奇策とパンツは少女を嵌める   作:すとらっぷ

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試合風景です


仕返し戦 VS社会人選抜 後編

社会人「…敵影見えず……。全く出てきませんね……」

 

社会人隊長「発見出来たのはⅠ号戦車だけ…しかも逃げられて今は見失ってる……巧妙な隠蔽技術ね」

 

社会人「…ゲリラ戦法ですかね」

 

社会人隊長「このチームに正面攻撃してくるなんてことはないわよ……」

 

 

 

 

試合開始から二時間経過

 

ババア「全く戦闘がないじゃない!こんなの試合への真剣な姿勢が無いわ!時間空費で反則よ!こんな試合止めなさい!!」

 

審判「先程からⅠ号戦車は相手に対して果敢にも攻撃を行っています。履帯の破壊という戦果も。戦闘が確認出来きますし、殲滅戦に時間制限はありませんのであしからず」

 

ババア「あんな戦車の攻撃に意味なんかないでしょう!!」

 

審判「………審判への不当な試合中止要請は反則となります。よろしいので?」

 

ババア「…ッ!」

 

 

 

午後7時

 

俺「よし、もういいだろう…」

 

阿部「作戦開始だ」

 

俺「よし!!全員スコップ用意!!掘り出すぞ!!」

 

 

 

簡単な話である。御舞等高校は戦車を雪、もしくは土に埋めた

 

殲滅戦に時間制限は無いのだから有利な状況になるまで待てばいい。しかし全員が埋まってると時間空費で反則にされかねない。なのでⅠ号だけは偵察とちょっかいをかける役割。基本的に履帯を撃って逃げて撃って逃げての繰り返しである。

 

ちなみに史実で塹壕掘ってたルノー乙型はもちろんのこと各戦車にはスコップ等陣地形成用の装備に含まれている

 

 

そして御舞等に有利な状況とは

 

 

 

クロウ「全車復帰!かなり時間かかったけど敵さん索敵甘いな」

 

チョウ「もう集中力も無さそうデスネ」

 

 

俺「夜戦、開始ッ!!」

 

 

夜である

 

 

まず前提としてこの北部演習場にはナイター設備がない。もしあったのなら過去の大洗vsプラウダの試合でプラウダ側が曳光弾を使うこともなかっただろう。

 

そして公式戦車道の選手は基本的に夜戦慣れしていない。そもそも夜戦が起こる状況が極端に少ないのだ。理由は試合時間にある。もちろん例外もあるが公式試合の試合開始時刻は午前中であることが多く、遅くとも夕方には試合が終わる。広いとはいえ限定された会場内での戦闘だ。夜が来る前に決着が着く場合が殆どである。

 

だから今回のように夕方から試合が始まることはイレギュラーなのだ

 

極めつけは30対8という戦力差だ。そもそも相手は試合が夜までもつれ込むことを想定していない。夜戦装備なんて持ってないのだ

 

 

 

じゃあ何故御舞等高校は夜戦を選んだのか

 

簡単である。御舞等高校は夜戦程度は当たり前の世界で戦ったことがあるからだ

 

そう、ルール無用の時間無視、タンカスロンである。

 

ボンプル、BC自由戦はもちろんのこと彼らは御舞等高校卒業後も積極的にタンカスロンに参加していた。クロウなんてもはやタンカスロンチーム『ヒナガタ連合』のリーダーである。ちなみにヒナガタ連合は各校のルノーFT、NC乗りを集めた集団。訓練車としては非常にポピュラーなのでどこの学校にもルノー乗りはいるのだ

 

 

 

 

 

航海『隊長、本隊見つけたぞ。かなり苛ついてるな。痺れを切らしてる』

 

そして航海が頭に付けている暗視装置。ドイツ軍が夜間戦闘に用いた立派な備品である。これによって夜間でも敵の動向が丸見え

 

航海『…今夜は新月だ。今なら一方的に狩れるな』

 

俺「わかった。俺達が到着するまでに仕込みしといてくれ」

 

航海『了解…』

 

 

 

航海『仕込み完了』

 

俺「よし、始めるか!」

 

 

 

 

 

俺「全探照灯照射始めッ!!!!!」

 

カッ!!!!!

