永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件 作:名無し野ハゲ豚
「お風呂、浩介と一緒に入ってみてよ?」
「え!?」
浩介くんのお母さんの意外な言葉。
「浩介と一緒にお風呂に入りなさいって言ったのよ」
確かに、一緒にお風呂に入るのはもう経験済みだけど、あのホテルの家族風呂とは広さが違う。
昨日入った限りでは、あたしと浩介くんで一緒に入ろうとすると、密着せざるを得ないというか……
「どうしたの? 優子ちゃん、スキー合宿の時に浩介と一緒にお風呂に入ったんでしょ?」
「あぅぅ……」
じゅううという音が聞こえそうになるくらいあたしは顔を真っ赤にしながらこくって頷く。
「それにしても、浩介も甲斐性なしよねえ。こんなかわいい子と一緒にお風呂に入って、全く襲わなかったんでしょ?」
「ちょ、ちょとおばさん!」
あたしは、顔を真っ赤にしながら抗議をする。
あのことは、思い出しただけでも恥ずかしいのに、もっと狭い空間でだなんて……ううっ……
「ふふっ、優子ちゃんは花嫁修業に来たんでしょ? こういうことも、花嫁修業の一環よ」
「は、はい……」
そう、それも「花嫁修業」、「花嫁」となれば「花婿」とお風呂に入ることもあると思う。
どっちにしても、あたしに拒否権はないみたいね。
仕方ないわ。それに、浩介くんと一緒にお風呂入るのは嫌いじゃないし。
「じゃあ、浩介を呼んでくるわね」
そう言うと、浩介くんのお母さんが浩介くんの部屋に行き、「優子ちゃんとお風呂に入りなさい」という声が聞こえた。
そして、すぐに浩介くんがあたしのもとに来る。
「な、なあ……優子ちゃん――」
ガシッ!
あたしは動揺している浩介くんの腕を黙って引っ張る。
浩介くんは悟ったのか、そのまま一切抵抗することなく脱衣所へと来てくれる。
「あ、あの……」
浩介くんはギクシャクしている。
あたしだって、とても緊張している。
スキー合宿のような、非日常的なエロじゃない。
もちろん、今はまだ「非日常」だけど、近い将来「日常」になり得ることをこれからする。
だから、スキー合宿の時よりも、より生々しいことになると思う。
「浩介くん、脱がすよ……」
「あ、ああいや! 自分で脱ぐから!」
あたしが浩介くんの服に手をかけようとすると、浩介くんが慌てて後ろを向いて自分で服を脱ぎ始める。
あたしも背中を向き、いわゆる「背中合わせ」の状態になってあの時のように服を脱ぐ。
スキー合宿の時とは違い、巻きタオルはない。
だから、体のすべてを見られてしまう。
下着姿になる頃に浩介くんが「脱ぎ終わったか?」と聞いてきたので、あたしは「まだ」とだけ言っておく。
あたしの場合は、脱ぐだけではなく、髪が湯船漬からないように、髪を縛り上げる作業も忘れてはいけない。
「ぬ、脱いだよ……」
脱ぎ終わったら、あたしは恥ずかしさを必死でこらえつつ、両手で乳首と下半身を隠して浩介くんに向き直る。
「優子ちゃん、きれいだよ。すごく」
浩介くんも、自分の家で彼女とお風呂に入るのは恥ずかしいのか、下半身を両手で必死に隠している。
「い、行こうか」
「うん」
浩介くんの誘導で、いざお風呂場へ。
「湯船、先に入ってよ」
「う、うん……」
浩介くんが体を洗う準備をする間に、あたしは空いている風呂桶を手に持って体を洗い流す。
もう、隠し続けることは出来ない。また、浩介くんに見られてしまう。
「やっぱり優子ちゃんってかわいくて美人なだけじゃなくて、エロいよなあ」
浩介くんがあたしの方を向かないで言う。
「ふえ!? わわっ見ないでぇ……」
あわわっ! 鏡越しに見られちゃったよぉ……
「そうは言っても、鏡見ないと体洗えないから、優子ちゃんがそこにいる限り見られたままだぞ」
浩介くんは、そんな風に言いながらタオルを使って体を洗う準備をする。
あたしは気を取り直して湯船の中に身を寄せる。
今の位置だと、鏡越しに裸を見られちゃうし。
浩介くんは、鏡にあたしの姿が見えなくなると、体を洗う速度が途端に早くなる。
本当に、男の子よね。男はバカで単純って言うけど、そう言う人といたほうが、ずっと楽しいもん。
「ふー」
一緒にお風呂に入って、あたしの高まりきった気持ちもちょっとだけ落ち着いた。
浩介くんの鍛え上げられたたくましい肉体が目に入る。
心なしか、スキー合宿の時よりも更に頼もしくなった気がするわ。
「優子ちゃんはさ」
「うん?」
「何だかんだで、俺の期待に応えてくれるよな」
「え!?」
浩介くんの期待?
