奇策とパンツは少女を嵌める   作:すとらっぷ

64 / 88
一局一話のはずが思いの外短くなったから二局面同時に


三局の戦い 度胸をクソに、玉はこれ以上捨てるな

そして三局の戦い、二局目

 

 

チョウ「…やるしかありません…カ……」

 

モブ「何を?」

 

チョウ「このままじゃヘッツァーは何時まで経っても倒せません……悔しいですが技術は向こうのほうが圧倒的に上です…どうやっても装甲が薄い部分を晒しまセン…後ろを取れないなら、正面から撃ち合うしか無いデスネ」

 

モブ「おいおい…正気か?ヘッツァーの砲なら俺たち一撃でお陀仏だぜ…?」

 

チョウ「勝算があるから口に出すんデスヨ…」

 

モブ「お前…なんか隊長に似てきたな…」

 

チョウ「試合の時以外のあの人には似たくないです……隊長、聞こえまスカ?」

 

俺『ああ、聞こえる…お前の悪口もぜーんぶな』

 

チョウ「ヘッツァーと正面から一騎打ちシマス」

 

俺「おいこら無視するな…で、駆逐戦車と真っ向勝負か…普通ならやらないけど……自信の程は?」

 

チョウ「言うからにはアリマス」

 

力強い回答が帰ってくる

 

俺「…全く大したクソ度胸だ、わかった!いいぞ。バックアップは任せろ」

 

チョウ「謝謝」

 

そしていつものように、チョウの目が怪しく光る……

 

 

 

 

 

チョウはハッチから顔を出し、そして叫ぶ

 

 

 

チョウ「突撃ィィィィィ!!!」

 

モブ「行くぞぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

 

桃「会長!」

 

杏「正面からの突撃!!?…いいねぇ!痺れるねぇ!かーしま砲手交代!真っ向勝負、応じるよ!」

 

柚子「はい!」

 

桃「装填完了!会長!やっちゃって下さい!」

 

杏「にひひひ!」

 

 

 

 

お互いが向かい合う、その時!

 

 

 

 

桂利奈「あいーーーーーーーー!!!」

 

茂みから一気に躍り出る影が!

 

M3リー、ウサギさんチームの乱入ッ!!

 

梓「カメさん!助けに来ました!!あゆみ!砲撃用意!!」

 

 

M3がチョウのM5を狙う!

 

 

 

ガサササ!!

 

俺「邪魔させるかよぉ!!」

 

さらにチヘが別の茂みから乱入!

 

俺「ウサギは任せろ!チョウ!やれぇ!!」

 

梓「なっ!!?」

 

完全にチョウを狙っていたウサギさんはチヘに対応出来ない!

 

俺「さっきのお返しだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ドン!!シュパッ!

 

チヘが肉薄射撃をM3リーに叩き込む!!

 

あや「ああっ!メガネがぁ!!」パリーン

 

戦車と連動して眼鏡が弾け飛ぶ!

 

 

 

 

一方

 

チョウはもはやチヘの事もリーの事も気にしていなかった。考えるのはいかにヘッツァーを倒すか、それのみ。M3金門之熊の47mm砲は貫通力に優れる。だがヘッツァーの傾斜装甲には難なく弾かれてしまう。対してヘッツァーは相手がM5クラスなら何処に当てても貫通出来てしまう程の威力の75mm砲を搭載している。砲力的には圧倒的に不利。ならば撃たれる前にこちらから弱点を撃ち抜く。狙うのは一箇所しかない

 

 

 

 

 

 

チョウ「撃てッッ!!!!」

 

杏「貰った!!!」

 

 

 

ドドン!!!

 

殆ど同時に砲弾が放たれる!!

 

ヘッツァーの弾はそのままチョウのM5の正面装甲に打撃を与える!!

 

 

 

対してチョウの47mmはヘッツァーの車体……

 

 

 

 

唯一傾斜していない車軸を貫く!!!

 

 

シュパッ!シュパッ!!

 

M3リー、M5軽戦車、ヘッツァー、走行不能!!

 

 

 

チョウ「ハァ……ハァ……相討ち……」

 

俺「ヤムチャしやがって……」

 

杏「ごめんねーやられちゃったー」

 

梓「ざ、残念です………」

 

 

 

 

 

 

 

そして…三局の戦い、最後の舞台…

 

オネェ「ポルシェティーガー……」

 

世間では失敗兵器として扱われている戦車であるが大洗女子のポルシェティーガーに限ってはその限りではない。

 

搭乗員の自動車部の技量で大幅に問題は改善されていて、更にモーターの改造によって急加速加速すら可能にしている。それでいて通常のティーガーⅠの正面装甲の2倍である200mmという驚異的な装甲を持っている

 

そして言うまでもなく8.8cmの威力はSMKにとって絶大だ。

 

もはやティーガーの範疇を超える化物である 

 

オネェ「それを単騎で狩る…と」

 

SMKが勝るのは俯角と通常機動力、そして手数

 

 

 

オネェ「中々絶望的じゃない!上等ね!!」

 

ドォン!!

 

45mmの稜線射撃で履帯の切断を試みる!

 

しかし外れた

 

オネェ「車体下部と観測窓くらいかしらね…ダメージが通るのは……」

 

一幸「なかなか…ハードね…」

 

砲手の一幸も同意

 

オネェ「…よしっ!」

 

 

 

 

 

 

 

オネェ「逃げよ」

 

 

 

 

ぶろろぉぉぉぉぉぉん!!