 

 

 

Ⅰ号が陣地を囲むように設置していた探照灯が一斉に敵を照らし出す!!

 

 

社会人「なっ!!?」

 

 

せっかく目が夜に慣れ、周りが見えるようになったところで探照灯が目を焼く!!!

 

 

社会人隊長「なぁ!!?み、見えないッ!!」

 

社会人の隊長は夜戦慣れしていなかったが、全車長と砲手には夜目に慣れるように命令していた。しかしそれが仇となり瞳孔が開ききった状態の車長と砲手に強烈な光を当て無力化する!

 

俺「狙撃開始っ!!」

 

ドォン!!ドンドンドン!!

 

 

 

シュパッ!!

 

 

阿部「……次段装填」

 

ドォン!!

 

シュパッ!

 

阿部「…次、撃て」

 

ドォン!!

 

 

戦後戦車だろうが問答無用に貫くSU-100の122 mm相手では反撃も出来ない相手など烏合の衆であった

 

そして他のメンバーは次々と履帯を破壊していく!

 

 

 

そしてこのチームに秋葉原戦での黒森峰のような機転は効かない。車長や砲手を試合中に変更するような頭の柔らかさはないのだ。第一自分の役職以外の仕事は大して訓練していないだろう

 

 

 

この狙撃だけで既に部隊の半数が崩壊する

 

 

俺「…探照灯消して」

 

カチッ

 

そして再び世界は闇に包まれる

 

 

社会人「今度は探照灯が消えた……」

 

 

 

 

俺「あーあ…せっかく夜目に慣らしたのに、あんなに光浴びちゃって…無駄になっちゃったね?」

 

社会人「なっ!!?後ろッ!!」

 

俺「遅い」

 

 

ドォン!!!!

 

難なくセンチュリオンを撃破する。

 

チヘのタ弾肉薄射撃は正面装甲で無ければセンチュリオンすら一撃で葬る

 

 

 

社会人チームのみ夜目が効かない状態での混戦。そして……

 

 

 

 

チビ『ニーソチーム、七時の方向にはナイトがいるので友軍射撃に注意してください。ターゲットはそのまま正面50m先です』

 

 

サンダース戦で使用したバルーンでスポッターを飛ばし情報を得るチビレーダーを使用。ドイツの赤外線暗視ゴーグルでチームを的確に導く

 

 

俺「これじゃ形無しだな、戦後戦車」

 

社会人「い、いつの間にッ!!!」

 

ドォン!!

 

T-54A撃破

 

 

 

 

オネェ「こっちはカール自走臼砲二輌撃破。動かなきゃただのデカブツね」

 

 

 

もはや一方的な蹂躙であった

 

 

 

ババア「な…ななな…………」

 

 

審判「センチュリオン走行不能、カール自走臼砲走行不能、T-44走行不能……パーシング走行不能…」

 

驚いている間にも被害は拡大していく

 

 

 

 

チビ「不良さん、後ろからチャーフィー」

 

不良「おうよ!」

 

 

 

ドォン!!!

 

不良「ロケットブースター使うまでも無ぇ」

 

 

シュパッ!

 

 

クロウ「チビ、チョウ。行くぞ!!」

 

 

暗闇の中T-54Aに向かっていく三輌!

 

 

クロウ「まず一個!!」ドン!!ガギィン!!

 

すれ違いざまに転輪を一個破壊ッ!!

 

チョウ「その反対モっ!!」ドゴン!!ガキぃぃぃん!!

 

さらにもう一個転輪を破壊!完全に動けなくする!!

 

 

 

チビ「それじゃ、お注射の時間でーす」

 

ガキッ!

 

ルクスの機関砲が操縦手の観測窓にあてがわれる…

 

 

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!

 

シュパッ!!

