召喚師の改造記   作:獅狼

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少々書き換えました。


境ホラへ進出

 

 

 

 

キングクリムゾン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「旅立ちの準備する」という過程は消え去り、「もう既にゲートをくぐり始めている」という結果が残る!!

 

 

と言うわけで極東…神州遠征隊が旅立ち始めた。

 

異世界に行くわけですし、こちらとあちらの通信ははっきり言って根絶される。

ここで出番なのが俺の月輪の子機。

改造に改造を重ねた結果が俺の能力を唯一補助できる外部パーツ的なものに!!

と言うわけでこの子機は呼び水程度だが本体(こっち)に呼びかけることが出来るので、唯一無二の連絡手段です。

ゲート開けば極特定の電波が通るようになるから小さくてもゲート開けば大容量のデータの送受信も可能になる。

 

要するに俺が命綱そのものな訳だ。

まあ、企業が月輪を順次強化してくれているおかげで魔道師のデバイス並みには負担を軽減してくれるからコストは大分減ってきてるんだけどね。

 

異世界から喚ぶだけのゲートなら問題ないけど、繋いで道にすると繋いだ瞬間に企業本社ビルのスパコンを総動員して並列処理でぎりぎり追いつける程度のデータの処理が行われていたといわれたときには寝込んで当然だと納得した物だ。

 

だが月輪のおかげで三割減は出来ている。

流体技術を導入すれば驚くほどの軽減が出来るだろうと言われているのでそれも楽しみだ。

 

それよりも先ずは別荘の完成が先だけどな。

アンジェロたちは流石に鎧だから割と細かい事ができるといっても限界があるわけだし、心配りが出来るような思考(きのう)も無い。

まあ、つまりは手が足りなくて休むつもりが休めない事もあると言うわけだ。

あいつらに料理なんて出来ないからな。

 

それに居るとなんだか心がささくれ立つというか……悪魔特有の魔力が精神的に悪い影響を及ぼしやがるのです。

 

「じゃ、こっちからの接続(アクセス)は……二週間後でいいかな?何かあったら小月輪(子機)で連絡を入れてくれれば遅くても十分で通信がつながるようにする」

「了解です」

びしっと最敬礼を決める延性部隊長。

「いや、俺、別に上司とか言うわけでもないし、敬礼いらない。行き過ぎた敬語も要らない」

「我らの恩人に失礼な真似は出来ませんね」

そうなのだ。

異世界へ道を繋げられる俺はなぜだか微かな信仰を受けているのだ。

 

訳がわからん。

 

訳でもない。

正直、俺だってそうすると思う。

記憶じゃなくて記録としてでは有るが前世の記憶があるせいで、ヒャッハーな気分(ハイテンション)になるのは良くわかる。

だからってなぁ……おれ、まだ中学生だぜ?しかも一年の、大の大人に敬語使われるのはどうも……

 

「クハハ、諦めろタク坊。お前のやってる事はそん位の価値があるってこった」

いつの間にか隣に居る副社長(父さん)

「あ、流体技術の入手が成功したらまた月輪を預かるからな。期待してるぞ」

言ってる事がなんだかおかしいよ父さん。

期待しとけじゃ無くて期待してるとは何事か。

「そりゃ、また新しいところに招待してくれんだろ?つまりはそう言うこった」

要するに、ACバージョンアップするからまた資材の入手や異世界進出を手伝えってことですね、わかります。

「つーわけで、お前に改造依頼だ」

どういうわけだよ。

「唐突に一体何を……」

「被験者は天性能力者で……まあ、詳しくは現地に着いてから話そう」

「あ、やっぱりスルーですか、そうですか」

父さんは車を呼ぶとさっさと乗れと言ってくる。

こうなったら言う事を聞かないのが企業(ここ)の人間だ。

なんとかする方法としては物理的な手段に出るしかないが……

残念、俺と父さんの間には軽く、エベレスト登頂を走って行えるか行えないかの差がある。

逃げようとしてもまさにザ・ワールドな体験をすることになるだろう。

外に向かって逃げたと思ったらいつの間にか車に乗り込んでいた……ってな感じでね。

だから、ここは大人しく従うに限る。

 

 

 

 

 

そんなこんなで車で五分。

 

 

「……父さん、なんなのここ、他と雰囲気が違い過ぎるんだけど」

「ああ、ここな。普通の科学研究と違うことやってんだよ」

ふつう?ここに普通とかあったっけ?

