永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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恋人としてのデート 淫乱編

 何だかんだで、このデパートは思い入れがある。

 あたしがまだ、女の子として半人前だった時、早く一人前の女の子になるために終盤の課題の舞台になった。そして、優一時代の服と本を中古ショップで売った所。

 休憩中に油断してパンツ見られちゃったために、母さんにおしおきされたんだ。

 今でも、あのカリキュラムの日々は鮮明に思い出せる。

 1日カリキュラムを終える度に、女の子に近づいていたことを実感できた日々だった。

 最初の日はまだ、スカートを穿くことだって億劫だった。きっかけは単なる興味本位だった。

 足元まであるロングスカートで、色柄も地味なもの。それも屋内だけで移動するものだった。

 

 次の日以降、だんだん丈が短くなり、復学してからは制服のミニスカートをずっと穿いている。

 今は真っ白なワンピースの清楚な少女の服だけど浩介くんと家に入る時は別の勝負服が用意されている。

 その服のこと、それを浩介くんに見せることを考えるだけで頭がおかしくなる。

 

 そして、あたしが男子扱いといういじめから救われた次の休日、あたしが桂子ちゃんと龍香ちゃんとでお昼ごはんを食べたのも、このデパートだった。

 

 ともあれ、デパートのエレベーターに入る。

 デパートでも男性客からの視線が見受けられるが、男性の視線は、同時に浩介くんへの敵意の視線もある。

 人が多いので会話が分かり辛いが、「かわいいのにもったいない」「もっといい男はいそうなのに」と言った会話。性別こそ違うが、本質はさっきの女性の会話と変わらない。

 

 今までのデート以上に、そういう会話が増えた。多分あたしの白いワンピースが目立っているから。

 それにしても浩介くん、不釣り合いだと思って気負わなければいいけど。ちょっとだけ不安。

 

 エレベーターが途中幾つかの階で乗客を降ろし、最上階のレストランまで来る。

 

「さて、何処で食べる?」

 

「うーん、ラーメン屋さんかなあ。優子ちゃんは?」

 

「うん、あたしもそこでいいよ」

 

 他の店も見て回ったけど、以前も何だかんだでラーメン屋さんに落ち着いたことを思い出し、今回はすぐに浩介くんの提案を採用してラーメン屋さんに並ぶ。

 

 券売機に行列が少しできているけど、混み始めたばかりなのか、店内はまだ空いていて、すぐに座れそうだ。

 

「浩介くんは何を頼む?」

 

「俺はチャーシュー麺の大盛り味濃いめかなあ……優子ちゃんは?」

 

 男らしい食事、あたしとは全然違う。

 

「あたしはレディースラーメン。レディーだからね」

 

「量が少ないんだね」

 

「そそ、女の子になってからは食べる量が結構減ったのよ」

 

「いいなあ、食費が減るんでしょ?」

 

「でも、他のことで費用がかかるからトントンか下手すれば男の頃よりもかかるくらいよ」

 

「へえー、例えば?」

 

「服とか」

 

 とっさに思いついたことを言う。他にはお人形さんとかもだけどそのあたりは言わないでおこう。

 

「あ、そう言えばそうだよね。大変だったでしょ」

 

 浩介くんが言われてみればという顔をする。

 

「あ、でも保険とかあるのよ。だから女の子になって最初に買った服は保険で買ったのよ」

 

「ふうん、あ、券売機だ」

 

 あたしたちは間も回るのに気付いて話を自分たちの順番が中断する。

 まずはあたしがレディースラーメンの値段を投入する。

 そして浩介くんがチャーシュー麺と大盛りの食券を買う。

 空いている二人テーブルに座って、ウェイトレスに食券を提出する。

 

「本日はレディースデーとなっております。100円引きかトッピング無料サービスができますがどうされますか?」

 

 お、そうか。今日は世間一般には平日火曜日だからレディースデーなんだ。

 あまり重いトッピングでも食べきれないかもしれないし、ここは海苔にしよう。

 

「……じゃあ、海苔のトッピングの無料サービスでお願いします」

 

「かしこまりました」

 

 ウェイトレスさんが厨房に消えて、海苔のトッピングをオーダーしている。

 

「女の子って得だね」

 

 浩介くんが羨ましそうに言う。

 

「あはは、でもレディースデー使ったのは、実は女の子になって初めてなのよ」

 

「そうなんだ。意外だ」

 

「学校の帰りに食べに寄ったりしないし、外食しても家族で土日だもん」

 

 優子になってからはあんまり休日に外食してないけど。

 

「なるほど、優子ちゃんはもしかして女性専用ってあまり入ったことない感じ?」

 

「そうねえ……さっきのゲームセンターでのプリクラくらいかな?」

 

