召喚師の改造記   作:獅狼

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どうしてこうなった。



陸ではとんでもない変革が有ったようです。

レジアスさんの滞在期間が終了した。

 

宿泊代はポンと払ってもらえて、そこから商談の開始であった。

もう既に購入は決定事項のようで早急に値切り交渉に突入したときは驚いた。

だが俺も値を引く気は無い。

装備一式の詳細なスペックの説明から始め、貸し出す英雄(きょうかん)の履歴云々まで説明して値引きを出来るようなモノではないと、破格の待遇であると示した。

しかし相手も伊達に場数を踏んではいない。

既に打ち合わせをしていたのか、詳細な内訳表のようなものを用意してきてここを省いてその分値を落としてくれと切り替えしてくる、俺はそれに対し、違った内訳を出して反論、それはおかしいなどの舌戦が繰り広げられて経過する時間は約二時間。

 

 

 

なんと言うことでしょう、五分七厘二毛六糸引かされました。

-5.726%です。商談の規模が規模だけになかなか大きな損失。利益の三割強が持っていかれました。

 

企業からの交渉評価は60.374点、かろうじて及第点だそうで……

しかも之は始めての実践商談と言う事を加味しての点数だそうでそれを除くと29.472点で抗いようの無い落第点だそうだ。

そもそも基準がおかしい。

±0%で及第点の60ちょっと、それ以外に数字と実際の交渉風景を見ての加減点だそうで。

実際は割引をした時点で落第である。

しかし、割り引く事が前提の料金設定でもある。

 

企業の営業部門は詐欺師の集まりに違いない。なんだよ値上げ交渉って。

+5%で契約とって来たとか、よく聞く話。

え?相手が無茶で無意味で無様な交渉をしてこない限りは値上げ交渉なんてしない?

美しい交渉をしてくる相手ならむしろ喜んで値を下げるとな?

本当によく分かるところにこだわりを持っているよな。

相手が人生を掛けているレベルならば最大限にもてなす。

相手が大企業だろうが中小企業だろうが関係なくだ。

むしろ、大企業の交渉役の中には自分が上だと思ってなめ切って、それこそこちらが絶対に断れないだろうと言うスタンスで来る物もいた。

そういった人たちは全員泣かせる勢いで徹底的に、気が付いたら首が飛びそうな契約に内容が書き換わっていると言う事もやったらしい。

恨まれ(て面倒な事にな)るのはいやだからぎりぎりのラインで終わらせたらしいけど。

そして、やってきた交渉の人は後日辞表を出したとか出していないとか……

交渉班班長曰く「交渉戦は商人における戦争であって試合(ゲーム)である。全力を尽くした物への評価はあれど手を抜く事は万死に値する」とのこと。

正直な話、文系の文官職のはずなのに職人気質、と言うよりも武人気質?

「天晴れだ、貴方達の本気が伝わってきた。その本気に免じて私は最大限の譲歩をしよう」

そんな事を言ったのも一度や二度で無いらしい。

周辺の中小企業が存続を掛けてやって来た時には割りとよく見る光景だとか……

 

 

 

まあ、そんな事はどこか脇に置いて。

話を戻そう。

商談は成立した物の、やはり管理局と民間企業の取引で、しかもかなり大きな金の動く金の話をしたわけなので、非公開と言うわけには行かず。ミッドに支部を置いてそこで公開で取引をすることに成るらしい。

なので早速企業に連絡してミッドチルダ支部の設立が出来ると報告。

直ちに作業に掛かるそうです。

支部云々の話が帰った三日後くらいに出ると思うから、諸々の対応をよろしくと言う事でとりあえず、俺の商談は終わった。

 

値引き交渉でカットした機材やらも支部での第二回戦(本番)で頑張れば譲られるかもしれない。

一応、レジアスさんには一度結果の決まった商談ではあるが、気を抜いたり、手を抜いたりしないようにと伝えておこう。

 

 

 

 

あっさりしていた。元々手を抜くつもりは無いそうで。

本社から人が来るのならまだ先ほどの内容で決定ではないと、なんだか物凄いやる気に満ち溢れています。ここに来たときよりも生き生きとして………若返り効果もみられる、と温泉の効能に書き加えておこう。

今度からは温泉を泉の水で割って入れておくことにしよう。

 

送り返す瞬間にゲイズ親子揃ってなにかに気がついたような顔をして帰っていった。

なんだったんだろう。

詳しく話す内容でもないのでお見送りは全カット。

 

 

そしてこの後のレジアスさんに俺はノータッチなので、伝聞でしか知らないが、組織改変は大成功だったとか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半年後

 

 

 

 

 

ある廃墟の町に二人のテロリストが逃げ込んでいた。

「チクショウ!!誰だよ、《陸》は人材不足で《海》からの増援が来る前に逃げればいいとか言ってたやつ!!皆、捕まっちまった!!」

「うるせえ、確かに半年前は高ランク保持者は全員海に引き抜かれてAが一人二人居る程度だったんだよ!!

それに新しく高ランクが入ってきていてもちょうど引き抜きの時期だ、給料の高い海に大半が持っていかれているはずだ!!」

「じゃあ、これはなんだ」

一人がガラスのはまっていない窓から外を示すよう大きく手を振り上げた。

 

ターン!!

