永遠の美少女になって永遠の闘病生活に入った件   作:名無し野ハゲ豚

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水着と浴衣

「はーい、ついたわよー」

 

 再び車を駐車場に止める。今度の目的地は課題やら女子との遊びでもお世話になったデパートである。

 ちょうど夏の季節ということで、水着の仕入れを大量に行い、大セールを行っているようだ。

 駐車場から降りる時、あたしはパンツ見えないように慎重に降り、桂子ちゃんは素早く降りる。だが、遠目にも見えないのが分かる。

 あーあ、あたしもああやって優雅に見えないように降りてみたいなあ……

 

 そんなことを思いながらも、私、桂子ちゃん、母さんの三人は、エレベーターで地下から水着コーナーへと直行する。

 

 

「うわー、たくさんあるねー」

 

 水着売り場には、男子の水着もあるが数は少ない。一方で女子は様々なデザインがある。こうやって様々なお洒落ができるというのも、女の子に生まれ変われてよかったって思える瞬間だ。

 

「うんうん、優子ちゃん……迷っちゃうよね……まずは自分のを選ぼうか。一段落したら、見せあいっこしよ!」

 

「う、うん……」

 

 

 というわけで、桂子ちゃんは単独行動になり、あたしは母さんと二人で水着売り場を歩く。でもどれを着ればいいのかさっぱりわからない。

 しばらくすると母さんが良さそうなのを見つけてくれた。

 

「優子、これなんてどう? 優子の体にぴったりよ!」

 

「ちょ、ちょっと母さん!」

 

 持ってきたのはマイクロビキニ。最低限しか隠してなくて、本当にやばい。

 いくらなんでもこれは恥ずかしすぎる。

 

「これを使えば、意中の彼も、即戦闘態勢よ!」

 

「だ、ダメだよ母さん!」

 

「えー?」

 

 母さんが残念がる。何だろう、個人的な欲望で着せたがってる気もする。

 

「それに、もしこんな水着着たら……篠原くん嫉妬しちゃうよ!」

 

 マイクロビキニのような極端に露出度高い水着は、実は男受けが悪いことをあたしは知っている。

 

「へー、両想いなんだねえ……篠原くんって言うんだ。優子の好きな人」

 

「あ!」

 

 し、しまった……つい口を滑らせてしまった。

 

「……まあいいわ。そうねえ、嫉妬ねえ……でも優子のプロポーション考えたらちょっとは大胆でもいいと思うんだけど」

 

「こ、こっちの方がいいと思う!」

 

 さっきのマイクロビキニよりは大分控えめだけど、シンプルな白いビキニになっていて、かなり下着に近いデザインだ。

 

「ほほーなるほどねー」

 

「これでも多分、彼氏とかだったら嫉妬されると思うけど……ま、まだ友達って関係だから……」

 

「そうねえ、じゃあこれをまず試しますか」

 

「桂子ちゃんはどうなったのかな? 桂子ちゃーん!」

 

 あたしは桂子ちゃんを呼ぶ。

 

「はーい!」

 

 桂子ちゃんが返事をし、こっちに向かってくる。

 

「桂子ちゃん、決まった?」

 

「うん、だいたいね、2つに絞れたよ。優子ちゃんは?」

 

「こっちはまだ1つ暫定の候補を絞ってみただけ」

 

「じゃあ早速試着してみようか?」

 

「うん……」

 

 あたしたちは試着コーナーへ移動する。部屋は2つあって、母さんが前に立つ。

 試着室に入る。まずはスカートの中に手を入れてパンツを脱いで一旦ノーパンになってから水着のショーツに穿き替える。この間のスースー感がまた何とも言えない開放感を与えてくれる。

 スカートを下ろし、下半身を水着にする。上半身もスク水の要領で一旦ブラ一枚になってからブラウスを着てその中で水着に着替える。

 

 鏡を見る。うわっエロい……エロすぎる。それに滅茶苦茶可愛い。

 まさにエロカワイイの権化みたいな女の子がそこに居た。

 