「それは?」

「いわゆる錬金術とかいうやつだな」

そこからの展開は早かった。

とある部屋に連れて行かれると、ベッドに寝そべる青年と大男。

そしてそれぞれの隣に置かれた謎の装置。

 

その二人の頭の方に大きな機械と、それを操る一人の学者?

「おや?来てくれたんだね」

「ああ。それで、例のブツは出来上がったのか?」

「もちろんだよ!!シリアルナンバーはキリのいいX(10)C(100)にしておいたから」

XとC?随分珍しい表記方法だな……

「ⅠとⅡで良かったんじゃないか?」

「だめだよ!!ⅠからⅢは黒いのじゃないと!!これは譲れないなぁ」

カタカタ……タァン!!と、キーボードを叩くと同時に髪の毛もボサボサでやつれた男が振り返った。

「さあ、これでそこのふたりの隣のケースに【核金】が運ばれてくる。それまでに…」

男は話していた父さんからこっちへ体ごと向きを変えて正対した。

「初めました、本多匠君。僕はここで錬金術と科学を研究している鉦繰(かねくり)というものだ」

「あ、どうも初めまして……俺はご存知のとおり本多匠です…」

唐突にハイテンションでわけがわからない。

「君にやってもらいたいことは簡単に言うと、兵器と人の融合。ネタ的に言うと魔武器の製造かな?」

「魔武器?」

「おや?………ああ、そうだったね。全部を鮮明に思い出せるってわけじゃなかったよ、ごめんごめん」

そう言って鉦繰さんは少し考え込んで唐突に切り出した。

「今回触れるのは〔武装錬金〕の【核金】に〔ソウルイーター〕の魔武器だ。簡単に言うと魔武器ってのは武器に変身できる人間みたいなものかな?

そして、今日やってもらいたいのが…」

キャスター付きの椅子で勢いよく滑ってふたりの寝ているベッドの方へ移動した。

「このふたりに核金を埋め込む、その核金と人間の境界を曖昧に改造して欲しいんだ。

できることなら核金としての使用も可能で魔武器として体の一部を武器に変形させれる状態にして欲しいんだけど無理なら後者だけでも良い。お願いするよ」

まったくもって難易度が高すぎる。

能力を移すことはしたが、人と無機物の融合なんてしたことがない。

とてもじゃないが成功するとは思えない。

「いま、成功するとは思えないって考えたね?うん、最もだ。

だけどね、僕が作ったのは錬金術による核金、そして既に核金が心臓の代わりにできることも実証済みさ」

そう言うと鉦繰さんは左胸に手を当て、指をめり込ませて…核金を取り出した。

「ご覧のとおり、僕自身が生き証人さ。核金が心臓の代わりになるなら、体の一部であるのならその境界線はどうなんだろうね、確実に他の物よりも人間に近いはずさ」

――武装錬金――

鉦繰さんは核金を起動させた。

「これが僕の武装錬金、ジャマーの武装錬金【ヒュージ・レーダー】」

鉦繰さんの上に巨大な何かが現れた。

円盤、まず目に入るのが巨大な円盤。

「見てのとおりこれはレーダー…ただし発するのは妨害電波だけどね」

それだけじゃないだろう。武装錬金…科学技術じゃ再現不可能な特殊能力が……

「残念なことにこれは私の闘争心から発生したものではありませんけどね、まだ本家本元のような特殊能力も持っていません、ただ、現存するものをこの核金の形にするので精一杯……生存本能からの回復促進を優先した結果ですね我ながら自分の要領の悪さが恨めしい……」

「いやいや、心臓の代わりになるレベルに仕上げた時点で貴方も十分にすごいですよ」

「そうだぞ、お前以外にはできなかったことだ。お前を含めて一桁しかいないチームにこの建物が与えられたことがその証明だな」

え?この洋館風要塞って数人のために作られたの?