確かに、なるべく応えられるように努力はしてきたけど。
「いやさ、俺だって内心では優子ちゃんとさ……その……」
「う、うん……」
多分、言いたいことは予想がつく。
「……したいんだよ。それも、猛烈に、さ」
「あはは、浩介くん正直だね」
まあでも、それは男の子の本能だものね。
「あ、ああ……」
「むしろ、このあたしにここまで誘惑されて何も思わなかったら、それってよっぽどの不能か、それこそホモなんじゃないの?」
客観的にそうだとしか思えないくらい、あたしはかわいくて美人なだけではなく、エロい。
「そりゃあそうだろうな。あるいは、悟りでも開いているんだろ?」
「あたしだってね、思いは同じだよ。浩介くんとその……あぅぅ……」
あたしの精神は、今でもどんどん女の子になっていっている。
優一の頃は、平気で口に出せたエロい単語も、言えなくなってしまった。
「優子ちゃん、多分なんだけどさ」
「う、うん……」
「待てば待つほど、焦らせば焦らすほど、その後が大きくなると思うんだ」
「あっ……」
浩介くんの言葉には一理ある。
多分それは、あたしや浩介くんが我慢するために必要なこと。
その後、浩介くんは体を洗い終わり、頭を洗い始める。
立ち上がり、腕を伸ばしてシャワーを掴む。すると浩介くんのたくましい体がよりよく見える。
とても素敵で、あたしはまた見とれてしまう。
浩介くんも落ち着いてきたのか、浩介くんはいつもと変わらないくらい落ち着いた顔をしていて、とってもかわいい。
あたしは、浩介くんに気付かれないようにゆっくりと身を乗り出す。
ふいに、浩介くんの二の腕を触りたくなった。
ぷにっ
「んんんっ!? ちょ、ちょっと優子ちゃん!」
「るんるんるーん」
あたしは上機嫌になりながら、浩介くんに触れる。
身体のあちこちに、ちょっとしつこいくらい触れてみる。
「優子ちゃん、お願い、やめて!」
「だーめ。普段あたしにエッチなことしてるんだから、仕返しよ」
「え、えへへ……もー、しょうがない子だなあ優子ちゃんは!」
あたしがなるべくかわいく聞こえるように高く甘えた声で言うと、浩介くんは男らしく単純に、あっという間に許してしまう。
浩介くん、本当にいい人よね。
「ゆ、優子ちゃん」
「うん?」
「終わったから、優子ちゃん。体洗ってくれる?」
「う、うん……」
あたしは浩介くんと入れ替わるように湯船から上がる。
大事なところはもちろん隠しながらだけど。
あたしは、お風呂の椅子に座り、まずボディーソープを手に取る。
浩介くんは律儀にタオルを洗ってくれたので、改めて泡立てる必要がある。
浴槽の方を見ると、浩介くんがあたしの裸、特に大きな胸をちらちらと見ている。
「優子ちゃん、かわいいよ」
「うん、ありがとう……」
「美人は3日で飽きるっていうけど、絶対嘘だよな」
浩介くんが、そんなことを言う。
「あはは、浩介くん。多分それはひがみ女が作り出したんだと思う」
「だろうなー、そもそも優子ちゃんに飽きる男なんているのか?」
「どうだろうね?」
あたしがあえてとぼけたように言う。
体を洗い終わったら、さっきの浩介くんと同じように、立ち上がって腕を伸ばし、シャワーを掴む。
ボディーソープを流し、頭を洗うために、いったん髪を解く。
「優子ちゃんってさ」
「うん?」
「やっぱりおっぱいが女の子らしい性格を作ってると思うんだ」
突然浩介くんが変なことを言う。
「え!? ま、まあ確かに、否定できないわね」
「そうだろう……隙あり!」
むにゅっ!