 

 

社会人隊長「な……な、な………」

 

俺「合計29輌…残りはアンタのT-54A一輌だ」

 

社会人隊長「な、ならせめて貴方だけでもッ!!」

 

また夜目が慣れてきたのかチヘを狙う!

 

 

 

 

 

俺「…おつかれさん」

 

カッ!!!

 

 

今度はチヘの車体に取り付けられていた探照灯が灯る!

 

 

 

 

社会人隊長「うわぁぁぁ!!」

 

そしてもう一度目を奪われた

 

 

 

俺「…まあ失明はしないと思いますよ。そのくらいに光は抑えましたし」

 

 

 

社会人隊長「なぜ…君達は……」

 

 

 

 

俺「負けるわけにはいかないだけ」

 

 

 

 

 

俺「鬱憤晴らせッ!!全車一斉砲撃ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社会人選抜チーム隊長車、T-54A走行不能

 

 

 

勝者、御舞等高校

 

 

被害無しの完全勝利である

 

 

 

 

 

ババア「なな…な、な……負け…た……?」

 

ダージリン「あらあら、これは凄い試合でしたわね。まさか完全勝利だなんて……」

 

白々しいにも程がある。この試合をネット中継で世界配信した上にその利益を全て得ている人間とは思えない

 

ババア「な……な…な………」

 

ダージリン「あら?どうかなさいましたか?」

 

ババア「あ、ありえない……こんなのあり得ません!ちゃんと戦車も破壊した上で…審判も買収…」

 

審判「あぁ、すいませんね。何時も公平なジャッジをするのが我々の仕事なので。…買収された審判は今頃お家で震えてますよ?新しい審判はここに」

 

香音「すいませーん、ヘルプで入りました」

 

レミ「元々の審判の子が風邪で節々が痛いって聞いたので」

 

ひびき「そういうわけです」

 

明らかに全員声のトーンが冷たい、それでいて圧がある

 

ダージリン「流石は教官、そんな威圧もできましたのね?…そろそろそのお帽子外したらいかが?」

 

審判「ええ、そうね。もう試合も終わったし!」

 

ババア「あ、貴方は蝶野ッ!!」

 

蝶野「グッジョブベリーナイスよダージリンちゃん!」

 

ダージリン「ええ、バッチリ撮りましたわ」

 

『こんなのあり得ません!ちゃんと戦車も破壊した上で…審判も買収…』

 

ババア「な…な……」

 

ダージリン「ギャグ漫画見たいな典型的な展開ですわね。お話は署で、と言ったところかしら?」

 

蝶野「後は我々に任せて!…ごめんね、色々汚いところ見せて…これからは改善に向かうはずだから…」

 

ダージリン「いえいえ、こちらとしても色々得することもありましたし……」

 

 

 

 

ダージリン「意志あるところに道は開ける。あなたな意志はいかほどだったのかしらね」

 

ババア「……」

 

もはやダージリンの言葉など聞こえてすらいないようであった

 

 

 

 

 

 

 

 

俺「終わった終わった!」

 

クロウ「これどうなるんだろうな。ダージリン様のお陰で全世界に配信だろ?社会人チームの立場ないぞ?…選抜チーム名乗るくらいだからかなり強いの集めてるんだろう?」

 

俺「さあな…あのババアが集められる程度なら大したことなかったのかもな」

 

クロウ「まあな…」

 

俺「あのババアは再起不能だろうしこの先お偉いさんは思考停止だろうな。動きやすい動きやすい」

 

阿部「混乱に乗じて好き勝手出来るな」

 

俺「早い所男子戦車道の大会増やそう。もっと盛んにしてやろう!」

 

 

 

 

 

俺「それで、御舞等高校戦車道チームを復活させる!手ぇ貸せよお前らぁ!!」

 

 

 

『おおーーーーーーー!!!』

 

 

 

そしてこの三年後、再び御舞等高校は動き出すことになるが、それはまた別のお話




おふざけ無しの本気の蹂躙。

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