永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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団結力の勝利

「あー! お前ら!」

 

 反対デモの先頭列にいたのは、例の牧師だった。

 あたしにとっては生で見るのは初めてで、更にあの時いた反蓬莱連合のメンバーも何人かいる。

 そして何より驚いたのは、2年前にあたしに言いがかりをつけて返り討ちにされた、元講師の姿もあったこと。

 

「ふ、俺の研究を邪魔しているのはお前らか!」

 

 あたしたちのデモ隊が、あっという間に敵を包囲する。

 敵の周囲360度を数倍の兵力を持つ味方で囲み、いわゆる「包囲殲滅陣」を完成させる。

 

「神を冒涜し、自然をねじ曲げる蓬莱伸吾! 許さんぞ!」

 

 圧倒的不利の情勢の中でもこの気勢、勇気があるというよりも、身の程知らずと言った方がいいわね。

 

「具体的にどこがどう自然をねじ曲げるのよ?」

 

 ここで、永原先生が発言する。

 多くの人に反論させることで、敵の孤独感を強めるための戦法だ。

 

「全ての生き物は、本来老化して死に、自然に帰る運命だ! お前らはそれをねじ曲げている!」

 

「あら? 老いずに死ぬ生き物なんて、いくらでもいるわよ。猫に食べられるネズミとか、昆虫なんてほとんどは幼虫で死ぬわよ」

 

 あたしがすかさず反論する。

 

「しかしだ! 老いから逃れるなど言語道断だ!」

 

「あら? あたしたちTS病は存在そのものが言語道断と言いたいのかしら? それって差別主義者よね」

 

 あたしが笑いながら皮肉を込めて言うと、元講師の醜いおばさんが、ビクッとする。

 手の方を見ると、相変わらず左手には何も嵌めていないのが見えた。

 かわいそうに、あれから2年も経って、更に老けちゃって、完全に行き遅れたわね。

 

「ぬー! そうやってすぐに人の揚げ足を取りやがって!」

 

「あら? これのどこが揚げ足取りなのかしら? あなたの言い分に整合性がないだけなのに、言い訳するんじゃないわよ」

 

 今度は永原先生が牧師を煽る。

 

「あんた、あんたが日本性転換なんちゃらの会長なのね!」

 

 すると、例のあたしに撃退された旧ジェンダー論講師のおばさんが声を張り上げる。

 

「ええ、私がいかにも日本性転換症候群協会会長の永原マキノよ」

 

「あんたたちのせいで、私らみんな食いっぱくれちゃったわよ! 何よ! あんたたちちょっと美人だからって調子にのって!」

 

「あらあらまあまあ-」

 

 おばさんの必死の口撃を、永原先生は手慣れたように何事もなく受け流す。

 恐らく、江戸城にいた頃から、この手の口喧嘩には慣れていたのかもしれないわね。

 

「そうよそうよ! 男から好かれてるからって、このぶりっ子集団!」

 

 デモに参加していたフェミニスト団体の構成員たちが、一斉に少ししわがれたおばさん声を永原先生とあたしに浴びせ続ける。

 ちなみに、手を見れば分かるように、全員独身だというのが見て取れた。

 

「あはははは、あなたたち、結婚できないのがそんなにコンプレックスなのね。それならなおのこと、私たちについていけばよかったのに」

 

 永原先生は、自身も未婚なのにこの余裕の表情

 やっぱり度量が違うわね。

 

「ふふっ、蓬莱の薬があれば100歳でも婚活できるわよ!」

 

「な、何よ! え!? ちょ、ちょっと! どうして!?」

 

 あたしのその言葉から、反対派のデモ隊に参加していた若い女性たちなどが、一斉に列を離れて包囲に加わった。

 要するに、「100歳でも婚活できる」という言葉を受けてあたしたちに寝返った訳で、その数は反対派の半数近くにも上っていた。

 ただでさえ圧倒的だった戦力差が、更に大きく広がった。

 

「もう分からないのかしら? あなた方は、思想も容姿も劣化しきって何もかもが賞味期限切れってことよ、おばあさん」

 

  ワハハハハ!