「なるほどねえ、じゃあ電車の女性専用車両とかも?」

 

「うん、入ったことないわね」

 

 もちろん興味はある。

 

「そうか、優子ちゃんの家からだと逆方向だっけ?」

 

「うん、だから女性専用車両はないよ」

 

 痴漢された事はあったけど、あれは電車が遅れていて逆方向なのにひどく混んでいたせいで、女性専用車両はなかった。

 

「入ってみたいとかある?」

 

「うーん、興味ないわけじゃないけど……」

 

「ま、機会があれば、だな」

 

「うん、そうなるわね」

 

 今までは日常的に学園生活を送り続けていたけど、せっかく女の子に生まれ変わったんだから、こういう女性専用サービスを積極的に使って行きたい。

 あ、でもこれはいいけど浩介くんと一緒になれないのは嫌かなあ……

 

「優子ちゃんも、そういうのをもっと使ってもいいと思うんだ」

 

「うん、同じこと考えてた。でも……」

 

「ん? でも何?」

 

「浩介くんが一緒になれないのは嫌かなあって」

 

 ちょっぴり顔を赤くして言う。

 

「うっ……!」

 

 浩介くんが予想通り顔を赤くする。うん、単純に惚れてくれる男の子大好き。

 

「優子ちゃんって結構さらりとすごいこと言うよな」

 

「えへへ、浩介くんが好きだからね」

 

 直球的に言う。

 

「ゆ、優子ちゃん。あんまり目立つと周りが……」

 

「あ、ごめんごめん」

 

 

「お待たせいたしました。チャーシュー麺大盛りのお客様?」

 

 ウェイトレスさんが浩介くんの方に出しかけながら言う。

 

「はい」

 

 浩介くんが手をあげて、ウェイトレスさんが持ってきてくれる。

 

「レディースラーメンのお客様お待たせいたしました。こちらが海苔のトッピングになります。ごゆっくり」

 

 海苔は別皿になっている。あたしと浩介くんで半分分けできる。

 

 

「それじゃあ……」

 

「「いただきます」」

 

 あたしたちは同時に手を合わせて食べ始める。

 食事中はお互い黙々と食べる。

 浩介くんが頼んだチャーシュー麺大盛りの量、あたしがまだ優一だった頃ならスープまで飲み干せたくらいの量。

 今はこの、普通のラーメンよりサイズの小さいレディースラーメンでちょうどいい量。

 

  チュルッ……チュルッ……

 

  ズルッ……ズルッ……ズルッ……

 

 あたしが少しの一口でゆっくり食べる一方で、浩介くんは豪快に大きな口を開けて食べる。

 

 こうした所でも、慎ましやかな女の子と豪胆な男の子の違いが出る。

 あたしの場合は白いワンピースで慎重に食べているって言うのもあるけど。

 

 浩介くんが大盛りで、あたしが少なめなのもあって、うまく食べるスピードが相殺されたものの、それでも先に食べ終わったのは浩介くんの方だった。

 

「ごちそうさまでした」

 

「よし、じゃあ行こうか」

 

「うん」

 

 今回はあたしの残りの量が僅かだったので、浩介くんが待ってくれる。

 店を出て、エレベーターに乗り、デパートを出て駅を目指す。

 浩介君と他愛もない話をする。でも、時を過ぎるにつれて、心臓がバクバクいう。

 

「優子ちゃん、緊張してる?」

 

「う、うん……」

 

 電車で自分の最寄り駅を通過するのは何故かとても新鮮に感じる。

 これから、浩介くんの家で二人っきりになる。

 浩介くんの家では、あたしはこの服ではなく、誘惑用の服に着替える予定。

 きっと、これを着たら、浩介くんに襲われちゃう。

 でも、それはあたしが望んでいること。ああ、いつの間にあたし、こんなに淫乱な女の子になっちゃった。

 

 電車が学園の最寄り駅を過ぎる。

 あたしたちの目的地は更に先、ICカードをタッチする。ギリギリだけど帰れる残高になる。

 

 破裂するくらい心臓がドキドキする。

 それはきっと、初めて好きな男の子の家に、部屋に行くというだけではない。

 

「こっち」

 

「うん」

 

 閑静な住宅街、駅からの所要時間は、あたしの家より少しだけ短い。

 「今は誰もいないから」と、浩介くんが財布から家の鍵を取り出して開ける。

 家の広さはあたしの家よりちょっとだけ狭い程度。

 

「まあ入って」

 

「うん……お邪魔します」

 

 浩介くんに促され恐る恐る家に入る。

 

「じゃあ、俺の部屋に案内するよ」

 

