high school D×D 〜仮面ライダードラグナー〜   作:ドラゴンズネスト

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ep.001

「何、この状況?」

 

 とある理由から彼、『天宮 四季』が足を運んだ廃墟……そこには、

 

「ぐがぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 人の上半身に蜘蛛の下半身を持った怪物が居た。……四季の知っている者とは違って生々しい……と言うか生物と言う外見を持った怪物が咆哮を上げていた。

 まあ、其処までなら四季としてもさっさと倒してしまうという選択肢を取る所だろう。だが、怪物の目の前には腰を抜かしている一人の少女。

 

 

 ―キィィィィン!―

 

 

 その状況に戸惑いを覚えていると四季の耳に耳鳴りの様な音が響いてくる。ふと、鏡を覗き込むと東洋の伝説に語られる蛇の様な体を持った機械的な赤いドラゴン……『無双龍 ドラグレッダー』が居た。

 ドラグレッダーの隣に居るのは同じ契約モンスター、蝙蝠型のモンスター『ダークウイング』とミノタウロスを思わせる牛のようなロボットの様なモンスター『マグナギガ』の姿も其処には有った。

 このミラーモンスター達は原典に存在する者達とは違い契約者を襲ったりはしないが、腹減ったと言う飢えた子犬の様な目で絶えず見られているのだから、流石に勘弁して欲しい。

 

「こいつ等の腹が減ったって言うから食事に来たら……獲物が食事中って所か」

 

 吐き捨てる様に言い切る。人が家畜を食べる様に、吸血鬼が人から血を吸おうが、人をくらう化け物が人を食べ様が、それは一つの食物連鎖……その辺については納得しているが、気に入らないものは気に入らない。何より、女の子を襲っている怪物など、四季にとって気に入らない事この上ない存在だ。

 

「つー訳だ。運が無かったな、はぐれ」

 

 四季に獲物として目を付けられた事、四季の目の前で女の子を襲っていた事……或いはその両方か? どちらにしても、目の前の化け物……『はぐれ悪魔』と呼ばれる存在は運が無かったとしか言えない。

 

 四季はゆっくりと鏡へと片手を翳し、

 

「変身!!!」

 

 その姿を変える。右腕にはドラグレッダーの頭を象った『龍召機甲ドラグバイザー』を付け、騎士を思わせる甲冑を纏った姿……人であって人で無き異形の騎士『仮面ライダードラグナー』へと変わる。

 カードデッキから抜き取ったカードをスライドさせたドラグバイザーに挿し込み、再びもとの位置に戻す。

 

 

 『ADVENT』

 

 

 鏡の中から飛び出してくるのはダークウイング。それが背中に装着されると、マントを纏った騎士の様な姿へと変わる。ドラグナーが地面を蹴ると同時にマントはダークウイングの翼へと変わり、飛行能力を与える。

 

(……蝙蝠の翼って言うと悪魔……いや、絵的には吸血鬼の方が近いか、これは?)

 

 翼を羽ばたかせながら彼はそんな事を考えてしまう。

 

 廃墟に飛び込むと同時にドラグナーが拳を振り抜くと壁を突き破りながら、ドラグナーの拳がはぐれ悪魔の顔面へと叩き付けられ、そのまま頭部が地面へと転がる。残された体も力なく地面に倒れる。

 

(弱っ!? っと、あの子は?)

 

 殴り飛ばした手ごたえの残る手に違和感を覚えつつ、予想以上のはぐれ悪魔の弱さに驚きながらも、被害者の少女へと駆け寄る。

 

(良かった、怪我は無いみたいだ。命に別状は無い……気絶しているだけか)

 

 気絶しているだけと言うのは二重の意味で幸いだった。一つは彼女が生きている事、一つは目の前の惨状を見せずに済んだ事。

 

「っ!?」

 

 そんな中、ドラグナーが後ろを振り向くと同時に背中からダークウイングが外れ、背後から迫ってきていた頭を失ったはぐれ悪魔の体を弾き飛ばす。

 

