永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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林間学校二日目 可愛い優子、美人の優子

「んっ……」

 

 意識を回復する。布団から出る。

 

「あ、優子起きた?」

 

「あ、桂子ちゃん……」

 

 見るとパジャマ姿の桂子ちゃんと虎姫ちゃんがゲーム機で対戦していた。

 

「ふぇ……桂子ちゃん、虎姫ちゃん、今何時?」

 

「4時35分よ」

 

 虎姫ちゃんが言う。外はまだ薄暗い。

 

「よ、よじ……」

 

「あはは、私達寝るのが早かったからねえ……」

 

「喉乾いた……」

 

 私は洗面台に行って水を飲む。二回目はうがいをする。

 桂子ちゃんと虎姫ちゃんはゲームで対戦していた。音を聞いていれば分かるように私も一応持っているゲームだ。

 

「優子ちゃんも一緒にやる?」

 

「うーん、その前にお風呂入りたい」

 

「そう、いってらっしゃい」

 

「いってきまーす」

 

 私はタオルを取り慎重に扉を開ける。まだみんな寝ているはずだから私は慎重に廊下を歩く。

 階段に続く扉を開け、風呂場のある最上階へ。地下でも良かったけど今日の夜に取っておこう。

 

 T字路を見ると男湯女湯が入れ替わっていた。2時半から4時半までは掃除の時間だから、おそらく一番風呂。

 

 昨日とは逆に右側に進む。脱衣所に行くとスリッパがある。かごを見渡し、服が一つあるのを発見。うーん先客が居たようだ。

 

 誰が先客かは分からないが、とりあえずパジャマを脱ぎ、バスタオルで前を隠して風呂に入る。やっぱり片手で抑えないとずり落ちてしまう。

 風呂場の内装は、脱衣場、大浴場ともに昨日と同じ。

 かけ湯で身体を軽く流す。本格的に洗うのは今日の夜なので、髪を縛り上げて湯船に向かう。

 

「あら石山さん、おはよう」

 

「あ、永原先生!」

 

 大浴場にいたのは永原先生だった。永原先生はバスタオルを持っておらず、裸になっていた。

 

「石山さんも早起きしたの?」

 

「え、ええ……」

 

「もしかして、昨日寝るの早かった?」

 

「はい、風呂の後すぐに……」

 

「なるほどねえ……確かに二日目はよくあることよ。でもだいたいはゲームコーナーとかにいるものよ? 風呂に入る子は珍しいわね」

 

「そ、そうですか……では、永原先生はなぜ?」

 

「え? ああ、私も早起きしちゃったのよ。どうも山にいると睡眠が浅くなるのよ。だから、お風呂から出たら1時間だけまた寝るつもりよ」

 

「……そうですか」

 

「でも、一番風呂はいいわねえ……」

 

 永原先生がしみじみと語る。

 

「……あたし、露天に出るわ」

 

「太陽がまぶしいわよ」

 

 ……ちょうど日の出日の入りの時間なのか。

 永原先生と別れ、たった一人で露天風呂を独り占めする。もちろんバスタオルも脱いで裸で入る。誰もいないから言えることだが、野外で素っ裸になると開放感が段違いだ。

 

「ふう……」

 

 昨日のように、わいわいがやがやと集団で入っていたのと同じ場所とは思えない。

 いや、厳密には違うけど、でもレイアウトはだいたい同じ。

 

 空は明るくなり始め、遥か彼方から太陽のまぶしい光が見えている。

 いい景色だ。こんな景色を見ながら風呂を楽しめるなんて、皆早起きして来ればいいのに。なんて思ってしまう。

 

「うっ……」

 

 美しい光景だけど、ちょっと、いや相当まぶしい。

 

  ガラララッ……

 

「あら、きれいな光景ね……」

 

 永原先生が露天風呂に来る。

 

「皆に見せたいわね……」

 

