永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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スキー合宿1日目 ホテルの粋な計らい

 あたしは浩介くんを見つけると、みんなに続いてロビーへ。

 ロビーの中はさすがホテルとあって暑すぎず、寒くない暖房に保たれている。

 とは言え、建て替え間際だから、ホテルの施設はあちこちがボロボロで、ここ数年は、部屋の料金の値下げを余儀なくされていたそうだ。

 

「優子ちゃん、このホテル、何かボロいね」

 

「うん、もうすぐ建て替えなんだって」

 

 それでも、思ったよりボロボロで不安になるけど。

 

「にしたってなあ……どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!?」

 

「お金の問題じゃない?」

 

 あたしが努めて冷静に言う。

 

「だよなあ……」

 

 そんな話をしている間にも、一人、また一人と、荷物を持ったクラスメイトが集まってくる。

 そして実行委員の桂子ちゃんともう一人男子の実行委員が一番前に立って向き直る。

 

「みんなー、とりあえず部屋の鍵を取ってください、部屋に荷物を置いたらすぐにホールへ集合です」

 

 桂子ちゃんがそう言うと、鍵から一番近いあたし達を先頭に列ができる。

 

「あ、部屋の番号を間違えてないか、同室の人は必ず確認するようにしてください!」

 

 実行委員の男子が桂子ちゃんに付け加える。

 とにかく、鍵を探そう。

 えっと……あたしと浩介くんの部屋は……あった!

 

「浩介くん、この番号で大丈夫?」

 

「ちょっと待って……うーん、大丈夫!」

 

 浩介くんがパンフレットを見ながら確認してくれる。

 あたし達は、早速鍵を持って部屋へと向かう。

 

 エレベータもあったけど、2階の上オンボロで不安だったため階段を使うことにした。

 幸いにも、レストランとお風呂はそれぞれ1階に集約されているから、エレベータを使う心配はない。

 

 階段を上り、部屋の鍵を開けて部屋に入る。ちょっとだけ汗が流れる。

 さすがに、屋内ではこれは厚着に過ぎたわね。

 

「ふうー就いたねー」

 

 重い荷物をおろして一段落する。

 

「あ、ああ……ともかく、ホールへ行こうぜ」

 

「ちょっとごめん。これ暑いから脱ぐわね」

 

「え!?」

 

 浩介くんがいう間もなく、あたしは上着のコートとカーディガンを脱ぎ、下はスカートを脱いでズボン姿になる。

 下着見えたりするわけじゃないので堂々として大丈夫なはず。

 

「さ、行こうか」

 

「あ、ああ……」

 

 浩介くんが狐につままれたような顔をしている。

 もしかして、あたしの「脱ぐ発言」でいかがわしいことでも想像していたかな?

 

 ともあれ、あたしは浩介くんと一緒に、別館にあるホールを目指した。

 最初の方に部屋に入ったため、またすぐに出てきたため人通りはまばら。

 でもこれから、スキー合宿の小谷学園2年生たちで盛り上がる。

 

「ふー」

 

 ホールにつき、浩介くんと一緒に端っこの壁に座り込む。

 今は人が少ないけど、人が増えたら所定位置に立てばいい。

 

 ホールには、次々と人が入ってくる。

 実行委員はまだ来ていないから、どこにいればいいかわからないし、とりあえず今はこれでいい。

 

 永原先生が入っていくのが見えた。あたしたちには気付いていない様子。

 

 クラスで見知った顔も増えてきて、徐々にクラスごとに列ができる。

 

「じゃあ行こうか」

 

「うん」

 

「はーい、手前から座ってください」

 

 どうやら、座りながら話を聞けるらしく、立っていた列が後ろに下がって座り始める。

 あたしと浩介くんは、後ろのほうに陣取り座る。

 浩介くんは足を胡坐にして座る、あたしは愛用の女の子座りをする。

 

 ズボンだからどんな座り方でもいいんだけど、スカートで過ごすことが長くて、自然と体育座りを避けるようになってしまった。

 体育の授業でも、する機会がめっきり減ってしまったし。

 

「建て替えた後ってどうなるんだろうね」

 

「さあ?」

 

 このホテルは本館と別館があって、それぞれ4階建てになっている。

 別館の1階はこのホールの他、スキーのレンタルサービスをするコーナーを始めとしたスキーコーナーがある。

 

 しばらくすると、ホールの壇上にホテルの人が立っているのが見えた。

 

「はーい、みんな、間もなく始まるわよー! 静かに聞いてね」

 

 永原先生がおしゃべりしている生徒たちに注意すると、生徒たちもほとんど静かになる。

 

「えー皆さん、支配人の疋田(ひきだ)です。本日は『疋田スキーホテル』をご利用いただきまして誠にありがとうございます」

 

 やっぱり疋田は人の名前か。

 