『フシャー……よく気が付いたな』

 

 蜘蛛の様な下半身に口が現れ、そこから声が聞こえてくる。

 

「本体は下半身の方だったか。通りで手ごたえが無いはずだ」

 

 ライダーの力と言っても行き成り頭部が吹き飛ぶのは流石に手ごたえが無さ過ぎる。恐らくは囮だったのだろう。

 

『グゥウウ……よくもオレの食事を邪魔してくれたな、貴様』

 

「食事ね……食物連鎖に意見する気はないけどな」

 

 

『FAINAL VENT』

 

 

 響き渡る電子音と共にはぐれ悪魔とドラグナーの間にマグナギガが現れる。

 

『貴様もそいつも、硬そうで不味そうだな。まああいい、お前を始末してそっちの上手そうな女を食ってやる』

 

「消えろ」

 

 ドラグバイザーを装着した右手をマグナギガの背中へと触れると、何の抵抗も無く彼の右腕はマグナギガへと吸い込まれていく。それと同時にマグナギガの全身が開く。右手から伝わるグリップとトリガーの感触。ドラグナーは躊躇無くそのトリガーを引く。

 

「エント、オブ、ワールド」

 

 ドラグナーの宣言と同時に打ち出されるマグナギガの全身に装填された大量のミサイル。その光景に思わず言葉を失うはぐれ悪魔。確かに科学の力では悪魔は殺せないだろうが……物には限度と言うものが有る。

 視界を覆いつくすほどの大量のミサイル。小型とは言っても明らかに対軍用の兵器に分類されるほどの数を打ち込まれれば、無事で済むわけがない。……序でにそのミサイルも普通の兵器では無いが、そんな物ははぐれ悪魔には関係ない。

 

「ぎ……ぎぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 オーバーキルと言うレベルの爆発音にかき消されたはぐれ悪魔の悲鳴が響き渡る。

 

「……取り合えず、食事が体のほうじゃなくて良かったな」

 

 はぐれ悪魔どころか廃墟の半分を含めて跡形の無くなった光景を眺めつつ、ドラグナーはそんな事を呟く。

 はぐれ悪魔の存在した跡に残った光の球体をドラグレッター、ダークウイング、マグナギガの三体が喰らっている。その光の球がミラーモンスター達の食事なのは分かるが、それが何なのかは深く追求はしない。……考えたら色々と怖い想像に繋がりそうなので。

 

 食事を終えて本来の住処であるミラーワールドに戻っても良いと言うのに、ドラグナーを護衛するように留まり続けているモンスター達を横目に、変身解除の意思を込めてバックルからデッキを外す。

 鏡の割れる音と共にドラグナーの姿が砕け、四季の姿が現れる。半分以上砕けた事で外からの月明かりが射し込み、彼女の姿が見えるようになる。眼鏡をかけたショートカットの少女。

 

「んっ……」

 

 安全な所に移動させようとした瞬間に運悪く眼を覚ましてしまった彼女と目が合う。

 

「「え?」」

 

 思わず眼が覚ましたことに一瞬行動が停止する四季と、三体のモンスターを引き差連れた四季の姿に唖然とする少女。

 

「あっ、いや……オレは怪しい者じゃな……」

 

「い……いやぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 悲鳴と共に殴り飛ばされる四季。……少々マヌケな構図だが、これが四季と彼女……『朝田 詩乃』との初めての出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ごめんなさい」

 

「いや、気にしなくていいから」

 

 彼女が落ち着くまで待つと廃墟から離れた公園のベンチでそんな会話を交わしていた。支度まで連れて行くと言う選択肢は流石に取れず、落ち着ける場所として選んだのが其処だった。

 

 主に話したのはあの怪物と四季の従えていた三体のミラーモンスターの事……連動して仮面ライダーの事も話すことになったのだが、流石にライダーの事と切り離して説明するのは難しいと言う判断からだ。

 

