high school D×D 〜仮面ライダードラグナー〜   作:ドラゴンズネスト

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フェニックス編は主人公達は特に関わらないのでカットとなりました。


ep.005

 先日、ライアの偽者を倒しエビルダイバーを新たな契約モンスターとして契約した後、

 

『なるほど、そのカードは他人の武器をコピーできるのか』

 

「ああ、どうやら神器(セイクリッド・ギア)もコピーできるらしい」

 

 この世界に対応した形に変化した《コピーベント》のカードの能力について、ベルトさんと検討していた。敵によって左右されるだろうが、それでも便利なカードと言えるだろう。

 神器(セイクリッド・ギア)をコピーできると言っても飽く迄『形を持つ物のみ』と言う欠点が有る。

 一誠の持つ赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)はコピー可能だが、木場の持つ魔剣創造(ソード・バース)は作り出した剣だけしかコピーできない。序でに禁手(バランス・ブレイク)も出来ない。

 だが、赤龍帝の倍加の能力や作り出した魔剣の力まで完全に再現する事は可能だ。付け加えるならば、使い手を選ぶ武器でも自由に操れるという利点も有る。それを考えれば有効な武器だろう。

 

『うーむ、便利なカードだが使いどころは気をつけたほうがいいだろう』

 

「使い方によっては文字通り《切り札》になりうるカードだからな」

 

『使う所を見られない様に、と言うのも考えた方がいいだろう』

 

「ああ。今までは手持ちのカードは力押しのカードが多かったからな」

 

『確かに』

 

 パワーで戦うドラグレッダーとの契約で得たカードと、火力で遠距離から吹飛ばすマグナギガとの契約で得たカード。どちらも攻撃力に重点が置かれたパワータイプのカードだ。ダークウイングには分身を生み出す《トリックベント》のカードが有り、コピーベントと合せて大きく戦術が広がるだろう。

 ……ゼール軍団との契約で得たカードもあるが、それはそれ。戦闘要員として考えていないので戦闘目的で呼び出したりはしていない。

 

『それにしても、このラボは素晴らしいな』

 

「まあ、元々は異星の天才科学者の研究施設らしいからな」

 

『ウムム、是非一度会ってみたいものだ』

 

 現在、ドライブピッドから破壊したバンノドライバー以外の品物を全て運び込んだ四季の基地と言える場所、通称『ユーブロンラボ』。

 海外版龍騎である『仮面ライダードラゴンナイト』に登場する仮面ライダーの生みの親である『ユーブロン』の研究施設を完全に再現されたものらしい。流石に科学知識もなくカードデッキのシステムも整備の必要もない為に埃を被っていた場所だが、こうして十分に活かせる相手が仲間になってくれたのはありがたいだろう。なお、転生特典のおまけとして、ベルトさんのコレクションの車がいつの間にかユーブロンラボの地下二階に置かれていたりする。

 ユーブロンとベルトさん、仮に出会ったとしたら間違いなく意気投合しそうな天才科学者達である。

 ……『混ぜるな危険』と言う注釈が着きそうだが、敵の立場としては。基本的に善人の天才科学者二人。

 

 何時の間にか飛び出しているシフトカー達の中で残っているのが、変身用の物だけと言うのは、内心『良いのか?』とも思うが深く考えないようにしている。四季自身ドラグレッダー達には用が無い時はある程度自由に活動して貰っているのだし。

 

『情報収集はシフトカー達も協力してくれる』

 

「となると、ゼール達は詩乃達の護衛に廻って貰うか」

 

『見つかる危険が無いと言う点では彼らの方が優れてはいるが』

 

 現実世界で活動するミニカーとミラーワールドから監視できるミラーモンスター。どちらが見つかりにくいかは後者の方だろう。……ミラーワールドを認識できるのは今のところ四季だけだ。

 

『ところで、君の言う“オカルト研究部”の様子を探っていたシフトカーからの連絡なんだが、彼女達が非公式のレーディングゲームを行なうらしい』

 

「非公式?」

 

 ベルトさんの報告にそんな言葉を返す。少なくとも四季にとってレーディングゲームは興味が無い。自分達に対して影響がなければ気に留める必要もないだろう。だが、非公式と言う点は気になるが、練習試合でもするのだろうと軽く考えていた。

 

『彼女達の主であるリアス・グレモリーの婚約を賭けて行うらしい』

 

 ベルトさんが言うにはリアス・グレモリーに居た婚約者である『ライザー・フェニックス』との結婚は元々彼女が大学を卒業した時に予定していたらしい。その予定は変わらないが、何故かこの時期に婚約を賭けたゲームを行なうと言う話だ。

 

『来月辺りに正式な婚約発表を行なうから、と言うのが受けた理由らしい』

 

「あー……」

 

