永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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幸子さんの修行 前編

 また夢を見た。誰かが語りかけている。

 低く、野太い声だが、ひどく疲れ切った、それでいて弱った声。

 

「お前は……お前は俺みたいな目に、他の人も遭わせるのか!」

 

 声の主が息も絶え絶えに怒った声で言う。

 

「あなたは誰?」

 

「まだ分からねえかよ……そうかよ、てめえは!」

 

 声の主が乱暴に言う。

 もしかしてこの人……

 

「あなたは……もしかして……」

 

「はっ、本当にバカだよな。まだ、答えられないなんてよお!」

 

 霧が晴れる、全身が傷つき、血だらけの男、顔はよく見えないけどこの顔は……優一!

 

「お前は……俺を、俺をどうしたいんだ……!?」

 

「……」

 

 

  ピピピピッ……ピピピピッ……

 

「んー!」

 

 あたしはゆっくりと目を覚ます。

 さっきの夢のことを思い出す。

 傷だらけになった「優一」があたしに語りかけてくる夢だった。以前にも似たような夢を見たことを思い出す。

 あの時と違って、本当に息も絶え絶えだった。

 夢の中で「優一」が血だらけになっていた。

 夢の中でのあいつの最後の言葉「お前は、俺をどうしたいんだ?」

 ……もちろん、消したい。永原先生曰く消せることはないだろうとは言っていたけど、以前見た時よりも明らかに元気が無いのも、あたしの中で努力の成果がでているということ。

 ともあれ、あまりに気にしても仕方ない夢だろう。

 

 

 さて、今日は土曜日ながら小谷学園に行くわけだけれど、学生としてではなく日本性転換症候群正会員として行く。

 学校に学生の身分のまま学生以外の名義で仕事に行くなんて、日本広しと言えどあたしが初めてじゃないのかな?

 そう思ったので、あたしはあらかじめ永原先生に相談しておいた。

 

 つまり、あたしが悩んだのは「学生として学校に行くわけじゃないから、制服じゃなくてもいいのではないか? それとも制服が望ましいのか?」ということ。

 実はそれ以前の問題として、小谷学園は制服着なくて登校しても怒られないんだけど、いずれにしても学生でもあるけど学生以外の立場として学校に行く場合、どうすればいいのか? という問題は好奇心も含めて聞いても見たかった。

 

 永原先生によれば「学生でもあるんだから制服でいいんじゃない?」と言っていたので、それに従うことにする。

 今日は12月の中でも寒さは和らいでいる方だけど、それでも寒いので愛用のストッキングは欠かせない。

 最も、今日はカリキュラム中は寒いのを我慢してストッキングを脱いで生足になる予定になっている。

 幸子さんも今日はたくさんスカートめくりされる運命だけど、その時も生足のほうが都合がいい。そのためにあたしだけストッキングではかっこがつかない。

 

 

 いつものように朝のお人形さん遊びをして、あたしは着替える。最近ではお人形さんだけではなく、ぬいぐるみと一緒に遊ぶことも増えた。

 パジャマから制服への着替え方に則るわけだけど、幸子さんは何を着てくるのか楽しみだ。

 それにしても、下着も含めて取り替えるためとは言え、一旦全裸になるのも寒くなってきた。

 せめてスカートだけでも先に穿いたほうがいいかもしれない。

 

 ともあれ、あたしは制服に着替え終わり、洗面所に行ってパジャマを洗濯かごにいれ、歯磨きを始める。

 

「あ、優子おはよう」

 

「おはよう母さん」

 

「そうね、今日はカリキュラムだっけ?」

 

「うん」

 

「今の優子もかわいいけど、あの時の初々しかった優子もかわいかったわねえー」

 

 母さんが懐かしそうに言う。

 確かにあの頃は、「女の子になる」という気持ちが先行していて、具体的に何をどうすればいいかとか分からなかったからみんなに導いて貰う必要があった。

 懐かしそうに言うけど、実際には8ヶ月くらいしか経ってない。

 