 四季の手の中に在るのは青いケース状のドラグナーへの変身アイテム『カードデッキ』……表面には龍の頭を模した紋章を中心に右に蝙蝠、左に牛を模した紋章が刻まれている。実益を兼ねたはぐれ悪魔退治に出た先でハグレ悪魔に襲われていた彼女と出会ったと言う訳だ。

 

「……それじゃあ、そんな怪物が居るって言うの」

 

「そっ、全部が全部人を襲うって訳じゃないけどな」

 

 己の欲望のために主を裏切りはぐれ悪魔となった。と悪魔側は言っているが、無理矢理悪魔に転生させられ主の元から逃げた者もはぐれとされる。

 原因のある主のほうでは無く全ての罪を転生悪魔の側に押し付けている悪魔側の判断には憤りを覚えるが、欲の為に主を裏切った者も存在している。

 

 『悪魔が存続するためには貴族達の協力が必要』と言うのが主側に甘い悪魔の支配者階級……魔王の弁だそうだ。

 

 彼女を家に送った後、念の為にマグナギガに彼女の護衛を任せる。同じ学校であった事もあり、命の危機を救った者と救われた者、そんな出会いであった四季と詩乃の間に交友関係が出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな詩乃との出会いから一年が過ぎ、その後も幾つかの出会い……その出会いを切欠にして四季としては色々と不安を覚えたくなる事情も知りつつも時は流れ、四季達は駒王学園の二年生に進学した。

 

 そんなある日の事、

 

「……堕天使が動いていた様だけど」

 

 そう呟いて鏡の中に居るドラグレッダーを一瞥する。

 詩乃や彼女の後に出合うことになった他の友人達も神器(セイクリッド・ギア)を持っていた事から、それを危険視して襲おうとした堕天使を一人、つい先日始末した所だ。

 四季にとって大切なのは身内……詩乃達だけであり、天使だろうが悪魔だろうが、彼女達に害を成すのならば始末するだけ、そう言ってしまうとその堕天使も運が悪かったと言う事だろう。

 ……ミラーモンスター達にとっての食事を得る為に倒す必要が有るのは、はぐれ悪魔だけ出なく悪魔や天使、堕天使も含まれているのだし。

 

「あの女は何やってるんだ?」

 

 思い起こすのは一度だけ接触したこの町を管理していると言う女、『リアス・グレモリー』の事だ。

 何度かドラグレッダー達の餌として駒王町に侵入したはぐれ悪魔を狩っていた時に出会った訳だが、出会ったのはその一度だけで、それ以外は現場で出会うことは無かった。単純に向こうの調査が遅れていて、四季が先に動いただけならばまだ良い。そもそも、戦闘時以外ドラグレッダー達がミラーワールドの中から休み無く動き回って調べている四季の探索能力と比べる時点で間違っている。しかも、理屈は不明だがドラグレッダー達は人外の存在に対する高い嗅覚を持っている。

 

 だが、今回は堕天使の勝手な行動を許している……させている時点で悪くて『無能』、良くて『侮られている』と評するしかないだろう。

 

 堕天使達の行動の結果、悪魔と堕天使の間で戦争になるだけならば四季としては放置しても構わないのだが、堕天使の中から詩乃達を狙った者が出た以上、放っておくわけにはいかない。

 ……最悪、堕天使と言う種族そのものをドラグレッダー達の餌にすると言う事も考える必要がある。

 

 ……どうも堕天使の総督は『神器持ちの人間を殺して無理矢理神器を奪って蒐集(コレクション)している』とか、『神器持ちの人間を誘拐しては研究材料にしている』等と言う悪い噂を聞いていれば多少思考が危険な方に偏ってしまう。

 

「チッ、ここが魔王の妹の領土だから、来る訳がないなんて思ってるんじゃないだろうな……?」

 

 まあ、無能であったとしても被害が四季だけ……それも変身後のドラグナーの姿だけで止まっている以上はリアスの事は現状では無視しても良い。はぐれ悪魔や堕天使の事も、リアスを舐めてはぐれ悪魔が入り込むのも、ドラグレッダー達の餌が寄ってくるという点だけでは益である。