 胸を強調し、下側も純白の水着が扇情感を煽っている。

 特にシンプルな純白という色が、男受けを更に加速させている。

 

 あたしはカーテンを開ける。

 

「おお、優子かわいいわね! これはもう男子はイチコロよ!」

 

「えへへ、やっぱり母さんもそう思う?」

 

「もちろんよ! むしろお母さんのほうが襲いたくなるくらい――」

 

「ちょ、ちょっと母さん!」

 

「あーゴメンゴメン」

 

 なんか冗談に聞こえないんだよなあ……

 

「へーどんな感じなの?」

 

 桂子ちゃんがカーテンを開け、水着姿を見せながら、あたしを見る。

 

「うわー優子ちゃんすごいわあ……」

 

「け、桂子ちゃんだって……」

 

 桂子ちゃんの水着は同じくセパレートであるが、下の方が可愛らしくスカートタイプになっている。

 丈は水着らしくとても短く、ちょっと動いただけで下のショーツが見えるくらいだ。

 桂子ちゃんのブルーの水着がとても海に映えそうだ。

 

「なんだろう、あたしも桂子ちゃんの着てみたいなあ……」

 

「そう? これだとちょっと胸のサイズが小さいから、一旦元の服に着替えたら案内してあげるね」

 

「ありがとう」

 

 試着室にもう一度入り、服に着替える。一瞬全裸になろうとも思ったけど、「ダメダメ。誰か入ってきたら大変でしょ優子」と言い聞かせ、スカートを穿いてから下を取り替えて、上の方もスク水の要領で着替える。

 うん、ちゃんと女の子しなきゃ。

 

「お待たせー」

 

「よし、じゃあ優子ちゃん行こうか」

 

「うんっ」

 

 桂子ちゃんの案内で水着コーナーを歩く。

 

「優子ちゃんこっちの方見た?」

 

「ううん、まだ」

 

「ほら、これがさっき私が着てた水着、優子ちゃんにも似合いそうねえ……」

 

「うん、ちょっと試着したい」

 

 なんか心もとないスカートだけど、まあ水着だし、そんなこと言ったらさっきのは丸出しってことになっちゃうしね。

 

「あ、これもどうかな?」

 

「え? どれどれ?」

 

 桂子ちゃんが出してきたのは上下が白いフリフリの水着。胸には黄色い花が描かれている。こちらも超ミニスカートタイプだ。

 

「花をあしらった可愛いデザインだねー」

 

「これも試着してみる?」

 

「うん」

 

「あ、そうそう、これ、脱ぐこともできるのよ」

 

「へー、そうか水着だからスカート脱げるのね」

 

「あ、そうそう。水着のスカートは基本的にパレオっていうのよ。優子ちゃん覚えておいて」

 

「あ、うん……」

 

 以降気をつけよう。

 意外と胸が大きいから着られる水着も少ないと思っていたが、最近ではあたしのような超巨乳向けの水着も充実してきて、こうやって選ぶのに迷うことが出来る。

 

 候補を3つ4つに絞り、もう一度試着室へ。桂子ちゃんのもう一つの候補が、青いデニム風の水着と黒いブラの水着。

 その間に、あたしは桂子ちゃんが着ていた青い超ミニスカートタイプの水着を着る。水着のスカートは最後にして、まずは先程と同じように着替えて、最後にスカートを穿く感じだ。

 へー、この水着、スカートを着脱できるのか。泳ぐときなんかに外すといいかも。

 まず鏡を見る。うん、これもやっぱりかわいい。

 中は水着と分かっていても、この超ミニのスカートがエロい。

 ただ、先程のビキニと違うのはお腹周りの肉付きのエロさが出ないところだ。

 ……うーん、これは迷う。

 

 試着室からあたしと桂子ちゃんが出る。

 

「あんまり男受けは良くないんだけど、たまにはちょっと抑えて決めてみたいかなあって……」

 

 正直、普段着をちょっと脱いだくらいの印象だ。

 

「うーん、でもこれじゃあ日常とあんまり変わらない感じがするわよ」

 

