チビ「と、言う訳でベルウォールの生徒としてこの試合に参加します」
俺「えええええ!!?」
チビは手際よく化粧しながら話す
チビ「ははは、自分の煽り耐性の無さを悔やみますよ全く…」
不良「そ、そそそれにしてもベルウォールか……あそこは…うわぁぁぁぁ!」
またⅠ号戦車に引けを取らない速度で走り去ってしまう不良
キモオタ「凄いトラウマですな」
航海「何があったんだ…」
チビ「そういえばベルウォールは半分は超不良校らしいです。工業科だけですけど。それでそこのヤンキーさんと何かあったんですかね」
俺「うへぇ怖そう」
チビ「僕はあっちの自動車部のメンバーとして参加します。仲間にもバレないようにしないと」
オネェ「うん、化粧もばっちりね。手直しする所は無いわ」
チビ「たくさん練習しましたから」
オネェ「あとは体格よ。ちゃんと誤魔化せてる?」
チビ「はい、ちゃんと腰にタオル仕込んでます。それにボディラインがわかりにくいメイド服着ていくので安心です」
ふわっふわのメイド服を着ているチビ。かわいいぞ
最後にヘッドドレスを付けながら答える
俺「完璧だな、チビがその道のプロに近づいてる…」
キモオタ「俺氏も十分その域ですぞ…」
俺「不本意ながらな」
その後、ベルウォールのガレージにて
音子「んで、お前が新入りか」
ヤークトパンター車長、山守音子。ベルウォールの『鮫』と呼ばれる不良さんだ。おっぱいのついたイケメンさんである
チビ「はい!チビ子と申します!よろしくです!」
千冬「随分と可愛い格好してるけど腕に自信は?」
エレファント車長、土居千冬。山守音子と双璧を成すベルウォールの『熊』。外見上は大人しそうで綺麗なお姉さんだが熊のごとく凶暴だとか
二人は幼馴染だが喧嘩ばかりしてるそう。だが本気になった二人の爆発力は異常…だそうだ。話に聞いただけなので詳しくは知らないがウチの不良さんにあれだけのトラウマを植え付けるような方々なのは分かっている
チビ(それでもパンター軍団に追い掛け回されたりするよりは可愛いモンですけどねー)
もはやヤンキー程度恐れない御舞等クオリティ
エミ「ソイツの腕に関しては保証するわ。戦車も持参だし問題は無いわよ」
音子「マネが言うならそうなんだろうな。期待してるぜ」
チビ「はい!頑張ります!」
エミ(ああは言ったけどホントに大丈夫なの?)
チビ(皆さんに女装バレてなさそうですしイケそうですね!)
エミ(それもあるけど…)
チビ(最悪運営にバレてもうちで揉み消すんで大丈夫です)
エミ(なにそれこわい)
ほぼハッタリだがまあ大丈夫だろう。気がついたら柏葉姉妹の権力でベルウォールに短期入学してることになっていた。性別さえバレなきゃセーフだ
チビ「これでよし!」
そしてチビのⅡ号戦車ルクスもベルウォール仕様に変更。正面に漢字ででっかく『鈴壁』、そして車体後部に誰かに勝手に書かれた『夜羅鳴威駕』。おいこれ書いたの誰だ
チビ「ペイント終わりました!準備OKです!」
エミ「ちょっといい?」
チビ「はいはいなんでしょう」
エミ「試合の映像も確認したし実力を疑ってる訳じゃないけど…ちゃんと私の作戦についてこれる?」
心配そうに声を掛けてきた。確かに普段慣れていない別の隊長の指揮に従うというのは大変なのだ。勝手が違うし意図も読みにくい。しかし
チビ「あのですねぇ…試合見てくれたならわかりますけど僕、御舞等高校の生徒ですよ?」
エミ「?」
チビ「無茶振りに答えるのは日常茶飯事、誰よりも隊長に応じるチームの一員ですよ?」
超臨機応変で無茶振りだらけの御舞等高校の隊員たるチビには愚問だ
エミ「…ええ、そうだったわね」
チビ「お陰でⅡ号で重戦車相手させられたりしますけど……」
エミ「それは今回も期待していいのかしら?」
チビ「できる限りは現実的な運用でお願いします!!実はパンタートラウマになりかけなんで!」
音子「おーい出港準備しろー!」
チビ「あ、そろそろ時間ですね」
エミ「そうね、……あ、手袋忘れた。先に乗ってて」
チビ「了解です。まだ余裕はあるのでごゆっくりー」
原作をお読みの読者諸君ならご存知でしょうが…
ガレージ内の控室
エミ「ええと…手袋手袋…あった」
ガチャン!!
突如控室の扉が閉まる…
エミ「……ここまでするってわけ…」
そこに居たのは…
ツェスカ「…聞きたいことがある」
扉に立ち塞がるのはツェスカ……
エミ(……出港に間に合うかしら…)
海上、試合会場への連絡船にて
音子「そういやマネどこにいるか知らないか?」
チビ「え?エミさんのことですか?………あれ?」
瞳「え、エミちゃんがいない!!?」
まさかの主人公不在、そして喧嘩を売った相手がいない状態で試合が始まる…!!?
なぜツェスカはエミを閉じ込めたのか!その答えはリトルアーミーⅡ 2巻にてご覧下さい!!