「こちらのホテルは小谷学園の皆様のご利用を最後に、建て替えに入ります。築50年となりましたこちらのホテルは、まもなく役目を終えます。すでにあちこちボロボロではありますが、最後の時間をお楽しみください、以上です」

 

 短い演説を終え、拍手が起きる。

 長々とホテルの歴史を語っていたら拍手も起きてなさそうね。

 

 次に永原先生が壇上に立つ。

 

「はーい、それでは皆さん、次はスキーウェアのサイズを測りますので担当の付いてきてください」

 

 1組から順番に、スキーウェアのレンタルコーナーに移動する。ちなみに、スペースには余裕があるので、制限時間は特にない。

 スキー本体にスキーウェアと帽子、ピッケルの他、ゼッケンは全員が受け取るため、自分用のスキー用具を持っている人も一旦レンタルルームに行く。

 

 

「レンタルサイズ、合うのあるかなあ……」

 

 あたしは、胸をちょっと気にしながら言う。

 

「あーどうだろう?」

 

 これだけ大きいと、対応するサイズがないんじゃないかと心配になる。何せ日常的に使っているブラジャーでさえ、あたしに合うサイズは滅多に売っていない。

 一瞬、それならそれでもいいやと思ってしまう。

 怪我しそうなスキーの代わりにそり遊びでもして過ごしてもいいかなと思ってしまう。

 ってダメダメ。

 

「あ、石山さん」

 

「ん?」

 

 永原先生と、さっきのホテルの支配人さんがあたしに話しかけてくる。

 

「私と、支配人の疋田さんの方から用件が2つあるわ」

 

「はい」

 

「えっと、まずは私からいいですか?」

 

 支配人さんがあたしの顔を見る。

 

「今回は当ホテルの家族風呂をご利用いただきまして誠にありがとうございます」

 

「はい」

 

「石山様は、家族風呂最後のお客様です。本来なら家族風呂には所定の制限時間がございますが、他に予約された方がいない事や、先ほども申し上げましたように小谷学園様のご利用を持ちまして当ホテルは建て替えに伴う休館となります」

 

 それがどうしたんだろう?

 

「つきましては、本来なら明日の夜90分となっているところですが、本日から最終日までの終日ご利用いただけることといたします」

 

「は、はい……ありがとうございます」

 

「では失礼します」

 

 あたしは、浩介くんとのことを想像してしまう。

 よく見ると浩介くんが下を向いてうずくまってる。たぶん考えていることは同じ。

 あたし達は専用のお風呂を手に入れてしまったということになる。

 家族風呂は本来なら次の利用者のことも考えなきゃいけないけど、もう取り壊しちゃうなら……ってダメダメ!

 

「石山さん、次は私の話だよ」

 

「あ、はい、すみません」

 

 既に支配人さんの姿はなく永原先生があたしを見つめている。

 

「石山さんのスキーウェアなんだけど……事前に調べたんだけど合うサイズがなかったわ」

 

「あ、そうですか」

 

 あたしは、何故かちょっとだけ安堵したように言う。

 

「そこで何だけど、私が石山さん向けにスキーセットを選んでおいたわ。それは部屋に送っておくからレンタルコーナーではゼッケンだけ取ってね」

 

「あ、はい。分かりました」

 

 やっぱり永原先生が手を回していた。

 そう言えば、永原先生はあたしの体格を知っていたんだっけ? 確か女の子になって初めての日のことだったよね?

 

「2組の皆さん、私について行ってくださーい!」

 

 あたしへの連絡を終えると、永原先生がすぐに誘導に移る。

 あたしは浩介くんと一緒に立ち上がる。

 

「ね、ねえ浩介くん」

 

「う、うん……何かな?」

 

「お風呂、独占しちゃったね」

 

 やっぱり話題はさっきのこと。

 

「あはは、そうだな。あーでも、初日はさすがに恥ずかしいかな」

 

「うん、1回くらいはみんなで入りたいし」

 

 後でこのこと桂子ちゃんに話さないとダメかな?

 それとももう知ってるだろうか?

 

 そんなことを考えながら歩いているとスキーウェアのレンタルコーナーに着いた。

 ここは女子更衣室も兼ねているから毎日訪れる所になっている。

 

 あたしは自分のゼッケン番号「218」を取る。

 そして、他の女子がスキーウェアを選んでいる中で、あたしはゼッケンだけ取って外に出る。

 

「あれ? 優子も自分のスキーウェアあるの?」

 

 虎姫ちゃんが話しかけてくる。

 

「ああいや、あたしはその……レンタルのサイズがないから永原先生が買ってきてくれたのよ」

 

「あー、そういうこと。うん、そりゃあそうだよねえ……」

 

 虎姫ちゃんがあたしの胸を見て言う。

 胸が大きいのは女の子として自信になるけど、こういうことがある時はちょっとだけ普通サイズに憧れたりしちゃうわね。

 

