召喚師の改造記   作:獅狼

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まさかの2度目

ようやくと言うほどでもなく、アリサちゃんとすずかちゃんの人望のおかげなのか、テスタロッサさん……フェイトちゃんは早々にクラスに馴染んできました。

転校して来てから約二週間です。

 

何事もない…と言う訳でもなく、二人はちょっと付き合いが悪いです。

男二人に小次郎も最近付き合いが悪いです。

学校に行っていない小次郎は朝から晩までお父さんについて行って家に居ません。

テツに薫も一直線にあのバスに乗っています。

 

むう……おこりませんよーう。

ここで怒ったらかまって貰えなくて拗ねている子どもそのものじゃありませんか。

 

まあ、そんな日が続いて珍しく二人が今日は用事が無いから遊ぼうぜと声をかけてくれた今日ですが……

 

まさかのまた赤い子に襲撃されました。

保護者?のピンクポニテの女性も一緒です。

「そこそこの魔力持ちが居ると思ってきたらテメエも一緒か……前は油断していたが今日は最初ッから潰しにいくぜ!!」

あらやだ、この子狂暴……

「落ち着けヴィータ、そいつがお前を退けたと言うのなら……そっちの二人にも可能性がある。注意していくぞ」

ピンクポニテの人が赤い子……ヴィータを落ち着かせるようにそう言う。

「うるせえ、わかってんだよ」

なんと言うか……勝手にやっていてくださいって言いたいんだが……

でもあれだな、逃げようとしても逃げられないんだろうな……

なんか結界っぽいの張ってるみたいだし……

面倒くさいな、もう対都市級の生き物でも召喚してやろうかな……

駄目だ、魔力が六割以上足りない。

魔力溜める道具(外付けバッテリー)、家に置いてるからなぁ……普段から持ち歩いておけばよかった……

 

そう考えていると、テツと薫が何やらブロックサインで会話している。

……たぶん……解読なんてできませんよ。

 

そして互いに頷いたと思うと……

薫が突然右手を上げたかと思うと、その手には戦闘には向きそうにない武器が……いや、これは銃か?

見るからに重心が下の方にあり過ぎる……突撃槍(ランス)に近いがやはり重心の位置のせいで使い辛そうな近接武器に見える銃……

それを赤い子に向け、撃つ。

ダンッ!!

「ヴィータ!!」

「ッ…チィッ……」

しかし赤い子はその弾丸を手に持つ……三角形の魔方陣を出して防ごうとして……間に合わず鉄槌を盾にして防ぐ。

「不意打ちとはやってくれんじゃねえか…ッ!!」

薫は左手も掲げ、そっちの手には……二枚の板を二つの円で繋いで握り手を付けたような……銃とは思えないがおそらく銃であろうものが持たれていた。

「襲撃者に遠慮なんていらないだろ?」

バシュンッ!!

その銃からは弾薬とは違う、奇妙な音を立てて何かを放った。

先ほどの弾よりはやく……赤い子の鉄槌を跳ね上げ…右の銃をがら空きになった胴体へ打ち込もうとして……

 

後方に跳んだ。

僕は離れていたおかげで(静かにゆっくり後退していました)見えたが、近くに居た人からは見えなかったと思えるくらいの急加速…バックステップ等と言えるものではなかった、速い。

まるで爆発したような移動だった。

「おっと、あぶないあぶないwww」

弾ッ!!

薫は、自分のいた場所を切り裂いた…ピンクポニテの人に右の銃を撃つ。

しかし、ピンクの人もすぐに動き、弾を避ける。

「あ、そうだ安心していいよ、非殺傷設定とかいう相手を傷つけないなんて便利な機能が有るらしいから……当たっても痛いだけさ」

 

……絶対、嘘だ。

後ろの塀が大変なことになってる。

弾の大きさは知らないけど右で撃ったのでこぶし大の穴が開いている。

そして、薫を見て気付いた、肩から手までメカメカしい事に成っている。

 

「さて、つかみは上々……(おっと、宣伝を忘れていた)……僕は《複合企業AC、オーメル所属テストパイロット》立花薫。愛機は歩兵強化起動兵装(アーマード・クロス)(仮)《ステイシス》」

「……同じく、《複合企業AC、有澤重工所属テストパイロット》鉄鉄心。重装甲型歩兵強化起動兵装(ヘヴィ・アーマード・クロス)(仮)《雷電》」

 

「(仮)ってなんだよ!!」

「……機体名は決まってるんだけど……分類がまだ決まっていないんだ……」

 

なんだよそれ……

 

と、表面上平然と会話しているが内心驚いている。

薫が高さ2メートル半ぐらいのロボットになったからだ。

テツの方を見るとそこには同じように約2メートルちょっとのロボット……ただし下半身はタンク。

如何やって、装備しているのかとっても気になる形状だ。

そして手が無い。腕はあるが、手としての機能を持っていないのだ。

そして背中には三つ折りにされたパイプ……いや、大砲にも目が行く。

何なんだこの重装甲重火力のタンクは……

 

「さて、僕としては引いて貰えるとうれしいな、初起動が実戦ってのも面白そうだけど……不確定要素のある状態での戦闘は結構怖いんだ……何が仕込んであるかもわからないからね」

「同上。俺の火力は高すぎるのでな余計に心配だ」

 

……そういえばACのオーメルグループと有澤重工だって言っていたな……

割と……………常識的と言えば…………常識的な人たち……………………………だけど……やっぱり変態だからなぁ……ロマンを詰めていても不思議じゃない。

 

……ジジ……

 

ん?