 

 永原先生が最上級の煽りを放ち、デモ隊の周囲も挑発的な笑い声を上げる。

 そんな中、味方からも「あんたが言うかー」というツッコミが入る。

 

 永原先生の話術は、はっきり言ってあたしがするそれとは格段に効果が違っていて、「優子」を心がけているあたしにとっては、到底思い付かないわ。

 永原先生の実年齢は503歳で人類最高齢、自分たちよりも400歳以上も年上で、10倍は生きているだろう女性から、「おばあさん」と呼ばれることは、この上なく屈辱のはずだわ。

 

「おばちゃーん」

 

「おばあちゃーん!」

 

 デモ隊の包囲側が、この機を逃すなとばかりに、フェミニスト団体を煽り続ける。

 耐えられなくなったおばさんたちは醜い泣き顔を晒し始め、ついに総退却し始めた。

 

「この野郎!」

 

 更に味方を失った牧師が、大声で怒鳴る。

 

「今のお前らの行動こそ、人類が不老になってはならない最大の理由だ!」

 

「あらあら」

 

 永原先生は、相変わらず飄々とした表情で牧師を嘲笑うような目つきをする。

 

「こうやって、不老の人間と不老でない人間に、分断をもたらす!」

 

「ふ、やはり君は頭が悪いな。そんなこと、ノーベル賞の俺が予想してないと思ったか!? だからこそ、人類が等しく不老になるべきだと、俺は主張しているんだ!」

 

 しばし沈黙していた蓬莱教授が、ここで大きく前に出た。

 

「何を言うか! 不老を嫌がる人間は、必ずいる!」

 

 牧師も負けじと応戦する。

 

「もちろん、それはそいつの勝手だろう。だが、お前らのワガママで、ここにいる多くの人間の不老への追求心を、止めていい理由はない! 何なら、民主主義らしく、国民投票をしてもいいだろう。この状況が、既に結果を暗示しているとは思うがね」

 

「このお!」

 

 蓬莱教授の煽りに牧師が反論できず、無情に声を荒げる。

 

「けっ、反論できなきゃ結局わめき散らすしかできねえんだな! この状況、ビデオに録られてるぜきっと」

 

「あんたには、私からも言いたいことがあるわ」

 

 ここで、永原先生も前に出る。

 

「ええ、日本性転換症候群協会としてね」

 

 あたしも永原先生に続いて前に出る。

 更に、前方で包囲していた比良さんや余呉さんを始め、協会のTS病患者組が一斉に前に出て反対派のデモ隊を包囲する。

 ちなみに、この包囲においても逃げ道も一応用意してあるので、こうしている間にも反対派のデモ参加者は1人、また1人と抜けていき、遂には先頭列にいる一部の痩せ我慢したフェミ団体の幹部たちと牧師、そして数人の関係者のみになっていた。

 

「明日のTS病患者を救う会、最近全然活動されていないみたいですね」

 

 あたしが、牧師を問い詰めるように言う。

 

「うるさい! 病院に全て断られているんだ! 『患者は面会謝絶です』ってな!」

 

 まさに四面楚歌としか言いようがないの状況で、牧師は尚も吠え続ける。

 

「当然じゃない。あたしたち協会はね、『明日の会』のような治療法は禁忌なのよ。ちなみに、プログラムを新しくしてからは、自殺者が0よ」

 

 あたしが更に、牧師を追い詰める。

 

「うぎぎぎぎぎ」

 

「ねえ、今ここで、『明日の会』の正式解散を宣言してちょうだい」

 

「嫌だ!」

 

 永原先生の要求を、牧師が拒否する。

 既に自然消滅も同然なのにね。

 

「あら、そう? まあ、解散しなくても、あなた方につく患者はいないわよ」

 