 ともあれあたしは部屋に戻る。

 まだ浩介くんは戻ってきていない。

 って、鍵を閉め忘れてたわ。

 

 幸いにも何も盗まれていないことを確認すると、あたしは机の上にあるスキーウェアに手をかける。

 

「あ、そうだ、浩介くんも来るんだった……」

 

 浩介くんのことを思い出し、奥の脱衣所へと急ぐ。

 そしてドアを閉めて鍵もかける。

 

 あたしはズボンを脱いで、スキーウェアを着けて見る。

 うん、大丈夫。あたしは胸だけじゃなくてお尻もかなり大きいけど、さすがに胸ほどではないのでこちらは問題なさそう。

 そして、上を脱いでブラジャーとその上のシャツだけになり、スキーウェアのセットに手をかける。

 

「ただいまー、ん? 優子ちゃん?」

 

 浩介くんの声がした。

 

「はーい! ちょっと今試着中だから入ってこないで!」

 

「ああ、分かった」

 

 浩介くんとのやり取り、浩介くんが部屋で動く音を聞きながら、あたしは問題のウェアを着てみる。

 

「うん、大丈夫」

 

 これだけ厚着でも良かった。

 とにかくスキー板と靴のサイズも間違っていないし、どうやら問題はなさそう。

 

 あたしは元の服に戻り、扉を開ける。

 

「ゴメン、お待たせ」

 

「ああ」

 

 浩介くんがテレビを付けている。

 テレビのニュースを見ながら浩介くんと話す。

 蓬莱教授のニュースは今日もない。

 

 あたしはパンフレットを見る。

 うん、そろそろ時間かな?

 

「浩介くん、夕食に行こうよ」

 

「うん、そうだな」

 

 夕食はバイキング、時間帯も3時間もある。

 あたしたちは早めに夕食に行くことにした。

 

 やはり時間が早いためか、人もまばら。

 あたしは係になっていた桂子ちゃんに食事券を渡し、机に向かう。

 

「さ、取ってこようか」

 

「うん」

 

 浩介くんと一緒にバイキング、メニューはやはり山間部ということで林間学校とほぼ同じ。

 あたしは取り過ぎに注意しつつお皿に盛り付ける。

 デザートも忘れずにっと。

 

「それにしても優子ちゃん」

 

「ん?」

 

 ほぼ同時に取り終わって机に戻った浩介くんが不思議そうに言う。

 

「いつも思うんだけど、そんなに少なくて大丈夫なの? いくら女子と言ってもその量はちょっと……」

 

「ああうん、そんなに胃は大きくないのよあたし。でも、この量でもちゃんと体型維持できてるし……お腹もちょっとぷにっっとしてるわよ」

 

「うっ……」

 

「あ、ゴメン、想像しちゃった……うん、そうだよね……家族風呂……入るんだよね……」

 

「ああうん、でもほら、今は食べ物に集中しようぜ!」

 

「う、うん」

 

 浩介くんの強引な誘導によって、何とか冷静さを取り戻す。

 いけないいけない。今は部屋の中じゃないんだ。

 

 あたしはそう思って、食事を再開する。

 浩介くんが食べるペースを調整してくれたおかげで、今日はほぼ同時に食べ終わった。

 

 浩介くん曰く「やっぱりゆっくり味わわないと行けないな」とのこと。

 部屋に戻ったあたしたちは、テレビのバラエティを見る。

 

「うーん、どう思う?」

 

「なんか露骨だよねえ」

 

「そう思う?」

 

「うん」

 

 というよりも、芸能人のゴリ押しがひどい。

 インターネットでは散々バッシングされている芸能人がまた出ている。

 なんか実力以上に出演させられて可愛そうな気もする。

 

 そんなことを思いながら、時間が過ぎていく。

 番組表を見て、ニュースをやっているチャンネルに繋いだが、やっているのはくだらない芸能人のスキャンダルばかり。

 というか、もっと国際情勢で報じるべきことがあるような気もするんだけど、とにかく反応が鈍い。

 

「ねえ優子ちゃん、これじゃあテレビ離れも起きるよね」

 

「うん、あたしもそう思う」

 

 そんなことを話しながら、お風呂の集合時間が近付く。

 

「今日はみんなで入ろうか」

 

「うん、そうだね」

 

 そんなことを話しながら、2人で部屋を出る。

 2組の時間、クラスメートたちが本館のお風呂場に向かっているけど、男女でペアになっているのはあたしたちだけ。

 彼氏と同室のスキー合宿。

 まさに学校の公認カップル同然の待遇だった。

 

 やがて、青い暖簾と赤い暖簾の分かれ道にたどり着く。

 

「じゃここで」

 

「うん、部屋に集合ね」

 

「おう」

 

