永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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豪邸生活1日目 後編

「お、優子ちゃん、それじゃあ行こうか」

 

「う、うん……」

 

 浩介くんが前を進み、あたしが一歩後ろを歩く。

 浩介くんは明らかに何かを企んでいるという表情だったけど、目的地には、案外あっさりとたどり着いた。

 

「あれ? この部屋は確か……」

 

 さっき入ろうとして、開いてなかった部屋よね?

 この部屋に、何があるのかしら?

 

「うん、この部屋は鍵がないと開かないんだ。ほら!」

 

 浩介くんが鍵を見せてくる。

 ドアノブの鍵穴に鍵を入れて、解錠してからドアを開ける。

 

「ちゃんと内側からの鍵もあるから、閉めるんだぞ」

 

「はい」

 

 あたしも恐る恐るそれに続く。浩介くんが何かを取ったような気がしたけど、あたしは気にしない。

 

「きゃっ」

 

 部屋に入って振り向いてみると、そこは一目見て分かるくらいに異様な部屋だった。それを見てあたしは、詳しく中も確認せず慌ててドアを閉めて鍵をかける。

 改めてよく見ると、このドアにもスポンジのようなものが敷き詰められている。

 部屋の入り口部分の左右には収納スペースがあって、右側には特殊な形の冷蔵庫とともにいわゆる精力増強剤と思われるエナジードリンクなどがあって、中の異様な光景から目をそらしながら左を見渡すと、そこにはいわゆる「大人のおもちゃ」が、以前から使っていたのを含めてぎっしりと敷き詰められていた。

 あたしは、この10畳の部屋が何のための部屋なのか? そしてどうして浩介くんがずっと鍵を閉めていたのか? あたしたちに秘密にしたのかを理解した。

 

「ようこそ優子ちゃん。ここは俺たちの愛の巣だよ」

 

 浩介くんがにっこりと腕を後ろに組んで前屈みになりながら話す。

 床は何故か細かい鉄格子状になっていて、右側にはラブホテルでよく見た大きめのベッドと壁にはあたしたちの部屋よりは小さいけどやはり薄型の大型テレビがあった。

 またベッドの頭上の棚には、カメラと思われる機材がたくさん詰まっている。

 左側には何故か壁に円の形をしたものが飾られていて、円の中に手足を拘束すると思われるものまである。

 壁の円の手前側、ここからはやや見えにくい場所には服が置いてあって、それはあたしたちが着ていた小谷学園の制服だった。

 部屋の壁は反響しやすい作りになっているらしく、浩介くんの声もいつもとはちょっと違う感じになっていた。

 そして部屋中央部の天井には、よく分からないものがぶら下がっていた。

 

「あの、あなた……もしかして?」

 

「うん、昨日一昨日我慢したのは、今日このためだよ。この部屋は音は反響しやすいけど外に対しては徹底的な防音仕様になってるんだ。ここなら遠慮せずに声を出せるよ。さ、おいで」

 

 浩介くん、こんな部屋作っちゃうなんて本当にもう。

 でも、十分想定できた話でもあるわよね。

 

「う、うん……」

 

 浩介くんの元へ近づくために、あたしは部屋の中に一歩足を踏み入れた。

 

  ピピッ……ブオオオオオオ-!

 

「きゃああ!!!」

 

 突然、足元から風圧を感じ、あたしはとっさに声をあげてスカートを押さえた。

 でも間に合うわけもなく、浩介くんの位置からは丸見えになってしまった。

 

「ちょ、ちょっと何よこれ! 止めてええ!!!」

 

 スカートがめくれあがり、あたしは必死にスカートを押さえる。

 浩介くんの足元には風は吹いてないのに、あたしが風から逃れようと歩いて移動しても風の位置が移動してついてくるので効果がないわ。

 

「あーん、止めてええ!」

 

「分かった分かった。ほら」

 

  ピッ……ヒュウウウウウウン……

 

 浩介くんがリモコンのボタンを押すと、ようやく風が吹きやんでくれた。

 

「もう、えっちー! どうなってんのよこれー!」

 

 スカートを抑えつつ、前かがみになって浩介くんに上目遣いで抗議する。

 

「悪い悪い。実は足元には優子ちゃんを見つけるとAIによって自動追尾する機械があるんだ。この部屋に優子ちゃんが居る限り常に下から優子ちゃんを追尾し続けるから、俺がリモコンのボタンを押すことで優子ちゃんに下からえっちないたずらが出来るようになっているんだ」

 

 浩介くんがにこにこした顔で話す。

 

「もー何よそれー! 技術の無駄遣いだわ」

 

 最も、こういう所から技術が発展していくのも事実なんだけどね。

 

「と言ってもやれることと言えば、今みたいに風を起こしてスカートをめくったり──」

 

 浩介くんがベッド側のテレビに首を動かし、あたしもつられて首を動かす。

 

  ピッ!