 あたしにとって今年ほど壮絶な1年はなかっただろう。

 もしこれから100年1000年生きるとしても今年のことは忘れもしないだろう。

 永原先生も、女の子になったばかりの頃は鮮明に覚えているという。

 

 あたしは朝食を取り早速出かける準備をする。

 待ち合わせ場所は学校の来賓受付ということになっている。

 

 それにしても、女の子になったばかりは、まさか自分がカリキュラム指導役になるとは思ってもいなかった。

 それどころか、1年足らずで指導役になり、永原先生の独白に「4人目の恩人」「救世主」と書かれていたのだから驚きだった。

 

「それじゃ行ってくるわね」

 

「いってらっしゃーい、閉めておくわ」

 

 あたしは、母さんの声とともに制服姿で外に出る。

 

 やはり違和感がある。

 土日に学校に登校したことも、今まで何度かあった。

 でも、今は学生として学校に行くわけじゃない。とすると、これはコスプレと言ってもいい。

 変な話だ、現役の女子高生が同じ学校の制服でコスプレしている。

 

 何かもう、哲学的ですらある。

 こんなくだらないこと考えているのは全世界でもあたしくらいだと思うけど。

 

 学校への最寄り駅に到着する。そこは休日登校した生徒たちがたくさんいる。

 同じ服を着て、いつも同じことをしているのに、妙な疎外感がある。

 

 気分だけで、こんなにも変わってしまうのかと思い知らされている。

 最近は二重生活にも慣れ始めたと思っていたのに、こんなことで永原先生が言っていた、「二つの顔を持つ」「二足のわらじを履く」ということへの難しさを改めて思い知らされた。

 

 ともあれ、あたしは下駄箱から靴を履き替える。

 まだ時間があるので無人の教室でストッキングを脱ぐ。

 これで準備完了。とりあえず7分くらい前に来ればいいだろう。

 

「……」

 

 教室に1人、あたしの席に1人。でも、今日は休日だから授業はない。

 さ、感慨にふけっている時間もない。

 今日はカリキュラムでも特に大事な日なんだ。

 

 あたしが遅刻してたらシャレにならない。そう思って、約束の時間の10分前に教室を立つ。

 幸子さんたち、無事にたどり着けていると言いけど……ま、あたしの携帯に連絡ないし、多分大丈夫。

 

 職員室に程近い来賓の入り口を見る。

 母さんとカリキュラムの時に来たときは生徒としてだから、ここに来るのは初めてだ。

 先生たちが変な目で見ている。

 

「ああ君、そこにじっといると来賓の方に迷惑になりますよ」

 

 事情を知らない先生の一人があたしに注意する。

 来賓の迷惑にならないようにという名目で、生徒はみだりに近付かないことになっている。

 小谷学園でも数少ない「規制区域」でもある。

 

「ああいえ、用事があります」

 

 そもそも、制服を着てはいるが、今のあたしは生徒として小谷学園に来たわけではない。

 

「え!? どういうことですか!?」

 

 先生が驚いている。

 

「あの……永原先生に聞けばわかると思います」

 

「? は、はあ……」

 

 そう言うと先生が職員室に消えていく。

 程なくして、永原先生が入れ違いのように近づいて来る。

 

「あ、石山さん」

 

「おはようございます永原会長」

 

「ああうん、おはよう。予定の時間までもうすぐだね」

 

「うん、幸子さん、どんな服で来るのかな?」

 

 あたしが興味深そうに言う。

 

「うーん、見てのお楽しみだね」

 

 もちろん、女の子らしい服が一番だけど。

 

 

 そんな話をしていると、奥から二人の女性の人影が見えた。

 紛れもなく、幸子さんと彼女のお母さんだ。

 

 幸子さんは白いトップスと黒いコート、赤紫のスカートに身を包んでいて、足は生足だった。

 あたしが着ていた赤い巻きスカートに赤い服というほどじゃないけど、それでもそれなりに少女性を醸し出している服と言っていい。

 

