永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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再び海へ

「へー、いいじゃない浩介も優子ちゃんも、行ってきたら?」

 

 協会で海にいくことになったあたしたちは、早速お義母さんにその事を話す。

 お義母さんはすぐにノリノリになってくれた。

 

「うん、そうするわ。ところでお義母さん、水着なんだけど」

 

「去年一昨年同じの使ったんでしょ? さすがに3年目はイメチェンした方がいいわよ」

 

 お義母さんが、予想通りの回答をする。

 つまり、一昨年以来2年ぶりに水着選びをしなければいけないということになる。

 

「はい」

 

 そうと決まれば、早速水着コーナーに行かないといけないわね。またあのデパートに行けばいいかしら? ここからだと実家よりも数駅分遠いのよね。

 

「優子ちゃん、この近くのアパレルショップで、水着を売っているわよ」

 

「うん」

 

 こっちに嫁入りしてからは、区役所最寄り駅の方のデパートやスーパーはあまり使わなくなってしまった。

 規模こそ小さけど、今の家の駅の最寄り駅にある店の数々で間に合ったりするというのもあるけど。

 

 

 早速アパレルショップに移動し、あたしはお義母さんと一緒に、水着コーナーに入ることになった。

 

「どれがいいかしら?」

 

 実の母さんとは違い、お義母さんはどちらかというと遠くから見つめる感じになっている。

 積極的に「これがいいんじゃない!?」とは言ってこない。

 優一時代から女の子になる過程を知っている母さんと違って、初めて会った時には既にそれなりに女の子に慣れていたのが大きいのかもしれないけど。

 

 今までのは、「あどけなさを残しつつも、かわいくエロく」がテーマだったけど、今のあたしは旦那がいる身、あまりエロを強調しすぎるのも諸刃の剣ではある。

 だけど、あえて嫉妬させて、その日の夜に一気にぶつけさせるのも、愛を深める上ではとても効果的だったりするから侮れないのよね。

 

 あたしは、黒いストレートロングの髪型に似合う水着を考えながら店内をうろつく。

 

 

「ねえこれかわいくねー?」

 

「あーいいねえ」

 

 

 上のブラジャーは柄が派手で、また下はデニムのズボンタイプの水着の前で、数人の若い女性が談笑している。

 あたしに言わせれば、これはもちろん論外で非日常の海にはふさわしくない。

 

 次に目が入ったのは、ピンクのスカートタイプのビキニ。

 これもいいと思ったけど、スカートタイプは前回と重なっちゃうので却下する。

 

「うーん……」

 

 一昨年に選んだ水着が良くできすぎていて、あたしは大きく悩んでしまう。相談相手だった母さんと桂子ちゃんがいないというのも地味にハンデかもしれないわね。

 もう少し、巻いている感じの強いパレオもあるけど、こっちもなんだかそんな気分じゃない。

 次に目に入ったのは、マイクロビキニ、露出度を極限にまで高めたタイプ。

 

「うー、サイズがないわ」

 

 あたしのカップ数が大きすぎて、このマイクロビキニは売っていなかった。

 実は、あたしの服は、主に胸のサイズが原因で、このお店には普段着は売っていない。結婚してからは今の所新しい服は買ってないけど、もし買う場合はデパートか、あるいはネット通販になると思う。

 水着コーナーにおいても、どうやらそれは例外じゃないのかもしれない。

 まあ、どっちにしても、こんなマイクロビキニにしたら、浩介くんの嫉妬は半端ないだろうし、いくらなんでもやりすぎよね。

 

「あ……」

 

 次に、シンプルな白いワンピースに目が入る。

 

「意外と男受けはいいのよねこれ」

 

 露出度は低いけど、嫉妬心を起こさず、また慎ましやかなイメージもあって特に「彼女・嫁に着て欲しい水着」としては実はビキニを抑えて1位だったりする。

 

「これにしようかしら?」

 

 ただでさえ、あたしは水着になると視線を一気に集めがちだし、これでいいかな?