 明日の会のホームページ自体が、更新停止中で、「患者自殺のお詫び」を消したのでは、遺族に申し訳が立たないし、仮に立ったとしても、あたしたちがしつこく追求すればいい。

 

「ふぎぎ、うるさい! お前らが、お前らさえいなければ、俺たちの教会は!」

 

「そっちから喧嘩売っておいて、自業自得だわ」

 

 永原先生が、冷徹に言う。

 

「ぐああああああ!!!」

 

 永原先生の嘲弄に耐えきれなくなったのか、仮にも聖職者であるはずなのに、醜い声を出す。

 

「もう、やめろ!!!」

 

「「「!?」」」

 

 突然、あたしたちの方から別の声がした。

 その人は、首から十字架をぶら下げていた。

 つまり、あの牧師と同じクリスチャンということになる。

 

「全く見苦しい!確かに蓬莱教授は神を冒涜し、無神論を是とする人間だ。最後の審判があれば間違いなく地獄に落ちるだろう」

 

「……」

 

 蓬莱教授も、ここで「地獄などあるわけないだろ!」とは言わない。さすがにそこまでは空気が読めない男ではない。

 

「だが、人間がより長く生きたい。より長く、現世で神に仕えたいというのは、信心深く、敬虔な者ならば誰でも思うことだ。蓬莱教授個人が神を冒涜したとして、その薬には、その薬を求める者に罪はない!」

 

「お前、この裏切り者!」

 

 牧師がそのクリスチャンを罵倒する。

 

「裏切り者はあなたです。回りを見てください。もう殆ど、この包囲網から脱出していますよ」

 

 ちなみに、あたしたちのデモ隊も、既に殆どが勝利を確信して包囲を外れて帰宅の徒についている。

 この牧師は、他のクリスチャンからもかなりの批判を浴びていたのは事実だ。

 

「う、うぎぎぎぎぎ」

 

「もう、お前に味方など、この国にはいない。とっとと帰るんだな!」

 

 蓬莱教授が更に煽ると、牧師はもう押し黙るしかなかった。

 

「帰れ! 帰れ!」

 

  パン! パン!

 

「「「帰れ! 帰れ! 帰れ! 帰れ!」」」

 

 浩介くんが手拍子をしながら帰れとコールすると、デモ隊が一斉に帰れコールを浴びせる。

 

「っー!!!」

 

 牧師とフェミ団体、そして最後まで反対派に残っていた数人は、目に涙を浮かべながら、その場から退場する。

 そして完全に敵が退却した後、あたしたちデモ隊は、大きな歓声をあげた。

 

「えい、えい、おー!」

 

 何処からともなく、勝利の声が上がる。

 

「「「えい、えい、おー!!! えい、えい、おー!!! えい、えい、おー!!!」」」

 

 そしてあたしたちは、今度こそ正式にデモを解散させ、各自帰宅の徒についてもらった。

 そんな中で、永原先生は「えいを言うのは大将だけよ」と愚痴をこぼしていた。

 

「浩介くん、インターネット、どういう反応が出るかしらね?」

 

「さあ? どうだろう?」

 

 聞くところによれば、ネット工作会社も、反蓬莱連合の仕事を引き受けてくれないらしい。

 そう、もしその事実が蓬莱教授側に漏洩すれば、不老の薬を受け取れないリスクがあるから。

 インターネットは比較的本音が書かれているが、この時には既に殆どが蓬莱教授を支持する意見で埋め尽くされていた。

 

「デモのこと、どう報道するかしら?」

 

「さあなあ……」

 

 浩介くんも、予想できないという顔をする。

 既存メディアも既に蓬莱教授が制圧したも同然とは言え、どこかに反骨心が残っている可能性もある。

 

「まあどちらにしても、あの牧師は今度こそ終わりよ」

 

