現在寮の俺の部屋。最近は平日でも俺の部屋が侵略されている。椎名はもうかなりの数のラノベを読み、たまにアニメで見たセリフを言ってしまうまであった。この間いつもの抜けた顔で「やっはろー、です」と言われた時はまじでどうすりゃいいのか本当に困った。
そして今日も俺の部屋でアニメを見ているわけだが……。
「……っ、…………っっ!」
椎名さん、泣いてます。『クラナド』見て泣いてます。時々「渚さん……っ!」とか言ったりしている。あの椎名を泣かすとは流石だ。というかこの様子だとk〇y作品は基本泣くんじゃないだろうか。やはり彼女は感受性が高い。まあ、俺も感動したよ? 泣きはしなかったけど……。
というか椎名が気になって全くアニメに集中できない。
ようやく見終わり俺はやっとかと脱力した。
「なあ……大丈夫か?」
「……はいっ……ごめんなさい」
「いや、良いんだけどさ……」
俺は椎名を洗面所に行くように促した。まともに顔見れなくてずっと顔を背けてたよ。
すると椎名は戻ってきた。
「すいません失礼しました。とても感動しちゃって」
「そうか、それは良かったね」
「はい、これを見ない人は人生を捨ててますね」
「そんなに良かったのか……?」
まあクラナドは人生とまで言われてるからな。
てか君も俺が紹介しなきゃ絶対見ないだろうから。人生捨てかけてたんじゃないのか?
「はい。安藤君こちらの原作はないのですか?」
「んー、ないこともないと思うけど……。これはゲームからアニメになったからなー」
「そうですか、ゲーム……。安藤君がやってるようなものですか?」
「そうだな、中学の時はやってたかな……」
確かあのときは面白そうなギャルゲーを片っ端から手をつけてたからな。今は普通にドラ〇エとかメジャーなゲームしかやってないな。
あ、そういえば―――――
「今日、新刊の発売日だ……」
あ、俺の隣にいる子の雰囲気が変わった。失言だったな今のは。最近の椎名はこの状態になるとめっちゃ近くなる。最初の頃よりも断然。というか、普段一緒にいる時も肩が触れるぐらい近い。確か、一之瀬さんたちに椎名を紹介してから近いんだよな、何でだろ。当初、椎名の柔らかい所が色々当たって、俺の理性がやばかったので離れてくれるよう頼んだのだが、シュンとする椎名が見ていられなかったので許容することにした。1週間もしたら慣れるだろうと考えた俺をひどく後悔した。
「行きましょう……!」
「そうだな、行くか」
テレビの電源を切り、俺は軽く伸びをした。
もうすぐ夏休みだな。あ、その前に期末テストだ……。嫌なこと思い出した。
また勉強三昧と思うと憂鬱になる修永だったが、椎名と勉強できるなら良いかと思った。
部屋を出ると6月特有の梅雨のジメジメが身体を襲う。暖かくなったとはいえ、これはなんとなしにだるくなってくる。
「晴れてよかったな」
「そうですね、最近はずっと雨続きでしたから。湿気で私の小説がふにゃふにゃになってうんざりしてたんです」
「そうだな、昼も教室で食うはめになったし……」
あれは騒がしくてたまらなかった。
てか女の子は髪の毛とかを気にするもんじゃないのか……。そこで本の心配するとは流石椎名クオリティー。
本屋でラノベの新刊を購入した俺と椎名はケヤキモールのカフェにいた。
「もうすぐ期末テストですが、勉強は進んでいますか?」
「おお、やってるよ? 余裕余裕」
「やってないんですね……」
椎名は溜め息を吐いた。というか何故ばれたし。
「また勉強会をしましょうか」
「それはいいが……椎名は自分の勉強は良いのか?」
「私は授業を聞いていればテストはできます。ですが、私には安藤君を監督する義務がありますから」
「俺は選手かなにかなのか?」
まあ椎名になら喜んで監督されるけど……。
「あっ、安藤君に椎名さんだー!」
不意にカフェの入り口から名前が呼ばれる。入口を見ると、一之瀬さんがいた。
一之瀬さんはレジに向かいカップを持って俺たちの隣の席に座った。
「こんにちは。安藤君、椎名さん!」
「こんにちは。一之瀬さん」
「どうも……」
「今日? は1人なのか?」
「ううん、これから友達と買い物に行くんだけど、早く来ちゃったからここで時間潰そうと思って」
「そういうことでしたか」
一之瀬さんと椎名は雑談を始めた。この間紹介した時はあまり仲良さそうに見えなかったが、どうやら杞憂だったみたいだ。俺はちょっとと言ってトイレに向かった。
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安藤君がお手洗いに行った後一之瀬さんが私に詰め寄ってきました。
「な、何でしょうか……?」
「私、気になってたんだけどさ。椎名さんと安藤君っていつから付き合ってるの?」
「はい……?」
一之瀬さんは何を言ったんですか。私と安藤君が付き合っている?
