この話は、糖分高めで、旗が立っています。
旗にはいいものも有りますが、悪い物もきっとあるでしょう。
ご注意ください。
本日は数回の来客を経ておおよその粗は修復完了。
常に今最高のおもてなしをしてきたわけですが、より良いサーヴィスを提供できるようになりました。
前々から家族やら海鳴の親しい人を呼ぼうとしていたものの予定が合わずこの日まで伸びてしまいましたが、漸く全部の都合が付いたとのことで。
両親に愛猫のシロクロ、
総勢20名と二匹。召喚で個別召喚でもいいけどまとまって貰う事にしました。
俺自らお出迎えで、集合場所に待機中です。
集合場所は人気のない月村さんのお庭です。
何故だかすずかとアリサ二人とテーブル囲んでお茶してます。
「ずいぶん久しぶりね、あんたとこうやってお茶するの」
「ここ一月は旅館の仕事で地球に居なかったからな」
「3ヶ月は会ってなかったよね」
「なかなか予定が空かなくてな」
「メールもずいぶんと短い返事だけでそっちから送ってくることも無かったわよね」
「時間が無かったんだよ」
「学校にはしっかり毎日来てるけど、すぐ帰っちゃうし………私達避けられてる?」
「避けてねえよ、忙しかったんだ」
「私のこともしかして嫌い?」
「嫌いじゃね……ちょっと待て、その手に何を持っている。そして何を言わせようとした」
「いい加減観念したら?」
「断る。まだ18だ、少なくともあと二年はそんな気は無い。そんなことより、大学受験だろ?」
「あんなの余裕よ」
「あはは、判定はAだからよっぽどなことがない限り問題ないよ」
そうでした。
「俺は大学に行くつもりはないかなら。しばらく会えなくなる……」
「いいえ、高校に比べたら会える時間は多くなるでしょうね」
「なに?」
「だって、匠くんに送り迎いして貰おうと思ってるからね」
「Why!?」
ナズェソウナルンデスゥ?
「車の免許は持ってるわよね?」
「車のほうも有るって話だよね」
「なぜに知っている」
「束さんから聞いたわ」
「スポーツカーからキャンピングカーまで申請すれば企業が貸し出してくれるらしいね」
「いや、貸し出すとしてもモニターだったりで……」
「かまわないから送り迎いよろしく、ね?」
自然にアリサがすっと近付いてきて上目遣いで首をかしげてお願いをしてくる。
効果は絶大だ。
「うぐ……分かったよ」
後ろですずかもニコニコ笑っている。
「そういえば匠くん、アリサちゃんに告白はしないの?」
「……ななな何を言っておっしゃるすずかさん!?」
「もう、いい加減に結婚しちゃいなよって皆思ってるよ?」
「すずか、あんたは如何なのよ!?」
「私はね、アレだから……一歩後ろで隙あらばって位にしておくよ」
「それ引いてるようで引いてないわよね!?」
そんな感じで、冷静に爆弾を落とす娘、テンション高めで言い寄る娘に挟まれて、ただ客を迎えに来た心算が修羅場っぽくなってしまった主人公。
気まずいが黙っても居られない、そんな論争は、やがてやってくる魔法少女の登場まで続いた。
「えーでは全員そろったと言う事でご案内させていただきます」
人数が人数名だけに同時に送るためには魔方陣を敷いたほうが安定すると判断。
六機の小型ソルディオスオービットを配置し、月輪制御で魔方陣を呼び出す。
「それでは、目的地へ出発します。少々歪みますが、ご注意ください。
なるべく全身を一瞬で送るつもりではあるが、自分の召喚形式は『門』だ。故に少しだけ差が出来てしまい、それで気分を悪くする場合もある。乗り物酔い的なものである。
動体視力や反射神経が良かったりするとなりやすい。
後は慣れだ。
実質移動には一秒と掛からず、旅館の正面に場面が移った。
一歩前に出て振り返る、出迎えの自動人形を背に一言。
「ようこそ、我が旅館『
「何かっこつけてんのよ」
「うるせえよ、で?コレの感想は?」
なぜかアリサに冷静に突っ込まれる。それを受け流して他に尋ねると
「すごい……」
「おおきね」
確かにその意見が出てくるだろう。
今居る場所からだと端が見えない。背後の森は見えるが、キャンバスの下半分を一つの建物で埋めたような視界だろう。
