自宅外での執筆が……
企業のメインタワーと言えそうな、敷地に入って(アスピナの人の運転で)少し行ったところにある、城と比べても遜色のないほど基礎のがっしりとした……おそらくビルで有ったであろうものの最上層の一室にて……
「よく来たなタク坊、何やら二度目の襲撃を受けたみたいで大変だったな」
お父さんに投げかけられた最初の言葉はそれだった。
まるでなにが在ったのかを見ていたかのようにそう告げるが……何の違和感も無い。
「さて、とりあえず彼らの紹介といこうか」
お父さんはそう言って指を鳴らすとお父さんの座っている背後の壁が動き、大きなモニターが出てくる。
「さて、まずは知ってのとおり、立花薫君」
モニターに表示されたのは、先ほど薫が纏っていた機体だ。
「アーマード・クロス……本当はジャケットかスーツにしようと思っていたんだけど製作者たちがこの程度布装備と変わらない!!だから
その内の一機、ステイシスのテストパイロットについ先日選ばれた」
モニターに仕様が映っているが……理解できない。
「基準が解らないから理解できないようだが……まあ、今は理解する必要はない。中距離戦が得意な、なかなかバランスの取れた機体だ。
続いて鉄鉄心君、彼の機体は雷電……有澤の
そしてモニターに移るはタンク……あれ?装備がグレネードだけ?
「…気付いたみたいだな……そう、有澤重工は大鑑巨砲主義を体現したような企業だ。
……な~んだ、ただのロマンか……
で、済むわけがない!!
なにこの堅さ…APとやらはステイシスの倍近くあるし、実弾防御に至っては二倍…三倍にとどきそうな数値だ……
「続き行くぞ、ご存じ佐々山小次郎……ACはスプリットムーン」
…ん?
「ACって?」
ちょっと気になり尋ねる
「Armored ClothでACだ」
そう言って、お父さんは話を戻す。
「レイナード所属、それとは別に特殊部隊ORCAにも所属している。特徴は間合いを詰めるためのQB特化のブースターに大型レーザーブレード03‐MOONLIGHT、小次郎本人の能力を利用して一振りで二回から三回切りつける変態性能」
「やれって言われたからやっただけで御座るよ!?」
「他のACパイロットからは《辻斬り》の異名で呼ばれているまだテストが抜けないがそのうちACのパーツ……もとい、パイロットとして確定されるだろうこの上なく相性が抜群だからな」
「今、パーツって……パーツって言ったで御座るな!?」
「仕方ねえだろ、あいつらがいつも報告の時にそういうもんだからついついつられて……」
途中からなんだかコントな感じになってきたが……なるほど、だから最近、家に居ないのか……前は小学校に通う年齢でありながら無職だったからな……あれ?義務教育は?
「安心しろ、ACの…っと、これだとわかりにくいな、企業の傘下に収めた学校に通わせている……カリキュラムは五倍濃縮だ、どうせ記録は持っているんだから問題ないだろうとの判断でな」
「そのくせ無駄に凄いので御座る。記録を記憶に変換するのが結構楽で御座った」
「(……寝ている間に変態が何かやっていたのは黙っておこう)さて、最後だな。
匠は確か何度か送ってもらっていたはずだが……アスピナ所属の運ちゃんだ、AC名はフラジール」
そう言って出てきた機体性能……なんというか……全体的に防御が……
「見ての通り速度特化だ、腕も脚も最低限の機能しか持っていない。超高速飛行特化型だな、この機体は今までに何人もの(搭乗)リンクスを病院送りにしてきた変態機だ」
またまた新しい言葉が出てきたよ?
「ああ、そうだな……リンクスは繋がる者の意で、まあ、そのまんまだ。どこぞの変態がとある機体にAI搭載してな……なぜか適正が要るようになって、その影響でこういう名前が付いた」
「じゃあ、テツや薫、小次郎のACにも?」
何度も心が読まれるのは嫌だから声に出して質問する。
「いや、別に心を読んでる心算は無いのだがな……こいつらのは…違うなそれほどのAIが積んであるのは一機だけだ。こいつらのには使われることが前提のモノが入っている」
お父さんは、少し遠くを見た。
「ナインボールだっけな、その機体の名前……自律行動することが出来るもんだから現在封印中だ」
そして、あいつイレギュラーイレギュラーってウルセエんだとぼやくおとうさん。
「おっと、気を取り直して次の話いくぜ」
「ちょっと待つで御座るよ!!その人、運ちゃんで良いので御座るか!?」
「構わん、愛称だ。実名も運だしな……当人も気に入ってるんだ、気にすんな」
「今なんて言ったの?名前のところがうまく聞き取れなかったんだけど……」
「ハコビだ、はこび。最近の親のつける名前はDQNネームなんじゃないかと……」
「まあ、突然ではあるが、お前にもこの機体のテストパイロットになって欲しい。
コジマ技術がふんだんに使われ過ぎていて、たぶんお前にしか使えない代物だ」
ちょっと待ってほしい。
「お父さん、大本であるあの炉のコジマの無効化すらまだできてないんだよ?なんで新しい汚染源作ってるのさ……」
「変態が暴走したとだけ言っておこう。アクアビットが他のグループと共同開発した
そう言って渡されたのは球体。
メカメカしい球体。
大きなものなら見覚えのある球体。
「一応、コジマのON/OFFは出来る様になっている。魔力だけで運用すれば汚染は心配無い……………おそらく…な」
はい、フラグっぽい回答いただきましたぁー!!
