永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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季節の変わり目梅雨の兆し

 6月1日、季節は6月に入った。

 この時の学校生活での大きなイベントといえば冬服から夏服への衣替えだ。

 もちろん、私は女子生徒として、女子の夏服を着るのは初めてのことになる。

 実は5月末から一部夏服も解禁されていたんだけど、女の子なりたての私はその日の気候によって使い分けるなんて器用なことはできなかった。

 来年、あるいは秋口はもう少しうまくやれるといいんだけど……

 

 

 ともあれ、クローゼットから夏服を取り出す。いつものようにパジャマと下着を脱いで全裸になり、女物のブラとパンツを穿く。

 上着を着なくて良くなったので、楽になったが、Tシャツとブラウスは欠かせない。

 次に、リボンを付ける。鏡に向かい、リボンが曲がってないか入念に確認する。この癖がついたのも、思えば最初に制服を着た時に、リボンの不手際でおしおきされたおかげだった。

 

 そして夏用のスカートを穿く。

 冬服より生地が薄く、また色も薄い。夏服のスカートは冬服と比べ、より風圧に弱くなっているが、夏場は熱を逃しやすい構造でもある。

 そして、冬よりもほんの少しだけ短めにする。冬服以上に警戒しないとパンツが見えてしまう。しばらくはいつもより警戒しよう。

 

 ……最後に、私の黒髪に白いリボンを付けて完成ね。

 洗面所に行って鏡を見る。うん、今日もバッチリ可愛く出来た!

 

 

 さて、6月1日になって、間もなく梅雨入りということで、週間予報でも傘マークが増えた。

 そんな今日も、まだ梅雨入りではないものの雨の日だ。実を言うと5月は晴れが続いていたため、この日が女の子になってから最初の雨だ。

 

 私は、男の頃から傘の傾け方が下手で服を濡らしがちだった。

 登校中も不安だったが、今回は制服を濡らさずに済んだ。原因を分析した結果、「傘の大きさは変わらないが、身体そのものが小さくなったため、防御が楽になった」という結論になった。

 唯一、私の胸周りだけは男時代より大きいため、逆にそこを要警戒すればよかった。

 

 

 さて、女の子として受け入れられてから、最近になって出てきたもう一つの新しい悩み。それが――

 

「あ、虎姫ちゃーん」

 

「お、優子、どうした?」

 

「ちょっと肩がこっちゃって」

 

「優子、最近すごい肩こるよね?」

 

 そう言いながらも、虎姫ちゃんはマッサージをしてくれる。

 

「うん、そうそこ……あー気持ちいいー」

 

 実は昨日、肩こりに耐えきれずに、教室の壁の角に肩を押し付けセルフマッサージをしていたんだけど、それに対して虎姫ちゃんが声をかけた。

 

 

 その時は……

 

「優子、もしかして肩こりなのか?」

 

「う、うん、肩が痛くて、触ってみたら肩の筋肉がコリコリしてて……」

 

「な、なんて贅沢な……」

 

「ええ!? 肩こりって贅沢な悩みだったの?」

 

「ふえっ!? あ、ごめんごめん、なんでもないよ優子。でも、その体じゃ肩がこるの当然ですよね」

 

「そ、そうだよね……」

 

「ま、私が揉んでやるよ」

 

 

 何ていうやり取りがあって、そのマッサージがとても気持ちよかったんだ。

 男の頃は肩こりなんてなかったから実に戸惑っていたんだけど、何分この巨乳を支えるわけだから肩に負担がかかるのは当然と思っていた。

 

「おー、優子、昨日に引き続いて今日もマッサージか!?」

 

「あ、恵美ちゃん、その……虎姫ちゃんのマッサージが気持ちよくて」

 

「ああ、こいつは女子サッカー部だからな。整体には詳しいぜ。ま、あたいも負けてねえけどな」

 

「恵美、代わる?」

 