 

 

ホシノ「あー!」

 

ナカジマ「逃げた!追えぇ!!」

 

 

 

オネェ「あんなバケモンと正面切って戦えないじゃない!ズルいわ!チートよチート!!!後方機銃斉射!逃げながら作戦は考える!」

 

ダダダダダ!

 

オネェ「遮蔽物とか稜線とか何でも使って!春菜!45mm用意!」

 

春菜「う…てぇ!」

 

ガラガラ声で応じ、45mmが後方に攻撃する、

 

ドン!ドンドン!

 

オネェ「………」

 

ドォン!!………

 

もちろんポルシェティーガーの装甲に全て阻まれる!

 

オネェ(このままじゃジリ貧ね…いくらこっちのほうが速度が優秀とはいえ相手はあの大洗…必ず当ててくる…)

 

オネェ「倒すには…側面のエンジンブロックに叩き込むか……ドリフトで後ろを取るか…」

 

春菜「後者は無理ね…だって重戦車だもん!」

 

一幸「当たって砕けてみる?」

 

オネェ「まっさか!砕けてたまるもんか、倒すわよ!」

 

 

 

 

オネェ「敵の、次の砲声が聞こえたらすぐに方向転換!いい?初弾絶対回避!出来なきゃ負け、出来たら勝ち!わかりやすい勝負よ!」

 

 

 

オネェ「お嬢様方ぁ!タマは捨てても肝っ玉捨てんじゃないわよ!!」

 

『おう!!』

 

 

 

 

ドォン!!!

 

8.8cmの砲声が合図となった

 

 

オネェ「Ladies!Show your guts!!」

 

 

一気に体制を変えポルシェティーガーに向き直る!

 

 

 

ナカジマ「向かってきたよ!」

 

ツチヤ「今度こそ、一騎討ちだね」

 

スズキ「装填完了!」

 

ホシノ「わかった、狙うのは車体ド真ん中…」

 

 

 

 

オネェ「まだよ…まだ……我慢して………あと…3……2……今ッ!!春菜ぁ!!」

 

春菜「い…けぇ!!!!」

 

ドォン!!!

 

 

ナカジマ「撃て!」

 

命令を受けホシノが引き金を引き絞る、その時

 

ガゴォン!!

 

ホシノ「なっ!!?」

 

ドォン!!

 

 

 

 

 

照準器に着弾!!ッ!!ガク引きとなり大きく狙いが逸れる!!

 

 

 

 

 

オネェ「時間通り!!よくやったぁぁぁぁ!!!そのまま突撃ぃ!!!」

 

オネェは逃げながらも測っていたのだ!攻撃から再装填、再び狙いをつけて再攻撃する時間を!

 

ただしこの作戦は殆ど運任せの作戦であった。逃げる戦車を狙うよりも向かってくる戦車を狙うほうが容易なので測った時間とは差があるのだ。

 

さらに照準器に当てるなんていう神業はそうそう出来ることではない。ただでさえ走行中なのだ

 

それでも彼ら、いや彼女たちはその神業をやってのけた

 

 

 

それが先程不良が言いかけた御舞等高校の強さなのだ

 

御舞等の強さ、それは

 

 

 

 

ナカジマ「装填急いで!」

 

オネェ「もう遅い!!」

 

確実にポルシェティーガーの側面に入り込む!!

 

 

 

オネェ「主砲撃てぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

ドォン!!!!

 

シュバッ!!

 

 

 

 

御舞等高校の強さ、それは

 

あくまでも得意な事だけを集中して伸ばすことである

 

大きくチームごとに分ければ、

 

KABAさんチームは主砲副砲のコンビネーションとそれに合わせた動き

 

航海チームは偵察

 

キヨハラチームはブースターを利用した戦術

 

触手チームは接近戦と履帯破壊

 

くそみそチームは射撃と離脱

 

戦車そのものと乗員特殊なナイトチームと元々オールマイティな活用が出来るヤムチャチームとM5以外は殆ど一芸を頼りにしている

 

例えばキヨハラチームはここ最近、エクストリーム流鏑馬の練習しかしていない

 

そして搭乗員もあくまで一芸を極めることでその分野では強豪校にも劣らない実力を発揮できる。元々彼らに才能はあったのかもしれない。それでもこの短期間でここまでの実力をつけたのはこのお陰である。

 

彼らは自分に出来ることだけを集中して練習したのである。……………学校の勉強もろくにせず……。

 

 

 

しかし普通のチームはそんなギリギリのバランスでの戦闘など不可能である。

 

 

だからこそ、このチームを纏めるのは隊長の俺しかいないのだ

 

彼の隊長としての指揮能力は決して高くはない。先日のタンカスロンでのボンプル戦を見ればわかるようにチームの半分の指揮はアンチョビに任せていた。多くの戦車を纏めることは出来ないのである。それどころか通常の試合でも各車長の判断に任せることもある。

 

それでも、彼は御舞等高校を纏めることだけは誰にも負けない。

 

全員の特技、そして異常性を理解し、その異常性をも利点に変える。

 

そしてそこから導き出される異常な奇策に各員が全力で応じるからこそ、彼らはここまで強くなったのである

 

 

 

そしてその結果こそが…

 

 

 

 

ポルシェティーガー走行不能!

 




大洗のポルシェティーガーってもはや弱点ねぇよ!!装甲堅いわ火力高いわエンジントラブル物ともしないわ!強いよ!!無理だよ!SMKで勝てとかどんな無茶振りだよ!!こちとらKV-1に毛が生えたようなもんだぞオラァ!Tier見直せよ昔の俺ぇ!無謀だろぉ!!

…それでも多砲塔戦車の中ならかなり優秀だと思うんだ、SMKさん

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。