 

「きゃあー! えっちー!」

 

 浩介くんがリモコンの別のボタンを押すと、足元からあたしのパンツを覗きこむ構図の映像が、大画面でドアップになっている。

 あたしは下の機械で常にローアングルで撮影されているのね。

 

「こうやって、下からパンツを撮影して拡大収縮も……優子ちゃん、座り込まないで」

 

 浩介くんがリモコンを操作してあたしのスカートの中にズームインしようとしてくる。

 あたしは恥ずかしすぎて、たまらずその場に座り込んで機械からスカートを押さえてパンツが見えないように工夫する。

 

「もー嫌よ! 何なのよこれー!」

 

 浩介くんはあたしに恥ずかしい思いをさせようと躍起になるところがあったけど、まさかこんなことに世界トップの財力を使うとは思いもしなかったわ。

 でもこれ、入ったら二度と出てこられないくらいはまっちゃいそうだわ。

 

「ほら、消したから。優子ちゃんご機嫌直して」

 

「むーっ」

 

 テレビの画面が消えていたので、あたしはゆっくりと立ち上がって浩介くんを見つめる。

 ……ハマっちゃいそうで怖いわ。

 

「隙ありっ!」

 

  ブワッ

 

「きゃっ!」

 

 今度は浩介くんの手で思いっきりスカートを上までめくられた。

 抑えようと抵抗するけど、浩介くんのめくる力が強くて抑えられず、それどころか浩介くんの顔が逆に近づいてきた。

 至近距離からパンツを凝視される、一番恥ずかしいパターンになる。

 

「ふー、やっぱりじっくり鑑賞したいよね。じろじろじろ~」

 

「あーん、恥ずかしいよおー!」

 

 浩介くんに「凝視してますアピール」されると、あたしの顔がますます赤く熱くなってしまう。

 

「おっとごめん」

 

 恥ずかしいと訴えると、浩介くんがスカートを戻してくれる。

 既に体の奥から服を脱ぎたくなるくらいの高熱を帯始めていて、心臓が異常なくらいに鼓動を増している。

 あうう、スイッチが入っちゃったわ。

 

「優子ちゃん、ほらこっち見てごらん?」

 

 浩介くんが円のある方、つまりあたしから見て後方を指差す。

 

「これ? 制服?」

 

「うん、制服でしたくなったらここに来ればいいんだよ。それから、この棚を開けてみて」

 

 あたしは、言われるがままに収納スペースになっている襖を開けてみた。

 

「う、うん……って、何これぇー」

 

 そこはクローゼットになっていたんだけど、明らかに異様だった。

 そこには、あたしに着せるためと思われるコスプレがたくさんあって、チアリーダーの衣装や体操着にスクール水着がそれぞれ違う種類のものが数着、メイド服や他校の制服、サンタコスや特定職業をイメージした衣装や、更にはアニメやゲームのキャラクターのコスプレもあって、ウィッグや持ち物といった小物類、更には小さなタンスの中にはそのキャラクターがいつも穿いていると思われる下着まであった。

 それらのほぼ全てが新品で、この時のために浩介くんが買い増していた事が分かる。

 

「気分次第で優子ちゃんに着てもらうものだよ。着替える時は──」

 

  ピピッ……シャー

 

「きゃっ」

 

 あたしに左側から、カーテンが自動で展開された。

 つまりこれで隠すことで、お着替えができるようにするのね。

 

「優子ちゃん、カーテンの足元を見てごらん」

 

「え?」

 

 言われるがままに足元を見ると、足元にもボールのようなものがついていて、引き上げようとしても床にへばりついてめくり上がらないようになっている。

 本当、こういうところだけは気を使うんだから。

 