「六家族なわけだから…一家族に二人侍女を付けさせていただきます。彼女たちに尋ねて貰えば旅館の中のことはもちろん、外もある程度は教えられますので。観光と言うよりのんびりくつろいで貰う事が当旅館の経営理念となっております。日ごろの疲れをすべて此処へ置いていって貰えます様」
流石に親しい相手にビジネス的な対応が崩れたが、何とか取り繕って旅館に案内。
「部屋割りは事前にお聞きした通りにして有りますので、それぞれ彼女たちの案内にしたがって確認願います」
重力制御で自動人形たちが荷物を運びながら皆を案内していくのを確認して一息。
「さて、頑張りますか」
案内が終わっただけで仕事は始まったばかりである。
と言っておきながら意識の大半は窓の外へ。
「温泉街(仮)、まだ見つからないようにしておかないとなぁ……」
そう、事実は周辺の開拓を進めているのだ。
ここらは温泉が出やすい土地なため、温泉街を作っている最中である。
「騒音対策に結界張ってやってるけどな、うん。危険から守るための結界ってことで旅館周りに一つさらに張っておこう。コレでたぶんなのはたちは騙されてくれるさ」
事務室のPCからAC製の謎コンピューターから結界作製プログラムを立ち上げる。
「結界の形は雪だるま型で、片方は外から見えないように、もう片方はダミーで、と……あとは……」
早急にプログラムを仕上げて結界を発動。
「ッチ、毎時2拝気かよ確か今は一拝気約18万か……二泊の予定だから変動を考えて一千万行くか行かないかってところ……大赤字だな。しゃーないか」
さっさと地脈炉安定しねえかな~とぼやきながらも自動人形や、温泉街作成中の超改造アルト・アンジェロからの状況報告に指示を返すなどしながらさらにモニタを追加して、今度は周辺地図に何かを書き込んでゆく。
「流石に温泉とかだけだと若いのに受けが悪いか?これくらいのスペースで……いや、それよりもこうか」
開拓の計画を練っている。
「地形はあまり変えないようにと……森林散策とか言っても野生が危ないし、だからと言って海のほうもな……浅瀬はいいけどその先の調査が進んでないから危険が……」
鮫っぽい生物も観測したわけだし。
問題はサイズが桁外れってところだろう。
タンカークラスでも真っ二つに食い千切りそうなサイズの鰐と鮫を足して何かをさらに追加した後に3で割ったような生物だった。
「クラフターに整地を頼むか?いや、それは早計だ。可能な限り自然のままが良い」
そんな彼の得意技が整地である。
どれだけ岩や土など様々なもので構成されていようとも幾つかの
ただし、最低単位が1メートル立方。
砂で出来た10×10×1mの壁を見せられたときはその角の直角に良く崩れない物だと感心した。
と言うよりも倒れない事に目を輝かせてしまった気がする。
他人がスコップを突き入れたら簡単に崩れたのに彼が上に乗ったところで崩れないのだ。
彼は時たまこの世界に来て(召喚して)樹に斧を入れては樹を一本消している。
そして苗木を何処からとも無く取り出して植えていくのだ。そして白い粉を撒いて一週間後には同じサイズに……
あの時はゾッとしたね。
こいつはその気になれば
まあ、俺は自分のペースで開拓を進めますかね。温泉街が出来たら次は海だ。
―――たくみーちょっと案内しなさーーい!!
……侍女に頼めって言ったのにな……
まあ、俺は仕事があるから
ピピピピピピッ!!
《社用通話です。回線を繋ぎます》
まったく、こんなときになんのようだ?
大事な客が入るって伝わっている筈だが……
《たくみぃ!!呼んでるんだから来なさいよ!!》
「Why!?なぜにこの回線で連絡できるんだ!!」
《束さんが貸してくれたわ》
《アリサちゃーん。お義母さんでいいよ?》
《あ、いえ、わたしそう言うのは正式に……》
「あーはいはい、分かりました、ご案内させていただきます!!」
なんだか堀は埋められ外壁は撤去され、内壁なんぞ粉砕されて、二の丸は敵に落ちている気分。
とにかく、今は向かうしかない。
さてさて、無事に終わるかね~
終わると良いんだがな~
終わってくれよ?