「あ、匠、その球体は待機形態で、機体の名前を呼んで装着って言えば装備できるから。慣れれば無言で部分展開とかもできるようになるよ」
そう言って見せてくれる薫。
「薫はイヤリング。俺は……」
そう言って上着を脱ぐテツ。
その胸付近にはえらくゴツイ鉄板としか言えないものがあった。
「胸当てだ」
……まあ、見ればわかるけどさ、それって重くない?
「って……なんで二人は身に着けるもので僕は球体なのさ!!」
「……いや、俺が見に行ったときにはもう出来上がってしまって居てな……」
つまりは変態の暴走と……
「これはどう持ち運べば……」
それに、結構重たいよ、これ。
テツの胸当て程じゃ無いけどさ、500gは少なくともあるね。
「ところで、小次郎の待機状態は何型?」
「これで御座る」
見せてくれたのは根付、刀と…切られた月がデザインの根付だ。
「なかなかに良いでざいんで御座ろう、結構気に入ってるので御座る」
ACのイメージにもピッタリで御座る。と言う小次郎の言葉を聞いて気付く。
なるほど確かに、テツの雷電だったか?肉厚で重厚なイメージが素晴らしく表れた胸当てだ。
薫のイヤリングも……上部から下がるにつれてだんだんと濃くなる青色……うん、なんでだろう薫のステイシスと結構違う色なのに違和感が全然ない。
この……なんというか、水底のイメージが……
「……何か?つまり僕の機体はこの球体がイメージであると?」
「それは……まあ、そうだな。うん、違いない」
なんでかいつもと違う調子で返事をするお父さん。
「有事の際に使ってくれればいい。それに、お前の能力を上げるのにきっと役立つだろう」
まあ、確かに、発生する粒子の危険性を取り払うのには大きな負荷がかかって、超回復と似た原理なのか、頑張って限界を広げている結果なのか解らないけど確かにあの目玉をいじくった次の日には能力の深度が他に比べて極めて大きく上がっているけど……
「よし、ACの話はここで終わりだ、襲撃者について話をしよう」
パンッ!!とお父さんが両手を叩きならした。
モニター画面が割れる様な効果を見せて切り替わった。
「現在、衛星(砲)"ジャスティス・改"にて、画像および魔力反応で対象の捜索を行っている。無論、魔力の残り香も確認しているため、かすかにでも反応が出ればその周辺をマークすることになっている……あ、言っておくが息子のために権力の乱用とかはしてねえぜ、実はこっちでも被害が出てるんだ、研究職の魔力持ち、多い方から順に持って行かれちまった。……まあ、持ち前の変態性で今は取られる前以上に元気だがな……」
ま、一応形だけでも対処しねえといけねえんだわ。
そうお父さんは家に居る時と似た感じでぶっちゃけた。
「ま、今日はもう帰っていいぞ、発見したらAC経由で連絡入れっからな、……明日は休日か…じゃ、明日までに頑張って探すか」
そう言ってお父さんはモニターを仕舞い、奥の部屋に入って行ってしまった。
……僕どうすれば……
「では、私が家まで送りましょう」
話しかけてきたのは空気になっていた運ちゃんであった。
「お願いします、それと……」
「なんだい?」
「運ちゃんのACは?」
「これだよ」
そう言って、胸元から取り出したのは針金細工、その中心には小さな砂時計が埋め込まれている。
「これがまた結構、脆くてね……慣れないうちは何度か砂時計が割れて、針金が潰れたよ……それでも何の問題も起こさずにちゃんと機能してくれるんだけどね……素晴らしく速い良い機体でね、特に最新のVer.1.20はお気に入りで……もうこれに乗ったらほかのバージョンに直せないよ」
うん、運転からもわかっていたけどこの人もやっぱりまともじゃなかった。
ああ、変態企業の社員は子供以外皆変態か……
……あれ?この調子だとテツも薫も……小次郎に僕も将来変態に!?