な、いつの間にっ!?』 

 

チビ『だいしゅきホールドぉぉぉ!!』 

 

密着し車体と砲塔の間を狙い撃つ 

 

ギルバート『うわぁ!』シュパッ! 

 

優花里『なるほど…御舞等が軽戦車で重・中戦車を倒せるのは超接近戦に重きを置いているから…ですか』 

 

 

 

優花里『さらにM5、ルノー乙型が稜線射撃で寸分狂いなく履帯を破壊しています!流石は日本戦車の砲!!俯角が広いです!』 

 

 

 

 

杏「足回りが壊れたなら…」 

 

桃「どうなるんです?」 

 

柚子「桃ちゃんにはあまり関係ないかも…」 

 

桃「?」 

 

 

 

ドゴォン!! 

 

優花里『出ました!御舞等高校の主砲、SU-100です!ソ連の対戦車自走砲で、100mm砲は絶大な威力!恐ろしいことに1500m先からティーガーを正面から撃破出来ます!』 

 

 

どおん!どおん! 

 

動けなくなった敵戦車を狙撃していく! 

 

優花里『あまり砲精度がいいとは言えないソ連砲で長距離狙撃をこなすとは…よく自身の戦車のクセを理解しています』 

 

 

 

 

 

沙織「自分のことを良くわかってる女の子は恋愛でも百発百中だもんね…」 

 

麻子「つまりは沙織は何も分かってないということか」 

 

華「そもそも的を見つけられないのでは?」 

 

沙織「ちょ!辛辣過ぎ!」 

 

 

 

 

 

優花里『あのギルバートが完全に劣勢…』 

 

葉蔵『出ますよ、御舞等高校最後の一輌が…』 

 

 

稜線の向こうから顔を出すのは…

 

 

優花里『御舞等高校隊長車……一式中戦車チヘ!』 

 

 

俺『……』ゴゴゴゴゴゴ 

 

 

 

 

 

 

 

沙織「…大学選抜のときも来てたけど……本当にあれが隊長車なの?」 

 

華「失礼ですよ…確かに気持ちはわかりますが…砲も小さいですし」 

 

優花里「本当に恐ろしいのは戦車ではありません…」 

 

 

 

優花里『一式の車長は御舞等高校の司令塔であり、自らを奇策師と名乗っています。常人では考えることができない、実行出来ない作戦を用いて数々の強豪を破ってきました』 

 

 

 

俺「……」

 

俺はギルバート高校を静かに、冷たく見つめる 

 

優花里『ッ!』ゾクッ! 

 

俺の迫力に一歩下がる… 

 

 

優花里『お、御舞等の一式はの強さは作戦指揮だけではありません』 

 

 

 

俺『撃て!』 

 

 

ドォン! 

 

 

 

優花里『砲撃はまさに百発百中…』 

 

ドゴン! 

 

仁子『!?』 

 

御舞等本隊の後ろからギルバートの隊長車、M26パーシングの履帯を狙撃で破壊する! 

 

 

 

優花里『その腕前はサンダースのナオミ殿、プラウダのノンナ殿にも引けを取りません』 

 

 

 

キモオタ『…』ドドドド 

 

 

 

優花里『そして装填手…御舞等高校は徹甲弾、榴弾以外にも煙幕弾など普段の戦車道ではお目にかかれない特殊な砲弾を使います。しかし一瞬のハンドサインも見逃さず砲弾を装填』 

 

 

 

ドゴン!! 