「これでカーテンが完全に展開されれば、俺は優子ちゃんの着替えを覗けないって訳だ。コスプレへの着替えは変身だからね。あえて見たくても見られない構造にしたんだ。じゃ、カーテン戻すね」

 

 再びピピッという音と共にカーテンが開かれる。

 それにしても、「変身は見たくても見られないようにしたい」って、何だかある意味普通以上に変態よね。

 

「そう言えば天井にあるあれは何かしら?」

 

「あれは拘束具を取り付けるためのものだよ。優子ちゃん、たまに俺にレイプされたがるでしょ?」

 

「う、うん……」

 

 つまり、天井からロープを吊るして、あたしの手を縛るためのものらしい。

 あうう、想像しただけでまたおかしくなっちゃいそうだわ。

 さっきからずっと浩介くんのペースで、あたしの中にある被虐願望、被支配願望が刺激されちゃっているみたいね。

 

「で、こっちは優子ちゃんを天井ではなく壁に拘束するためのものだよ。ちょっとやってみようか?」

 

 浩介くんが壁側にあった円形の拘束器具の前に移動する。

 

「え!? う、うん……」

 

 あたしはほとんどメスの本能に従って壁の前に立つ。

 

「いいかい? 痛かったら我慢せずに痛いって言うんだぞ」

 

 浩介くんが、これからすることとは不釣り合いなくらい優しい声で話す。

 やっぱり、雰囲気に特化しているのね。

 

「はい」

 

 まず浩介くんに、足を少し開くように言われた。

 足元を見ると、確かに拘束具の固定する場所がある。

 

「ちょっと、見ないで」

 

 浩介くんが足元にかが見込んだのを見て、あたしはスカートを押さえて警戒モードになる。

 浩介くんは何も言わずにあたしの両足を単純な拘束具で嵌めていく。

 

「しっかりと、それでいて痛くないようにしねえと行けねえんだ。とにかく安全第一だ」

 

 カチッという音がした後、ほんの一瞬だけ締め付けられる感覚がしたらすぐに緩んだ。

 あたしの両足は確かに抜けなくなった。

 これなら確かに、浩介くんにされたい放題だわ。

 

「じゃあ次に両手を広げてみて、ほら、左右にもあるだろ?」

 

「あ、うん」

 

 浩介くんに促されるがままに両手を広げる。

 浩介くんはさっきと同じ要領で手に拘束具を嵌めるとあたしはついに壁に固定されて動けなくなってしまった。

 

「優子ちゃん、かわいいね」

 

 両手両足を広げられたまま動けないあたしに、浩介くんが嗜虐心を見せてくる。

 

「優しくしてね」

 

「分かってる」

 

  もみっ

 

 あたしの甘い声に対して、この状況とは驚くほど似合わないくらい優しく胸を揉まれていく。

 

「んっ……」

 

 あたしは唇を尖らせて、キスをねだる。

 

「優子ちゃん……ちゅっ……」

 

「じゅるっ……ぴちゅっ……じゅうう……」

 

 唇の中で激しいキス、あたしは手足が動かせず、より浩介くんにされるがままの状況になった。

 

「じゅう………れろっ……ちゅっ……ぷはーっ!」

 

 浩介くんのとろけた顔から、2人の唾液の混合液がひたたり落ちる。

 あたしの体がまた熱くなる。

 これ以上はないと思ったのに、人間の体ってもっと熱くなるのね。

 ああ、あのベッドで、もしくはここで、早くしたいわ。

 

「ねえ優子ちゃん、これ円の形してるでしょ?」

 

 浩介くんが腕を縁に動かす。

 

「うん」

 

「こうすることも……できるんだっ」

 

  ガララララララ!