「お、ちょっと肩を見せてくれ! 何、強くはやらんよ」

 

「お、お願いします……」

 

 恵美ちゃんがマッサージを代わる。

 恵美ちゃんは肩をさすり、わずかに押すようにし始めた。明らかに下調べの行動だ。

 

「どれどれ……うわっ、これはひどい……テニスやったら大問題だぜこれ!」

 

「よし、マッサージだ!」

 

 恵美ちゃんが肩をもんでくれる。虎姫ちゃんのマッサージに負けず劣らず、すごく気持ちいい。

 

「んっあー気持ちい……うん、よく入ってるよ……恵美ちゃん……そう、そこもっとお……もっと激しくして……!」

 

「ま、マッサージなのは見れば分かるけど……」

 

「文章にしたらすごくヤバそうなことになりそうだぜ……」

 

 確かにそうかもしれない。ともあれ、一通りほぐれたので、お礼を言って引き剥がしてもらう。

 

「お、何々? 優子さん、肩こりですか?!」

 

 今度は龍香ちゃんが食いついてきた。

 

「そうみたいだぜ。スポーツとは言わねえけどよ、もう少し運動をやればマシになるんじゃねえかな」

 

「優子の場合はその前に体力作りだと思うよ」

 

「あーそうかも知れねえな。学校生活だけでも大変だろうしなあ」

 

「でもさ、優子さんの肩こりはもうしょうがないと思いますよ……だってこんな大きさじゃ……」

 

「ちょっと、龍香! それはセクハラだよ」

 

 今度は桂子ちゃんだ。

 

「え? 今のセクハラなの?」

 

 私が疑問を挟む。

 

「うーん、やっぱまだその辺が女子力低いのよ、優子ちゃんは」

 

「うんうん、優子さんはまだまだ精進が足りないですよ!」

 

「セクハラした龍香が言うのはどうかと思うなあー」

 

 おや、虎姫ちゃんをはじめ恵美ちゃんのグループの子はこれまで他グループの女子は名字呼び捨てだったのに変わったのかな?

 

「うーん、あたい的には、優子はもう女子力十分だと思うけどなあ……」

 

「田村がそれを言っちゃ駄目でしょ」

 

「な、何だよそれ……」

 

「ごめん恵美、これは流石に桂子が正しいわよ」

 

「四面楚歌!?」

 

「そういえば、これは面白い光景だね」

 

「以前だったら、恵美ちゃんのグループの子が桂子ちゃんのグループの子の肩を持つなんてあり得なかったのに、時代が変わった気がする」

 

「そうだなあ……」

 

「何だろう、恵美ちゃんと桂子ちゃんが仲直りできたら……あたしがいじめられたのも、無駄じゃなかったかもって思えるなあ……」

 

「「……」」

 

 桂子ちゃんと恵美ちゃんが黙っている。

 

「あ、ごめんなさい。そんなすぐに出来っこないよね? ちょっと言い過ぎたよ」

 

「あ、いや、いいんだ」

 

「ええ、私も優子ちゃんを守るために協力して初めて、田村の魅力に気づいた所もあるし」

 

「奇遇だな、あたいもだ」

 

 しばらく、二人で何かを探るように見つめ合っていたが、その静寂を永原先生が打ち破った。

 

「はーい、今日もホームルームを始めますよ。今日から6月です」

 

 

「あ、あの! そのー……優子さん、学食行きませんか?」

 

「あら、珍しいわね」

 

 この子は志賀(しが)さくらちゃん、木ノ本グループの中でも地味でおとなしい子だ。もちろん、あの時も私を守るために団結してくれた、大事な仲間だ。

 

「あ、優子、私もいいかな?」

 

 こっちは虎姫ちゃんだ。珍しい組み合わせ、もちろんグループは別。

 

「う、うん。私は虎姫ちゃんで良ければいいけど。さくらちゃんは?」

 

 念の為に聞いてみよう。グループ間で何があるか分からないし

 