 

「あーうん、もう少し見ていこうかしら?」

 

 全部見終わってからでも、遅くはない。

 あたしはそう考え、残りのコーナーを見回る。

 

 次に見えたのは、黄緑色の、ショーツにフリフリのレースがふんだんにあしらわれたタイプ。

 これは一昨年の夏に永原先生が着ていたタイプの水着で、露出度が高め。

 ところで、永原先生は今年はどういう水着で来るのかしら? まあいいわ。

 

「ねえ優子ちゃん、これなんてどうかしら?」

 

「え?」

 

 迷っているあたしに見かねたのか、お義母さんが黒いビキニを取り出してきた。露出度も少し高めで、胸が強調されそうな印象を受けるわね。

 

「優子ちゃん、去年まで白だったんでしょ?」

 

「うん」

 

 パレオは違う色だけど。

 

「だったら、思いきって黒でイメチェンするのもありよ。そうすれば、頭のこのリボンも輝くわよ」

 

「これは水着の時はつけないわよ」

 

 もちろん、似たデザインで海の時用に流れにくいタイプには出来るけどね。

 

「あらそう? 似たようなリボンで海に行くといいんじゃない?」

 

「えー、でも……」

 

「優子ちゃんレベルの美少女に釣り合う水着なんて滅多にないわ。だから逆転の発送で、黒い髪に輝くその白いリボンに注目するのよ」

 

 お義母さんがリボンにがっついてくる。

 つまり、このビキニでさえ、引き立て役にしようというのがお義母さんの考え方ということになる。

 確かに、あたしの中でこの頭の白いリボンはトレードマークになっているし、チャームポイントだとも思っている。

 それでも、まさか水着を脇役に追いやるという発想は無かったわね。

 

「うーん、いいのかなあ?」

 

 でも確かに、この黒いビキニもまた、セクシーなエロさを醸し出している。ブラジャーの布面積はそこそこだけど、ショーツの方は紐状になっていて横の方の露出度が高い。

 いわば、「肉食系女子」の水着と言ってもいいかもしれないわ。

 

「ええ、それにこの水着だって、エロさを出しているわ。優子ちゃんも人妻何だから、旦那さんをちゃんと誘惑しなさい」

 

「わ、分かってるわよ」

 

 お義母さんに「人妻」と呼ばれてしまう。

 そこはせめて「若妻」とか「幼妻」って言って欲しかったわ。

 

「優子ちゃん、本当にたまにでいいのよ。たまには優子ちゃんの方から、積極的にがっついて、浩介を食べちゃいなさい」

 

「ちょ、お義母さん!」

 

 あたしは、少し声を張りあげて抗議する。

 

「あら、優子ちゃん、いつも浩介に食べられてばかりじゃない」

 

「で、でも……」

 

 あまり積極的にがっついちゃう女の子は、男受けがよくないのをあたしは知っている。

 なのでやっぱり、そう言う態度をとることには二の足を踏んでしまう。普段のキャラクター性にも反しちゃうからあたし自身もうまくやれないと思うし。

 

「いい優子ちゃん? これはマンネリの解消でもあるのよ。確かに普段から積極的過ぎるのは、そう言うのが好みな男性以外には逆効果よ。だからほんのたまに。年に一度でいいわ」

 

 渋り顔のあたしに対して、お義母さんが諭すように言う。

 それはほんのたまに起こる、逆転劇なのだという。

 

「うん、分かったわ」

 

 あたしは、流されるままにこの黒いビキニを試着してみることにした。

 試着室に入り、あたしは自分の水着姿を見る。一番大きいサイズだけど、胸がきついわ。

 一旦出て店員さんに「胸が入らない」と言う。店員さんによれば、更に大きいサイズもあるので、店の奥からそれを引っ張り出してもらい、ようやくぴったり合うサイズにたどり着く。

 着てみたら、黒髪に黒水着だけど、白リボンがあって思ったより似合っていた。

 

「うふふ」

 

 あたしは、いつもの「明るい笑み」ではなく、野球部を壊した時のさくらちゃんみたいな「悪魔の笑み」を浮かべてみる。

 

「何だかさくらちゃんに生き写しね」

 