浩介くんが片手を伸ばし、あたしは胸をむにっと掴まれる。
「きゃっ……もう、こらあ!」
「わはは、さっきの仕返しだよ」
浩介くんが笑顔で豪快に言う。
「あうう……お願いだから洗ってる間は触らないでね。あたしの髪、デリケートなのよ」
「分ってるって」
浩介くんも、そのあたりは自制してくれるみたい。
あたしは安心して髪を洗い始める。
浩介くんと一緒にお風呂と言っても、体や髪の洗い方はいつも通り。
全て洗い流し終わると、あたしはもう一度、髪の毛をお団子ヘアーにまとめ上げる。
「優子ちゃん、ちょっと狭いけど、こっちに来てよ」
浩介くんが、湯船の中で手招きをしてくる。
「あ、うん……」
あたしも、意を決して中に入る。
お風呂のお湯が、あたしの体積分抜けていく。
浩介くんと向かい合わせ、体の全部、余すところなく凝視されている。
「はぁ……はぁ……」
浩介くんが、明らかに興奮している。
「こ、浩介くん……」
「ゆ、優子ちゃん……俺……はぁ……はぁ……」
「あうう、観察されちゃってるよお……あたしの恥ずかしいところ、全部見られて……っ!」
あたしは、思わず顔を両手で隠してしまう。
だけど、すぐに浩介くんに優しく引き剥がされてしまう。
「優子ちゃん、かわいい顔を隠しちゃだめだよ」
「だって……あうー」
「……」
浩介くんがニッコリ笑う。
「ひゃう!」
あたしは、今度は両胸を両手で揉まれてしまう。
体が熱くなる。外側からのお風呂の熱と内側からの興奮と恥ずかしさの熱。
「はぁ……はぁ……」
あたしは、ほとんど本能的に、浩介くんのことを求めたくなる。
「ねえ優子ちゃん……」
「うん?」
「まだ、出来ないけど……スキー合宿の最後の日のときみたいにさ」
「み、『見せあいっこ』するの?」
あの時の事、思い出しただけでさらに顔が赤くなりそうなのに。
「うん。一応さ、今回のは『夫婦生活の練習』ってことになってるんだし、少しは楽しもうぜ」
浩介くんが、いつも以上に興奮した声で言う。
「……熱いから、出ようか」
「う、うん……」
中から外から凄まじい熱で、今にものぼせそうだった。
まずあたしから湯船から出て体を拭く。
あたしが脱衣所に戻ると、浩介くんが湯船から上がり、あたしはバスタオルで体をもう一度拭いて、パジャマに着替え始める。
浩介くんが脱衣所に来たとき、あたしは下着姿だった。
「あ、あんまり見ないで……」
「その中も見られたのに、優子ちゃんって恥ずかしがり屋だね」
「も、もう……」
浩介くんが、あたしのことを「恥ずかしがり屋」だと言った。
確かに、あたしは恥ずかしがり屋だと思う。
彼氏や旦那の前なら、裸でも我慢できる。なんていう人は多い。
でもあたしは逆に、「浩介くんだからこそ、恥ずかしい」と思っている。
それは多分、カリキュラムの効果だけじゃなくて、あたしの女の子としての「乙女心」がそうさせているんだと思う。
あたしは着替えるのが遅いので、浩介くんとほぼ同時に着替え終わった。
「じゃあ、寝室に行こうか」
「う、うん……」
たまたま扉に近かったあたしは、浩介くんの前を歩く。
すりすり……
「きゃあ!」
浩介くんに、背中を撫でまわすように触られる。
しかも、全然手を引っ込めてくれない。
「こ、浩介くん、ちょっとやめてえ……」
あたしは立ち止まって振り返り、浩介くんに哀願する。
「俺の部屋につくまでやめてあげない」
浩介くんが小悪魔っぽく意地悪に言うと、更に嫌らしく撫でまわしてくる。