「え? 私はいいけど……」

 

「そう、じゃあ行きましょうか」

 

 虎姫ちゃんの号令で、三人で学食に向けて並んで歩く。

 

 

「なあ、石山のやつ、今度は別の女子と学食らしいぞ……」

 

「でもなんかあんまり……」

 

「こら!」

 

「てかさ、木ノ本と並んでも石山って映えるけど、この二人だとより一層映えるよな」

 

「うんうん」

 

 

「何よ全く、ほんと、男子って失礼しちゃう!」

 

 学食への道すがら、虎姫ちゃんが本音丸出しで会話する男子に対して不満の声を上げる。

 

「あたしも、自分が可愛いって言われるのは嬉しいけど……さすがにあんなに露骨なのはちょっとねえ……」

 

 元男としても、ちょっとどうかと思ったりもする。

 

「で、でも、私じゃしょうがないよ……木ノ本さんと並んでも石山さんは際立つくらいだし……」

 

「もう、さくらは自信なさすぎ。そんなんじゃ可愛くもかっこよくもなれないぞ」

 

「そ、そうかなあ……うん」

 

「優子が女の子らしくなったときも、自己暗示が役に立ったんだぜ。さくらも『私は可愛い女の子』って暗示し続ければ自然と行動も変わってくるぜ」

 

「よく分からないや……」

 

 さくらちゃんがちょっとうつむく。

 

「虎姫ちゃん、私の場合は身体が女の子っていう前提があってこその暗示だったから、さくらちゃんの場合はまた違うんじゃない?」

 

「うーん、そういうものか?」

 

「まあ、私もカリキュラム以外で暗示をかけたわけじゃないからよくわからないけど……」

 

「でも、どちらにしても、気持ちから負けてちゃダメだよ」

 

「う、うん。がんばる」

 

 まだぎこちない返事だけど、さくらちゃんも頑張って欲しい。

 男に好かれる女性になれば、きっとさくらちゃんもとても可愛くなれると思う。

 

 食堂の券売機に並び、3人共思い思いのものを頼み、受け取ってからテーブルに付く。

 そして食べ始める。

 

「ねえねえ、うちのサッカー部、また練習試合で勝ったのよ」

 

「へえーすごいですね」

 

「このまま行けば全国はいただきよ! 優子は応援に来てくれる?」

 

「うーん、どうだろう? 私、桂子ちゃんに天文部に誘われたから」

 

「へえー天文部か!」

 

「どんな部活なんです?」

 

「天文部って言っても、宇宙研究部みたいなもので、宇宙開発の動静を探ったりしてる感じよ。部員は桂子ちゃんと3年生の部長の二人だけよ。あ、後あたしも一応……部員……なのかな?」

 

 入部届とか出してないけど。

 

「まあ、頑張りなよ。優子、男だった時から部活入ってなかっただろ?」

 

「う、うん」

 

「私も……何か入りたいかな……」

 

「じゃあさくらちゃんも天文部に行こうよ!?」

 

 誘ってみる。

 

「う、うん……ありがとう……でも天体のこと……あんまり興味ない……です……ごめんなさい」

 

「そ、そう……」

 

 まあ、私も無理にとは言わない。

 

 

「そうそう、昨日の番組見た? ほら例の……」

 

「うーん、見てないや」

 

「そういえば、優子ってテレビあんまり見ないよね? 普段何してるの?」

 

「実は、カリキュラムを受けた時に少女漫画とか女性誌とか読む課題があったんだけど、読んでない本がまだたくさんあって、それを読んだりパソコンでインターネットをしたりしてる」

 

「へー、インターネットかあ……」

 

「そういえば、優子さんってスマホ無いんですか?」

 

「うん、家にPCがあってスマホでネットする機会もないし、何より親とたまにしかメール連絡とかしかしてなかったから小学校高学年の時に買った通話メールだけのガラケーそのまま使ってるよ」

 

「へえー、エコで長持ちじゃん」

 