「んー、やっぱりそう思う?」

 

「うん」

 

「優子ちゃんが言うんじゃなあ……」

 

 結局これはすぐボツになった。桂子ちゃんはその後考え、もう少し丈の長い、オレンジ色のスカートタイプの水着を選んだ。スカートとブラとこちらも日常生活からちょっと脱いだ印象だが、ブラの露出度が少し高めで、水着にしてはガードが固そうな下とのギャップを与えている。

 

 桂子ちゃん、本当にファッションセンスがすごい。あたしじゃ追いつけない。

 なるほど、だから桂子ちゃんよりかわいいと思うあたしと並んでても人気なのかなあ……

 

 続いてあたしの水着の選考の続きだ。ちなみに、母さんはあたしと桂子ちゃんがあまりに熱心なので、あまり口を挟めない。と言うか一時期行方不明だったような。まあいいや。

 

 まずはこの白いフリフリ水着に着替える。

 水着から水着への着替えだが、スカートタイプだったので下は隠しながら着替える。

 鏡も見ずに桂子ちゃんの元へ。

 

「ど、どうかな……?」

 

「おお、かわいいね。このフリフリ、優子ちゃんらしいよー」

 

「胸の黄色い花がかわいいわねえ」

 

 いつの間にか戻っていた母さんが久しぶりに発言する。

 

「そうそう、優子ちゃんの胸には特にいいわよねえ……」

 

「じゃあ次に行くね……」

 

 試着室の鏡を見る。胸の所にフリフリの花があって、思わず掴みたくなる。

 これを脱いで次の水着へ。今度はパレオの丈もかなり長く、片方で結ぶ形だ。水着にしては随分露出度を抑えた格好。

 

「うーんこっちの水着は可愛いというより、美人って感じねえ……」

 

 桂子ちゃんが言う。確かに鏡を見た時もそんな感じ。

 林間学校の時に裸でポーズを取ったときのような、可愛らしさよりも美しさを感じるデザイン。

 

「大人になると分かる魅力って言うの……化粧とかするともっと映えそうねえ……」

 

 母さんが言う。化粧、あまりいい思い出がない……

 

「うーん、これはちょっとやめておこうかなあ……」

 

「えーもったいないよー」

 

「あたしまだ未成年だし、可愛らしさ重視で行きたいわよ」

 

「うーんそうかなあ……」

 

「大人っぽいっていうと聞こえはいいけど、それは一歩間違えればおばさんくさくなるってことだから」

 

 あたしが男時代の感覚を元に意見を言う。

 

「むむむ、さすが優子ちゃん、そう言うところは本当に鋭いわねえ……」

 

「女の子だもん、若く可愛くありたいって普通のことじゃない」

 

 あどけなく幼く、それでいて可愛くエロく。理想を目指して幾つもの水着を試行錯誤していく。

 

「うーん、どれも今一歩なのよねえ……」

 

 スカートタイプ、ビキニタイプ、露出の多少様々に試してみたが、どれもピンとこない。

 可愛くエロくを強調すると、ちょっと幼さ・あどけなさが足りなくなるし、逆にそっちを強調しようとすると、胸の大きさもあって不格好になってしまう。

 

 

「うーん難しいわねえ……」

 

 途中、「何あの子、何であんな贅沢に悩んでんのよ?」「十分すぎるくらいかわいいのに嫌味よねえ」という声が聞こえてきた。

 年齢も30代半ば以上っぽくて、いかにもな行き遅れのおばさんで可哀想だ。その点あたしは老けないからアドバンテージも大きい。

 ……ともあれ、あたしはもう一度売り場をくまなく見る。

 様々な水着がデザインされている。

 

 あれ? ここにも段ボール箱が1つある。

 

「ねえ桂子ちゃん、これって……」

 

「うーん、パレオのバラ売りみたい」

 

「え? 水着ってこういうバラ売りもあるの?」

 

「そりゃあ着脱できるならそう言う売り方もあるでしょ? 他の水着と組み合わせるのよ」

 

 ……そうか! 閃いた!