 お義母さんが、そう呟く。

 あの後、あたしは包囲隊に加わっていた義両親と合流し、多くの人から挨拶を受けつつ、拍手で駅に向かうことができた。

 蓬莱教授や永原先生を残して家に帰るのはちょっと気が引けたけど、まあ仕方ないわね。

 

「ふー」

 

 あたしは、家のベッドで横になる。

 まずはとにかく、疲労を回復したい。

 

「うーん……」

 

 あたしは、すぐに気になって休憩に集中できず、PCをつけてブラウザを開く。

 今日のことは早速、ニュースサイトに載っていた。

 そこには、「反蓬莱デモ、親蓬莱の10分の1以下」という題名が書かれていた。

 中身を見ると、蓬莱教授の研究に反対するデモが開かれたことが報じられているが、その中で、「これを受けて蓬莱伸吾教授は、直ちに対抗デモを計画、結果的に蓬莱教授を支持するデモには、反蓬莱デモの10倍の参加者が集まった」として、それぞれのデモの主催者発表と警察発表の人数を載せていて、最終的には「力の差は明らかだった」としていて、あたしたちが嘲笑った所は報道されていない。

 

 コメント欄を見てみると、「哀れだったぜ反蓬莱デモ、あの後蓬莱教授のデモ隊に包囲されて論破されてた」「こいつ蓬莱教授だけじゃなくて人類最高齢の永原さんのとこにも喧嘩売ったんだろこいつら? 自業自得だね」といった声が次々に上がっていた。

 

 もちろんこの中には、蓬莱教授の宣伝部の活動ももちろんあると思うが、実際にはかなりの割合で一般人の書き込みが占められているだろう。

 既に世論は蓬莱教授を支える方向でほぼ一辺倒になっていた。

 

「すごいわね」

 

 あたしたちは、世論を動かしている。

 あたしたちの声が、日本を動かしている。

 いつの間にか、そんなに大それたことを、あたしたちはしていた。

 

 きっかけは、小さなことだった。

 ただ乱暴だった自分を変えて、女の子としての新しい人生を歩みたい。

 そんな1人の高校生の想いが連鎖に連鎖を重ね、遂には総理大臣とも面会し、蓬莱教授の研究を進めさせた。

 そもそも、協会と蓬莱教授の仲を深めたのだって、あたしの大きな決意によるものだった。

 あたしは、今度の文化祭は、このデモの成果を大々的に宣伝するべきだと思った。

 浩介くんにその事を話すと、「分かっている、既に宣伝部でもプロパガンダを考えている」とのことだった。

 

 

「桂子ちゃん、この前のデモのことなんだけど」

 

 翌週の月曜日、天文サークルは人が更に増えているため、あたしたちは蓬莱教授の方にヘルプに行っていいかを桂子ちゃんに聞いてみた。

 

 桂子ちゃんは2つ返事で、「ええ、人がだぼついてるからいいわよ」と言ってくれた。

 ちなみに、今年の佐和山大学の天文サークルは、初めて歩美さん以外の小谷学園出身ではない非生え抜きのメンバーが多数加わっていて、ますます盛況を見せていた。1年目にあたしと浩介くんと桂子ちゃんの3人だけだったのが、嘘みたいだった。

 最も、それでも多くのメンバーが、あたしと面識のある人だったけどね。

 

「じゃああたしたち、蓬莱の研究棟に行くわね」

 

「行ってらっしゃーい」

 

 桂子ちゃんに見送られ、あたしたちは蓬莱教授の研究棟に行く。

 

「おう、来たか」

 

「はい」

 

 蓬莱教授が早速出迎えてくれる。

 

「今我々は、今度の文化祭に向けて大急ぎで展示品を製作している。それを優子さんに手伝って欲しい」

 

「分かりました」

 

「浩介さんは、宣伝部に合流してくれ。この文化祭では、反蓬莱の残党が嫌がらせをする可能性が高い。少しでも敵の戦力を削ぐために、活動してくれ」

 

「……と言いますと?」

 