 

《こちらアルカディアカンパニー、カラード所属のオペレーターです。ACの発動を確認しました。状況の報告をお願いします》

「ん?ああ、通信設定を変更するのを忘れていた……いや、こっちの話だ。

状況を説明する。同所属《鉄鉄心》と民間人《本多匠》と行動中、襲撃を受けた。捕縛結界の展開を確認、初激で撃墜を狙ったが防がれた。緊張状態だ」

《……了解しました。ここは普通先ず初めに交渉をするべきだと思うのですが……まあ、今更なので今は置いておきます》

突然聞こえてきた女性の声に驚くことなく薫は会話を進める。

 

《さて、あなた方は何が目的で襲撃を行ったのですか?納得できる回答でしたら見逃しましょう》

「お前たちに教えるつもりはない、と言ったら?」

《……あなた達は破滅を欲するのですか?現在フラジールとスプリットムーンがそちらへ向かっています。

都市制圧に十二分な火力となりますので……それまでに快い返事を返して頂くことを希望します》

 

なんなんだこのオペレーター……涼しい声で脅して居やがる……

 

そして薫の前にデジタル時計……いや、タイマーが現れる。

カウントは3′00″から始まった

《さて、再交渉です。あなた達の容姿はすでに把握しました。襲撃を受けたくなければ素直にお答えください》

 

なにこのオペレーター…とんでもなく怖いよ……黒いよ……

 

《さて、なぜ襲撃を?》

沈黙……

 

黙々とタイマーがゼロに近付くが襲撃者二名は口を開かない。

 

《どうしました?二分を切りましたよ?……ああ、お仲間と連絡を取って逃走を目標に?残念、ジャミングがかけてあるので結界内からの念話は一切通じませんよ》

「……何を言っている?我らは二人だ」

《またまた……ああ、それともこちらの二人の集中力切れ狙いですか?残念ですが高々数分で集中力が切れるようでしたらこの二人は今ここに居ませんよ》

相変わらず、丁寧なようで挑発的な言葉を投げかけるオペレーター

十秒おきに挑発とも取れる様なセリフを言い続け一分が経過し、さらに十七秒

《さてさて、そろそろどうするかを決めないと後悔すらできなくなりますよ?さあさあ……む?》

急に、元気(ちょうし)の出てきていたオペレーターの声が固くなった。

《まさか……本当にお仲間が来るとは予想外ですよ……両機、後方より未確認の魔力反応一つが接近中、雷電が前方の敵二名を警戒、ステイシスは後方より来る敵に八割警戒、残る二割を剣使いに》

「了解……って、難しい注文だね」

「了解、老神の使用許可は……」

《……許可下りません。RAIDEN-AWの使用も残段数六割までとします、封時結界のデータ不足でもしもの影響を考えての結論です。申し訳ありませんがこの条件で何とかしてください》

「……良いだろう、当たれば削り負けはせん、当たりさえすればな……」

聞いたところ、かなり厳しい条件なのだと想像できるが……自信満々にそして尻すぼまりにそう言い切るテツ。

何を言っているのか解らないだろうけどこうとしか表現できない。

 

タイマーが残り1′10″になったところで

《敵接触まで約10秒…………!!……魔力反応1!!これはッ………》

空中に一つの球体が出現した。

《閃光弾《スタングレネード》です!!対閃光結界を展開………本多少年の安全確保を優先!!敵は計4人!!》

オペレーターの少々あせる声が聞こえた。

「匠!!目を閉じ耳をふさいで口を開け!!」

「え?」

対爆姿勢?

「早くしろ!!」

テツからも本気のうかがえる要求が来た。

なので僕はすぐさま対爆姿勢を取る。

《追加で防音防圧結界展開》

「応!!」

 

「すまんな、そう言う訳だ……今回は引かせてもらう……だがその魔力、今度は貰い受けるッ……」

《待ちなさい!!…ック……民間人が居なければ…》

最後に聞けたのはその言葉だった。

 

瞼を閉じていてもわかるほどの光に世界が包まれる、そして直後に和太鼓を響かせたような圧が来る。

音はそれほど大きくなかった。

 

数秒待ち、目を開けて手を退ける。

《逃げられましたか……まあ、いいでしょう今回の最優先は社長補佐の息子さんの安全です。ミッションクリアで問題ないでしょう》

「了解……企業へ向かう」

《あ、匠君も連れて来て、こっちでも受け入れの用意をしておくから……うん、ちょうどフラジールとスプリットムーンが到着したみたいですね、彼らと一緒に帰還してください》

その言葉が終わると同時に二人がロボットから生身に戻り、結界が解ける……

すると目の前に一台の黒塗りのスポーツカー……CMや雑誌でも見た事の無い型だ。

「む?匠殿ではござらぬか……なんだか久しいで御座るよ」

「はいはい、話は車に乗ってからにしてくれ」

その車に乗っていたのは、小次郎と……時々、僕を送り迎えしてくれるオジサンであった。

「オジサンとはひどいな、これでもまだ20なんだぜ?」

 

 

……え?

 




なんでか高圧的になってしまいます……
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