 恐らく魔王を排出したグレモリー家と強力な回復薬『フェニックスの涙』の販売で利益を挙げているフェニックス家との結びつきが強くなると言うのが面白くない反対派の貴族達に対する牽制も込めての早めの婚約発表なのだろう。

 ……反対派の貴族側は当のリアスが嫌がっている事を良い事に、善意と言う顔をしてリアスをバックアップする心算なのだろうが、婚約を推し進める側が先手を打って禄に眷属の揃っていないこの時期に正式な婚約の発表を決定したのだろう。

 

「まあ、こっちには無関係、このまま無関心で通したいな」

 

『君がそれでいいのなら、私もこれまで通り監視だけに留めておくが』

 

「オレはレーディングゲームに興味ないからな」

 

 付け加えるのなら、リアスにもその眷属達にもだ。

 

「それに、近い将来、悪魔側とは敵対する予定なんだ。下手に手の内を見せるのも不利になるだけだ」

 

『確かに一刻も早く動く必要が有るのだろうが……君の言う通り魔王まで出て来る可能性は』

 

「高い、だろ?」

 

『その通りだ』

 

 ベルトさん自身四季の行動では確実に魔王も動いてくるだろうと考えている。そして、四季がその道を選ばないと言う選択を獲らないと言う事も。そもそも、そんな選択肢を取るのならば最初から詩乃にも刀奈にも関わってなどいない。

 ……純潔の悪魔とその眷属を殺した人間など、そこに如何なる理由があったとしても悪魔側としては放置しては置けないだろう。最終的に魔王にも『戦えば高くつく相手』と思わせるしかない。

 

「二枚のサバイブ……せめて『無限』のカードが有れば」

 

『……君はウロボロスにでもなる気なのかね?』

 

「いや、ドラゴンと蝙蝠に不死鳥を上乗せ」

 

 四季の言う無限とは《サバイブ『無限』》のカードの事を指している。龍騎世界最強のライダー『仮面ライダーオーディン』の持つ強化カードの一枚。龍騎とナイトの契約モンスターと契約しているドラグナーには既に烈火と疾風のカードが有るが、

 

『……無限の龍神ならぬ無限の不死鳥か。この世界の無限の龍神と何か繋がりでも有るのだろうか?』

 

「案外、ミラーワールドのウロボロスは不死鳥、ゴルドフェニックスだったりしてな」

 

 二人して『まさか』と言って笑い合う四季とベルトさんだった。四季も知る限りでは最強クラスのミラーモンスターなのだから、戦力として欲しているが流石に無限の龍神程の力は無いと考えている。

 …………『仮面ライダーオーディン』としてその無限の不死鳥『ゴルドフェニックス』と契約していたのだから、ゴルドフェニックスが無限の龍神と同等の力が有るとすれば、事実上カードデッキはミラーモンスターであれば、無限の龍神(クラス)の力を持つ存在(モノ)とも契約できる事になる。

 それは下手をすれば人間の作った道具が、聖書の神が作った神器(セイクリッド・ギア)を超えていると言う事にもなりかねない。……ミラーモンスター限定なので別に超えていても構わないが。

 

 次点では『獣帝ジェノサイダー』であるが、其方は既にエビルダイバーと契約しているので、残るは頭と体を構成する二体のモンスターと契約が必要だ。

 

『私も君の力に慣れれば良いのだが……』

 

「まだオレがベルトさんの力を借りるには危険だからな……」

 

 転生者の転生特典である以上、どんな仕掛けがされているか分からない。故に当面はドラグナーとして戦っていくしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなベルトさんとの話し合いや研究を助手として手伝った翌日、教室の中に一誠とアーシアの姿がない事に気が付く。恐らくリアスの婚約を賭けたレーディングゲームの為の特訓に行ったのだろう。間違いなく他のクラスの木場や小猫、朱乃と言ったオカ研のメンバーも休んでいるのだろう。

 

(暫くは安心してはぐれ悪魔狩りが出来るな)

 

 そんな彼らを見て暫く楽になると考えながら授業へと意識を向ける。……四季がそんな事を思ってから約十日……。

 

「……えっと、オレはどう言うリアクションを取れば良いんだ?」

 

「うん、言いたい事はわかるけど、家の前に倒れてて……」

 

 心底困った様な表情を浮べる詩乃と頭痛を堪えている四季。二人の目の前には……ホスト風の男が倒れていた。

 

 四季は目の前に居る男の事を知っている。『ライザー・フェニックス』、上級悪魔でフェニックス家の三男。“元”リアス・グレモリーの婚約者だ。

 元と付くのにはレーディングゲームで負けたからである。禁手(バランス・ブレイク)へと至った一誠が十字架と聖水を武器に戦ったとか。片腕を禁手の対価としてドラゴンに変えた事でそれらに対する悪魔の持つ弱点を軽減させたらしい。