 浩介くんが疑問を投げ掛ける。

 

「ああ、そうだなあ──」

 

 蓬莱教授によれば、反蓬莱連合日本支部の事務所には、インターネットやマスコミの報道を見た人々が、早くも直接的に抗議のヤジを飛ばしているとの情報がある。

 どうやら無防備にも事務所の住所を晒していたらしく、反蓬莱連合の代表の牧師が「明日の会」の代表でもあると言うことがデモ動画と共にすぐに特定され、嫌がらせの電話がひっきりなしにかかってくる状態となった。

 併せて、動画途中で最後まで反蓬莱連合に与した人物の特定作業が、蓬莱教授とは独立して、インターネットのコミュニティで独自に進められているという。

 

「うへえ、嫌がらせですか……」

 

 「優子」であるあたしとしても、ちょっと気が重たいわ。

 

「うむ、我々もこれに便乗しようと思っている」

 

 蓬莱教授によれば、既に宣伝部でも、公衆電話を使って、「人殺し」「売国奴」「カルト」などといった罵倒の電話をかけまくっている。

 本来ならば誉められた行為ではないけれども、警察が完全にあたしたちの味方となったため、黙認してもらえると踏んだらしい。

 

「そこで、連中を完膚なきまでに潰しきるためにも、例の牧師の運営する教団は教義を逸脱し、腐敗の限りを尽くしたというデマを流すことにした。とにかく奴の宗教的権威を失墜させねば、奴の中核的な信者によって、不死鳥のように甦るだろう」

 

 蓬莱教授によれば、この手の洗脳を解除させるためには致し方なく、また幸いにもデモ動画ではクリスチャンの人間が例の牧師を避難していた部分があったこともあったので、蓬莱教授はこれを最大限に利用することにした。

 

「いいかい? 人を騙すためには9割の真実の中に1割の意図的な嘘を混ぜるんだ。そうやって奴を失墜させるための嘘を人々に信じ混ませる。これは例のよくテレビで出てくる歴史や社会を解説している……ああいややめておこう」

 

 誰のことを言っているのかしら? まあいいわ。

 

「取り敢えず、その手法は人々を洗脳するのにとても効果的だ。何せ1割しか嘘を混ぜないわけだから、バレても単なる勘違いと言い逃れできるからな」

 

「いいんですか!?」

 

 正直、かなり気が引けることだと思うけど。

 

「ああ、仕方のないことだ。ここで反蓬莱の芽を徹底的に摘んでおかないと、蓬莱の薬の流通に支障が出てしまう」

 

「……」

 

 蓬莱教授は、「致し方ない」と割り切っている。それが出来るのも、蓬莱の薬がもたらす恩恵が、強固に明らかだからだと思う。

 あたしはどうしても、永原先生や蓬莱教授よりは冷徹になれないわ。

 

「ああ、気が重いのは無理もないだろう。優子さん、あなたは大人の世界には向いてない。だが安心してくれ。優子さんが『優子』であり続けられるために、俺や浩介さん、永原先生が汚れ役を引き受けてるんだ」

 

「蓬莱教授……」

 

 もちろん、あたしだって汚れ役になったことはある。

 大学1年生の時には、あたしはジェンダー論の講師を退職に追いやり、佐和山大学からフェミニズムを一掃し、更には最善の策とはいえ、結果的には明日の会に寝返ったTS病患者を自殺に追い込むよう幸子さんと歩美さんを使って工作させた。

 もちろん、それは今でも、最善の方法だということに疑いは持ったことはない。

 

「優子ちゃん、心配するなって。こういうことから女の子を守るのも、男の役目なんだよ」

 

「うん、ありがとう」

 

 浩介くんがそうフォローすると、浩介くんは宣伝部の方にかけていく。

 

「さて、俺たちは学園祭の準備に戻ろうか」

 

「はい」

 

 蓬莱教授に促され、あたしたちは学園祭の宣伝活動に戻った。

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