「おはようございます」

 

「お待ちしておりました、本日はよろしくお願いいたします」

 

「お願いします」

 

 あたしも含め、4人は頭を下げながら挨拶をする。

 そして挨拶もほどほどに、あたしは今日のカリキュラムの意義を説明する。

 

「今日は一日だけ、幸子さんに高校生に戻ってもらいます。そこで制服の着付けや、更にスカートで日常的に公共の場での振る舞い、特に男性の存在する場所での振る舞いを身に着けてもらいます。高校と大学の違いはあると思いますが、今後の幸子さんにとって、今一度役に立つことでしょう」

 

「そ、その……高校生に戻るって、もしかして制服とか……?」

 

 幸子さんがやや不安そうに聞いてくる。

 

「はい、明日はミニスカートで外出する課題が出ますから、その予行演習でもあります」

 

 あたしが言う。

 説明も程々に、あたしと永原先生で普段使っている2年2組の教室に案内する。

 教室にはすでに永原先生が用意してあった制服が1セット、と言ってももちろんあたしと違って新品ではないけど。

 

「えっと、それで最初の課題というのは?」

 

「ここにある制服に着替えることです。さ、着替えてください」

 

「って、みんなの前で!?」

 

 幸子さんがあの時のあたしと同じく当然の抗議をする。

 

「もちろん、着付けを見ないといけないもの。スカートは短くてもいい、というか短くしてほしいけど」

 

「で、でも……」

 

「まあどうしてもというなら一人にしますけど、その代わり失敗したらペナルティーよ」

 

「ああうん、お願い」

 

 よし、引っかかったわ!

 

「……分かったわ。会長、お母さん行きますよ」

 

「ええ」

 

「はい」

 

 あたしたちは素直に引き下がり、幸子さんが教室の扉のカーテンを閉めてくる。

 

 

「さて、もう一つ確認ですけど」

 

「はい」

 

 教室の外で、あたしは幸子さんのお母さんに向き直り、必要事項を説明する。

 

「ここからはカリキュラムの内容も本格的になります。もし女の子としての自覚に欠けるようなはしたない行為や言動に及んだ場合、幸子さんにおしおきさせる必要があります」

 

「え、ええ……分かってます」

 

「おしおきの内容はスカートめくりになります。そして、させるべき暗示も変わります」

 

「ここで幸子さんがどのくらい恥じらいの心を身に着けるかで、将来が大きく変わってきます」

 

 永原先生も補足説明をしてくれる。

 

「はい、本は読みました」

 

「じゃあ安心ですね。おしおきといっても、今は訓練ですから、今のうちにたくさんおしおきされて、たくさん恥ずかしい思いをして……それが将来の女の子の感性の取得につながります」

 

「はい……」

 

「ふふっ、石山さんのお母さん、この説明を聞いた時には『恥ずかしがる優子が楽しみ』って笑ってたわね」

 

 やっぱりそんな感じの会話だったのね。まあ、あの日たくさん恥ずかしい思いさせられたからこそ、今のあたしがあるんだけど。

 

「えー石山さんのお母さんって……」

 

「ええ。石山さんを自分好みの女の子にしようとノリノリだったわよ」

 

「なっ……!」

 

 塩津さんのお母さんが「なんて非常識」って顔をする。

 

「でもね、あたしの事を我欲で女の子にしようとしたあたしの母さんは、結果的にあたしが女の子になるのを助けたのよ。塩津さん、善意で行う悪事の有害性は、悪意で行う悪事のそれよりも遥かの大きいのよ」

 

 それどころか、こんな風に意図しない福をもたらすことさえある。

 

「え、でも分かっててわざとやるのが……!」

 