「あ、うん……あの、その前にちょっとトイレ行ってきてもいい?」

 

「あ、うんいいよ」

 

 浩介くんがトイレに案内してくれる。

 

「俺の部屋、ここだから」

 

 浩介くんが自室に消えていく。

 

 念のためにトイレも今のうちに済ませておこう。

 あたしは純白のワンピースを脱ぎ、下着姿でパンツも脱ぐ。

 トイレを済ませたら流さずに鞄の中から短く胸元の空いたシャツを取り出す。

 次に青いフレアの超ミニスカートを取り出して穿く。

 

 どちらもギリギリなので手鏡をうまく使って調整する。見えちゃダメだ。

 あううぅ……もう濡れちゃいそうだよお……

 

 こちらはスカートの先端をよく確認して、普通に立っていればギリギリ見えてないようになっているのを確認する。

 

「うん……これでOK、恥ずかしいけど、きっと浩介くん喜んでくれるから!」

 

 あうう……龍香ちゃんには何の気なしにオススメしちゃったけど、いざ自分がやるとなるとものすごい恥ずかしいよお……

 

 あたしは鞄の中に白いワンピースを入れて、チャックをし、トイレのレバーを引いて流す。

 

 ドアを開け、浩介くんの部屋の前に来る。

 

  コンコン

 

「はーい入ってー」

 

  ガチャッ

 

 あたしは決心し、浩介くんの部屋の中に入る。

 

「お、お待たせ……」

 

「あ……」

 

 あたしの乱れきった服装を見た浩介くんが硬直している。

 

「えへへ、どうかな浩介くん?」

 

 ちょっと前かがみになってポーズを取る。背後に人がいたらパンツ丸見えなのが分かる。というか、あのデパートで何でこんな服売ってたんだろう?

 

「ど、どうかなって……どうしたんだよその格好!?」

 

 浩介くんが動揺しながら聞いてくる。

 

「あ、あのね……浩介くんに見せるためだけに……その……き、着てみたの……」

 

 部屋の中に完全に入り、浩介くんに近付く。

 

「へっ、お、俺だけに……」

 

  コクッ

 

 唾を飲み込みながら聞いてくる浩介くんにゆっくり頷く。

 

「浩介くん、好きなようにしていいのよ」

 

「はぁ……はぁ……」

 

 あたしが甘い言葉を言うと、浩介くんがますます興奮するのが分かる。

 

「鞄、置かせて」

 

「う、うん……」

 

 あたしが適当な位置に鞄を置く。

 お尻を浩介くんに向け、前かがみになる。浩介くんの角度からはパンツ丸見えのはず。

 

「あぅ……ゆ、優子ちゃん……」

 

「ん?」

 

 正直あたしも顔が真っ赤になってるけどわざととぼけたふりをする。

 最近このあたりの演技力が上がった気がする。

 

「はぁ……はぁ……」

 

  ガバッ!

 

「きゃあっ!」

 

 浩介くんが我慢できないという感じでスカートめくりをしてくる。

 

「いやーん、もう浩介くんのえっちぃ……」

 

 恥ずかしそうにあたしが言う。実際ものすごく恥ずかしいので演技したわけじゃない。

 

「な!? えっちなのは優子ちゃんの方だろ!? めくらなくても白いパンツ丸見えだったぞ」

 

「あうぅ……」

 

 全くその通りです、はい。

 

「で、でさ……お、俺の部屋……どうかな?」

 

 浩介くんが気を紛らわせようと部屋の話題をする。

 部屋はカレンダー以外のポスターはなく、本棚も少年漫画が結構あって、雑誌なんかも置いてある。

 机はシンプルに勉強しやすくなっていて、テレビが1台置いてある。

 あたしの部屋と違ってPCはない。

 

「うん、とってもいいと思うよ。あたしの部屋よりシンプルだし」

 

「優子ちゃんの部屋ってどんな感じなの?」

 

「うーん、本棚がまず違うかなあ」

 

「へえ、優子ちゃんの本棚って?」

 

「例えばこの漫画は優一だった時にはあったけど今はないし」

 

「え!?」

 

 浩介くんが驚いている。

 

「女の子になるカリキュラムの時に少年向けや萌え系の漫画は古本屋さんに捨てて、代わりに少女漫画を入れたのよ」

 

「あ、そう言えばそうだったっけ?」

 

「うん。後は女性誌とかもあるわよ」

 

 カリキュラム教材の少女漫画の中には、今も連載中のものもあって、あたしは続きの単行本が出て買うようにもなった。

 そのことを永原先生に話すと「やっぱり石山さんは優等生だね」と褒めてくれた。

 

 さり気ないことでも、女の子らしいことをすると、みんな褒めてくれる。

 その瞬間がとても幸せ。

 