 そういえば、携帯もまだ優一のままだったわね。定期券の更新もそうだけど、ちゃんと正しい名前に変えてもらわないと。

 

 そんなこんなで食べ終わる。虎姫ちゃんが食べるのが早い。

 

 さくらちゃんは私ほどではなかったが、食べるのは遅い方で、私たちは少しまばらになり始めてから食堂を出た。

 

 

 教室に戻ると、今度は龍香ちゃんが話しかけてきた。

 

「優子さん優子さん、見てください最近流行のファッションですよ」

 

 ふとみると、木ノ本グループの女子たちが雑誌を見ていた。桂子ちゃんは居ないみたいだけど。

 

「これこれ、ブーツとベルトがなんともオシャレじゃない?」

 

 モデルが来ている服、女性受けするのだろうか?

 でも、ブーツやベルトと言われても……

 

「……」

 

「ん? 優子さんどうしました? 可愛い服だと思いますよ」

 

「あ、あの……」

 

「はい?」

 

「すごく言いにくいんだけれど……ブーツやベルトに力入れても意味ないと思います……」

 

「え!? そうなの?」

 

「足元のブーツにお腹のベルトなんて、男性は気にしませんよ」

 

「じゃ、じゃあ男はどこを見てるんですか!?」

 

「男性の目線はずばり、ここと、ここと、ここよ」

 

 私は胸と尻とスカートと脚の境目の部分をそれぞれ指差す。

 

「ちょ、ちょっと露骨すぎでしょそれ!」

 

 女子たちも驚きの態度を隠せない。でも男子が正直なのは私もよく知っている。

 

「……でも、すごい説得力があります……」

 

「あれ、さくらさん帰ってたんですか」

 

「ええ、優子さんと、安曇川さんとで学食に……」

 

「あ、ああ。そうだったね……むむむ、とするとこの女性誌って……」

 

 私は更に無慈悲なことを言う。

 

「この女性向け雑誌にある女の視点から見た『可愛い服』は、男性から見ると力の入れどころを完全に間違えてて空回りしてる部分が多いと感じました……私もカリキュラム中にこの雑誌を読んだんだけど、似たような感想だったわね」

 

「そ、そうなんだ……」

 

「でも別に、男のためにおしゃれするわけじゃないし」

 

 傍で見ていた虎姫ちゃんが反論する。

 

「じゃ、じゃあ誰のために?」

 

 私が再反論。

 

「うーん、自分のため?」

 

「うーん、そういう考えもあるのか……奥が深い……」

 

「いやいやちょっと待って下さいよ安曇川さん」

 

 私が納得しかけた所で龍香ちゃんが反論してくる。

 

「ん?」

 

「仮に自分のためだとしても、やっぱり男性の方に喜ばれれば嬉しくなりますし、私だと『彼氏に喜ばれたい』というのも、十分自分のために入ると思うんですよ!」

 

「うむむむっ……言われてみれば……!」

 

 何だろう、みんな一理あって頭が大混乱している。

 私はカリキュラム中に「女の子は男に好かれてこそ嬉しいもの」「女の子は女の子らしく生きていかなければならない」と繰り返し叩き込まれてきたから、男性受けしなくても「自分のために着飾る」という概念にカルチャーショックを受けている。

 

「あ、あの……優子さんが……放心してます……」

 

「え? あれ? 優子さん、大丈夫?」

 

「あ、ごめん、ちょっと衝撃を受けてて」

 

「どうして?」

 

「あ、あたし今まで『男に好かれてこそ女の子らしい』って言われて育ってきた? から……」

 

「あー」

 

「でも、実際それも大きな目的だと思うんですよ」

 

「何だかんだで女の子は男の子好きですから。喜ばれるのはいいものですよ」

 

 なんだかよく分からない、玉虫色の決着がついた。

 

 

「……なあ、やっぱ石山って性格込みで可愛いんじゃねえか」

 