「塩津さん、私たち日本性転換症候群協会の歴史は、『無知の善意』との戦いの歴史でもあるのよ。どんな人にも良心は残るの。だからそれが無意識のブレーキになるの。分かっててやる間違った意味の『確信犯』なんてたかが知れているわ。本当に怖いのは、地下鉄サリン事件のような本来の意味での『確信犯』なのよ」

 

「……」

 

「で、できたよー!」

 

 あたしと永原先生の話は幸子さんの声によってかき消されてしまった。

 

「はーい、では開けるわねー!」

 

  ガラガラガラ……

 

「ど、どうかな……?」

 

「あらまあ! かわいいわね!」

 

 お母さんが真っ先に声をかける。

 制服姿の幸子さんはあたしよりちょっとスカート丈が長いけど、それでもひざが見える程度にはミニで、リボンなどもかなり着崩しているけど似合ってはいる。

 

 だけどリボンは曲がっているわ下のブラウスはスカートに入れてないわ襟も曲がってているわでお世辞にもいい着つけとはいえない。

 

「幸子さん」

 

「ん?」

 

 あたしが幸子さんに近付く。

 まずはあたしも指摘されたリボンから。

 

「リボンが曲がってる! ダメよ!」

 

  ぶわっ!

 

 あたしは幸子さんのスカートの袖を握って思いっきりめくり上げる。

 

「う、うわっ!」

 

 幸子さんは突然のことに動揺して全く反応できていない。ちなみにパンツの色はピンクでした。

 

「リボン、もう一度直しなさい」

 

「そ、それよりさっきのは……!」

 

「ふふっ一人で着替えるって言ったんでしょ? 明日にはもうカリキュラムが終わるのよ。今日からは言葉遣いを間違えたり、ガサツな態度を取ったりしたらスカートめくりのおしおきよ」

 

「そ、そんなのきいてないよお……!」

 

 幸子さんがちょっぴり恥ずかしげに不平を言う。うん、いい傾向。

 

「それから暗示も、今までは『私は女の子……私は女の子……』で良かったけど、今日からは『私は女の子……パンツ見られて恥ずかしいよ……私は女の子……パンツ見られて恥ずかしいよ……』って暗示をかけなさい」

 

 言ってるこっちもずいぶん恥ずかしいけど。

 

「うー」

 

 幸子さんが曲がったリボンを直す。

 

「うん、リボンはこれでOKよ。さ、暗示かけてね」

 

「わっ、私は女の子……パンツ見られて恥ずかしいよ……私は女の子……パンツ見られて恥ずかしいよ……これでいいの?」

 

「うん、OKよ」

 

 正直、恥ずかしそうに声に出して暗示をかける幸子さんが滅茶苦茶かわいい。レズじゃないけどいじめたくなっちゃう感じ。あの時の母さんもこんな気持ちだったのかな?

 

 さて、次にするのが……

 

「でもね……襟も曲がってるわよ!」

 

  ぶわっ!

 

 あたしはそう言うと、今度は後ろからスカートめくりをする。

 

「ちょ、おまっ……な、何すんだよてめ……」

 

  ぺろっ

 

 反抗的な男言葉を使ったので今度は後ろから前の部分をめくりあげる。

 永原先生と塩津さんのお母さんからも丸見えの角度。

 

「うー!」

 

「襟が曲がってちゃダメでしょ! それから言葉遣い!」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 幸子さんがちょっと涙声になっている。

 でも素直でよかったわ。

 

「襟を直す前に、まず正しい言葉遣いよ」

 

「な、何すんのよ! やめて!」

 

「ふふっ、じゃあ暗示かけてね」

 

「わっ、私は女の子……パンツ見られて恥ずかしいよ……私は女の子……パンツ見られて恥ずかしいよ……あうう……」

 

 お、本当に恥ずかしそうにしてるわね。いい兆候。

 

「じゃあ次、襟を直してみて」

 

「う、うん……」

 

 幸子さんが制服の曲がった襟を直し始める。

 

「こ、これでいい?」

 

「うん、大丈夫よ」

 

「ふぅ……」

 