 

「きゃー!」

 

「ガララララ」という音と共に、視界がぐるぐると半周し、天地が逆転している。

 もちろん、あたしが回されただけで──

 

「じろじろー! うーん、優子ちゃんの縞パンかわいいねー!」

 

「いやー! 恥ずかしいよおー! 元に戻してえー!」

 

 重力にそって、あたしのスカートが下に垂れ下がって、パンツを全部見られてしまう。

 しかも浩介くんは、わざと恥ずかしさを煽るために、わざわざ声に出して「じろじろー」何て言ってくる。

 

「ふふふーこの部屋にはこんなのもあるんだ」

 

 浩介くんが布団の上から持ち出してきたのは、デジタルカメラだった。

 

「やだ、記録されちゃうー! 恥ずかしくて死んじゃうよー!」

 

 浩介くんに見られるだけでも恥ずかしいのに、写真という記録にずっと残り続けてしまうのはもっと恥ずかしいわ。

 

「大丈夫、恥ずかしさのあまり死んじゃった人なんていないから」

 

  カシャッカシャッカシャッ

 

 浩介くんのカメラで、逆さまに拘束されたあたしの写真が記録されていく。

 恥ずかしい撮影会なら、以前もされたことがあるけど、今回のそれは次元が違うわ。

 

「うわーん、お願い、もう許してえー」

 

「ふう、しょうがないなーほら」

 

 泣きながら浩介くんに許しを乞うと、浩介くんはすぐに元に戻して手足の拘束を解いてくれた。

 

「でも優子ちゃん、ズームしてみたらさ」

 

「い、いやーん!」

 

 浩介くんがさっき撮られた写真をテレビ画面に写し、あたしがこの状況に興奮してることを強烈に示唆してくる。

 浩介くん、何だか最近ますますスケベになったわね。

 

「ふふ、ごめんごめん」

 

 浩介くんがリモコンを操作して、また画面を黒く戻してくれる。

 

「これはね、今みたいな使い方だけではなくて、例えば録画したビデオを再生したりとか、過去の思い出を写して盛り上げたりにも使えるんだ。例えば小谷学園の時の映像とかね」

 

「そうなの?」

 

 完全にエロ目的だけではないらしい。

 といっても、それも場を盛り上げるには違いけど。

 

「他にもアニメのキャラクターなどのコスプレをする時に、本物を写して比べながら微修正したりとかね」

 

「結構使い道があるのね」

 

 何だか、そう考えるとこのモニターも憎めないわよね。

 

「ところでさ優子ちゃん、優子ちゃんがあんまりにかわいくてエロくて……俺、そろそろ理性で我慢するの限界になってきた。さっきから破裂しそうなんだ」

 

「うん、あたしも」

 

 そしてとうとう、浩介くんからお誘いが来た。

 あたしも、さっきから興奮してしまって収まりがつかないわ。

 早く浩介くんが、欲しいわ。

 

「それじゃあ」

 

  ドンッ

 

「きゃっ」

 

 あたしは軽く突き飛ばされてベッドに押し倒された。

 ベッドの柔らかい感触がとても心地いいと思うまもなく、上から浩介くんが襲いかかってくる。

 浩介くんの手が、今日も果てしない快感の渦へとあたしを巻き込んでいった。

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「うー」

 

 完全に息が切れたあたしと、疲労のあまり視界の焦点が定まらずにグロッキーになっている浩介くん。

 壁に反射する音による興奮はもちろんのことだけど、浩介くんの欲望がもっとすさまじかった。

 

「あなた、あたしもう寝るわね」

 

「んぁーうん、おやすみー」

 

 激しくぎゅーっとお互いの体に抱きついて締め付け合うというのは、浩介くんほどに体力がある男性でもこうなってしまうくらいに体の負担は大きい。

 それでも、荒い息遣いすらせずに、ここまで魂が抜けたような感じになるのは異例だった。

 

 ともあれ、あたしは服を着直してお風呂場に戻り、パジャマに着替え直すと、そのまま自分の部屋に戻った。

 部屋のベッドも、さっきのベッドと同じくらい上質なものだった。

 

「そう言えば、赤ちゃんもどうしようかしら?」

 

 今少しだけ冷静になって思えば、あの部屋は子供を育むためにも必要になる重要な部屋だと思う。

 それに多分だけど、今日紹介しただけで終わるような部屋でもないと思う。

 それは入り口の左右や押し入れの中にあった多くの「付属品」をまだ、試していないことからも明白だった。

 

「んー眠いわ」

 

 お風呂場で寝てしまったけど、それでもさっきはかなり激しい運動量だったので、あたしが睡魔に嵌まりこむのに、そう時間はかからなかった。

 思えば、今日は色々なことがあったわね。でも明日以降は、日常になるのかしら?




またエロ回ですが、エロ回ももう少なくなっています。

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