召喚師の改造記   作:獅狼

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二週間以上更新できずに申し訳ない。

就活頑張らなきゃいけないから今後は月一を目指して頑張る




三期?そんなのありましたっけ?
黒幕夜逃げ(準備)+予言なんて無かった


「ドクター」

「………」

「ドクター?」

「……ん、ああ……ウーノかい。それは………脳みそたちからの命令かな、その辺に置いておいてくれればいいよ。それよりも、大至急夜逃げの準備をしてくれないかな?

他の子供たちにも引っ越しだと行ってね」

「はあ………わかりましたが、夜逃げ、ですか………」

「ああ、夜逃げだ。どうやら陸の様子を見るに脳ミソはそう遠くないうちにいつの間にか居なくなることになりそうだし、それに何より、勝ち目が皆無だ。何なんだね、あれは……勘なんて言う不確かなもので、物陰に隠れながら銃だけ出しての射撃の命中率が八割を下回ることがないって……」

 

反応がなかったと思えば急に語りだし頭を抱える生みの親にどう声をかけたらいいかわからないでいるウーノをよそにジェイル・スカリエッティは語り続ける。

 

「そもそもだ、レジアス・ゲイズが新規武装の運用試験を行い始めた時から嫌な予感がしたんだ、それがなんだ、半年もしないうちに主要武装となり、その挙句検挙率がほぼ直角の上昇を見せた!?その挙句エリート部隊に至っては勘で九割以上、実際は十割敵対者の位置を割り出すときた!!

もうここまで来たら敵対する予定だった私たちからしたら悪夢でしかないよ、これは息子達(カラーズ)が危険を冒して偵察に行って手に入れてくれた情報さ」

 

このジェイル・スカリエッティは(ナンバーズ)の他に息子(カラーズ)を作っている。

色は数と比べ、オールラウンダーが多い一点で見れば劣るが総合では少々以上勝る。

しかし、イレギュラーで魔導師としての素質が多く砲撃思考のものもいるが、それは例外である。

 

「はあ、しかしクリムやシアンに広域殲滅魔法を使わせれば千や二千……」

「それじゃあ、だめなんだよ、陸の部隊だけで連携の採れた動きをする一万、そこに、聖王の器を保護した機動六課……ただでさえ陸の強化が想定外だったのにそこに更なる予想外だよ、機動六課にエースオブエースと呼ばれるのが三人いても息子達なら何とかできる計算だったのだがね、これを見てくれ、つい先日機動六課で行われた模擬戦のデータだ」

 

そう言って映し出された映像は、地獄であった。

新人どころか歴戦の戦士とも言えるヴォルケンリッターまでもが可愛そうだと思える惨状であった。

本当にリミッターをかけているのか疑いたくなる。

宙に浮く黄色い魔力スフィアの間を残像を残して移動して一撃の元にシールドとバリアジャケットを打ち抜き有効打を与える金髪の黒い死神。

空高くに座して眩く桜色に輝く魔力弾を周囲に浮かせ爆撃をする白い魔王がいた。

高速移動する死神から逃げようと建物の中に入ったところで潜んでいる区画に桜色の魔力弾が打ち込まれる、慌てて空気を求めるようにそこから飛び出すが、人数が減っている。

2対9、一人は指令官であるので戦場にいるのは8名で四倍の人数から始まったはずの戦闘は一分を待たずに半数の脱落となった。

残った四名も戦うというよりも逃げていると言う他にない。

 

 

「……これは?」

「よくわからないんだ。突然こうなった」

 

お手上げだとジェイル・スカリエッティは両手を挙げてため息をつく。

 

「リミッターがついてこの火力となると全力がね、カラーズで抑えることが出来るかどうか………」

 

ウーノは思った。確かに戦力に差があろうとあの兄弟達ならば嬉々として突っ込んでいくであろう。

負けを認めずどこまでも勝利にしがみつく気質はわかっているが相性が悪い、とそんな考えが浮かぶ。

なぜだろうか、映像、リミッターそれに兄弟の戦闘力、たったそれだけの情報なのに何故だか撃ち合いに負けている状況しか浮かばない。

攻撃を与えられそうなのは速度狂であるイェロぐらいだが、B(バリア)J(ジャケット)を少々引っ掻いたところでカウンターを受けて一撃ダウン……

 