 志賀(しが)さくらちゃんは、小谷学園時代のクラスメイトの一人で、一昨年の文化祭以降1つ年上の野球部の元エースと交際中の女の子で、引っ込み思案であたし以上に大人しくおどおどした感じの性格が特徴的な子……何だけど、あたしのアドバイスと後押しをきっかけに、さくらちゃんは野球部のマネージャーとして入り込み、そこから野球部のエースと付き合い始め、最終的に小谷学園の野球部は部員同士の仲が険悪になり、今も部活動に支障が出るほどに致命的な打撃を受けてしまった。

 

 あたしは今も野球部崩壊の引き金を引くのを手伝ってしまった罪悪感があるけど、当のさくらちゃんは、今でもその事に罪悪感は全く感じていない。

 しかも、さくらちゃんは話がその事に及ぶと、途端に「魔性の女」という感じの微笑みを浮かべるのが常だった。あれは、意中の恋人を手に入れ、他の男を惑わしたことに対する快感なのだと思う。

 

 今のあたしも、どちらかと言えば「小悪魔」という感じの女の子にしたてあがっている。

 黒い髪に黒い水着、そのためにますます頭の白いリボンが輝いているわね。

 

「ふふ、こんなあたしもありよね」

 

 いかにもな感じの肉食系女子の佇まい。といっても、襲って食べるのは浩介くんだけだけどね。

 ちなみに、水着の紐は、ただの飾りだった。はらりとほどけて「いやーん」とはならない。確かに海で泳ぐことを考えると当然だし、そういうのは、アダルトグッズで行うしかないのかな?

 それを考えると、浩介くんを襲う時用にもう1つ、「ほどける紐水着」もインターネットのエログッズショップから買っておかないといけないわね。

 

「うん、これにするわ」

 

 前回とは違い、あたしは試着してからはさほど迷わなかった。

 2年前の貯金があるというのが大きい上に、あたしの場合不老なので加齢を気にする必要もない。

 

「お義母さん、これにするわ」

 

「はーい、お金はこっちで払っておくわね」

 

 お義母さんは、財布を持って話す。

 

「え!? いいんですか?」

 

「ええ、石山さんの方から、毎月学費と仕送りがあるんですもの」

 

 そういえば、結婚を急かしたために、そう言うのが両親の負担になっていたんだったわ。

 さすがに一昨年の痴漢事件での慰謝料分は底をついたけど、去年の修学旅行と、今年3月の新婚旅行での蓬莱教授からの支援金がかなりだぼついてて、両親からの仕送りなんて全く考えてなかったわ。お小遣いももらってなかったし。

 

「そう、分かったわ」

 

と もあれ、あたしは、新しい水着を手にいれた。

 

 

「ただいまー」

 

「優子ちゃんお帰り。新しい水着は買えた?」

 

 家に帰ると、早速浩介くんが水着について話しかけてくる。

 

「うん、楽しみにしててね、あなた」

 

「うっ……何か優子ちゃん、いつもと違う雰囲気だな」

 

 浩介くん、鋭いわね。

 普段はもっと単純なのに。

 

「えへへ、それはもう、あたしの違った魅力を浩介くんにと思ってね」

 

「ち、違った魅力?」

 

「うふふ、海に行った時のお楽しみよ」

 

 あたしは、意味深な笑みを浮かべながら、はぐらかす態度をとる。

 何だろう、もうすっかり小悪魔肉食系女子としてのあたしのイメージが染み付いちゃったわね。人間って恐ろしいわ。

 

「お、おう……」

 

 普段は、あたしは大人っぽいのは好まない。なので、黒い下着を始め、「大人のセクシーさ」をイメージした服は持っていない。

 顔が童顔なのもあって似合わないというのもあるし、何より「おばさん臭さ」と紙一重だったから。

でも、今回の水着は、そうした感じではなく、「小悪魔」をイメージできたと思う。

 童顔で幼いけど、体はナイスバディなサキュバスというイメージなので、海の髪飾りも、白いリボンの結び方を、考えないといけないわね。

 

「うーん、こんな感じがいいのかなあ?」

 