 

優花里『最短で次発に繋げます』 

 

 

マサイ『』ゴゴゴゴゴゴ 

 

 

 

 

優花里『そして操縦士…彼は操縦の天才です』 

 

 

 

麻子「…」ピクッ 

 

 

 

 

優花里『元々彼は御舞等高校自動車部のエースです』 

 

葉蔵『…もうやめてしまいましたけどね』 

 

優花里『彼の乗ったRX-8と競うとまるで自分が動いていないように思える…永遠に追いつけないような感覚に陥る…その現象から彼についた名は《†エンドレスエイト†》』 

 

 

 

沙織「でも車の運転と戦車の操縦って違くない?」 

 

麻子「いや、通ずるものはある。一流の運転手は1秒、いやコンマ1秒でも速く走るために風の動き、抵抗を感じ、地面のほんの少しの凹凸を見分ける。それだけで走り方は変わるものだ」 

 

沙織「麻子…流石操縦士…自動車部みたいにクルマとかも詳しいの?」 

 

麻子「いや全く」 

 

沙織「…」 

 

 

 

御舞等高校対ギルバート高校 

 

現在  

 

 

8対1 

 

 

 

仁子『な……な!?』 

 

 

 

 

俺『全車……』 

 

 

 

 

俺『撃てぇ!!!』 

 

 

 

シュパッ!! 

 

 

 

 

優花里『これが………』 

 

 

 

 

 

 

御舞等高校ッッ!!!

 

 

 

 

みほ「………」 

 

桃「…これは……」 

 

沙織「…完全…勝利…」 

 

杏「相手に取って不足なしだねぃ」 

 

俺「ちくわ大明神」 

 

華「ええ…強さが滲み出ています……」 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員『え?』 

 

 

 

 

 

桃「待て今の誰だ」 

 

沙織「ちくわ…?」 

 

みほ「え………?」 

 

柚子「か、会長!下!下!」 

 

杏「ん?」 

 

俺「ども」

 

俺は椅子だった 

 

 

 

 

もう一度言う 

 

 

 

 

 

俺は椅子だった

 

 

 

俺「どーも」 

 

みほ「ふぇぇ!?」 

 

会長の座っている椅子が、四つん這いの俺に変わっていた 

 

杏「おおーいらっしゃーい、よく来たね」 

 

桃「会長少しは動じて下さい!」 

 

沙織「い、いつからそこに!?」 

 

俺「ええーと……『この学校にいられなくしちゃうよ?』のくだりから」 

 

沙織「アニメ一話から!?」 

 

俺「まあまあ冗談はおいといて」 

 

 

 

杏「どうせ偵察に来たんでしょ?」 

 

俺「いや、可愛い女の子をナンパしに」 

 

杏「うれしいねぇ」 

 

俺「……ねぇどうしようこの人ボケをボケとして受け取ってくれない」 

 

桃「知らん!」 

 

俺「まあ既に偵察済なんだけどね。今ガレージにチョウがいる」 

 

桃「西住!確保に向かえ!!!」 

 

みほ「え…えぇ…」 

 

俺「桃ちゃ~ん、みぽりん困らせちゃだめだよ」 

 

桃「桃ちゃん言うな!あと慣れ慣れしい!」 

 

俺「何この子弄るの楽しい」 

 

桃「もう許さん!!ここで拘束する!そしてしばく!」 

 

俺「そりゃ勘弁!」 

 

桃ちゃんの飛び蹴りをヒョイと回避する俺 

 

回避されて思いっきりずっこれける桃ちゃん 

 

桃「きゅう…」 

 

 

俺「それじゃ偵察も済んだし、挨拶もしたし、撤退しましょうかねー」 

 

杏「んー簡単には逃さないよー?」 

 

柚子「ここは学園艦で際も高い艦橋にある生徒会室です。入り口も塞がれてるので逃げ場はないかと…?」 

 

麻子「でぃふぇーんす…」 

 

扉の前でダラダラと手を広げる麻子さん 

 

沙織「麻子やる気なさすぎ!」 

 

俺「それじゃーね!」 

 

そう言うと俺は窓ガラスに突撃する! 

 

 

俺「楽しみにしてるぜ!西住殿!!」 

 

 

バリーン!! 

 

窓を突き破る! 

