永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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初仕事

 あたしの初会合の翌日、早速あたしは塩津さんの所に向かうことになった。

 浩介くんもついて行きたいと言ったらしく、永原先生が維持会員の入会と引き換えに快く認めてくれた。

 さて、塩津さんの所は新幹線の駅を使わないといけない。今後カリキュラムを受けさせる上で、移動時間は結構問題になる。学生のあたしはまだマシで、他の本業を持ってる人たちは「仕事が忙しい」という理由で、中々患者につきっきりは難しい。

 しかも病気があまりに特殊だから、一般の臨床心理士では対処が難しいのだという。

 

 塩津さんの資料を見た限り「長生きしているからあきらめているだけ」と口答えしているというレポートも見た。

 それなら2歳年下のあたしの存在はむしろ好都合。まあ、年下だとバレるとそれはそれで困るけど。

 

 あたしは、今の季節ミニで寒いけど水色の膝上丈のワンピースを取り出す。

 うん、これで大丈夫。

 

 

「おはよー」

 

「優子おはよう。今日は初仕事だって? 凄いわね」

 

「うん。先週TS病になった人のカウンセリングと教育だよ」

 

「へー、優子も人に教える立場になるのね」

 

 母さんが感心している。

 

「そそ」

 

「ところでその服、寒くない?」

 

「あーちょっと足が寒いかも……」

 

「優子、今はまだいいけど、そろそろ防寒しないと脚が太くなるわよ」

 

 あうっ……それはちょっと嫌よね……

 

「ストッキングも買ってあるから、今日はいいけどそろそろそれを履きなさい」

 

「う、うん……」

 

 そう言えば、今までストッキングを履いたことがなかった。

 女の子として、人に教える立場といっても、結局は「教えるは学の半ば」という言葉の通り。

 あたしだって女の子になってからまだ半年強しか過ごしていない。

 考えてみれば、あたしもまだ女の子として、冬の経験がない。

 そこはまだ、至る所に「優一」が残っているはずだから、一個一個潰していこうと思う。

 

「いってきまーす」

 

 林間学校の帰りの時以来の新幹線。

 上野駅へはあの時とは逆の方向から、同じ道のりを進む。違うのは、地下鉄の経路だけ。本当は別の駅から乗ったほうがいいらしいが、今回新幹線に乗るのは上野駅からになる。

 永原先生が、あたしが女の子になってから、時間の進みを遅く感じるようになったという。

 あたしも、まだ4ヵ月しかたってないはずの林間学校が何年も前の出来事のように感じてしまう。

 

 それはともかく、あたし達は上野駅の新幹線ホームで待ち合わせ。

 座席は自由席ということで案内をよく見る。

 前回は東京駅まで乗ったけど今回は上野駅からスタート。

 

 どうしてかは分からないけど、言われるがままに上野駅から乗車券と自由席特急券を購入し改札口を通る。

 

 たまに乗る新幹線は、とてもワクワクする。

 駅の案内表示をよく見て、正しい方面のホームに行く。

 

「あ、優子ちゃんおはよう」

 

「石山さんおはよう」

 

 エスカレーターを降りた先で、二人が出迎えてくれる。

 

「浩介くんおはよう……おはようございます、永原会長」

 

「会長?」

 

 浩介くんが不思議そうに言う。

 

「うん、今日の石山さんは、私たち『日本性転換症候群協会』の正会員として来ているのよ。だから私は『会長』よ」

 

「そ、そうか!」

 

 予定の新幹線にはまだ時間がある。速達列車じゃないけど、速達列車は全席指定で高いということでこちらのタイプに乗るという。

 

「さ、もうすぐ来るわよ」

 

 放送によれば、これから乗る電車はそれなりの駅にまとまって止まるらしく、そのために速達列車に途中で抜かされることになっていて、また別の方面に行く列車を連結していて、切り離し作業もするとか。