 町の人々全員を守ると言う考えは四季には無い。所詮どれだけ力を手にしても人間である以上、伸ばせる手の数も距離も限られている。その範囲に確実に居るのは詩乃達だけで有って、それ意外は偶然助かる……偶然助けられた者が四季が助けられる範囲に居る、それだけだ。

 

 そんな訳で四季にとってはリアスの対応の遅さは『ドラグレッダー達の餌』を放し飼いにしてくれて居る様な物だから、迷惑ではない。…………流石に『此処は私の領地よ』なんて言って来た時には腹が立ったが。

 

 それ以上考えても仕方ないと断じて四季は鞄を手にとって学園へと向かう。……向こうが手を出したら問答無用で餌にすると、先手こそ譲るが容赦の一切ない決断を下すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに!? 覗き穴を見つけただと!?」

 

「おお、あそこなら絶対に見つからないぞ!!!」

 

「「「うぉぉぉぉぉぉお!!!」」」

 

 そんな事を大声では成している通称『変態三人組』と呼ばれている三人……一見好青年なバカっぽい青年『兵藤 一誠』と、一見爽やかなスポーツ少年と一見真面目っぽい眼鏡君の『松田』と『元浜』。

 

 登校早々そんな絶叫を聞かされるが、関わりたくないと思いながらさっさと自分の席に着く。その言動からその三人の辿る事になる未来を想像しながら溜息を吐く。場所こそ明言していないが、大抵は普段利用している者達なのだからそんな話をされているならば、位置くらいは幾つか予想は出来るだろう。

 

 昼休み、校舎裏に有る木の枝に座りながら昼寝していた四季の耳に絶叫が聞えてくる。

 

 

『待て!!! この、覗き魔共ぉ!!!』

 

 

 声のした方に視線を向けると想像通り大勢の女生徒に追いかけられている三人の姿があった。大勢の女の子に追いかけられるというシュチュエーションはある意味彼等の望んだ状況なのだろうが、殺気に満ちた武器を持った女子に追いかけられると言うのは流石に望んでないだろう……。

 

 四季の居る木の下を三人と彼らを追いかける女生徒達が走り去って行くと枝から飛び降りる。流石にこう騒がしくてはゆっくり昼寝もしていられない。

 

「(屋上にでも忍び込むか)よっと」

 

 三人組と女生徒達と入れ替わる形で枝の上から飛び降りると午後の時間を使って昼寝でもしようと屋上へと足を運ぼうとした時、

 

「それで、何処に行く気なの?」

 

「っ!?」

 

 思わず後ろから聞えてきた声に驚いてゆっくりと其方へと視線を向ける。

 

「し、詩乃さん?」

 

「最近ずっと午後の授業をサボっていて生徒会から注意されてるって聞いたけど……どう言うことか答えてくれるわよね?」

 

「え、えーと、それはですね……」

 

 『私、怒ってます』と言うのがよーく分かる笑顔を浮べている彼女に冷や汗を流しながら後ずさる四季。

 

「刀奈先輩達も交えてじっくり説明して貰うわよ」

 

「ぜっ、全員に知られてる!?」

 

「うん」

 

 思わず見惚れてしまいたくなる笑顔で言い放たれた肯定の言葉に、後者裏に四季の絶叫が響き渡るのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「いてて、酷い目にあったぜ」

 

 フッフッフッ、駒王学園の変態三人組の一人『兵藤 一誠』って言うのは仮の姿……実はオレはハイスクールD×Dの主人公一誠に転生した転生者なんだ!

 残念ながらオレを転生させた神が言うにはオレに与えられた特典は二つ。……だけど、特典は自由に選べなかったし、二つとも転生した後でその内分かるって言いやがったんだ! 未だに何が特典なのか全然わかんないぞ、ちくしょー! だけど運良くオレは主人公の一誠に転生できた。……試してみたら原作どおり、多分赤龍帝の籠手がオレの手に!!! ひゃっほー、美少女全部主人公であるオレの女だぁ!!!