「そうねえ、でもみんな寝てるわよ」

 

「桂子ちゃんと虎姫ちゃんは起きてゲームしてたよ」

 

「あらそう……明日も早起きしたら、誘うといいわよ」

 

「うん、天気が良ければ誘いたいわね」

 

 多くは語らない、ゆったりとした時間。その沈黙は突然破られた。

 

「じゃあ私、そろそろ戻るわね……でもクラスのみんなは……もしかしたらこの光景より、石山さんの方がきれいって言うかもね」

 

「え?」

 

「ふふっ、朝食に遅れないでね」

 

 そう言うと永原先生は去っていった。

 改めて私は自分の身体を見る。今までは「可愛い」とか「エロい」という表現でしか、自分の身体を表現してこなかった。「美人」という表現も「可愛くて美人」みたいな使い方が主だ。

 たわわに実ったおっぱいに、程よいお腹の肉付き。そしてお尻も大きめだ。水泳の時も、男子たちが興奮していた。無理もない。

 

 太陽が出始めてまぶしさが増したのでもう一度大浴場に戻る。サウナと水風呂は誰も入っていなかったが今回も入らないでおこう。

 それよりも、打たせ湯だ。相変わらずこっている肩をマッサージする。最後に大浴場でもう一度温まり、体を拭いてOKだ。

 

 脱衣場に出て改めて身体を拭いていると、大きな鏡に自分の裸が目に入った。

 誰も来ないだろうという油断から、完全に無防備になっている裸の女の子。もし男子のだれかが入って来たら、100%襲われそうな気がする。

 

 ふと、「クラスのみんなは、この光景よりも、私のほうがきれいだと言うかもしれない」というさっきの永原先生の言葉を思い出す。

 

 「きれい」……それは今までの私の自分に対する「エロい」「可愛い」とは違った感情。

 「可愛い女の子」としての私だけではなく、「美人」としての私。

 

 今までも、あたしのことを「美人じゃね?」と話す男は何人もいた。ただそれは「可愛い」との境界線があいまいなものだった。私自身も「可愛い、美人、きれい」を混同していた。

 でも、永原先生は日の出の美しい光景と、私の身体を比較して「きれい」と言った。もしかしたら、女の子の感性ではちょっと違うのかもしれない。

 

 鏡の前で腕を後ろに組んでポーズをとる。なんだろう……ヨーロッパでよくある裸の女性の絵画みたいだ。いや、そんな絵画よりもよっぽど美しくも見える。

 これが、永原先生の言っていたことなのか、まだよく分からない。

 ともあれ、パジャマに着替える。時間は午前5時になっていた。本来の起床時間まであと1時間半ある。

 

 部屋に戻ると桂子ちゃんと虎姫ちゃんがいなくなっていた。書きお気を見ると1階のゲームコーナーにいるそうなので、少し休んで再び部屋を出て、エレベーターで1階に行く。

 すると、人気のないところでゲームに講じている2人を発見した。

 

「あ、優子」

 

「桂子ちゃん、虎姫ちゃん、ここにいたの?」

 

「うん、こっちのゲームでも遊んでみたかったからね」

 

 よく見ると、大量の飴が積みあがっていた。

 

「どうしたのこんなにたくさん?」

 

「ここのゲーム、バランスとれてなくてさ。取り放題だよー」

 

 虎姫ちゃんが実践してくれる。アームの一握りで大量の飴が取れ、台に置くと次々とそれを獲得していく。

 

「優子ちゃんもやってみてよ」

 

「う、うん……」

 

「大丈夫だって」

 

 私は100円玉を入れて試す。100円で3ゲームだ。

 

 1回目、さっきのタイミングを思い出し、飴が山になっている部分を狙う。

 ……よし!