「そうだよね、優子ちゃん女の子だもんね」

 

「うん、後は着せ替えのお人形さんとかぬいぐるみとか……最近はおままごとセットにはまってるんだ」

 

「お、おままごとって……」

 

 浩介くんがちょっとだけ引いている。

 

「うん、あたしって生まれつきの女の子じゃないもん。だから、子供っぽいって言われても、やっぱり子供の女の子の遊びもしたいのよ」

 

「あ、そうだよね、うん……ごめん」

 

 浩介くんが申し訳なさそうに謝ってくる。

 

「ううん、いいのよ。それよりも、隣座ってもいい?」

 

「あ、うん……」

 

 あたしは、座りながら、何の気なしに浩介くんの股間に視線を移した。

 そこはもっこり膨らんでいて、明らかに興奮が収まっていないという感じがする。まあ、当然だよね。

 

 この前の、永原先生に渡されたURLのことを思い出す。

 そこで見た「画像」と浩介くんで妄想してしまう。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「どうしたの優子ちゃん?」

 

「あ、ごめん、やっぱりこの服着てると興奮しちゃって……」

 

 正直に言う。

 

「優子ちゃんってえっちな子だね……まあ、俺もだけどさ」

 

「襲いたい?」

 

 あたしが誘惑するように胸を寄せて迫る。

 

「う、うん……でも、その……何でもない」

 

 浩介くんはしどろもどろになって沈黙する。

 

「いいのよ、ちょっとくらいなら……」

 

 あたしがぐいっと浩介くんに身体を近付ける。座ってスカートが少しずれて、それだけでもパンチラしてしまう。浩介くんはそこから視線を離せない。まずいと分かってても見てしまうのが男の性だ。

 

 

「きゃあ! えっち!」

 

 浩介くんにいきなりお尻と胸を同時に触られる。

 ちょっとだけ急だったのでびっくりしてしまう。

 

「まだ、決心はつかないけど、これくらい……してもいいよな……」

 

 浩介くんが我慢できないという表情で言う。

 

「う、うん……いやぁん……恥ずかしい……」

 

「はぁ……はぁ……優子ちゃん……」

 

 もみっもみっ……

 

「んぅ……あぅ……ひゃう!」

 

 浩介くんの両手10本の指であたしは身体をまさぐられる。

 スカートの上からいやらしくお尻を這い回られ、胸を無造作に揉みしだかれる。

 

「……」

 

 そしてとうとう興奮が最高潮に達し、身体が「受け入れ体制」の信号を出す。

 触りたい、あたしも、浩介くんに自由に触りたい。

 多分そうすれば、あたしは浩介くんに今日ここで、犯されて花を散らすことになる。

 

 多分、浩介くんが死ぬまで、他の誰も好きになれる気がしないから。

 あたしは浩介くんに向けて手を伸ばす。かつての優一をちょっと思い出し、まずは浩介くんの頭をさらりと撫でる。

 

「はぅっ!」

 

 浩介くんがあたしの不意打ちに驚いた声を上げる。自分がやられるとは思ってなかったのだろう。

 

「あたしも、我慢出来ないや……」

 

 あたしはうっとりした目で浩介くんの顔を見つめる。

 

「あ、あの……優子ちゃん……」

 

「うん? どうしたの?」

 

「もう、大丈夫なのか?」

 

「うん、今すぐ欲しくてたまらないよぉ……浩介くん……お願い……」

 

「はぁ……はぁ……で、でもやっぱり……俺……そこまでは!」

 

「あっ……!」

 

 浩介くんがあたしを触っていた手を引っ込める。

 

「ごめん、俺、トイレ!」

 

 浩介くんが駆け出し、ドアを開けてトイレに入り鍵を閉めてくる。

 

「……ばかっ」

 

 でも、しょうがないかなとも思う。いくらあたしでも、完全に浩介くんを獣にするのは無理。どうしても人間理性が残ってしまう。

 いきなりは、無理だもんね。

 浩介くんの気が向くまで、ゆっくり待とう。

 

 あたしはゆっくりと足を忍ばせ、トイレのドアに聞き耳を立てる。

 

「はぁ……はぁ……優子ちゃん……優子ちゃん……気持ちいいよ優子ちゃん……」

 

 浩介くんがあたしとの情事を妄想している。何をしているかは分からない。

 

「はぁ……はぁ……あ、あたしも……我慢できない……」

 

 あたしは浩介くんの部屋に戻り、スカートをめくりあげ、パンツの中に自分の手をいれ、ベッドで浩介くんと同じことをし始めた。




エロ回の頻度が多かったですが、次回以降はしばらく、エロ回は少なくなります。

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