 考えてみれば外見が変わらないのならば、ドラゴンの腕と言うのはメリットになる面もある。

 

 ……ゲームの内容は興味は無いが、何故かそんなライザーがボロボロになって倒れていた、道端に。しかも何故か四季の家の前。

 見なかったことにしてドラグレッダーの餌にすれば後腐れも無いだろうが、流石に事情も聞かずに餌にするほど外道ではない。

 

「おーい、起きろー!」

 

 そう呟きながらつま先で蹴飛ばすと、

 

《グゥ~》

 

 誰かの腹がなった。思わず互いに顔を見合わせる四季と詩乃だが、

 

「た、頼む……何も食べてないんだ……」

 

 続いて聞えてきた弱々しい声。本気で息倒れだったらしい、この上級悪魔。

 

 

 

 

 

「で、一体何が有ったんだ? 悪魔の貴族だろ、あんた?」

 

「うっうっ、実は……」

 

 食事を与えて事情を聞いたところ……(悪魔の事は知っていると説明済み)、泣きながら何故こうなったかと語りだすライザー。

 何でもレーディングゲームに負けた後、大切な眷属を全員一誠に寝取られて(表向きは妹の眷属へのトレード)ライザーはフェニックス家を追放されたらしい。今では彼の元眷属は一誠の家に住んでいるとか。

 自棄になってこの町にいる一誠に再戦を挑むもあっさりと返り討ちに合い、何もかも失いボロボロになって丸一日彷徨っていた結果、行き倒れになっていたそうだ。

 

「苦労したんだな、一日に其処まで落ちぶれるなんて……」

 

「分かってくれるのか!?」

 

 思わず身の上に同情すると感極まって泣き出すライザー。四季はそんなライザーに苦笑いを浮かべつつ詩乃に視線を向けると、可哀想だから助けて上げてと言う視線が返って来る。

 

(……実戦経験が有る上級悪魔、それもフェニックスに赤龍帝とは言えなりたての転生悪魔が勝った? しかも、二度も?)

 

 改めてライザーからその話を聞くと疑問に思う。仲間の存在や戦術も考えるならば勝機は有るかとも考えていたが、どうもこれまで調べた一誠の悪魔への転生の経緯と合せて考えるには違和感がある。一度目は相手の弱点と己のドラゴンの腕と言う利点を利用した結果なのだろうが、問題は二度目の勝利だ。

 

(純粋に実力だけで勝った? 有り得ない、経験値が違いすぎる、才能と言い切るには短すぎる)

 

 十日程度の特訓で強くなれれば苦労はしない、ゲームではないのだから。敵を倒してレベルアップ等と言う便利なシステムは無い。初級から中級程度の堕天使に殺されて転生悪魔になってから、一月も経たずに上級悪魔に一騎打ちで勝つなど有り得る話ではない。

 例え天才と言えどその才能を開花させるには短すぎる。一度目の勝利は己の腕を犠牲にした禁手と、ドラゴンの腕の利点と悪魔の弱点を突いた戦術……格上の相手に対して身を削っての必死の努力の痕が見える。二度目の戦いとは明らかに違う。

 

(……別人みたいだな)

 

 まるで、一度目の戦いは力の足りない別の赤龍帝が格上のライザーに勝つ為に必死に模索して努力したとしか思えない。

 

「……どう思う?」

 

「別の人が同じ力を持ってて、同じ相手と戦う為に考えたとしか思えないわね」

 

 詩乃の同意を受けて考えすぎでは無いと認識する。出来れば刀奈の意見も聞きたいところだが、現在彼女は此処には居ない。

 

(あの変態、警戒する必要が有りそうだな)

 

 ライザーの話を聞いているとそう思えてくる。明らかに実力を隠して強力な神器を持っているだけの一般人と言う演技をしている正体不明の相手。警戒するには十分過ぎる肩書きだ。

 

「それで、あんたはどうするんだ?」

 

 流石に何時までも此処に置いておくわけには行かない。一応、将来の仮想敵の所属なので。そう考えながらライザーに問いかけるが。

 

「ああ、それなら」

 

 ライザーが言うには隣町には眷属にも秘密にして購入した彼名義の人間界用の別荘があるそうだ。そこには財産も蓄えているので暫くは暮らせるらしい。

 隣町までの交通費と駅までの地図を渡すと、食事と交通費の礼だと言って『フェニックスの涙』を一瓶渡されたのだった。

 

「詩乃、念の為学校じゃ……」

 

「分かってるわ、オカ研のメンバーには絶対に関わらない様に、でしょ?」

 

「頼む」

 

 明らかに怪しい赤龍帝とその仲間であるオカ研。本格的にオカ研との接触は避けるべきだろうと判断した。

 

(戦力はまだ不安は有るけど、そろそろ本格的に動くか……)

 

 

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