知能加速の能力も持つI(インヒューレント)S(スキル)不可触の秘書(フローレス・セクレタリー)で数パターンの先頭をシミュレートしてみるが、どうにも最初から詰みの決まっている詰将棋をやっているような気分になる。

 

「ドクター、ならば内部からの崩壊を狙っては?ドゥーエにレジアス・ゲイズを……」

「無理だよ、言ったろ?陸の舞台の精鋭は勘で敵の居場所を10割当てる。公式が9割と言っているのはうちのグレィが何とか銃弾を避けて壁に同化したまま部隊をやり過ごしたからさ。最悪、殺意を持って地上本部に入った時点で包囲されると考えてもおかしくない。いやー、時には非科学的な事も……信じてみるものだね」

「どう言うことですか?」

「嫌な予感がしてね、陸への潜入はやめてドゥーエには別の仕事をお願いしたよ」

「そうですか」

「そういうわけだから、準備していた例の計画を始めてくれないかな」

「了解しました、ところで逃げるにしてもどこへ?アテでもあるのですか?」

「それは今ドゥーエにお願いした仕事でね、そのアテに先行して交渉に向かってもらっているよ。いやぁ……世界は広いね、私なんかじゃ足元にも及ばないほどの欲望があるよ。そして、技術力も……狂い方も……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【旧い結晶と無限の欲望が交わる地死せる王の下、

  聖地より彼の翼が蘇る死者(使者?)達は踊り、

   中つ大地の法の塔は虚しく焼け落ち

   それを先駆けに数多の海を守る法の船は砕け落ちる】

 

これはカリム・グラシアがレアスキルによる文章、予言だ。

【旧い結晶】【無限の欲望】【死せる王】【聖地】【蘇るシ者達】等といった代名詞が何であるかという話でこの文章の解釈で意見が割れていた。

 

 

ところがだ、ある日突然原文、カリム・グラシアの持つそれに変化が現れた。

 

【旧い結晶と無限の欲望が交わる地死せる王の下、

  聖地より彼の翼が蘇る死者(使者?)達は踊り、

   彼方と交わりし大地の法はその手を取り踊る、

   それを先駆けに蛇の頭は落とされ二頭となる】

 

後半が180度向きを変えた。

大地の法、時空管理局地上本部と考えられているそれが、崩壊のイメージから戦うモノへと移り変わり最後では再生のイメージを持つ蛇で何かが例えられている。

そもそも頭を落とされたのに頭が増えるとは何事か……

予言の後半は、初めの間はわかりやすく思われたが今では逆に解読が難解になって解読班の会議はとてもよく踊っている、無論後に続くのは『されど進まず』である。

 

 

 

そんなところに、まさかの版返しが来た。

時期としてはちょうど三人が匠の隠し部屋から機殻(カウリング)パーツを見つけ、それを購入した日の前後である。

翻訳で更に数日かかったことを考えると後日になる。

 

 

【讃えよ、新たな王の誕生である

 かの者達は才に溢れ、縁に好かれ、そして境地にたどり着いた。

恐れるなかれ、それでも彼の者達は人である、

しかし誠実であれ、

槍を持つ雷電の王は雷の速さで敵を狩り、

祝福と共に夜天の王は都を凍てつかせ、

不屈を伴う星光の王は星を溶かす。

 怒らせるな、彼の王らは自らの力を理解していない。】

 

訳を読んだカリム・グラシアは絶句した。

夜天の王、心当りがある。

不屈を伴う………恐らくレイジング・ハート

槍……バルディッシュ?

 

あの三人だ………ッ!!