 よく分からないがとにかく今度来る電車に乗ればいい。

 

 白と紫に塗られた電車の中は自由席、3人掛けの席に座る。あたしが窓側、真ん中に浩介くん、通路側が永原先生。

 

「ふぅ……」

 

 あたしは一息つくと、余呉さんから引き継いだ書類を取り出す。

 昨日目には通したけど、もちろん全然読み足りないし、どうやって指導していけばいいかまだ手探りだけど、とにかく情報が必要だ。

 

「うーん……」

 

「石山さん、どうしたの?」

 

「ここの両親のコメント……」

 

「ああうん、『当人の好きなようにさせたい』だよね?」

 

「どうにも引っかかるのよ。余呉さんの警告後にもこんなことを言うって」

 

 正直に言えば、これまでのデータからも好きなようにさせるといっても、正しい道は事実上一個しかないから危険なことにしか見えない。

 

 もちろんカリキュラムなしで表面から徐々に女の子になっていくか、カリキュラムを受けて少なくとも表面上は急速に女の子にしていくのかの違いはあるが、どちらにしても「女として生きていく」という意味では変わらない。

 

「そういう風に言う親は多いわよ。何分いきなり性別が変わるなんて過酷な運命よ」

 

「でも、あたしは母さんがすぐに切り替えて指導してくれました」

 

「うん、石山さんのお母さんはノリノリだったよね。でもそういう親ばかりというわけではないのよ」

 

 まあそうよねえ……

 

「もちろん、女の子になったんだからって女の子っぽくさせようとする親もいるし、本人の意思に任せようとして男っぽい振る舞いを止めない親も居るわよ。割合は半々くらいね」

 

「本人の意思は?」

 

「こっちも割り切れる子、割り切れない子が居るわ。こっちも割合は半々くらいね」

 

「じゃあうまくいく可能性のほうが高いような?」

 

 あたしのように割り切れるなら、親がどう転んでも同じだろうし、反発するとしたって……

 

「ううん、実際に長生きできる患者は少ないわよ。女の子になって、今まで出来たことの多くが出来なくなるの。それは辛いことよ。石山さんのように、昔の自分が嫌いだから、捨てられてうれしいというものじゃないのよ」

 

 そうよね、あたしみたいに自虐的だった人ばかりじゃないもの。

 自尊心を持って育った子ほど、壁にぶち当たるわよね。

 

「特に生理の時ね。カリキュラムを終了しても、ここで『こんな辛い耐えられない。やっぱり戻りたい』って言ってしまう子が多いのよ」

 

「それはわかります」

 

 正直めっちゃ辛いし。

 

「でもそうね、親の説得は絶対よね。それをクリアしないと、外堀が埋まらないもの」

 

「大学へは?」

 

「一応余呉さんが関係者に事情を説明しているから大丈夫よ」

 

「了解」

 

 って、引継ぎ書類にも同じことが書いてあった。

 口で他人に聞く前にまず調べる癖をつけないといけないわね。

 

  ゴオオオー

 

 新幹線が進む、大宮駅を過ぎて一気にスピードを上げ過ぎて一気にスピードをあげていく。逆方向だから当たり前だけど、前回の林間学校が大宮駅を過ぎて一気に遅くなったのとは対照的だ。

 

 あたしは黙々と書類を読む。高校生には難しい言葉や文章も多いが、永原先生に質問すれば大丈夫。

 

 電車は宇都宮駅から郡山駅にしばらく停車するという。

 その間に緑と赤の電車が轟音とともに通り過ぎていく。あたしたちが目標としている駅はあの列車も止まるけど今回は料金が安いということでこっちに乗る。

 でも、乗車時間が長いのは歓迎。浩介くんも空気を読んでくれてあたしに話しかけてこない。その代わり、車内の先頭にある電光掲示板の表示されるニュースや広告記事に釘付けになっている。