 

見た目は豪邸、その建築基準はシェルターな建物。

住んでいるのは錬金術師でした。

武装錬金の解除をした鉦繰さんは言う

「まあ、とりあえず見てみてはくれないか?できそうならやってくれればいいよ」

うん、まあ……そうだね。もしかしたら出来るかもしれないしね。

「おっと、その前に核金を埋め込まないとね。……安心していいよ、本人たちには了解がとってある。僕たちはそこまで非道じゃないよ。まずは自分からが基本だからねそんな危険なことはできない」

なるほど、回復機能の方から始めたのはそういう理由か……

「おい、謙遜は過ぎると嫌味だぞ、お前の精一杯は成功率が85%に満たない場合だろうがで、実際のところ完成度はどれくらいなんだ?」

「はは、確実に成功できなければ相応の能力がない限りそれは出来損ないですよ」

「いいから答えろ、平均的な完成度は?」

「……恥をさらすようで嫌なんですけどね、75%近い大部分を占める科学的に解析不能な部分がなんとかごくまれに成功する様になって三個だけ成功しました(膨大な失敗作を出したけど三つ成功したから勘弁してください)ちょうど275個目にして成功作品がこれです」

トンと己の心臓を指す。

「自動精製……持ち主に応じた武器になる機能はありませんがかろうじて特殊能力は付きました。僕の武装錬金の特殊能力は【完全妨害(パーフェクトジャマー)】電波だけでなく様々な力を妨害します。A(アンチ)M(マギリング)F(フィールド)を広域展開できると思って頂ければいいかと」

効果範囲は具体的に聞かないでおこう。

「……うん?三つ……もしかして」

「そう!!このふたりには私の成功作品を!!能力的にも相性が素晴らしく彼らと核金のデータを取れば私の研究を進むというものです!!」

おそらく徹夜明けのハイテンションなんだろう。隈も半端じゃないレベルでついてるから。

「はいはい、了解しました、やれるところまでやってみますよ」

まず一人目を確認。

いつもどおりの名前、そしてスキル……ん?

【絶対必中(近接)】……近接攻撃に『吸い込み』が発生して異常な能力がない限り当たる。

え?なにこれ、獲物によっては相当なチート……

「それじゃあ、核金埋め込みますね。……あ、別に心臓とすげ替えるってわけじゃないんで。あくまで埋め込むだけです。いざとなった時の保険で心臓の近くに埋めるだけなんで」

なぜか念押しして核金を埋め込む鉦繰さん。

お、追加情報……

核金X…内容は不明……なるほど、今現在のこの形が当たり前の物と成っているって事か……確かにこれは凄い。何になるかもわからないとは……科学者の俺には理解ができない内容ってことか。

でもって同一性(アイデンティティー)は……やっぱずれてるな。これを揃えて、それでいて境界を残して武装錬金が使えるように……て矛盾してるわ!!

あーっと……ここをこうしてあーすると……ん?なんだこのポイント60?-1/hって書いてあるし……よくわかんねえなぁ……まあいいや。

こうすると……うん、種族っていうか分類が魔武器になった。

で、核金の方は……あーダメだ、完全に融合してる。形は保ってるけどこれ取り出そうとするとくっついてるのまとめて引きちぎらないとダメだ……仕方ない。種族表記が変わる寸前まで同一性を下げていくか……

 

 

 

よし、魔武器(出来損ない)ではあるが完全変形ができないだけで何の問題もない!!無いったらない!!

おや?さっきのポイントのところが-2/hに変わってる。ま、いいや。エラーでなかったし、生命に問題が発生するってわけじゃなさそうだ。

 

この調子でもうひとりもやるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら朝日が昇っていました。

 

アリーサからメールが五通ほど来ていましたが、うん、電波が届かなかった!!

きっとそうに違いない。

 

 

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