召集は即座にかけた。

しかし何故王と呼ばれるのか、それが解らない。

いや、夜天の主が王と成ったのは何となくわかったが、国を治めるわけでもないのに………

 

考えがまとまらず、予言書を裏返してテーブルに伏せたところで気が付いた。

 

 

裏がある、深い意味とかではなく、物理的な意味で。

 

【王の誕生を察した無限の欲望は彼方へ、

追うなかれ、そこは全竜の住まう深き深淵、

  覗き混めば魅入られ、手を伸ばせば引きずり込まれる

   王に望め、王らは法の誰よりも深淵を知っている。

    P.S.新しき王の下の蘇りしに古き王の子孫達は集い青春を謳歌する】

 

 

「なにこれ、前代未聞すぎるんだけど……」

カリム・グラシアはその一言を搾り出すように零し、テーブルに突っ伏した。

 

ちょうどそこに三人を連れたシャッハ・ヌエラが戸を叩き、カリムが虫のような声で入室を許可し、

 

「カリムーきたで……ってわぉ……カリムがそんな姿勢でお出迎えとは珍しいな~」

「これが真面目にしていられますか!!なんなんですか、あなたたちは!!予言の内容が二転三転するなんて前代未聞です!!」

 

ガバッと体を起こし、手の中に持っていたそれをテーブルに叩きつけて叫ぶ。

 

「そしてなんですか、これは!!P.S.ってなんですか!!」

「追伸ゆーてついでに、とかそんな感じやな」

「そんなことは分かっています!!なんで予言にこんなものが付いたのかって話です!!」

「私らに聞かれてもなー…わかる?なのはちゃん」

「にゃ!?わ、私は見当もつかないよ、フェイトちゃんは?」

「えーっと、これってさ、もしかしなくてもあれじゃない?拡張パーツ」

「「………あ!」」

「心当りがある有るのですか!?」

「うん、なんと言うか、元来の法則に真っ向から喧嘩を売って完全勝利してる集団が地球には居てね、そこにレアスキル【改造】って言うのを持っている幼馴染みが居て、その人が全力趣味で作った追加機殻(カウリング)部品(パーツ)だったかな?それが原因だと思うよ」

「あ!!そうだね、確かに。あれつけてからなんだか調子がいいもんね、火力は大体十割増かな」

「明らかにそれが原因じゃないですか!!それに二倍ってどういうことですか!?

ミッド、ベルカ関わらず、魔導師が数%の効率上昇のためにどれだけ苦労していると………ッ!!」

「カリム、落ち着いて。言いたいことは分かりますが落ち着いてください」

「そんなこと言われてもな~、あの人らには常識が通じんのや。軌道エレベーターを容易く作るわ、安価で宇宙開発を始めるわ……なんでや!!ってツッコミももう出なくなったんや」

 

遠い目であさっての方向を見ながらはやてはなんでや!を繰り返していた。

 

「……はぁ、まあ、いいでしょう。それがこの予言の深淵に関係することでしょうから。

できれば心当たりを教えて欲しいのですが……」

 

カリムは話を路線に戻し、そう切り出した

 

「深淵?うーん、やっぱりあの企業のことかな」

「それ以外考えられないんだけど……」

「確定やな」

 

心当たりがある。そういった反応を見て、カリムはこれで解決だと晴れやかに尋ねる

 

「話がまとまったところで詳しく聞かせていただきたいと思うのですが……」

「……無理や」

「なんでですか!!」

「まずはじめにわかっていることが少し調べれば入手できる内容やから、そしてそれ以上知ろうと探りを入れると気がついたら自宅のベッドで寝ていて一週間前後の記憶が完全に消えているという自体に陥るんや」

「ひどいと幼児退行する場合もあるの」

「私はちょっと遠慮したいかな~……内情を知りたかったら潜入させるといいよ、入るのは門を全開にしてウェルカムだそうだから」

 

話を聞けば聞くほど、どうにも雲行きが怪しい。

 

「それは…無事に「出てこれないの」「まず無理やな」「諦めって肝心だと思うよ」そうですか……」

「ついでに、司法機関が手を入れようとしたら確固たる理由が、確信がないとダメだよ」

「正義感の強い人がなにか証拠を掴んでやるとか言って強制調査に乗り出したんだけど、なんの成果もなく帰ってきたから」

「あ、それ知ってる。その後名誉毀損で訴えたんだっけ?」

「証拠を掴みたかったら町一つをひっくり返すくらいの捜査が必須だそうや」

「え?何その情報」

「あの三人の会話を通りがかりで偶然聞けてな。そのときはまさかと思っとったけど……ホントみたいやな」

 

間違えなく黒の様なのに手を出しても証拠が出ない。

 

それを聞きいつも権力者相手にやっているような気分にさせられる。

そう、カリムが考えたところで、

 