 

「ねえ桂子ちゃん、ちょっと今のいいかな?」

 

「ん?」

 

「パレオのバラ売りよ、これで組み合わせはずっと増えたわ」

 

 リボンが両腰にあしらわれた水色の超ミニのパレオを手に取る。

 あたしは自分のイメージが消えないうちに、もう一つの水着を取る。

 それは最初に試着した水着。下着のデザインに限りなく近い白い水着。

 

「優子ちゃん、あまり走らないで」

 

「ご、ごめん。でもちょっと待ってて、すぐに着替えるから」

 

 あたしはそう言うと、試着室に入り着替える。無我夢中でスカートとパンツを脱ぎ、下半身を丸出しにして水着を穿く。

 上の方も、さっきまで服の中でゴソゴソやるのも忘れ、おっぱいを丸出しにしながら着替える。

 

 女の子として恥じらいがないのはまずいと思いつつも、早く自分のイメージした水着が見たかった。

 

 鏡で見る。うわあ……可愛い。

 胸が適度に強調され、適度な露出を醸し出しつつ、下のあどけないデザインのショーツすれすれのパレオがエロ可愛く、幼さもある。

 

 パレオの色とブラの色が違っているのは良くないと思っていたが、案外見栄えも良い。

 そしてちょっとパレオをめくってみる。純白の水着ショーツがちらりと見える。この手の水着はパレオとショーツの色が同じなのが普通なので、このデザインも相まって非常にエロい。

 

 うん、これにしよう。

 

「桂子ちゃーん、これでいいと思うよー」

 

「どれ?」

 

 あたしは自信を持ってカーテンを開ける。

 

「おー」

 

「あらあ優子可愛いわねえ……」

 

 母さんさっきからかわいいしか言ってないような。

 

「へへん。可愛いだけじゃなくてエロいのよ」

 

 そう言うとあたしはその場でクルッと一回転ターンする。

 ちらりと白い水着が見える。

 

「あら、優子ちゃん大胆だね」

 

「水着はさ、恥ずかしくないっていう通念があるから、そこに漬け込むといいと思ったのよ。普段はガード固くてもこの時は開放的になるそのギャップよ。だから見えてると分かってても堂々とするところに魅力があるのよ」

 

「うーん、その辺は優子ちゃんホント強いよねえ……」

 

「この水色のパレオはねえ。可愛くてあどけないけどエロさが足りなかったのよ。そこで白いこの水着の出番ってわけ」

 

「下に穿いてる色が違うから男は喜ぶわよ。しかもそれが白なんだから」

 

 あたしはへへんとドヤ顔する。

 

「まあ、優子が納得してなら、母さんは止めないわ」

 

「うんうん、私も似合ってると思うし」

 

「じゃあちょっと待っててね」

 

 もう一度試着室に入り、普段着に着替え、ようやく水着選びも終わった。

 気がつけば1時間は悩んでいた気がする。

 

 続いて浴衣のコーナーだ。ここも数多い。

 桂子ちゃんと母さんが何やら話している。なんか笑っているけど世間話かな?

 ……うーん、まいっか

 

 

「優子ちゃんはどんな色がいいの?」

 

「これかな」

 

 青い色に金魚のデザインの浴衣。胸のサイズはもちろん最大だ。

 

「早速試着してみてよ。その間に私も選んでおくわね」

 

 ということなので、浴衣コーナーの試着室へ移動する。

 こちらはカーテン式ではなく扉式になっている。なんか妙に広い。

 鍵を閉めてまずは下着姿になり……ってそういえば帯とかどうするんだろ?