 しかも、遠目で見たらインフィニット・ストラトスの更識楯無までいるじゃないか!? こりゃ、探したら他のヒロインも居るんじゃなかろうかぁ!? 原作異常のハーレムゲットで良い感じー! 今は駒王学園の二年生……もうそろそろ原作が始まるぜぇ!!! テンション、上がってきたぜぇー!!!

 

 そうと決まったら、早く転生特典って奴を探さねば!!! ってか、早く力貸してくれよ、ドライグー!

 

『……え? こんなのがオレの当代の相棒なのか……?』

 

 某所に心底現状を嫌がっているドラゴンが居たとか。

 

 

 

 

 

 一誠(転生者)SIDE OUT

 

 

 

 

 

「ん? どうした、ドラグレッダー?」

 

 ミラーワールドの中に居るはずのドラグレッダーが、何処かの誰かへと同情する様な遠い眼を向けているのが見えた。何故か何処からとも無く取り出した龍騎のカードデッキ……に似たデザインのスマフォを取り出してメールをしている所を見た事があるし……最近、この無双龍の事が良く分からなくなってきた四季である。

 ドラグレッダーが言うには最近メル友が出来たらしいが…………ミラーワールドから電波って繋がる物なのだろうか……?

 

「……まあ、深く考えないで置こう」

 

 刃みたいな爪で器用にスマフォを操作しているドラグレッダーから視線を逸らしつつ、都合が悪くて来れなかった人達の分まで詩乃から最近のサボりについて注意され、罰として今度の休みにデートする様に言われたのだが……。

 

「別にデートなら罰じゃなくてもいいのに」

 

 心底そう思う四季だった。デート費用の全額負担も、デート費用など自分が出しても良いのに、などと考えている辺り罰になっていない。

 

(……そう言えば堕天使の事はどうするかな? 今の現状を考えると悪魔に罪を着せる、って手も出来そうに無いし)

 

 流石に単独で行動しているとは考えづらいために多少は警戒して探していたが、どうしても足取りが掴めていないのが現状だ。幸いにも、堕天使が好んで利用する場所は目星を付けているが、流石に敵対勢力の勢力圏にあるそんな分かり易い所に罠も仕掛けずにいる訳も無いと考えているが、本命には間違い無いと考えている。

 

 すっかりと身近な悪魔側に対する対策を考えていたために忘れていたが、堕天使の方の事も考える必要がある。そもそも、悪魔側の領域で活動しているのだから、始末した所で堕天使VS悪魔の構図で勝手に戦争になるだけと言ってしまえばそれまでだが、現状を考えると色々とそう簡単には言えない。

 

(……難しい事抜きにしてこの町の堕天使の拠点にエンド・オブ・ワールド撃ち込めれば楽なんだけどな……)

 

 確かに跡形も無く吹き飛ばせれば楽だが、それはそれで色んな意味で問題があるだろう。破壊力と規模的な意味でも。

 先ず、廃屋が跡形も無く吹き飛ぶ程度ならば、精々この町を管理していると言っている悪魔側が苦労する程度で済むだろうが、大量のミサイルの爆発音は流石に、こんな町のど真ん中で起こったらこれ以上無く目立つ事だろう。

 第二の問題として敵の数だ。堕天使がどれだけいるか分からないが、全員が其処に居るタイミングで無いと纏めて吹き飛ばす事ができない。生き残りがさっさと本拠地に逃げてくれればいいが、下手に暴走されると面倒な事になる。

 

 前者は悪魔側が苦労する程度だが、問題は後者……敵である堕天使の数とその配下、そして目的を調べなきゃ迂闊に行動できない。

 

「もう少しだけ様子見って所だな」

 

 飽く迄自分の身内に被害が無ければ最悪は放置しても何一つ四季にとっては問題は無いが、それで身内に悲しい顔をされるのがイヤだから被害が出る前に叩き潰す。それだけだ。

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