 次にレーンが奥に入り切った瞬間にボタンを押す。僅かにこぼれたものの、飴が落ちる音がする。

 2回目、3回目ともにうまくいき、私はかなりの飴をゲットできた。

 

「お、優子ちゃん私より取れてるじゃん」

 

「そ、そうなの?」

 

「「ううん」」

 

 二人が首を縦に振る。お世辞ではないのは明らかだ。

 

「えへへ……」

 

「いつも思うんだけど優子ちゃんのその照れ笑い、可愛いよねー」

 

「あ、ありがとう……」

 

「優子は愛嬌があるからなあ、深いところではまだまだだけど表面はもう下手な女の子より女の子だよねー」

 

「うんうん」

 

 可愛い、自他ともにもう数えきれないほど言われてきた言葉。今も言われる嬉しい言葉。でも今はいつもとちょっとだけ違う感情がある。

 永原先生のさっきの言葉が引っかかる。

 

「どうしたの優子ちゃん、難しい顔して?」

 

「あの……実は……」

 

 私はさっきの永原先生の言葉を話した。ちょっと恥ずかしかったけど……

 

「ふーん」

 

「やっぱり深部はまだまだよねえ……」

 

 虎姫ちゃんが話す。

 

「あの……そう言われてもあたし、何のことやら……」

 

「ダメだよ優子ちゃん。その答えは、自分で見つけないと」

 

「そうだね。この問題を解くことは、性根まで女の子になるためのいわば入試問題だよ」

 

「そ、そう……」

 

 よく分からない。

 

「もしこの問題をクリアできれば、優子ちゃんはもっともっと女の子らしくなれるわよ」

 

「ええ。そうなれば、自然と彼氏が欲しいって思えるかもしれないよ」

 

「え? 彼氏?」

 

「うん、優子ちゃんも女の子でしょ? かっこいい素敵な王子様が欲しいんでしょ?」

 

「え? どうして?」

 

 自分でもよく分からない。

 

「優子、少女漫画読んでたでしょ? あれ、転校生に恋する内容じゃないか」

 

「う、うんそうだけど……」

 

「少女漫画をずっと読んでるってことは、恋愛がしたいということよ」

 

「え!? でもあれは暇つぶしで、しかもカリキュラムの時にもらっていてまだ読んでなかったからで――」

 

「違うよ優子ちゃん。暇つぶしってだけなら他にゲームでも何でもある。でも優子ちゃんは少女漫画を読むことを選んだ。優子ちゃんは、恋したいと思うの?」

 

「う、うん。そりゃああたしだって女の子だもん。まだ恋愛について全然イメージがつかないけど……いつかは男の子にときめきたいよ」

 

 2人に正直な気持ちを伝える。

 

「それならなおのこと、さっきの問題は自分で考えたほうがいいな。でも大丈夫さ、今はイメージがつかなくても、きっとその違いに分る時が来るからな」

 

「う、うん」

 

「急がなくてもいいわよ優子ちゃん。私達だって、小学生くらいの頃はよくわからなかったもの」

 

「……分かった」

 

「それよりさ、ここのゲーム、ちょっと優子もやってみてよ」

 

「うん、いいけど弱いよ……」

 

「あー優子ちゃんゲーム弱いんだっけ?」

 

「ゲームセンターでは散々にやられちゃったからね。クイズゲームだけは優勝したけど……」

 

「あーここにクイズゲームはないねえ……」

 

「まあでも、せっかくの誘いだし、ちょっとやってみるよ」

 

 選んだのはモグラたたきゲーム。

 今日のベスト3に72点と68点と0点とあったので指名してみた。

 

「このスコアって?」

 

「72点が私、68点が桂子の得点」

 

「……よし、やってみる」

 

 コインを投入し、構えてスタート。

 まず1匹モグラが出てくる。

 

「えい!」

 

「イテッ!」

 

 ……よし1点。

 

 次に2匹、これも行ける。

 

「イテッ! イテッ!」

 

 だけど、そこからがきつい。一気に数匹出てきて全部叩けない。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 