 郡山駅を発車して次に停車するのは福島駅。ここで別の列車を切り離す。

 切り離し作業は安全確認などもあって結構時間のいる作業。停車時間が数分できる。

 ここでも資料を読む時間に充てた。

 

 

 書類を読むにつれ、この人があたしとは全然違う状況だということが分かった。

 

 今までの経験は通用しないということが分かり、不安になる。

 

「うーん……」

 

「石山さん、自殺ルートに進んだ子の対処法は、あたしたちも手探りよ。だって、誰も経験したことないもの。それでも、できるだけもがいてはいるんだけどね」

 

 永原先生の言葉、確かにそうよね。

 ということは、何としてでも、軌道修正をしないといけないわね。

 とすると、女の子を徹底的に自覚させて、性自認を修正させないといけないわね。

 うーん、でも、万一暴れられたら……うーん、浩介くんに守ってもらうしかないかな?

 

 新幹線からメロディが聞こえる。

 

 

「石山さん、もうすぐ着くわよ」

 

「あ、はい」

 

 車内の自動放送で目的の駅が近いことを示す。あたしは書類をしまって席を立つ。

 車内では車掌さんが速射砲のように「何とか線何々方面は何番線から何時何分」を連発している。

 列車が一気に減速し、やがて停車する。

 

 ドアが開き、改札口を出る。

 少し早めの昼食ということで、駅構内にある立ち食いそばを食べる。浩介くんの注文した唐揚げそばがとても美味しそうだった。

 

 乗車券を取り出し、在来線で1駅。

 あたしたちの町ほどじゃないけど、この地方では随一の都会。同じ会社とあって、駅の自動放送も、あたしたちと同じ人の声。でもさすがに、編成の長さも本数も、それほど多くはない。

 

 塩津さんの家の場所については、書類に地図があるので駅からは迷わなかった。

 

「ふう、緊張するなあ……」

 

「事情は話してあるから。呼び鈴鳴らして大丈夫よ」

 

「……はいっ!」

 

  ピンポーン、ピンポーン!

 

「はーい!」

 

 一回押して2回呼び鈴が鳴るタイプ。家の奥から低めの女性の声がする。

 

  ガチャッ

 

 中年の女性が出て来る。

 

「あれ? どちら様ですか?」

 

「はい、日本性転換症候群協会の石山優子です。余呉に代わってカウンセラーを務めさせていただきます」

 

「あ、はい。こちらの方々は?」

 

「私は同協会会長の永原マキノと言います。こちらは維持会員の篠原浩介です」

 

 永原先生が自身と浩介くんを紹介する。

 

「分かりました。遠いところからよく参りました。悟ー! 協会の人よー!」

 

 お母さんと思われる女性が声を上げるが返事がない。

 ともあれ、上がるように促されたので、家に上がることにする。

 

「「「お邪魔します」」」

 

「こちらです」

 

「悟ー!」

 

 再び呼ぶが返事がない。

 

「……ごめんなさい。遠いところからわざわざ来てくださったのに、返事一つよこさないなんて」

 

「兄貴なら、ネットで調べ物してたぜ」

 

 制服を着た男の子が答える。

 

「あら? あなたは?」

 

「ああ、俺は塩津徹(しおつとおる)っていうんだ。あいつの弟だ」

 

「よろしくお願いします。あたしは新しくカウンセラーになった石山優子です」

 

「よ、よろしくお願いします……」

 

 徹さんは少し息を乱しながらあたしの胸に見入っている。

 

「にしても、余呉さんもかわいかったけど、石山さんはもっとすげえ……」

 

「おい!」

 

 浩介くんが怒ったように言う。

 

「おわっ、何だよ!?」

 

「優子ちゃんは俺の彼女だ!」

 

「はーい……やっぱりか……」

 

 徹さんが残念そうな顔をする。

 

「で、そちらの方の美人は誰?」

 

 徹さん、結構がっつくなあ……

 