「いやーん、えっちー!」
あたしの抗議も、浩介くんには届かない。
さっきから、とてつもなく濡れてしまっている。
「っ!!!」
とにかく走るように、あたしは浩介くんの部屋に向かう。
もちろん、浩介くんにはすぐに追いつかれて、結局部屋に入るまで触られっぱなしだった。
「もう、浩介くんのえっち! スケベ! 変態!」
「なんとでも言え、これから、変態になり合うんだから」
「ううっ……」
浩介くんの完璧過ぎる言い訳にあたしは何も言い返せない。
「それに、部屋に付くまでに、気分が沈んだらまずいだろ?」
「う、うん……」
「さ、優子ちゃん、見せてくれよ」
「……はいっ」
太陽も完全に落ちたこの夜。
あたしは、浩介くんと一緒にお風呂に入り、そこからえっちな気分になった。
「理想の嫁の姿。昼は淑女、夜は娼婦」という言葉の通り、今のあたしは、浩介くん専用の「娼婦」になっていた。
「「はぁ……はぁ……はぁ……」」
二人して、息も絶え絶えになる。
浩介くんの疲労がすごい。やっぱり男の子のあれは後が大変よね。
あれだけ体力のある浩介くんがここまでぐったりとするくらいの重労働だもの。
「優子ちゃん、エロかったよ」
「うー」
「でもさ、そんな優子ちゃん。最高だよ」
「ありがとう……」
夜にその娼婦ぶりを褒められたら、あたしは素直に受け取るべきだと思う。
あたしが、浩介くんに自分の理想を重ねるように、浩介くんだって、あたしにきっと理想を重ねているはずだから。
その理想と現実の乖離に、世のカップルは苦しめられている。
でも、あたしは、男の子の気持ちがわかるから。その点で一歩リード。
あたしはパジャマに着替え直す。下着の濡れもひどかったけど、「見せあいっこ」の後に、何とか乾いてくれたみたい。
「ああ、もうこんな時間だ」
浩介くんが時計を見ながら言う。
よく見ると、そろそろ寝る時間になっていた。
意外と、鉄板焼きって時間がかかるのよね。
だからいつもよりあっという間な気がする。
「あ、本当だわ……じゃあ、浩介くん、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
あたしは、自分の部屋に戻る。
明日は、あたしの嫁さん修行も最終日になる。
「あ、優子ちゃん。うまくいった?」
自室の前で、「お義母さん」に呼び止められる。
「うん、浩介くん、喜んでくれたわ」
「あらそう。早く孫を見せてね」
「え!? い、いやいや、してないから! それは結婚までしないから!」
誤解しかけている「お義母さん」に対して、あたしは手を振りながら必死に否定する。
「もー、つまんないわねえー」
そして、「お義母さん」はご機嫌斜めな様子。
そりゃあたしや浩介くんだって、したいのは山々だけど、学校のことだってあるのよ。
「と、とにかく寝ます」
もし妊娠してしまって大学生活に影響して、それで蓬莱教授の研究に支障をきたしてしまえば、あまりにも無責任だし、何よりやっと築かれ始めた協会と蓬莱教授との信頼関係に致命的な傷を与えかねない。
もちろん、蓬莱教授のことだから杞憂なのかもしれないけど、用心するに越したことはない。
それに、あたしは今。人類史さえ動かしかねない立場なんだから。
「落ち着かないわ……」
あたしは、眠れない。
さっきのことで頭が一杯になっている。
結局、浩介くんとのことを思い出して、服を脱いでまた絶頂に達した。
そして、その疲労感で、あたしは裸のまま眠りについた。