「キャーハハハハ、弱い弱いー!」

 

 ゲームのモグラに煽られる。得点は45点だった。

 残念だが当然、虚弱体質らしい最期と言える。

 

「やっぱり……」

 

「あ、あはは……」

 

「でもさ、やっぱり向き不向きあるよ」

 

「えー私、身体動かすのとか全部不向きだよ」

 

「でも、運動量の少ないゲームならやれると思うよ」

 

「うーん、それは確かにそうなんだけど」

 

 家でやってたテレビゲームもある程度うまく行ってたし。

 やっぱり大きく身体を動かすのには向いてないみたいだ。

 

 

「あ、でさー」

 

「えーそうなのか!?」

 

 知らない男性の声が聞こえて来た。

 

「あ、別の客が来たね」

 

 ふと声のした方向を見ると、男子2人組がゲームコーナーに来ていた。

 

「さ、そろそろ譲ろうか。部屋で休もう」

 

 虎姫ちゃんが提案する。

 

「うん、賛成」

 

 私達はエレベーターを使い、部屋に戻る。

 

 すれ違う時「やっべ、桂優ちゃんじゃん」「パジャマ姿も可愛いなあ」という声が聞こえてきた。

 

 

「けいゆうちゃん? 何それ?」

 

 エレベーターのドアが締まり、私は疑問をぶつける。

 

「私と優子ちゃんを併せてそう呼ぶんでしょ……何かセットみたいで嫌よねえ……」

 

 桂子と優子で「けいゆう」安直すぎる……

 

「でも確かに、二人とも優子が男だった頃からつるんでたし……付き合いはいつごろなんですか?」

 

「虎姫ちゃん、桂子ちゃんとは小学校の時からの付き合いだよ」

 

「ほほう、そうなんだそうなんだ!」

 

「でも、よく考えたら、よく話すようになったのは高校からねえ」

 

「そうなの?」

 

「うん、桂子ちゃんと私、小谷学園で同じ小中学校の子って学年だとその組み合わせだけだったし」

 

 会話中、エレベーターが7階へと付く、部屋への道を歩く。

 

「1年生になって、私は自然と女子の中で頭角を現したわ。もう一人が恵美ちゃんね」

 

「ふむふむ」

 

「1年生はクラスが別だったんですが、2年生になって同じクラスになった途端に、もう喧嘩ばっかりだったよね二人とも」

 

「うん、でも何だろう……優子ちゃんが男だった頃も、恵美ちゃんと喧嘩していた頃も、何だか遠い昔に感じるのよ」

 

「ああ、それ私も!」

 

 虎姫ちゃんが同意する。

 でも私はそうは感じないかな。

 

「たくさんのことが起きたからねえ。でも私は、まだそこまで遠い昔には感じないかな。嫌な思い出はたくさんだったけど」

 

「そうなんですか?」

 

 虎姫ちゃんがカードキーで部屋を開けながら疑問を投げかける。

 

「うん、あたし、乱暴だった自分が嫌いだった。両親が『一番優しい子に育って欲しい』って言う願いを込めてつけてくれた『優一』って名前を踏みにじり続けていたのに、それをやめられない自分が、すごく嫌いだったわ」

 

「優子ちゃん……」

 

「桂子ちゃん、私が男の子にいじめられて……救われたあの日、桂子ちゃんが言った言葉でね」

 

「うん」

 

「『女の子にされたことが最大の罰』って言ってたでしょ?」

 

「あー、そう言えばそう言ったわねえ……」

 

 話し中、部屋の前に来たので3人で部屋に入る。虎姫ちゃんは着替えを持って来るが、私達の話に熱中している。

 

「……あのね、あたし、確かにそう言う考えをしたこともないことはなかったわ」

 

 2人の目を見る。

 

「……でもね、今は……これは罰の側面は全くない、純粋な救いだったって自信を持って言えるの」

 