 そんな会話をしながら、あたしは女湯へ。

 共同の女湯は幸子さんと入って以来のことで、林間学校と合わせて3回目、さすがに緊張してしまう。

 

 とは言え、林間学校の時と比べて、あたしの精神は格段に女性化が進んでいた。

 女の子の裸にはやっぱりまだびくっとなることはあるけど、あんまり緊張感はない。

 

 もしかしたら、こんな身体だから余裕があるのかもしれない。

 

 桂子ちゃんがりんかん学校の時のあたしと同じ注意事項を言って一斉にお風呂場に入る。

 あたしは何となく桂子ちゃんについて行き、脱衣所で隣になる。

 

「ねえ優子ちゃん、先生から聞いたわよ」

 

「え?」

 

「家族風呂、丸4日使えるんだって?」

 

 桂子ちゃんがさっきの話を言う。

 やっぱり連絡は回っていたみたいね。

 

「う、うん……」

 

「何で今日はこっちに来たのよ?」

 

「ああうん、いきなり言われたことだし、あたしも浩介くんも心の準備がまだ出来てなさそうだったから……ちゃんと話し合ったわけじゃないけど」

 

「そう、確かにね。じゃあ今日はみんなで入ろうか」

 

「うん」

 

 服を脱ぎながら、器用に話す。あたしはうまく隠しながらバスタオルを巻く。

 林間学校のときは一瞬見られちゃったけど、今回は大丈夫のはず。多分。

 

 風呂場は林間学校よりやや狭めで、大きな大浴場が1つあるだけ。

 それもあちこちにサビが見られ、年月を物語っている。

 建て替えもしょうがないという空気があちこちで流れている。

 

 あたしはシャワーで身体を洗おうとしたんだが、温度調整がうまく行かず、四苦八苦した。

 周囲を見るとやはり同じ感じだという。

 いつもはここの温泉は循環だが、このスキー合宿に限って「源泉かけ流し」という札が掲げられていた。

 ご丁寧に飲泉用のコップまであるんだからすごい力の入れようだよなあ。

 

 あたしは久々に、女子たちのガールズトークに参加する。

 林間学校の時ほどじゃないけど、まだ時折よく分からない表現が出てくる。

 

「モデル体型って言うけど、ガリガリに痩せてもモテないわよ」

 

「うーん、優子さんどういうことですか?」

 

「うん、あたしくらいにお腹に肉がある方がいいわよ。ガリガリに痩せてると赤ちゃんにあげる栄養がないって男の子は判断しちゃうわ」

 

「ふむふむ、じゃあ私もダイエットは?」

 

「うん、龍香ちゃんは不要だよ。今の体型を維持するのがいいと思うわ」

 

「ほほう。勉強になります」

 

 そしてこんな風に、優一だった頃の「知識」も役に立つ。

 永原先生が言っていた。どれだけ女の子になろうとしても、男の頃の残滓は残る。

 

 それは今みたいに武器になることもあるし、壁に感じることもある。

 幼女時代を経験していないというあたしのコンプレックスが癒えることも、1000年経ってもないだろう。

 でも、それでも、あたしは女の子だから。

 完全に無理とわかっていても、あたしはこの歩みを止めない。

 

「そろそろ時間ですよー」

 

「「「はーい!」」」

 

 永原先生の号令とともに、2年2組が一斉に上がる。

 あたしはタオルで体を拭き、脱衣所でもバスタオルを使う。

 脱衣所はかなり暖房が効いていたので、林間学校の時と変わらない気温に維持されている。

 あたしはパジャマに着替える。

 今回はワンピースタイプではなく、普通のゆったりズボンにした。

 

 あたしは女子たちと話しながら部屋に向かう。

 ドアを開けると既に敷かれた布団の上に座っているパジャマ姿の浩介くんが居た。

 

「ただいまー」

 

「おかえり」

 

「ゴメン、待った?」

 

「ううん、別に」

 

「ふう」

 

 あたしが一息つく。

 

「どうしたの?」

 

「ああうん、疲れちゃって……寝る?」

 

「そうだな……まだ消灯時間じゃないけど。明日はスキーだもんな」

 

「あーでも、今寝ると4時頃起きちゃうんだよね」

 

 時刻は午後8時代、前回の経験が生きている。

 

「じゃあ1時間起きていようか」

 

「うん」

 

 あたしと浩介くんは、他愛もない話で30分潰し、テレビのニュースと気象情報で20分潰し、持ってきた少女漫画で10分を潰した。

 浩介くんは初めて少女漫画を読んでみたけど「なんか難しい」と言って避けてしまった。

 まあ仕方ないわよね。男の子だし。優一だって同じ反応をしただろうと思う。

 

「おやすみ、優子ちゃん」

 

「うん、おやすみ」

 

 そして、電気を消す。

 やはり疲れが溜まっていたため、眠るのに苦労はしなかった。


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