「はい、私が日本性転換症候群協会会長の永原マキノです。とりあえず塩津悟さんに会わせてください」

 

「はい、そちらもそのつもりなんですが……悟は会いたくないと……」

 

 お母さんが申し訳なさそうに言う。

 

「うーん……」

 

「ダメですよお母さん」

 

 お母さんも状況を悪化させている原因だし、この際きっぱり言っておいたほうがいい。

 

「え!?」

 

「単刀直入に言いますね。悟さん、このまま行けば間違いなく精神を追い詰めた果てに死にます」

 

「な、何を言っているんですか!?」

 

 お母さんが驚いている。

 

「これ、悟さんの書類です」

 

「ちょ、ちょっと石山さん!」

 

 永原先生も制止しようとする。

 

「永原会長。ここは私に任せてください。こちらの親御さんは、おそらく危機感が足りないのですから」

 

「え、ええ……」

 

 ともあれ引き下がってくれてよかった。

 

「な、何よこれ!?」

 

「私たちは江戸時代からのTS病患者の傾向をデータベース化しています。過去の患者の行動パターンから考えると、悟さんは2年以内に自殺するでしょう。首を吊るか、電車に飛び込むか、それとも……」

 

「や、やめてください!!!」

 

 お母さんが叫ぶ。

 

「兄貴が死ぬって、何でそんなこと言えるんだよ!!!」

 

「石山さん、あなた何てことを!!!」

 

 永原先生が怒っている。

 

「永原会長、もうどうせ劇薬でも使わないと、この状況ではダメです。もはやリスクを恐れている時期は過ぎています」

 

「だ、だけど会のイメージってものも――」

 

「今は、悟さんの命のほうが大事です」

 

 私が、はっきりと言う。

 

「……分かりました。みんなで信認した石山さんです。今は信じましょう」

 

 永原先生が神妙に言う。

 一方で、書類を見ていたお母さんは青ざめた顔をしている。

 

「これ、これは全部本当なんですか!?」

 

「ええ。お母さんとお父さん、それから徹さんにしてもらいたいことがあります」

 

「な、なんですか?」

 

「まずお母さんとお父さん、女の子の服、可愛らしい服をたくさん買ってください。そして、悟さんの服はすべて別の所に隠してください。特に下着は徹底的に隠して女物をつけざるをえない状況に追い込んでください」

 

「え!? でもそんなことしたら――」

 

「何が何でもしてください。形から入らないといけません」

 

「でも、悟は絶対抵抗するわ」

 

「ああ、兄貴は暴れるとヤバイんだ」

 

 お母さんと徹さんが反対する。

 

「大丈夫です。暴れても取り押さえてください」

 

「む、無理だぜ! 兄貴はサッカー部で鍛えてて――」

 

「大丈夫です。もう悟さんは女の子です。男の力には勝てません」

 

「何でそんなことが言えるんだ!?」

 

「あたし自身がそうだからよ。あたしも、以前はクラスでも男子トップクラスの体育の成績だったけど、今は体育は女子の中でもダントツのビリよ。球技大会や体育祭では、ハンデが必要になったわ」

 

「……」

 

「悟さんはもう、女の子として生きていくことを決めていく以外に、何も道はないの。だから、女の子を徹底的に自覚させるためにも、できれば徹さんには、なるべく完膚なきまでにボコボコにしてほしいんです」

 

「なっ……俺に兄貴を殴れと?」

 

「もちろん喧嘩を仕掛けられたらですよ? 殴るのは良くないですが、それで死んでしまうよりは、よっぽどマシでしょう」

 

「た、確かに殴られて死ななくなるならそうだけどよ……」

 

「それから徹さん、もう一ついいかしら?」

 

「な、何だよ?」

 

「悟さんのこと、二度と『兄貴』と呼ばないでください」

 

 これはとても大事なこと。

 

「え!? で、でもよ……」

 

「これは絶対です。徹さん、あなたは『お姉ちゃん』を死なせたいんですか?」

 