 

「母さん、帯とかどうやって結ぶの?」

 

「あ、お母さんが教えてあげるからちょっと鍵を開けてくれる?」

 

「はーい!」

 

 あたしが鍵を開け手招きする。

 ううう……やっぱりパンツ丸見えは恥ずかしい……

 

「あら優子、まだダメよ」

 

 鍵を閉めるなり母さんが開口一番に言う。

 

「え? どういうこと?」

 

「優子、浴衣なんだからパンツとブラも脱がなきゃ」

 

「え!? ええ!?」

 

 あたしは驚愕する。

 

「だって、これはあくまで洋服のための下着よ。これを付けて浴衣着たら、身体のラインが出てみっともないわよ」

 

「で、でも……」

 

「脱がないと教えてあげないわよ。それとも、優子はみっともない浴衣着て出歩きたいの?」

 

「そ、そうじゃないけど……」

 

「じゃあ脱ぎなさい。それに浴衣の下はノーパン・ノーブラって、優子も聞いたことないの?」

 

「あ、言われてみれば……」

 

 うん、確かにインターネットで見たことがある。母さんの言う通りだ!

 

「いい? まだ帯は付けないけど、ブラとパンツをつけて浴衣を着るとこうなるのよ」

 

 母さんが浴衣をかぶせて着せてくる。

 鏡を見ると、ブラジャーとパンティーのラインが見事に浮き出てしまっている。

 いつもは武器になるこの身体のラインが裏目になってしまっている。

 

「どう? 優子?」

 

「なんか下品……」

 

「そうでしょう? だから覚えておいてね、浴衣の下はノーブラ・ノーパンが基本よ」

 

「う、うん……」

 

「というわけで、下着も全部脱ぎなりなさい」

 

「はーい……」

 

 あたしは思い出したかのように下着を脱ぎ始める。そう言えば、母さんも前で全裸になったことはなかった。

 

「あらあら、こんなにセクシーな身体だったのねえ……」

 

「か、母さん……あんまり見ないで……」

 

「あ、ゴメンゴメン。優子も女の子だもんね」

 

 というより、マジマジと裸を見られたことは初めてだ。林間学校の時に、ちょっと見られちゃったけど。

 

「はいっじゃあ行くわね」

 

 母さんが浴衣をかぶせる。

 

「ちゃんと右前にするのよ。逆は死んだ人になっちゃうからね」

 

 それはあたしも知っている。右手がすっと入ったので間違いない。

 

「さ、ここからが帯の結び方よ。まずこうやって半分に折るのよ」

 

 母さんが半分に折る。

 

「右肩に乗せて、左巻きに巻いてみて……うん、そうそう。緩まないようにね」

 

 母さんに言われた通りやってみる。

 

「で、最後に三角折りにするのよ。こんな感じ……そしたら肩の帯を下ろして思いっきり結んで、半回転よ」

 

「う、うん……」

 

 正直、浴衣の下に何も付けてないので、足元まであるのにとてもスースーする。

 

「で、ここからちょうちょを作るのよ。シワを広げてやってみて」

 

 ちょうちょ結びなら聞いたことがある。こうやって……よしっ!

 

「後はこれを後ろに移してみて?」

 

「うん」

 

 後ろにずらすと、完成!

 

 青い浴衣に赤い帯、とっても似合っている。

 試着も大変だし、これで行こうと思う。

 

「桂子ちゃーん出来たよ……っていない」

 

「ああ、私もちょっと着替えてるの。待っててー!」

 

 もう一つの試着室から声がするので、そのまま待つ。

 

 しばらくすると桂子ちゃんも浴衣姿に。黄緑色のシンプルな浴衣だ。

 いつもはあたしがシンプルで、桂子ちゃんが凝ったデザインになるから今回は対照的だ。

 

「へー、金魚さんが似合ってて、可愛いわねえ……」

 

「夏祭りだからね。これがいいかなって」

 

「じゃあこれで決まりということで、二人ともいいかな?」

 

「「はーい!」」

 

 あたしたちはそう返事し、もう一度試着室で着替え直すと、浴衣も購入した。

 これで、当日の準備は万端だ。

 桂子ちゃんを途中まで送り、あたしは家に帰ると、新しい部屋への喜びもそこそこに、早めに寝ることにした。

 

 ああ、早く土曜日にならないかなあ……夏休みでそんなことを思うのは、久しぶりの感覚だった。


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