俺「多分だけど…意図は察してくれた…よな。これだけ派手に居場所晒せば向こうも気づくだろ」
キモオタ「…乗ってきますかね…この勝負」
俺「さあな…でも、乗ってくれるとは思う…十分後もう一回花火を上げる。そうすれば相手も確実に場所を特定するだろ」
マサイ「了解です!なんだか対空戦車みたいですね!」
そして……
ヒュ〜〜〜パポン!パポン!!
時間を開けて再度花火が打ち上げられる
優花里「この距離…やはり決勝の時の中央広場からですね」
みほ「間違いないね…あんこうは入り口付近まで移動します。カバさんは後ろから援護を」
物陰から双眼鏡を持ったマサイが偵察をしている。忘れがちだがこのマサイ族、視力1.2なので言うほど視力は良くない
マサイ『おっ!Ⅳ号来ました…その後ろに三突!』
俺「マサイありがとう、偵察切り上げてすぐ戻ってこい!……阿部会長…頼むぞ」
阿部『おうよ、コッチも準備OKだ。全員士気がパンパンだぜ』
みほ「まもなく指定位置に到着します。より一層注意してください」
Ⅳ号が中央広場入り口、ちょうど黒森峰との決戦でポルシェティーガーが立ちはだかった場所に近づく…
その時…
ブロォォォォォォォォン!!!
Ⅳ号後方からエンジン音!!
みほ「なっ!!?後ろ!?」
みほが後ろを振り返り砲塔を旋回させかける!!!
そこには…
一式中戦車チヘ
既に砲はⅣ号を捉えている!
みほ「違うッ!!!」
しかし彼女はその一瞬で違和感を捉えた
ブロォォォォン!!!!
そしてエンジンをかき鳴らし、奴はやってきた
Ⅳ号の“前方”、中央広場入り口から
本物のチヘが!!
ガギィィン!!!
俺「どっせぇぇい!!」
組み合って肉薄射撃を試みる!
みほ「麻子さん!!」
麻子「ん」
ギャリリリリ!ドォン!!
しかしチヘの攻撃はうまく避けられた!
俺「縁日作戦改ッ!!バルーンデコイに加えてスピーカーでエンジン音まで追加した!リアリティはかなり上がったはずだが…」
キモオタ「しかし流石は軍神様、見事にバレましたな」
ネクラ「ああ、だがまだ…阿部会長がいる…」
エルヴィン「隊長!!」
敵の作戦と隊長の危機を前にしてもカバさんチーム車長、エルヴィンの判断はその名に恥じぬほど的確で素早いものであった
エルヴィン(Ⅳ号と一式は目まぐるしく組み合っている…ならば後方から一式だけを狙撃するのは困難。でもそれは今生き残っている敵のSUも同じこと、必ず奴はここを狙っている…ならば次にSUが狙うのは誰だ。もちろん私達しかいない…ならばっ!!)
そして彼女は見つける
遥か先で狙いをつけようとしているSU-100を!
エルヴィン「もんざぁ!!」
左衛門佐「合点!!」
阿部「810!狙え!!」
810「やりますねぇ!」
初動は明らかに三突のほうが遅かったにも関わらずピタリと照準を合わせる!
810「早いっすね……」
二輌の駆逐戦車の狙撃勝負!!
風が止まった
エルヴィン「ファイアッ!」
阿部「ファイ アッーー!」
カチッ
引き金の音がはっきりと聞こえた気がした
ドドォォン!!!
寸分の狂いなく互いの装甲を貫かんと弾が突き進む!!
ガギィィィィィン!!!!
Ⅲ号突撃砲、SU-100走行不能!!
みほ「カバさん!!怪我はありませんか!?」
エルヴィン『くっ!全員問題無し!隊長後は頼むぞ!』
みほ「はい!」
俺「阿部会長!大丈夫か!?」
阿部『すまないイッちまった!』
俺「何がイッたのかはツッコまないぞ!!もうツッコまないからな!」
俺「相討ちか…カバさんの砲手…なんつー技量だ…SUはかなり装甲厚いのにあの一瞬でちゃんとウィークポイント狙いやがった……流石…!…仕方無い、中央広場に入る!そこで決着だ!戦車前進!」
組み合った状態から一気に引き剥がすチヘ!
みほ「華さん今です!」
華「…っ!」
ドォン!!ドォン!
Ⅳ号の砲撃よりも一瞬早くチヘが攻撃する!
主砲横に命中し照準を狂わせた!
そのままチヘは中央広場に向かって突き進む!
俺「いくぞ!『奇策』開始ッ!!」
決着ノ時来タレリ!