「あの……別に安藤君とは交際関係にあるわけではないのですが……」
「えーー!? 2人って付き合ってないの?」
「はい、まあ」
一之瀬さんは目を丸くして心底驚いているというのが見てとれます。
「あの、他人から見れば私たちは、その……付き合っている様に見えるのでしょうか?」
「いや、まあ。というか、あれで付き合ってないってのはさすがに……」
そうなのでしょうか、安藤君とは普通に仲が良いだけだと思いますが。
「椎名さんは安藤君のこと好きじゃないの?」
「好きですよ? もちろんです」
「あぁ……なるほどねえ」
一之瀬さんは苦笑いをしました。
「そうだ、ねえ椎名さん。連絡先交換しない? 私椎名さんと友達になりたいな。BクラスとかCクラスとか関係なくさ」
「……そうですね、私も嬉しいです。よろしくお願いします」
「本当? やった。じゃあさこれからはひよりちゃんって呼んでいいかな……?」
「良いですよ、となると私も下の名前で呼ぶべきでしょうか?」
「うーんそうだね、強要するわけじゃないけど、私だけ下の名前で呼ぶのもね……。距離感じちゃうし。ひよりちゃんとは対等な友達でいたい、かな?」
なるほど、そういうものですか。ただ、龍園君は彼女を敵視していますし……。
「わかりました。帆波さん、と呼ばせていただきます。一応Cクラスの面子もありますから、時と場合に依るかもしれませんが……」
「ありがとう! そうだね、Cクラスの子がいるときは前と同じように呼ぶよ!」
いえ、できればそういう時は話しかけないでほしいのですが……。まあ龍園君に何か言われたら、Bクラスの内情を探っているなどと言っておきますか。
すると安藤君がお手洗いから戻ってきました。
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トイレから戻ると一之瀬さんが椎名に楽しそうに話掛けていた。椎名の方も別に嫌って雰囲気ではない。
というか、2人とも下の名前で呼び合っている。俺がいない間に何があったんだ。
まあ、仲良くなったのなら別にいいか。
俺が戻ると一之瀬さんは「もう行かなきゃ」と言ってカフェから出て行った。それに倣って俺たちも帰宅することにした。
ケヤキモールを出ると、雨が降っていた。
「まじかよ……さっきまでめちゃくちゃ快晴だったのに……」
「本当ですね、天気予報は晴れだったんですが……」
俺と椎名は深く溜め息を吐いた。
雨は結構な勢いで降っており、本が濡れてしまうので結局コンビニに寄って傘を購入した。俺が2本買おうとすると、椎名にもったいないと止められてしまい、1本だけ購入した。つまり何が言いたいかというと……
「安藤君肩が濡れてますよ。もう少しこちらに寄って下さい」
……こういうことである。わかるだろう? これは俗に言う相合傘というやつだ。
そして今椎名にもう少しこちらに寄れと言われたが、すでに近いのである。具体的には肩と肩が触れ合う距離。これ以上近づけばもう完全にくっつくことになる。そうなってしまえば俺の精神はもたない。
「いや、大したことないから。気にしないでくれ」」
俺が躊躇っていると、椎名は不機嫌そうな顔になった。
「何が大したことないですか……びしょびしょですよ。まったく……」
椎名は呆れるように言いながら俺の方に寄って来た。めちゃくちゃ近いです。なんというか、心底たまりません。
俺が感慨に耽ってると椎名からの追撃が俺を襲う。
「まだ当たってますね。それなら……」
「なっ……椎名さん!?」
「これなら濡れませんね」
椎名は俺の腕に抱きつくようにした、まあ要するに腕組みである。こんなん恋人同士がするもんだろ! まあ椎名は無自覚でやってるだろうけどさ! 本当天然って怖い!
結局寮に着くまでの間僅か10分もなかったが、着いた頃には俺はすでに瀕死状態。
今日購入したラノベをだしに、なんとか椎名を部屋に帰すことができた。
部屋に帰ってきてベッドに倒れ込んだ俺はめのまえがまっくらになった。
感想見て結局超大幅に改稿した。実際帆波との繋がりが欲しかっただけだしね。最初の方見た人は本当すいません。
一成「短くない?」
作者「原作関係ないと、ちょっと」
一成「気抜けてるんじゃないのか?」
作者「そうだな、このコーナーなくせば、その分増えるかもな」
一成「あ、待って嘘です冗談ですごめんなさい!」
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