「……神様なんて信じないけど、もし神様が私を見ていたとしたら……あたしの名前を裏切ることへの罪の告白を聞いて……それでこの病気にしてくれたんだって思えるの」

 

「優子ちゃん、そう言えば以前、『弱くならないと、優しい子にはなれなかった』って言ってたよね?」

 

「……あたしは弱くて庇護される存在になったわ。か弱い女の子になって、初めて『優しい子』になれたのよ。これでやっと両親の願いを叶えられたもの」

 

「……優子ちゃん。あのね――」

 

「優子は、決して弱い子じゃないよ!」

 

 虎姫ちゃんが珍しく大きな声を上げる。あたしもビクってなる。

 

「虎姫ちゃん、それはどうして――」

 

「だって、優子はとても健気で、あんなに辛いことがあったのに……篠原も、高月も許して……それどころか自分も悪いんだって、自分の罪まで告白して……それに、この病気になったら自殺する人が多いんでしょ?」

 

「う、うん……」

 

「たとえ自分を変えたいきっかけだったとしても、そんな病気になって……いきなり女の子にされて……それでも一生懸命に生きていこうとする優子が、弱い子なわけないよ!」

 

「そうね……優子ちゃんはたしかに身体は弱いわ。でも心は……心は私よりも、恵美ちゃんよりも、2年2組の女子の誰よりも強いわよ!」

 

「ありがとう……ありがとう……でもね、やっぱり私……心も弱いのよ……だって私、泣き虫だし」

 

「そう……でも、それでも……私は、優子は強い子だと思う」

 

「うん、私もそう思う……だって、優子ちゃんの背負ってきたものの重さを考えれば、自殺してもおかしくないんだよ。今こうして、私達と林間学校を楽しめてるだけでも、優子ちゃんは強い子よ」

 

「虎姫ちゃん……桂子ちゃん……ありがとうね」

 

「さて……しんみりする話はこの辺にして……着替えますか。今日は登山だよ」

 

「あ、そうだったね」

 

 まずは虎姫ちゃんがトイレと風呂のある部屋に入る。桂子ちゃんと私は、さっきとは打って変わって他愛もない話に熱中する。

 

「お待たせー! 次はどっちが着替える?」

 

「あ、優子ちゃん先でいいよ」

 

「うん、ありがとう」

 

 今日の服装は、永原先生から最初にプレゼントしてもらった服。

 無地のシンプルなセーターとユニセックスなジーンズ。

 正直女らしさのかけらもないけど、登山するんだし装飾はまずいと考えれば、贅沢は言ってられない。

 それでも、せめて頭にリボンをつければ、ちょっとは女の子らしくなるはず。

 

 桂子ちゃんも待っているため、急いで着替えて、リボンは出てからにしよう。

 

「ふう、待ったー!?」

 

「ううん、大丈夫よ。じゃあちょっと待っててね」

 

 私と入れ替わりに桂子ちゃんが別室に入る。

 私は髪の毛の一部を取って白いリボンを付ける。

 

「ほうほう、優子器用じゃん」

 

「うん、リボンは基本的に付けてるから」

 

「女子力アップだねえ……」

 

「えへへ……」

 

 暫く待つと、桂子ちゃんも戻ってきた。

 登山ということで、全員オシャレは封印している。

 サブバッグに、登山に必要なものを入れていく。さっきゲームコーナーで取った飴玉も入れてある。

 

「さ、準備は万端だね。後は時間まで休むだけ!」

 

「でも桂子ちゃん、その休みが大事だよ」

 

「うんうん」

 

「そうだね。じゃあベッドで休みましょうか」

 

 私たちは寝るわけでもなく、ベッドで横になりながらテレビを見る。ちなみに、見ているのはメジャーリーグ中継だ。

 野球のこととかはよく分からないけどなんとなく流している感じ。

 

 私たちは、朝食の時間まで英気を養い、登山に対して万全の調整をして過ごした。


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