 

 

 

沙織「ええええええ!?」 

 

 

 

バフっ! 

 

 

俺「パラシュート!」 

 

 

 

そしてパラシュートで連絡船に向かって飛び出す!

 

 

 

 

残されたのは 

 

みほ「」 

 

沙織「」 

 

華「」 

 

優花里「」 

 

麻子「」 

 

柚子「」 

 

桃「」 

 

無言の七人と 

 

 

杏「ふーん…」ニヤリ 

 

不敵な笑みを浮かべる会長と 

 

 

 

 

突き破られた窓ガラスの中に落ちた『アンツィオ高校 アルベルトポーロ様 窓ガラスの修繕費』と書いてある領収書だった

 

 

 

 

大洗女子学園上空 

 

 

 

俺「チョウ!帰るぞ!」 

 

チョウ『了解デス!作戦は成功デスカ?』 

 

俺「もちろん!」 

 

 

 

 

 

俺「ちゃーんと秋山殿が撮影してくれてたよ、ギルバート戦」 

 

チョウ『アア…あの…』 

 

 

 

俺「Ⅰ号戦車には隠し機能は使わせてないしな。そこまでの情報漏えいは無いな。あとキモオタの狙撃能力は確かに高いけどノンナ、ナオミ並は言い過ぎだろ…確かに命中率なら負けないとは思ってるけどアイツ重戦車の砲撃たせたら反動で肩抜けて狙撃どころじゃない。しかもネクラが自動車部辞めた理由は『太ももが見えないから』。あとアイツの二つ名は見てたアニメからテキトーにつけた意味のないもの。俺から強敵オーラ出てたのはあの時本気でウンコ我慢してたから」 

 

チョウ『試合シーンだけで怒涛の嘘!!というか裏事情かっこ悪!』 

 

 

 

 

俺「ハリボテ作戦!傍から見たら俺達結構かっこいいぜ!!」 

 

 

 

チョウ『どーでもいいですケド…窓ガラスの修繕費…アンツィオの理事長に払わせていいんですカ?』 

 

俺「《アンツィオ流いい男の流儀》その五十三。浮気がバレたときの最終手段は格好良くその場から逃げること。窓ガラスくらい払ってやるから華麗にキメてこいって本人が言ってた」 

 

チョウ『あのおじいさん…』 

 

俺「ちなみに《アンツィオ流いい男の流儀》その一は『ワイシャツは肌に直接着るもの』だった」 

 

チョウ『それはジローラモさん』

 

 

 

大洗女子生徒会室

 

 

柚子「…なんというか……」 

 

みほ「嵐みたいな人でしたね…」 

 

桃「器物損壊だ!逮捕してやる!」 

 

杏「まぁまぁ…修理業者も呼んだしさ」 

 

優花里「あのー」 

 

みほ「優花里さんどうしたの?」 

 

優花里「彼が来たせいで話しそびれたのですが…まだ御舞等高校の弱点について話していません…」 

 

沙織「え!?弱点見つけてきたの!?」 

 

優花里「はい!こちらをご覧下さい!」

 

 

 

優花里さんは二枚目のディスクを取り出し、再生する

 

 

俺『愛里寿嬢!?ここ一週間は島田流に顔を出さなくてもいいはずでは!?』 

 

愛里寿『ボコランドのヘルプ…来て…』 

 

俺『嘘だ!また24時間耐久ボコだろ!あと俺近いうちに試合あるんだけど!?あ、やめ……ホントこの黒服さんどこから出てくるの…あっ、やめ!……………アッー!』 

 

 

 

 

そこには島田愛里寿その人にコキ使われる俺の姿が! 

 

 

 

 

みほ「なにこれ」 

 

優花里「役に立つかはわかりませんが彼は島田愛里寿殿に頭があがりません。というか島田流そのものに飼い殺されてます」 

 

みほ「これ試合中に役立つかなぁ……」




私は椅子になりたい

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