「そうは言っても、死人は一切いないし、けが人も関係者だけでさらにちゃんと危険手当も出している……法律に触れそうな部分が表に一切出てないんだよね」

「裏社会の話になると法なんて有って無いようなものだから……」

「堅気には手を出さへん言うとったで」

 

三人の話を聞いていると、どんな組織なのかわかったような気がした。

 

「それは……マフィアというものですか?」

「違う……ね。言うなれば研究命の狂人の集い、っていうのが最もふさわしい言葉かな」

「本物は知らんのやけど、マフィアと比べると表面はまともで、中身は怪物やな」

「触らぬ神に祟りなし、だよ」

「しかし、それだとこの【無限の欲望】と言う者に逃げられてしまいます!!」

机を叩き、立ち上がってカリムは訴えかける。

 

「確かに、自分の手で捕まえてやりたいと思うけど、そこは大丈夫だと思うな」

「犯罪者はまともに受け入れられないからね」

「潜伏していた犯罪者はうっかり危険な機械を触って爆散した。余りにも悲惨な状態だったので、処理させてもらったってことにして地下で実験動物にされることに……なーんてなるか…も?

……なんで距離をあけるの!!」

「フェイトちゃん、考え方が過激だね」

「流石にその発言はないわ」

「ひどい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、これで全ての証拠は用意した。誰かがこの施設に踏み込む、もしくはそうだな、地上本部の公開意見陳述会の時にでも一斉に流れるようにしようか……ああ、肩の荷が下りた気分だ。久し振りだねこんな気分は!!素晴らしい未来が見えるよ」

「ドクター、そっちが終わったのならこちらを手伝ってください。ドクターの研究成果や資料は数が多すぎて携帯端末に写すのが大変ですよ」

「ウーノ姉ぇー、こっちの携帯端末もう一杯に成っちゃったよ~次のどこ?」

「十四番のロッカーに……「そこはこれで最後だ」なら47番のロッカーよ」

「わかったー」

「はぁ……少し位は残していっても良いのでは?」

「良くないよ、これはまだ未完成の研究内容なんだ、未完成のまま投げて、さらにそれが衆目にさらされるなんて冗談じゃない!!」

「そう言えば、これはなんの研究何ですか?見たことが有りませんが」

 

ウーノは一つのデータを画面に映してジェイルに尋ねる。

 

「断片じゃ分からないかもね、これは逃亡先の受け入れ課題なんだ。これができない限り身内と扱わないと言われてね、機人(サイボーグ)のメンテナンスを行うナノマシンなんだけど、どういう形にしたら正解か解らないんだ。注射するのが一番簡単なんだけど………量産と言う言葉が引っ掛かってね」

 

「はあ、でもその様なものが出来れば私達のメンテナンスも楽に成りますね」

 

「……………ック……ククク、それだ!!なんだ、そう言うことだったのか確かにそうしないと余計な手間がかかる。何より……家族(みうち)を大切にできない奴が身内(かぞく)として迎えられるわけだないということか!!」

「え?あの、ドクター?」

「簡単なことだよ、わざわざ家族を定期的に整備するなんて、整備する方もされる方も手間で負担でしかない、そんな時間はないほうがいいし、何より、娘に息子、内緒にしたいことも出るだろうと考えると確かにこれは素晴らしい!!ウーノ、出発予定まで残りどれくらいかな?」

「はあ、あと三日と二時間ほどですが」

「良し、十分すぎる時間だ。娘達(ナンバーズ)息子達(カラーズ)も出発の準備をしたら面倒がない程度に好きにしていていいよ。私はこれから最終調整に入る。せっかく移してもらったけど、ここからここまでのデータを移した端末はフォーマットしてこっちに寄越してくれ」

「それならまだ移していませんから、どうぞ、空の端末です」

「うん、ありがとうウーノ、下がっていいよ」

一礼し、部屋を出て行くウーノに背を向けたまま、ジェイルは施設を機動させてゆく。

 

 

 

 

「クッハハハハ!!テンション上がってきたぁ!!!!」

閉じたドアの向こうから聞こえてくる叫び声を聞き、ウーノは一言。

 

 

 

「ドクターが壊れた」

その後ぼそっと元からかと言ってしまったのは秘密だ。

 

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