 

乾いた銃声。

1テンポ遅れて上げた腕を抱え込んでうずくまる。

その顔は恐怖に染まり、自分の手が残っていることを必死に確認していた。

 

 

『完全に包囲した。お前達二人を除いて他はすべて捕らえた、抵抗を止めて投降しろ』

赤く染まった空、ここらで一番高い廃ビルの上から一人の巨漢が拡声魔法を使って呼びかけを行った。

『今ので位置を把握した。すぐに武装を解除して出てくるのならよし、出てこないのなら突入して無力化させてもらう』

 

その声が切れると同時にさほど遠くないところから複数、

ブオォォォン、ドルルルル、と言ったエンジンの駆動音らしきものが聞こえてくる。

 

「おおお、おい、この音ってよ……」

手に覚えた損失感のせいでガタガタと震えながら男は仲間に考えを聞く。

「間違えようもない、あの……」

そう言って彼は気が付いた。

「ちょっと待て、向かいの壁、こんな量の赤い点って……あったか?」

「……いや、ないな。少なくともスナイパーがこの点の数は居る。投降しないとこの戦力で押しつぶすってことだろうよ」

点の数は二桁に迫る。

とてもじゃないが逃げ切れない。

「さっきの一撃はあれで牽制のつもりなんだろうな……」

「ふざけんじゃねえ、腕が無くなったと錯覚したぞ!!」

漸く自分の手が有ることを実感した男が叫ぶ。

「そう言うことだ、おそらく手足をその状態にして捕まるのがいいか、自分からおとなしく投降するかを選ばせるためだろう」

もう一人が腕時計を外し、投げあげる。

外から見える位置に飛ぶ予定だった腕時計は、枠を乗り越えた瞬間に何かに打ち落とされ対面の壁際まで滑っていった。

「撃墜までコンマ1秒くらいか………どこまで逃げれそうだ?」

「無理だろ、物陰から出た瞬間芋虫だ。それに見てみろ、サーチャーが浮いてる。ここから建物の中を逃げようとしたら途端に奴等が突入してくるだろう」

指差す先には確かにダークブルーの魔力光を発するスフィアが浮いていた。

「………詰みか」

「ああ、詰んだな。俺はアレで引き裂かれるのは御免だ投降する」

そう言って武器を全て窓の外に投げ出し、手を頭に置いて背を向けるように立ち上がる。

不思議とこの間は一発の銃弾も飛んでこなかった。

「おいまて、俺もだ」

それに続きもう一人も同様にして立ち上がる。

 

「CP、こちらα01犯人確保、状況終了」

《そうか、損害は》

「αβε共に人的被害ゼロ、弾薬の使用量も5%程度です」

《宜しい、ε部隊はどうだ》

「まだまだ現場に慣れる必要は有りますが十分に動けています、公式舞台に追加しても良いかと」

《解った、εは戻って別部隊に合流、αとβはγとδに合流して組織を一つ潰しに迎え。データは移動途中に確認しろ》

「yes,sir.そのメンバーと言うことはよほど大きな……」

《違法賭博、しかも大規模な地下闘技場だ。ここまで言えば解るか?》

「高ランクの魔導師……ッ!!」

《しかも相手は負けられない戦いばかりをしている連中だ。用心を重ねるように、全員生還しろ》

 

――――了解した、中将殿!!

 

 

 

 

 

 

「これでまた一つ………」

青い光を放つ(アーマー)を身に纏った壮年の男性はそう呟き、通信機をしまって瓦礫の上に腰を下ろした。

足元にはまるで死んで居るかの様に気絶する男が横たわっている。

「さて、と。ジャック、情報は引き出せたか?」

少しだけ腰を下ろして休憩をした男はスッと歳を思わせない動きで立ち上がり、近くに浮いて居る機械に話しかけた。

その機械のアームにはカード状の、一般に普及率の高い待機状態のデバイスが捕まれている。

ジャックと呼ばれた機械は下にモニターを出現させて引き出した情報を箇条書きでまとめて表示した。

「フム、闘技場の他は……細かいな、チンピラの集会場やら……む、盗みやすい店?

注意しておく必要があるな、ジャック、帰るぞヘリを一台チャーター……」

バッバッバッと連続して空気を叩く音が遠くから聞こえ、命令を中断して待つとやがて大きな影が射した。

「中将!!自ら出撃は止めてくださいとアレほど………ッ!!」

そこまで言って気がついたのだろう周辺に転がる数名の男たちに。

「オーリス、ただの散歩だ、そこでちょっと絡まれたもんだから礼儀を知らん若僧に教育をしたまでだ。そこでちょっと気になる情報を聞いてさらに聞こうとしたら襲いかかって来てな、まあ、こんな有り様だ」

周辺を見渡すと、一人ではなく、二桁後半ほどの人が転がっていた。

「ちょっとでブラックリストの暴力団を潰さないでください!!」

そう言う彼女の周りには幾つかのプロフィールらしきものが表示されて居て

 

「また、派手にやりましたね……」

「全員ヘッドショットだ、一発一殺だから派手な戦闘は無かったと思うが…」

「そう言うことでは有りません。仕方有りませんね処理はしておきます。やりすぎないでくださいね、問題になってしまいます」

「公務執行妨害だ。わしはただ聞き込みをしていただけなのに襲われた、成立しているだろ?」

「本当にそうだと言いのですが……」

「ひどいい草だな。だが、事実だ」

「はぁ………わかりました。いいから戻りますよ。あの日から活気に溢れすぎですよ」

この日大量の犯罪者が収容所に送られ、管理局の一部の課が3日はローテーションを組んで休まずに動き続けた……

 

 

 

注)これは特殊な日の一例です。陸が毎日修羅の国だったり狩場だったりはしません。

(アーマー)も組織が動いたりしない限り使いません。

 

 

新・部隊基本装備(魔力式で非殺傷)

・ボルトックピストル

・近接ナイフ

・小型トルクボウ(え?

・フラグ/スモークグレネード

有事にはランサーアサルトマシンガンとアーマーの使用が許可されます。

 

部隊長追加装備

・ドーンハンマー(小)

・エナジーソード

 

 

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