 あたしは、鏡つきの机の前で、リボンをいじる。

 

「それとも、こんな結び方が似合うかしら?」

 

 あたしの悩みは、結局海に行く前日までついて回った。

 

 

「浩介くん、起きて!!!」

 

 あたしは、浩介くんの部屋に行き、ベッドで彼の体を揺さぶってみる。

 うーん、浩介くん、昨日は夜更かししちゃったのかしら? あたしの起こす声にも起きようとしてくれないわね。

 

「浩介くん! 遅れちゃうよ!」

 

 今日は協会の主催で海に行くことになっている。

 

「うにゃーうー!」

 

 もう! よし、こうなったら……

 

「起きないと来年まであたしの水着姿見れなくなるわよ」

 

「わー! 嫌だ嫌だ優子ちゃんの水着見たい!」

 

「きゃっ!」

 

 浩介くんが突然大きな声で布団を蹴りあげて、ものすごい勢いで起き上がってくる。

 

「うおおおおお!!!」

 

 浩介くんが、目を覚ますために顔をパンパンと叩いて顔を振る。

 あたしは急いでこの場から退散した。

 

「……もう、本当に男って単純なんだから」

 

 過去のあたしも、そんな生き物だったんだなあと思いつつ、あたしは浩介くんの準備が完了するのを待つ。

 

 

「優子ちゃん、お待たせ」

 

 涼しい格好をした浩介くんがあたしに挨拶をしてくる。

 ちなみに、あたしもあたしで、今日は特に暑いので、短めの水色のワンピースを着ている。ちなみに、ねこさんのぬいぐるみを抱き抱えながら行くことにした。

 そう言えば、一昨年の海も同じ服だったっけ?

 

「じゃあお義母さん、行ってくるわね」

 

「うん、気を付けるのよ」

 

「分かってるって」

 

 そんなやり取りをしつつ、あたしたちは家を後にする。

 

「間もなく、電車が参ります」

 

 いつもの案内放送を、いつもとは逆のホームで聞く。

 こっち方向で終点まで行き、更に乗り換えた先の終点が海水浴場の目的駅になる。

 

 

「懐かしいなあ、もう2年前だっけ?」

 

 電車の中で浩介くんと隣り合わせに座る。

 

「うん、そうね」

 

 あの時は、浩介くんに恋したばっかりの頃で、今のあたしと比べると、ずっと男に近かった。

 

「優子ちゃん、大変だったよな」

 

「うん」

 

 体の反射が言うことを聞かなくて、「好きな男の子と触れあえない」という悲しみは、当時のあたしを深く揺さぶった。

 日焼け止めクリームの思い出は、心は嬉しいのに体は嫌悪感で一杯で、その辛さに最後は1人で泣いてしまったことも、あたしの中でも深く刻み込まれている。

 

「まあ、今となってはもう、古い思い出だよな」

 

「といってもまだ2年しか経ってないのよね」

 

「そうだなあ……」

 

 あたしたちは、2年前と同じように、電車を乗り換えて、同じ集合場所を目指した。

 

 

「おはようございます。永原会長」

 

「あら、篠原さん、篠原君、いらっしゃい」

 

 見てみると、永原先生を始め、協会の会員が数人そこにいた。

 そしてその中にはカップルも1組いた。

 

「幸子さん!」

 

「あ、優子さん、おはようございます」

 

 幸子さんは、涼しそうな白のワイシャツと水色のワンピースで、あたしよりも着飾っている。

 胸の赤いリボンと頭の上に大きな水色のリボン、2つのリボンが特に目立つ一方で、スカートの裾は白い山のような模様になっていて、これは去年のパーティーの時に着て来た服と同じだった。

 

「幸子さんずいぶんと遠いところからどうして?」

 

 幸子さんの住んでいる地域は南の方で新幹線も通っているとは言え、東北地方に分類される場所のはず。

 

「昨日の夜に家を出たのよ」

 

「へー、そこの彼と一緒に?」

 

「はい、その……紹介します。私の彼氏の──」

 