「どうだろう、容姿は文句なしだけどよ、ついこの間まで男……それもよりにもよってあいつだったんだぞ」

 

「でもよ、乱暴なところとかなくなったじゃん。むしろ下手な女子より乙女になってるし……」

 

「いやいや、女子として認めるにしても、内面まで女子になりきったかは、まだ様子見るべきだと思うぜ。三つ子の魂百までだろ」

 

「って、百までじゃ俺たち死んでるだろ……」

 

「でもあいつは平気で生きてるんだぜ、今見てる姿のまま、さ」

 

「ヒエー」

 

 男子たちが徐々に私を認める会話をしてくれている。

 何故だろう、女子たちに受け入れられるよりも、ずっと男子に受け入れて欲しい気持ちが強い気がする。

 それが、人間の欲望なのか、それとも女の子の欲望なのか。私にはまだ分からなかった。

 

 

 放課後、今日も天文部の扉を開け、宇宙のことについて学んだ。

 今回もまた、宇宙開発の歴史やアメリカとソ連のことを桂子ちゃんに教えてもらった。

 

 この季節、下校時間になっても空は明るい。

 夏至も近くなってきて、日の長さが長くなっているんだ。

 ともあれ今日はもう木曜日、徐々に週末の疲れも出てきたし、早く家に帰ろう。

 

 自宅最寄り駅を出る、自宅までもうすぐだ。

 

 ……急に雨が降ってきた。まずいまずい。

 慌てて背中で防御しつつ鞄を開けて折りたたみ傘をだし、なんとか開く。

 

 あうう……制服がちょっと濡れてるよ。

 帰ったら干さないといけないかなあ……

 

 ともあれ、傘で雨を防御しつつなんとか家に帰る。

 

「ただいまー」

 

「おかえりなさーい」

 

「ふうっ……」

 

「突然降ってきたけど大丈夫?」

 

「なんとか傘を出せたよ」

 

 靴を脱いで部屋に向かう。

 

「ちょっと待って優子!」

 

「うん?」

 

「背中からブラジャーが透けているわよ!」

 

「ふぇ!?」

 

「ちょっと洗面所で待ちなさい!」

 

 私が洗面所に行くまでの間に、母さんは大急ぎで特殊な鏡を持ち出してきた。そして、見事に背中からブラジャーが透けてるのがわかった。

 うう……ちょっと恥ずかしい。

 

「優子も見たことあるでしょ、街の女性が不注意でこうなるの」

 

「う、うん」

 

「優子は下着見せながら道を歩いたということよ」

 

「ふぇ……? まずいよそれは」

 

「うん、というわけで、もうカリキュラムじゃないけど、特別に……」

 

 母さんが素早く忍び寄ると、私はスカートをぶわっとめくられた。

 

「やっ!」

 

 母さんにめくられたので、慌ててスカートを抑える。恥ずかしいよお……

 

「あらあらちゃんと抵抗してくれてお母さん嬉しいわ。優子の気が緩んでなくて良かったわ~」

 

「もう、恥ずかしいからスカートめくるのやめてよお……」

 

「うふふ、教育の成果が出てるわねえ……でも、こんな大きな失敗したんだからおしおきよ。さ、暗示かけなさい」

 

「わっ私は女の子……パンツ見られて恥ずかしいよ……私は女の子……パンツ見られて恥ずかしいよ……」

 

 カリキュラムを受けてた頃よりもずっと恥ずかしい。女の子として成長しているんだろうし、それはとても嬉しいんだけど、やっぱり恥ずかしい思いが強い。

 

「あらあら、ちゃんと覚えてたのねえ。感心しちゃうわあ~」

 

「いい? 背中の方は特に透けやすいから雨の日とかは下のシャツの素材選びとかに十分注意しなさい」

 

「……はい」

 

 恥ずかしくも懐かしいやり取りをしつつ、制服を着替え、パソコンをしながら夕食を待った。

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