 幸子さんが一息つく。

 

「残念だけど……」

 

  ぺろっ

 

「わっや!」

 

 幸子さんがあたしにスカートをめくられ、驚き一色だった悲鳴に恥じらいが混ざり始めた。

 

「な、なんでまためくるのー?」

 

「これよ、あたしの制服を見てみてよ」

 

「あ!」

 

 幸子さんが気付いた。ブラウスの裾をスカートの中に入れるのが普通だ。

 幸子さんが大慌てで入れ始める。

 

「うん、OKね。これでもう変な部分はないわよ、さ、暗示かけてね」

 

 幸子さんが恥ずかしそうに3回目の暗示をかけてくれる。

 

「ねえ、これって意味あるの?」

 

「うん、恥ずかしい思いをすればするほど、幸子さんは女の子らしくなっていくわよ」

 

「いまいちよく分からない。確かに恥ずかしいことだけど」

 

「塩津さん、実はね、成績が悪い子はもっとスカートめくられるんだけど、めくられるのに慣れちゃって恥ずかしいと思わなくなっちゃうのよ」

 

 永原先生が成績不良者の行動を示してくれる。

 

「そ、そうなんですか!?」

 

「うん、一番成績が良かった石山さんも、この日はいっぱいスカートめくりされて、いっぱい恥ずかしい思いをさせられて、今の石山さんがあるのよ」

 

「ちょ、ちょっと会長!」

 

 かなり鮮烈な経験なので詳細を思い出してしまうのがまた厄介、顔が熱くなっちゃう。

 

「と、とにかく、次は座り方訓練です。あたしが教壇に立つので、あたしを先生に見立てて授業を受けているという前提で、椅子に座ってみて?」

 

 制服の着付けの次に行うのは、授業を想定した座り方訓練。ここもパンチラスポットであり、おしおき多発地帯でもある。

 幸子さんが椅子を引き、スカートを整えずに直に座る。

 懐かしいなあ、あたしもこれやっちゃって永原先生におしおきされちゃったんだっけ?

 

「幸子さん、立って見て?」

 

「うん」

 

 幸子さんが立つ。

 

  ぴらりっ!

 

「はうっ!」

 

 あたしがもう一回幸子さんのスカートをめくる。

 幸子さんはまだ手で抑えてこない。

 

「どうしてめくられたと思う?」

 

「えっとその……直に座っちゃったから?」

 

「大正解よ。さ、暗示かけたらもう一度座ってね」

 

 あたしが言うと幸子さんが暗示をかけ、もう一度再開。

 正解はスカートの後ろを手で揃えて座るなんだけど、幸子さんは足を閉じることを忘れている。

 まあさっきもそうだったんだけど、とにかくあたしからはパンツ丸見えになっている。

 

「はい立って」

 

「あ、あの……」

 

「うん、よくスカート揃えたね」

 

「は、はい……」

 

「でも……」

 

  べろっ!

 

「うわあっ!」

 

 幸子さんが恥ずかしそうにスカートを抑えて抵抗する。

 この仕草をしたら褒めちぎらないといけない。

 

「あら幸子さん」

 

「あ、あの……す、すみません」

 

「ううん! 素晴らしいわよ今の!」

 

「え!?」

 

「今のはね、成績優秀な女の子がする行動よ。素晴らしいわ今の仕草、女の子らしくて褒めても褒め足りないくらいよ。これからも、おしおきされた時には是非今のを心がけてね」

 

 あの時のあたしと同じ、幸子さんはとても動揺している。

 

「そ、それで、どうしてめくられたの?」

 

「足を閉じてない! あたしからパンツ丸見えだったわよ!」

 

「うー、悔しい……」

 

 幸子さんは恥じらいの暗示をかけた後、3回目はきちんとスカートと足を揃えて座り、あたしと同じ、2回の暗示で通り過ぎた。

 次はもちろん、ミニスカートで気をつけなければいけない階段の方法を学ぶことになっている。


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