 幸子さんが、噂の彼氏を紹介してくれる。

 幸子さんがまだ男だった時からサッカーでチームメイトだった男の子だ。

 

「塩津幸子の彼氏です。彼女がお世話になりました」

 

 サッカーをしているとあって、結構鍛えているみたいね。

 浩介くん程じゃないと思うけど。

 

「篠原優子です、幸子さんのカウンセラーをしています。こちらが主人の篠原浩介です」

 

 あたしが、浩介くんを紹介する。

 

「篠原です、よろしくお願いします」

 

「幸子さん、体の方は大丈夫?」

 

 あたしがそうだったように、この時期は身体の反射に苦しむ。とはいえ、時間も時間なのであたしほどじゃないと思うけどね。

 

「うん、2回目に告白した時はちょっとだけ、『悟』が出ちゃったけど、でも、何とかうまくいったわよ」

 

「そう、今回の海デート、うまく行くといいわね」

 

 あたしがにこりと笑って言う。

 

「デ、デート……!」

 

 幸子さんが、ビクッとする。

 もうすっかり恋する乙女になっちゃって。かわいいわね。

 

「うー、塩津とデートかあ……」

 

「むー! 直哉(なおや)-! 名前で呼んでっていつもいってるでしょ!」

 

 幸子さんが拗ねたように口を尖らせながら言う。

 

「ご、ごめんよ幸子ちゃん」

 

「うん、ありがとう」

 

 彼氏さんが慌てて訂正すると幸子さんがにっこりと笑みを浮かべて彼氏をどきんとさせる。

 幸子さん、もう男の操縦を心得てるわね。2年足らずでこれは本当に凄いわ。

 

「あ、優子さんに幸子さん!」

 

 駅から来た人影を見ると、そこにいたのは歩美さんと余呉さんだった。

 

「歩美さん、おはよう」

 

 歩美さんは、たまにカウンセリングの相談がチャット上である。

 とは言え、精神は安定していて、女の子になったばかりに見られた自殺への恐怖も、今はもうほとんどない。

 

「あれ? もしかして幸子さんその人って」

 

「ええ、あたしの彼氏よ」

 

 幸子さんが、彼氏を紹介する。

 

「はじめまして。えっと、幸子さんとは……優子さん繋がりで友達になりました、山科歩美です」

 

「よろしくお願いします」

 

 

「今日は数少ない男手ですから、きちんと働いてくださいね」

 

「わ、分かってますって」

 

 余呉さんは、どうやら幸子さんの彼氏とは面識があったらしい。

 その後も、比良さんや他の正会員さん、また蓬莱教授と瀬田助教もいた。

 協会の会員たちにも彼氏や旦那持ちはいて、男手もそれなりに確保できている。

 人数が増えると共に、集合場所は手狭になっていく。あたしたちは通行の邪魔にならないように、うまく場所を工夫する。

 

 

「なあ、何だよあの美女軍団」

 

「すげえよ、かわいい子しかいねえよ。特の黒髪の子、隣にいるの彼氏か?」

 

「あーあ、まあ世の中そう甘くねえよなあ……」

 

「しっかしすげえよな、女優の集団かな?」

 

「さあ? 『美女の会』かなんかじゃね?」

 

「というか、あの黒髪爆乳の子、どこかで見たことあるような?」

 

 

 道行く男性たちも、あたしたちの噂をする。

 TS病になると、皆絶世の美少女になる。そんな患者が集まれば、当然美少女軍団になってしまう。

 

 

「さて、これで全員ね」

 

 永原先生が、名簿を確認する。

 

「みんなー! 全員揃って時間にもなったから、海に入るわよ-!」

 

 永原先生の掛け声と共に、海水浴場へと入る。団体料金で、永原先生が代表して入場料を支払う。

 

「じゃあ浩介くん、またね」

 

「おう」

 

 あたしは、浩介くんたちと別れ、他の会員たちと共に女子更衣室へ入る。

 やはり皆さん人生長いので、躊躇なく女子更衣室に入っていく。あたしも送れないように続く。一方で歩美さんはやや緊張の表情をしているわね。

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