 あたしが半ば脅すように言う。うん、これでいい。ともかく周囲の意識から徹底的に変えさせて、危機感を抱いてもらわないといけない。

 

「いや、だってよ……つい一週間前までは俺の兄貴で――」

 

「『今は』お姉ちゃんよ」

 

「……」

 

「いい? これからは悟さんのこと、必ず『お姉ちゃん』と呼ぶのよ」

 

「わ、分かったよ……」

 

「そしてもう一つです。悟さんの女の子としての名前、仮でいいので付けて、そして呼んであげてください」

 

「……分かりました。今日決めましょう」

 

「それでどう変わるってんだ?」

 

「とにかく女の子として扱うことです。女の子らしくないと思ったら、すぐに叱ってあげてください。悟さんの精神が少し落ち着いて、少なくとも女の子になってしまったという現実を受け止められるようになったら、このカリキュラムを受けさせてあげてください」

 

 あたしが、かつて自分も受けたカリキュラムの本を出す。

 ちなみに、新幹線でも読んだけど知らないことがたくさんあった。

 

「これ……ですか?」

 

「ええ、悟さんには絶対見せないようにしてください」

 

「はい」

 

「本当はカリキュラムについては発病初日に決断すべきことなんですけど悟さんの場合はまず踏み外した道を修正するところからでしょう」

 

「そして、塩津さんは殆ど挽回が難しい状況だということを理解してください」

 

 永原先生がここで補足する。

 

「ええ……分かりました。このことは、お父さんにも言います。書類、預かってもいいですか?」

 

「ええどうぞ」

 

  ガチャッ……

 

「ただいまー!」

 

「あ、お父さんが帰ってきた……おかえりなさーい。会の人が来てるわよー!」

 

 足音が聞こえる。

 

「おや、いらっしゃい。遠いところからわざわざ有り難うございます。どうですかお昼は?」

 

 お父さんはどうもお昼ごはんと夕ごはんの材料を買っていたらしい。

 

「いえ、もう食べたので大丈夫です」

 

「わかりました、塩津悟の父です」

 

 お昼はもう食べたから、丁重にお断りしておこう。

 

「日本性転換症候群協会会長の永原マキノです」

 

「い、維持会員の篠原浩介です」

 

「この度、塩津悟さんの担当カウンセラーになりました、正会員の石山優子です」

 

「か、カウンセラー!? あなたがですか? それに会長さんも……女性に聞くのは失礼ですが……おいくつなんです?」

 

「え? 私ですか? うーん本当のことは言いたくないのよねえ……」

 

 永原先生が言う。

 あたしも本当は悟さんより年下だなんて言ったらまずい。

 

「え!? やはり見た目通りなんですか!?」

 

「逆ですよ」

 

 あたしが言う。

 

「え!?」

 

 お父さんが驚いた顔で言う。

 

「そうだねえ……塩津さんの家族全員の年齢を合計しても全然足りないわよ」

 

 永原先生が言う。

 

「そういえば、この前来ていたカウンセラーの人も同じこと言っていたような……」

 

 徹さんがそう言う。

 

「ああ、うちの会長はその余呉さんよりずっと年上です。会長は何分、私達にとっては『長老』でもありますから」

 

 といっても、永原先生だけ突出して年上なんだけど。

 なにせ余呉さんだって2番目に年上だけど184歳だし。永原先生から見ればかなり若い。

 

「見かけによらないものだなあ……」

 

 徹さんが驚いている。

 

「TS病とはそういう病気ですから」

 

「……ところで、そろそろ悟さんに会わせてもらいますか?」

 

「ええ。ですが今日はずっと部屋にこもってて」

 

「ちょうどいいわ。徹さん、早速『お姉ちゃん』を使って説得してください」

 

「お、おう……」

 

 あたしたちは悟さんの部屋の前まで案内してもらうことになった。


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